2025-04-11 09:57

heldio #265. 諺 Handsome is as h. does

#英語史 #英語教育 #英語学習 #諺 #関係詞 #副詞
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サマリー

今回のエピソードでは、ことわざ「Handsome is as handsome does」が取り上げられ、その意味や歴史、バリエーションについて詳しく解説されています。また、このことわざの文法的な解釈や内面的な美しさについても語られています。

ことわざの紹介
おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、ことわざです。
Handsome is as handsome doesということわざ。
これ聞いたことありますでしょうか。
これはですね、立派な行いの人は美しい。
二面より心のような、日本語のことわざに相当するものですね。
立派に物事を行う人というのは、ハンサムである、美しいということなんですね。
改めて英語のことわざですが、
Handsome is as handsome doesということです。
ことわざの常ですけれども、
これ記憶されて、覚えられてなんぼというのがことわざですね。
そして代々受け継がれて、すっと人の口から出てくるというぐらいに、
みんなの頭の中に記憶されている、語り継がれるという必要があるので、
リズムがとても大事なんですね。
英語というのは、もともとリズムを大事にしますが、
ことわざというのは取り分けそうですね。
リズムを重視します。
そして今回のことわざもですね、
非常に綺麗に強弱強弱のリズムに乗っています。
Handsome is as handsome doesということですね。
リズム的には非常にノリノリの感じがするわけなんですが、
ことわざの歴史
よく考えるとですね、どうして立派な行いの人は美しいという、
そういう意味になるのかというのが文法的、
統合的には実は非常にわかりにくいんですね。
Handsome is as handsome doesということで、
これがどう読んだらそのような意味になるんだろうかというと、
実はわからないんじゃないかと思うんですね。
これはネイティブの方に聞いても、たぶんわからないんだと思うんですね。
ただそういうことわざなんだと。
ことわざなので、統合的に分解するなんていう野望なことはせず、
そういう意味なんだというふうにセットフレーズとして入っているわけなんだと思うんですね。
これ実は非常に統合的には難しい。
これは歴史を紐解く必要があるんですね。
まずですね、このことわざが最初に現れたのは16世紀後半ですから、
初期近代ですね。ものすごく古いというわけではないということです。
そしてことわざにはいろいろな言い方というかバリエーションがありますね。
同じことわざでも細部が違ったりするということがあるわけなんですが、
このことわざが16世紀後半、1580年ぐらいとされているんですが、
初めて現れたときはですね、その形ではないんですね。
しかもHandsomeという形容詞すら使っていなくてですね、Goodlyとほとんど同じ意味合いですが、
こんな形で出ているんです。
Goodly is he that goodly dothということですね。
つまりこれでわかります。
Goodly is he that goodly doth。
当時は3単元のSではなくTHだったんで、
dothという風に発音しておきますが、
つまりこれはですね、美しく行う人、彼ですけどね。
美しく行う人は美しいのだということになります。
このSVCが、SとCがひっくり返ってCVSとなっている感じですね。
他にですね、歴史的なバリエーションを見てみますと、
He is handsome that handsome dothというのもありますね。
He is handsome that handsome doth。
この場合、thatというのは少し離れていますが、文頭のheを先行詞とする関係体名詞ですね。
That handsome dothということで、この2回目に出てくるHandsomeというのは、
このままの形で副詞、いわゆる単純副詞ですね。
理がつかない形のその形容詞と同型の副詞ということになります。
He is handsome that handsome dothということですね。
他にはですね、Handsome is that handsome dothというのもあります。
この場合、he whoにあたるものが、that一語で置き換えられている。
現代ではこういう使い方しませんが、実はthat単体でone whoと言いますかね。
何をする人という先行詞込みの関係体名詞と使われるthatというのが、中英語以来認められます。
現代ではほとんどなくなったと言っていいと思うんですけれどもね。
そして1845年くらいのことわざ時点からの例なんですが、
ここに現代一番普通に用いられるHandsome is as handsome dothというものが乗っかっているんですね。
つまりこの場合、今直前に述べたHandsome is that handsome dothの
thatと同じような役割をasという関係体名詞と言うんですかね。
Handsomeの意味
先行詞込みの関係体名詞に置き換えたということですね。
ただこの用法のasというのは、私の知る限りというか調べた限り、
このことわざぐらいにしか普通には出ないと思われるので、
ここはまだ調査中なんですけれども、どうもこの歴史の流れですね。
このことわざのバリエーションというのを辿ってくると、そう解釈せざるを得ないかなと。
つまりone who, he whoぐらいの意味で使われているasなんではないかと。
ということでHandsome is as handsome dothということになります。
一旦このことわざの形式ですね。統合的な分析は置いておいて、
とりあえず一つの有名なことわざとしてこの形式が定着すると、
このHandsomeの部分をいろいろ類義語で置き換えるということはあったりしてですね。
例えばアメリカ英語ではPretty is as pretty doth。同じ意味です。
なんですがHandsomeをPrettyに置き換えたというものもよく使われるようなんですね。
立派に行う人は立派である。美しいということで、
文頭のPrettyなりHandsomeというのは見た目の美しさということですね。
一方二つ目に出てくるPrettyとかHandsomeはどちらかというと精神的な、
道徳的な内面の美しさという感じでしょうかね。
本来的には実はHandsomeという形容詞は内面の美しさ、
つまり騎士道的な礼儀正しさであるとか定調さであるような内面の美しさを形容する語だったのが、
それが見た目、外見にも意味が広がったということなんですけれども、
まさにですね、内面が美しい人、そして物事を美しく行う人は、
見た目、外見上も美しくなってくるんだというようなことわざのわけですね。
立派な行いの人は美しいということです。
Handsome is as handsome doesということになります。
ちなみにこのHandsomeという単語ですね、形容詞で美しいということですが、
日本語でもHandsomeとして入ってきていますね。
Handsome boy、Handsome manというふうに、普通見た目の良い男性ということでですね、
男性と結びつけて捉えられている単語なんだと思うんですね。
少なくとも日本語では完全にそうですよね。
ところが英語のHandsomeというのは、実はですね、男性に使われることが非常に多いのは確かなんですが、
実は女性にも用いることができるんです。Handsome womanというような言い方ですね。
ただし、これ男性の場合と同じように見た目の良い、つまりBeautifulとかPrettyの同義語として、完全同義語として使われるわけではないんです。
Handsome womanといった時にはですね、これ単なる見た目の美しい女性というよりは、
どちらかというとですね、この原理である内面的な美しさということに比重が大きく映っているんですね。
特にですね、この態度であるとか、眼光がキリッとした中年と言いますかね、
つまりあまり若くない女性で、ただある種インテリであったり内面的な美しさというかね、
キリッとしたシャキッとしたというような雰囲気で使われる時にHandsome womanという言い方をします。
なので、日本語になっている男性に使うHandsome、この感覚は英語でも一緒なんですけれども、
英語ではプラスアルファ、女性に使うHandsomeもあるということは知っておいていいと思いますね。
こちらは気品の良いとか態度がキリッとしたっていう、どちらかというと原理に近い方の意味で、
Well, beautifulとは違ったニュアンスで女性に対して使われるということを、この辺りも覚えておくと良いと思います。
それではまた。
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