英語の疑問文と回答のルール
英語に関する素朴な疑問。
なぜ Are you a student? に対して Yes, I'm. ではダメなのですか。
これは、現役の英語学ぶ中学生から寄せられた、生の素朴な疑問です。
表題のような、Yes, No 疑問文の回答では、
No, I'm not の場合は、I'm not と省略形が許されるのですが、
Yes, I'm というのは許されないのです。
必ず、Yes, I am と、完全な形で答えなければならないということです。
これは、なぜなのかということです。
この問題意識としては、非常に自然だと思います。
まず、英語を最初に習った時に、I am a student のような文から始まるわけです。
ただし、実際には、口語、会話においては、I'm a student というふうに、
省略形 I'm を使う方が、ずっと自然であるということも習えます。
ですので、I am というのは、基本的に、I'm と、会話では、省略して言えばいいんだと習うはずなんですが、
その後、疑問文を習って、Are you a student のような疑問文を習って、
それに対する答えは、と言った時には、Yes, I'm では駄目だというわけです。
この場合は、完全形を使って、Yes, I am と言わなければならないと習うわけですから、
これは、なぜだろうと。
なぜ、答えの場合には、Yes, I'm と言ってはいけないんだろう、
というのは、自然な発問だと思うんです。
発音と文脈の関係
さあ、これに答えてみましょう。
まず、一つは、be動詞。この、am がそうですが、be動詞というのは、
基本的には、弱く読まれる語類です。
他には、たとえば、漢詞、the、a、an ですね。
だから、助動詞、will、can とかですね。
前置詞、in、on、at、for のようなもの。
それから、認証代名詞ですね。
I 自身もそうですし、you、he、she、it のような認証代名詞。
それから、接続詞もそうですね。and、but。
それから、関係代名詞のようなものですね。
who、which、that みたいなもの。
いわゆる、非常に文法的な機能に特化した、文法的色彩の強い単語ですよね。
で、be動詞もこの最たるものですが、
実は、こういう語類というのは、
基本的には、弱く読まれるということが原則なんです。
文の中でですね。
もちろん、単独で発音されるときであるとか、
強調したい場合に、強く読まれるということはあります。
ですが、デフォルトとしては、弱く読まれるんですね。
I am の例で言いますと、
I am と言うと、これは非常に強い発音で、
特別なときにしか使われない形です。
それに対して、一般的には、
I am と弱くなったり、さらに縮まって、
結局、I'm というふうに、
I apostrophe m で書かれるような、
I'm となるわけですね。
これが普通の、実際には通常の発音ということになりますが、
特別な場合にのみ、I am となる。
そして、今回の素朴な疑問ですが、
Yes, I am の場合、
これは実は、この特別な場合に相当するんです。
ですので、デフォルトの弱い m とか m という音ではなくて、
am というふうに、
フルの発音で、強い発音で実現されるということなんですね。
じゃあ、なぜこの場合は、
特別に強い発音でなさらなければならないのか、
何が特別なのかということですね。
これは省略ということです。
Are you a student? に対して、
フルで答えるのであれば、
Yes, I am a student.
あるいは、この場合は省略しても言えますね。
Yes, I'm a student. のように言えます。
しかし、回答、答えの場合には、
Are you a student? の部分が自明ですので、
通常の文脈では省略されるというふうになるわけですよね。
そうしますと、この am の部分、b 動詞、
通常は弱く発音されるわけなんですが、
後ろに Are you a student? という部分を、
実際には従えているわけですね。
この am が、次に Are you a student? が省略されているよということのマーカーになると。
別の捉え方をすると、
am 一語で、
Am a student? というこの三語分を代表しているというふうに言うこともできます。
つまり、この am、後ろに Are you a student? の省略がある am っていうのは、
ただの I'm a student? っていう時の、
m とは役割が全然違うですね。
もっと重責音になっているってことです。
したがってここでは省略することはできない。
特別な役割を担っているので、
フルの形で、つまり am と発音しなければならないということです。
Yes, I'm では、この m が弱すぎるってことです。
後ろに Are you a student? が伴っている、
純正を果たしているのに、
それが伝わらないっていうことになりますね。
一般的に言いますと、後ろに省略があったり、
その他の条件によってですね、
本来弱く読まれるはずの、このような語類が、
文末に来てしまう場合っていうのがあります。
この場合には、強い発音で呼ばれるっていうのが一般的です。
これは他にも助動詞でも前置詞でも、
認証代名詞、接続詞等でも同じです。
普通、文末に現れるってことは少ない語類なんですが、
何らかの省略であるとか、
動詞によって文末に現れる場合には、
フルで発音されるっていうのも一般的な傾向です。
したがいまして、
素朴な疑問への答えは、
Yes, I'mでは、このむが弱すぎるっていうことです。
後ろにa studentが省略されていることを示すマーカーとして、
もっとはっきりとしたフルの発音で実現されなければならない。
したがって、Yes, I amが正解ということになります。
以上、この疑問につきましては、
4186そして3713番の記事をご覧ください。