クリスマス特別配信の背景
メリークリスマス 英語の語源が身につくラジオ
heldio personality 英語史研究者の堀田隆一です。
今日はクリスマス特別配信ということでですね、 今私、ニュージーランドは南島のダニーレンにおります。
そのファーストチャーチ、最初の教会ですね。 こちらのベンチに腰掛けながら収録しております。
こちらですね、クリスマスの日のお昼ぐらいなんですけれども、 非常に静かでですね、この教会の敷地もほとんど誰もいないですかね。
街も動いているような動いていないような、 まあほとんど動いていない感じですね。
ちらほらと観光客の方が歩いているということで、 鳥の声がですね、入っているかなと思いますが、
の方がやかましいというような感じで、 静かなクリスマスを過ごしております。
さあ、クリスマスとしては非常に静かなんですけれども、 2日前、23日にモンドで回答しました。
いただいた質問とそれに対する回答を合わせて、 モンドですけどね、このモンドがですね、大変注目されておりましてありがとうございます。
こちらニュージーランドのお昼現在で14.3万インプ、 X、旧ツイッター上での数字なんですが、
多く拡散されているということでですね、 こちらもう少し伸びていく可能性もあるかなと思うんですけれども、
非常に多くですね、コメント、リプライといただいておりますので、 今日はクリスマス特別配信というのもあれなんですけれども、
こんな静かな日なんで、いつもお仕事としているですね、 図書館とかいろんな場所も閉まってしまってですね、
手持ちぶさたというところもありまして、 この教会の敷地でですね、ゆったりしているっていうところなんですよね。
曇り空なんですけれども、まあまあ寒くはないですかね。 15、6度というところで、
このニュージーランドの南、12月、 日本でいう6月ぐらいに相当するはずなんですが、こんなもんなんですよね。
そんなに暑くはならないっていうところなんですけどね。
nowadaysの語源解明
こちらですね、どういう質問だったかと言いますと、 nowadays これ、最近とかこのごろっていう、そんな意味を表すんですが、
よく単語を観察するとですね、「あ」が入っていると。 これ不定漢詞1を意味する、「あ」ではないか。
その割にはですね、語末が「ず」、days ということで複数形のsが入っている。
これはどうしたことか、矛盾ではないかというような質問をいただいたんですね。
それに対してですね、これは実は nowondays これが縮まったもので、最初の不定漢詞、「あ」に見えたものは、実は
on という前置詞で、これが弱まった形なんだっていうことなんですね。 さらに語末のsなんですけれども、
これはですね、起源的には複数形のsではなく、 所有格のsですね。
小英語、中英語では俗格ということが多いんですが、 現代で言うところの、いわゆる apostrophe s などに代表される、あの所有格ですね。
これに由来するということでですね、
問題が語源をたどることでですね、解決するというような、そういった質問だったんですね。
プラスですね、もう一つ付け加えの質問として、同じような意味の語、つまり最近を意味する単語に recently がありますが、なぜ nowadays は現在形に、
recently は現在完了形に使うという、進み分けがなされたのでしょうか、ということでしたね。
こちらですね、あのいただいてから少し考えてですね、クリスマスに向けて投稿したというところだったんですが、
おととい昨日、そして今日、今朝あたりまでで、大変多くの方にお読みいただいております。
まだですね、こちらご覧になっていないという方は、直接リンクを貼っておきますので、こちらからご覧いただければと思います。
さあ、たくさんですね、文章自体というよりも x 上で拡散したということでですね、そちらの方にリプライを届いております。
全てではないんですけれども、私の目に留まったものについてですね、ご紹介していきたいと思います。
まずですね、seiji さんでしょうか、asleep や alive とかと同じ赤ということなんですね。そうなんですよ。
asleep とか alive とかですね、across とか、結構多くの単語にですね、あの含まれているこのあ、誤答のあですよね。
これは何なのかということなんですが、このモンドの回答を読んでいただけるとわかるようにですね、これあの音が弱まった形なんですということで、今回の nowadays のあなんですが、他にも実は結構調べるとありますよということなんですね。
語源辞典であるとか、大きめの英語辞書ですね、和辞書などをお持ちの方はですね、ぜひあに、だいたいハイフンがついていることが多いですかね、窃盗辞のあ、これも実はいくつかあるんですね。
窃盗辞のあにもいくつかあるんですが、そのうちの一つとしてですね、この音が弱まった形というものがありますので、辞書等を除いていただけるとですね、いろいろ例が上がってくるんじゃないかと思いますね。
ありがとうございました。そして、アマノユミさんです。ありがとうございます。字幕翻訳者の方で、最近コメントをいただいたり、このヘルディをお聞きいただいたりして、貴重なご意見、コメントをいただいております。
今回も寄せていただきまして、あ、だけど漢詞じゃない。s、だけど複数形じゃない。英語のスペルって漢字と違って法則性がないように感じるけれど、一つ一つひも解いてみると、単語にも歴史が感じられて面白い。
