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おはようございます。英語の歴史を研究しています。 平尾義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、重要な文法的単語には強音と弱音の2つの発音がある、という話題です。
これはあまり意識している人は少ないのではないかと思うんですけれども、非常に重要な文法的な語ですね。
例えば、b動詞もそうですし、助動詞というのもそうですし、典型的に前置詞とか接続詞というのもそうですね。
このように非常によく使われる単語で、語彙的な意味というよりも文法的な意味、文法的な単語であるというですね。
こういった単語には実は2つ発音があるということです。文脈であるとか環境に応じて2つの異なる発音があるということで、
これ意識していてもしていなくてもですね、皆さんも使い分けている可能性がありますし、
当然ネイティブはですね、これほぼ意識せずに2つの発音を使い分けているということなんですね。
まず最も必要な例として、b動詞を考えてみたいと思うんですけれども、
例えば一人称単数のiに対応する現在形のb動詞はですね、当然amと綴られるこのamなわけですが、
今読んだamという発音ですね、これは実は強い発音なんです。実はこっちはあまり使われないんですね。
使われるのは文末に典型的に来る場合です。
普通b動詞というのは文末に来ないことが多くて、その後に何か付くわけですよね。
I am a studentみたいに。なので文末には来ないんですが、もちろん例えばAre you a student?に対してYes, I amという風に文末に来ることはあるわけです。
その場合にこの強い形というのが来ます。これはわるスペリング通りに、しかもそれを誇張して強く発音するもので、
Yes, I amという風に、かなり強調されて発音しますね。
ところが通常はですよ、ほとんどの場合、文中に現れるということで、
I'm leaving today. I'm a studentのように、I amとか、あるいは省略形でおなじみのI'mで書く時のように、むだけですね。
I'm a student. I'm leaving todayのように、むだけになっちゃうわけですよ。
つまり、amという本来の音言いますかね。
強い形で読む時と、通常圧倒的多数の場合、I'mという風に、むだけのシーンだけになり下がってしまうというような、これ弱形と言いますね。
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amの強形に対して、むとか、mぐらい。これが弱形という風に呼ばれますが、この2つをですね、環境に応じて、
どういう文脈で起こるかに応じてですね、使い分けているということなんですね。
Yes, I amという時と、I'm leaving todayのこのamの現れ方というのは、だいぶ違うということがわかると思うんですね。
isももちろんそうです。I think she isという時のisは強調されて、非常に明瞭にisと強く発音されますね。
一方、the grass is wetですね。草は湿っているという時に、the grass is wetぐらいなわけです。
isではなく、is。場合によっては、ずだけの場合もありますね。
The grass is wetのように、実際の会話の中では、ずぐらいの一音、一シーンになり下がってしまうということもあります。
これが弱形ということになります。
さあ、m動詞を例に挙げましたが、このように非常によく使う単語で、文中では埋もれてしまって、聞き取りが難しいぐらいの弱い音になるというのはたくさんありますね。
例えば、doで表せるdoも、You earn more than I doという時は、I doとはっきり発音されますが、
What do they know?という時のdoというのは、いわゆるdoとはっきり発音されずに、で、で、で、ぐらいです。
What do they know?ですね。
他に助動詞なんかもこのタイプですね。
No more than you willという風に、文末に来る時はwillとはっきり発音されますが、
That'll doという時には、う、う、うというl一音になってしまいますよね。
それから、But you canという時の、この何ができるという意味の助動詞、you canと、文末で止める時にははっきりとcanですが、
そうでない、まあ通常の使い方では、例えばGeorge can go、George can goという言い方で、
canではなくkun、kunぐらいのGeorge can go、George can goとなります。
弱い発音です。
そして、こうした強敵と弱敵の2つの発音を持つですね、典型が前置詞です。
前置詞というのも、普通後に何かが来るわけですね。
だから、何かの前に来るってことで前置詞なんで、その後ろに別の名詞句が来るってのは普通なんですが、
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場合によっては、この前置詞で文が終わるっていう時もあります。
例えば、Who are you looking atという時は、文末に来るのでしっかりと読まれてatとなりますが、
通常はlook at thatみたいに、と非常に弱く読まれます。
文末ではatなのに、文中に来るとと弱く発音されます。
何のためにのforも一緒ですね。
What did you do it forというように、文末ではforとはっきり読まれますが、
They did it for funの場合のforは、
ぐらいで終わりですね。
toでは表されるtoも一緒です。
と文末では言いますが、
toではなく、
弱い発音になります。
最後にofと表される何々の意味するofですね。
となりますが、一般的には
という弱い発音になります。
このようにスペリング上は同じofと綴ったりするわけなんですけれども、
文脈によって実は、
弱まった強形と弱形の音声的な差というのは、
意外と大きいんですね。
これを意識せずにネイティブも、
あるいは我々も発音をするときには、
強く読むときと弱く読むときを分けているということになります。
他にもたくさんあります。
接続詞なんかもそうでして、
強調してaを読む場合ですね。
これはandと言うかもしれませんが、
そうでないときには、
場合によっては本当にんだけというときがあります。
例えばrock and rollというのが本来の語源ですが、
実際はrock'n'roll、rock'n'rollという風にんだけになっちゃってますね。
これandの強形と弱形の使い分けということになります。
このように重要な文法的な単語には、
だいたい強音と弱音の2つの発音が区別される。
そしてそれは典型的に言うと文末に来るというような、
強調強制を伴うような場合と、
それ以外の一般的な場合ですね。
強音と弱音が使い分けられるということなんですけれども、
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この説明です。
例えばI amというときとI'mという分かりやすいケースを例にとりますと、
これはI amのamが、
特に強調の意味的にも発音的にも、
強調が必要ないときにだんだん弱まってmになり、
最終的にmになって、
そしてI amがI'mになったと。
こういうふうに説明できると思うんですね。
現在ではI amの省略形がI'mだというふうに見なされていると思うんですね。
アポストラフィーmなんて書いたりするのもその証拠ですが、
実はこれは、現在起こった発音の省略ということではなく、
歴史的にゆっくりと起こってきた発音の弱化ということなんですね。
これは実は歴史上の問題なんです。