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2025-03-26 10:00

heldio #249. 英仏ラの最強の3層構造 ― 朝から匂う shit

#英語史 #語彙論 #借入語 #社会言語学 #語源学
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サマリー

英語の語彙には、英語、フランス語、ラテン語から成る3層構造があり、特定の類義語がそれぞれの層で異なるニュアンスを持っています。このエピソードでは、語源を通じて「shit」「odour」「excrement」という例を挙げ、日常用語から学術的な表現までの階層がどのように機能しているかを探ります。

英語の3層構造の紹介
おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、英仏ラの最強の3層構造
朝から匂う shit という話題です。
爽やかな金曜日の朝にふさわしくない話題かもしれません。朝から匂う shit という話題ですので、これはなかなかはばかられるところなんですが、
むしろですね朝だからこその話題とも言えますので、あえてこの話題をですね取り上げたいと思っています。
タブー語である、まあズバリ言ってしまいましょう。クソ。
この意味を表すですね。
類義語が英語にはあるわけですけれども、shit, odour, excrement
この3つの単語です。shit, odour, excrement
これがですね、なんとそれぞれ語源が英語、英語本来語ですね。
shit そしてフランス語 odour そしてラテン語 excrement
この3層構造と言いますか、英仏ラ、それぞれに類義語が備わっているということなんですね。
日本語に直すとですね、語幹としては shit がクソ、odour が糞尿、excrement が排泄物。
徐々にこう臭みが消えていくっていう感じがしませんかね。
こんな話題を朝から振り返ってしまい申し訳ありませんが、これが非常に面白い話題なんですね。
広く言いますと、この話題は英語語彙の3層構造という話題なんですね。
英語の語彙には層というものがあります。階層というものがあって、一番低い層、真ん中の層、そして一番上の層、高い層ですね。
というふうに典型的には3つの層に分かれます。
ものによっては2層だったり、さらにギリシャ語が乗っかって、実は4層だったりするんですけれども、典型的なケースとして3つの層があるというふうにされるんですね。
その一番下の層が本来の英語、ゲルマン系の英語の単語がはまることが多いんです。
そして真ん中の層にはフランス語がはまることが多い。そして一番上の層にはラテン語であるとか、あるいはギリシャ語がはまることが多いんですね。
例はたくさんあるんですけれども、同じ、尋ねるという意味でも類義語が各層ごとに揃っていて、本来の英語ではaskという一番簡単な単語です。
非常に日常的で我々一番使う、よく使う単語です。そして中層、真ん中の層はフランス語から借りてきたquestionという単語がありますね。
名詞で使うことも多いわけですが、これは尋ねる、質問するという動詞で使われることもあります。
そして一番上の層がラテン語系でinterrogateですね。尋ねるというよりも、あるいは質問するというよりも尋問すると言いますかね。
かなり強い、しかも格式ばった雰囲気があります。このようにask、question、interrogateというと、下から上に階層が上がってくる感じがしますよね。
まず響きからしてaskというのは非常に日常的で、普段着という感じですね。questionというともう一歩、少しよそ行きという感じ。
interrogateというと、よそ行きもよそ行きで、非常に格式ばりすぎという雰囲気がありますね。
しかも音説数もそれぞれaskは1音説、questionこれは2音説、interrogateこれは4音説ということで、長くなればなるほど当然重たいということになりますし、イメージとしてもやはり硬いということになっていきますね。
これ典型です。他にはですね、例えば美しいという同じ意味を表したくても、本来のゲルマン系の英語を使うとfairって言うんですね。ところがフランス語だともう少し長くなってbeautiful。
これかなり一般的ですよね。さらに洗練された美しさという雰囲気があるのがattractive。洗練されたというか抽象的な美しさになってくる感じですね。具体的な、fairっていうのは最も具体的で、もともとは白い、肌が白くて美しいっていう雰囲気を出してますので、非常に具体的な感じですね。
beautifulというと少し抽象的、さらにattractiveというと場合によっては内面も含む魅力ということでレベルがだんだん高くなっていく、抽象的になってくるっていうのがわかると思うんですね。それぞれ英語、本来語、フランス語、そしてラテン語ということです。
もう一例だけ挙げておきましょうね。助ける、あるいは助けという名詞ですけれどもhelp、これ一番普通です。そしてaidっていうと救助って感じですか。フランス語なんですね、これ。helpっていうのは本来の英語です。それに対してaidっていうのはフランス語です。
そしてラテン語になるとこれassistanceとなります。これは助け、救助というよりも支援っていう感じですけどね。それぞれニュアンスが違うっていうことがよくわかると思うんです。そしてレベル、抽象度もだんだん高くなってきているっていう雰囲気があると思うんですね。
このように英語の語彙には典型的に3層構造が見られる。全ての単語にこういう3つの構造があるっていうわけではなくて、むしろきれいに3つ揃っているものを今例として挙げたっていうのが本当のところで、なかなかきれいに3つはいかないわけなんですけれども。
ただですね、こういったものを比べると、やはり英語本来語は一番地位が低いと言いますかね。日常的で、悪く言えば野暮ったい感じです。そして2層目、中層はフランス語で少し洗練されていると。ただ洗練され過ぎてもいないっていうのがポイントですね。
具体的な語源の例
そしてラテン語と言えば第3層、一番高い層にあって明らかに洗練されている。学術的、硬いというようなイメージですね。こういうのがたくさんあるっていうことなんです。
これはですね、英語史的に言えば本来の英語がもともとあるっていうことは当然なんですが、その後1066年のノルマン征服によって、簡単に言えばフランス語和尚によってイングランドが征服されてしまったっていうことがあるんですね。
つまりイングランド人は下で、勝ったノルマン人、これはフランス語和尚とする人々ですが、これは上にあるというような社会構造になったんで、そのまま連動して言語もフランス語が上、そして英語が下っていう感じになったんですね。
と同時に当時、中世のヨーロッパというのは、とにかくラテン語が偉いってことになっています。古代ローマ帝国の言語であり、そしてキリスト教の言語です。ということで何にも増して一番偉いのがラテン語っていうことで、序列としてはですね、今述べた本来の英語、その上にフランス語がノルマン征服の影響であるわけですが、
さらに上に国際語としてのラテン語、宗教語としてのラテン語、学問語としてのラテン語という位置づけがありますね。
こうした位置づけがそのまま語彙の中に、類義語の中に格付けとしてですね、マッピングされた状態で、先ほどのAsk, Question, Interrogateであるとか、Fair, Beautiful, Attractiveであるとか、Help, Aid, Assistanceのような形で、きれいに現代語の中でも格付けが残っているってことなんです。
これは多数例を挙げられるんですが、何か面白い例はないかなと、最強例っていうのを探したいなと、ずっと探し求めていて、比較的最近出くわしたって言いますかね、発見したのがこの表題のちょっと臭いわけなんですけれども、産語なんですね。
Shit, Odour, Excrement。日本語で言えば、下から上に向けて、クソ、糞尿、排泄物というふうに、下品から中品、そして上品に上がっていく雰囲気がありますね。
Shitっていうのは本来の英語です。小英語記からあります。この単語そのものは実はないんですけれども、関連語があります。そしてフランス語からOdour、そしてラテン語からExcrement。最強の酸素構造の例です。
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