使い分けの話も翻訳でよく言う。意味がわかったら終わりにしないで、ニュアンスの違いまで辞書で確認しろの典型例ですね。
ということで、最後の部分はまさに翻訳で突き当たる、翻訳通訳などで突き当たるような問題に触れていらっしゃいますね。
言語の法則性とその重要性
そうなんですよ。歴史を見るとですね、解決するっていうことは英語のみならずですね、言語の不思議って結構そこ大きいんですね。
学問分野としての英語の歴史っていうと、かなり固く見えるんですね。漢字3文字ですしね。
3文字目に死があるとちょっと構えてしまうという方もいらっしゃる。固めのイメージが非常に強いかと思うんですが、私このイメージを払拭したいなというふうにずっと思ってですね、このヘルディオでも英語史をお茶の間にと述べているわけなんですが、
一番こう柔らかく、固いイメージがあるので柔らかくしたいわけなんですが、その柔らかくするのにですね、一番効果的なのはこのような素朴な疑問にだいたいわかりやすい答えを与えてくれるというのは英語史という分野なんですよ。
英語を扱う学問分野はいろいろあって、一番広くは英語学と呼んでいるんですね。英語学の中にも階部門っていうのがあるわけなんですが、その一つに英語史があるんですね。
おそらくこれは非決めではなくですね、私が英語史をやっているということで、そこは差し引いてもですね、やっぱりこうした英語の素朴な疑問に答えるのがダントツで得意なのが英語史なんですよ。
そういう分野として見ていただくと入り口として非常に柔らかく感じられて入っていきやすくなるのではないかなと思って、こういう問答であるとかですね、素朴な疑問を英語史の観点から解いてみるということをやっているんですね。
もちろんそこは入り口でですね、英語史は本当に深い領域です。英語の素朴な疑問を解くだけではなく、その周辺領域で面白いことたくさんあるわけですよね。これも含めてヘルディオでお届けしてきているわけなんですが、まずはですね、この素朴な疑問、今回のような nowadays、aとsが同居しているっていうどういうことっていう、これですね、これに答えるのがですね、本当に得意なんですね。
歴史を見ずに、現代のその教事的観点という言い方をするんですね。共にある時間、教事的観点だけ見ると理屈には通らないような現象っていうのが、英語のみならず言語には必ずあるんですね。
その意味で、理屈が通らないとか、そこに合理性がない、規則がないっていうふうに見えると思うんですが、この軸をですね、縦軸と言いますか、歴史軸、時間軸に沿わせてものを見る見方ですね。これは通時軸というわけなんですが、通す時間ですね。時間を通り抜けて見るっていう視点。
通時軸で見ると、これまたですね、通時軸なりの理屈とか合理性とか規則っていうのが実はあるんですよ。歴史の世界における規則、合理性、理屈っていうのがあって、広い意味でこれもですね、理屈とか合理性って呼ぶんであれば、まさにそうなんですよ。もう規則なんですよ。
もちろん、歴史をもってしても解けない、解説できないようなですね、そういうカオスな状況も実は多々あるっていうのも事実です。なので、それをですね、少しでも解明しようという分野の一つが英語史だったりするわけなんですが、この法則性という言葉はですね、天野さんも使っていらっしゃいますけれども、一見法則性はないように見える。
これはつまり、境地的には法則性が見られない。だけれども、通時的にはあるいは歴史的には法則性と言いますか、何らかの合理性、理屈がちゃんと見えてくるっていうことが非常に多いんですね。で、今回のNowadaysっていうのもまさにその例だったと思うんですよね。ありがとうございます。
次にですね、こちら、Jack of All Tradesさんです。非常に面白いので、英語学習者の方々はぜひご一読をというふうに広めてくださいました。ありがとうございます。そして、Hippoさんですね。大変面白かったです。
ドイツ語では今でもアイネスターゲス、ある日のこと、いつの日かと俗学の副詞的用法がありますね。そうですね、ドイツ語であるとか、他のゲルマン語ではですね、まだ現役でこの俗学、所有学にあたるものですね。これによって副詞を作るというのが、まあそこそこ現役で生きている、あるいは後半にその単語の例、表現の例があるっていう、
そういう言語あると思うんですけれども、英語の場合、グッとこれが縮小してしまいましたね。あくまで生きた文法ではないですね。所有学にすると副詞になるっていうのは、生きた文法ではなく、もう死んだ文法、その死んだ形で化石的に残っているものだけが少数あるということなので、これは気づきにくいわけですね。
英語の文法と発音の謎
しかもですね、つづり次条、アポストロフィーSだったら、所有学かなと思うんですが、こういうのはですね、もう句読点等も抜きでSと書くので、これは当然ですね、複数形のSかと思ってしまいがちなわけですよね。英語はこの文法規則をですね、小英語ぐらいでなくしてしまったわけですね。
あとは化石的に今まで流れてきたのが、今回のNowadaysのSだったりするっていうことなんですよね。他の言語を学ばれている方はですね、こういうところで、この英語の素朴な疑問と引っかかってきて面白いところなんではないかなというふうに思います。
次ですね、胸彦松山さんです。コメントありがとうございます。
