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2024-12-20 10:00

heldio #153. faithful & lovable ー 英仏混種語

#英語史 #英語学習 #英語教育 #フランス語 #混種語 #語形成 #接辞
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おはようございます。英語の歴史を研究しています。 慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、 受証も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、 英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、 新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、 faithful & lovable ー 英仏混種語、
という話題です。
英語には大量のフランス語からの釈用語が入ってきているということは、 すでにいくつかの放送で触れていますし、ブログの方でもたくさん取り上げています。
これは、1066年のノルマン征服の後、 中英語の時代に入っていきますが、この時代に特に多くのフランス語が流れていた。
ノルマン征服というのは、そもそもフランスの一貴族、 ノルマンディッチフォーの貴族であるウィリアム一世と、
そのお付きの者たちがイングランドにやってきて、 征服してしまったということなので、
以降数百年間はフランス語の影響が非常に強くなる時期ということで、 この時代に英語の中に大量のフランス語の単語が入ってきた。
そういうわけなんですね。 数にして、ざっと1万語入ってきたと言われています。
さまざまなレベルの単語が入ってきましたが、 フランス語の場合は本当に上から下までなんですね。
非常に必近な日常的な単語もありますし、 それなりに学術的な単語もあるというふうに、
幅広く英語はフランス語を釈用するということになりました。
例えば、color, common, court, duke, faint, faith, noble, peace, preach なんていうのが、すべてフランス語由来の単語ということになるんですね。
こうした単語が、フランス語の単語が英語に入ってきて、 しばらくして馴染んでくると、
英語そのもののボキャブラリーの中に馴染んでくると、 それに語尾がついたりするようになるんですね。
その語尾がついて派生語を作るわけなんですが、 その語尾自体は元々、小英語の時代からある英語の本来語の語尾であるといった場合、
本体はフランス語から借りたもの、 そして語尾に関しては英語、本来語のものというふうな単語が多く作られるようになってきます。
これを、混種語、異なる語種のものが混在している混種語という、 ハイブリッドと英語で言うわけなんですが、こういう単語が出てくるんですね。
例えば先ほど挙げたフランス語から入ってきた単語ということで、 color, common, court, duke, faint, faith, noble, peace, preach なんかを挙げてみましたが、
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これにそれぞれ英語由来の語尾をつけた単語というのがありますね。 例えば colorless といった場合、color の部分はフランス語なんだけれども、 less の部分は元々の英語であるといった類です。
それから common に対して commonly, 理というのは英語、本来の語尾です。
courtship, dukedom, faintness, faithful, noblest, peacefully, preaching
このようなフランス語の本体、プラス英語の語尾、設備字みたいなものがどんどんできてくるということなんですね。
こうしたタイプに対して逆のパターンもあります。 単語本体は英語、本来語なんだけれども、語尾の部分ですね。
設備字の部分がフランス語由来のものという、こんな組み合わせもあるんですね。 例えば enlighten という動詞がありますが、これを名詞形にするときに enlightenment ってしますよね。
この ment っていうのは実はフランス語由来の設備字なんです。 enlighten っていうのが本来英語ということですね。
fish に対して fishery のような語尾がつきますね。
god に対して goddess というこの ess で女性を表す意味にするっていうのは、これはフランス語から入ってきた設備字なんですね。
goddess の s です。god はもちろんこれ元々の英語です。
hinder に対して hindrance という名詞があります。
love これは本来の英語ですが lovable のように abo を付けると形容詞になるわけですが、この abo
非常に多くの形容詞を作る語尾になっていますが、これはもともとフランス語の形容詞語尾ということなんですね。
mile に対して mileage
its という名詞の語尾ですね。これもフランス語からです。
murder 殺人 これ自体は英語、本来語なんですが murderous というように形容詞形にするときの us っていう、これはフランス語。
od 奇妙なっていうことですが、これを名詞形にするのに oddity って言いますね。
この t というのはフランス語の語尾。
このようにですね、2つの異なるタイプの英仏根主語っていうのがあります。
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本体がどっちなのか、そして設備辞、語尾の方がどっちの言語から来たのかっていうことで2タイプあるわけなんですが、最初に挙げたタイプですね。
colorless とか faithful というこちらのタイプ。
フランス語の本体があって英語本来の設備辞がつくっていう場合、このタイプはですね14世紀ぐらいから大体出てきますね。
そしてその逆のタイプ、lovable とか goddess っていうタイプですが、こちらのはもう少し遅くてですね、
ただこれもまあ14世紀後半ぐらいから見られるようになっています。
この後者のタイプが少し遅いのはやはりフランス語の設備辞、語尾ですよね。
これだけを取り出して、フランス語の単語から取り出して、そしてもともとは英語の本体につけるっていうのはやや抽象度が高いと言いますかね。
フランス語から設備辞を切り出さなきゃいけないっていうことなので、その分少し馴染んでくるのに時間は経ったようしたっていうことなんだろうと思いますが、
全体としてはですね14世紀ぐらいからこの英仏根種語っていうのがどんどん現れるようになってきます。
まあ1066年のノルマン征服の結果ですね、ゆっくりとフランス語の釈用が入ってきたんですが、
もう少し時間をかけて14世紀ぐらいになると、こうしたいわゆるハイブリッドも増えてくるっていうことなんですね。
馴染むのにやはり時間がかかるっていうことですが、最終的にはすっかり馴染んで、現代英語の通常の単語として今挙げたような単語は定着しているっていうことですね。
この種の根種語っていうものは、英語は他の言語と様々な言語と接触してきた歴史がありますので、こういった根種語ってのも割と慣れているというか当たり前になっているんですね。
今回取り上げたのはAF2の根種語、本来の英語と外から入ってきたフランス語のハイブリッドっていうのを見ましたが、それだけじゃなくて、英語本来語が関わらないような英単語もあるわけです。
根種語ですね。例えば、ギリシャ語からたくさん英語には単語が入ってきます。ラテン語からも入ってきます。
そうすると、ギリシャ語とラテン語に由来する要素を2つ組み合わせて新たな英単語としちゃうっていう、そういったハイブリッドもあるんですね。
例えば、有名なところではテレビジョンなんてのがありますね。これテレっていうのはギリシャ語の要素なんですが、ビジョンっていうのはラテン語の要素なんです。
なので、これはテレビジョン、当たり前の単語ですが、これ立派なハイブリッド。しかも、本来の英語要素が全く絡んでいないという例ですね。
それから、このラテン語とギリシャ語っていうのは結構あります。例えば、なんとか恐怖症っていうのに、例えば、ヘイショ恐怖症、クローストフォービアなんていうとき、クローストの部分はラテン語でフォービアっていうのがギリシャ語ということですね。
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この類はいろいろあります。他には、例えば、ハイパーコレクトなんていうのがありますが、これはハイパーはギリシャ語でコレクトっていうのがラテン語要素であるとか、
ビジュアライズなんていうときのビジュアルはラテン語ですが、アイズという動詞を作る語尾はギリシャ語であるとか、そんなタイプですね。
これは決して珍しいことではなくて、日本語にもたくさんあります。本来の日本語、漢語和語要素といわゆるカタカナ語ですね。
これを組み合わせたものとして、例えば、オンライン授業、コロナ禍、電子レンジ、テレビ電話、牛カルビ、とんかつ、こんなのもあります。
それではまた。
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