全知詞の音とかは普通に綴られていても、発音上ではアというか発音記号の手話になっちゃうので、リスニングの上では難しくなっちゃうんだけど、こうしてつづりそのものも変わっちゃうこともあるんだね。
というか、Twice a dayのアも実はオンが変化したものだったなんて初めて知ったということですね。
これは発音とつづり時の特徴をですね、メディアとしての特徴について触れてくださって非常に面白いというか有益な情報ですよね。
確かにオンのようなものは会話上早い発音ではですね、事実上アになってしまう。
ただ書き言葉ではオンというふうにきちっとONと書くので、その辺は書き言葉ではちゃんと守られていることが多い。
昔の形があっていますかね、その弱化する前のフルの形が残されている。
ところが書き言葉でも今回のようにですね、オンが弱くなってアみたいになった時にちゃんとA1文字でつづっているわけですよ。
フルバージョンではなくて短縮形でつづってしまっているっていうケースもあるんだっていう気づきですよね。
そしてTWICE A DAYのような1日につきみたいなアですよね。
これは他にも説はあったりするんですけれども、一つ有力な説としてですね、このONが縮まった形というふうに言われておりますので、モントの回答ではそちらをご紹介いたしました。
そして次ですね、KJKWさんからです。
NOWADAYSだけでここまで話題を広げられるのは職人芸ですね。さすがこの回答エッセイとしてとても読み応えがありおすすめです。
ということでおすすめくださいましてありがとうございます。
こちらエッセイとして読めるということで、それを目指しているところがありまして、エッセイとして書いているかなというところですね。
もちろん趣旨は回答なんですけれども、それ単体でも面白く読んでいただけるようにということで、そのあたり読み取っていただきまして、さらにおすすめしてくださいまして、KJKWさんありがとうございました。大変嬉しいです。
それからMEMOさんです。
全知詞音に由来するあ、それだけでもへとなったけど、他にもいろいろ解説してくれてて面白い。ということでクリスマスの良い読み物になりましたでしょうか。ありがとうございます。
次ですね、BBBさんです。
ホンタルイチ先生の問答が猛烈に面白いのは〇〇はなぜに対して直接答えるのはもちろん、類例として△△があります。
似ている□□は変化の過程で別の意味になりましたと答えの周辺を一緒に知れること。今回だとナイツもワンスもと驚かされた。いつもありがとうございます。
いやいやこちらこそありがとうございます。
BBBさんも私のですね、その答え方と言いますか、回答の書き方の癖と言いますか、狙いというものをですね、読み取っていただいて、もうこれだけでですね、コメントをいただいて読んだとき大変嬉しかったです。
直接答えるというのは質問を投げられてますんで、それ答えるっていうのは一つ基本なんですけれども、そこだけで終わらせずに他にもこんな例があるよとかですね、だけどこういう例はちょっと違うんだけどねというように、どんどん広げていくということも書く際に心がけているところなんですね。
書く際というよりも書く前の準備がですね、少なくとも1日は私考えるんですよ。問答で質問いただいて、これに答えたい。なかなか難しいなっていうのもありますし、わりと答え方の筋書きがですね、見た瞬間にわかるというものもあるんですが、それでもですね、ちょっと時間をいって1日2日、頭の中で推考と言いますか、アウトラインを練ったりして、
書くときもですね、わりと慎重にじっくりと書くというスタイルで、この問答の回答はですね、書いているというところがありまして、ご指摘いただいた、まさにですね、その辺りを意識して考えて書いておりますというところで、ご指摘いただきまして大変嬉しく思いました。ありがとうございます。
それからクウォッカさんのコメントです。長年の疑問が解けました。なぜサムタイムズとSがつくのか。このSもやはり所有格、続格に由来するSだったんですよね。時間の表現とですね、相性がいいということがありますね。
ということでですね、まだいろいろとリプライいただいているんですけれども、私の目についた範囲内でリプライコメントのご紹介を差し上げました。
リスナーからのフィードバック
皆さん本当にこちらの糸を組んでくださるようなコメントであるとか、あるいはさらにお勧め、広げていただけるような形でですね、リプライいただきまして本当にありがとうございました。
もう少しですね、伸びていくかなというふうに期待しております。またどうぞよろしくお願いいたします。そしてリプライもですね、まだまだ受け付けておりますと言いますか、お待ちしておりますのでよろしくお願いいたします。
それからですね、クリスマス年末企画の英語字コネタ50連発の方なんですが、ちょっとですね、Xの不調でですね、Xそのものというよりも、XAPI、自動投稿みたいなところを見ているんですが、ちょっと不調でですね、停滞しているんですが、何らかの方法で年末に向けて挽回していきますので、よろしくお願いいたします。
説聴初めての英語字第10釣りのプレゼント企画は、ちゃんと生きています。まだ生きていますので、ぜひそちらのコネタの方にもですね、引用リポストお願いできればと思います。
最も面白かった引用リポスト、3名の方にこの最新の第10釣り、説聴をプレゼントいたします。
ということで、みなさん今日は良いクリスマスをお過ごしください。
メリークリスマス!