メルボルンでの探察
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史、英語語源ハンドブック、言語学ですっきり解決英語のなぜの著者のほったり打ちです。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間にをモットーに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は1月8日、木曜日。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
私はですね、昨年末にオーストラリアメルボルンに入りまして、今この町に滞在しているところなんですが、そろそろですね、体もちょっと生まれてきたということで、早朝ジョギングを再開しようということでですね、コースを色々と探しているところなんですよね。
今朝はですね、公園コースということで、メルボルンの町、市街の中心部から見ると、東方面と言ったらいいんですかね、北東方面のカールトンガーデンズという公園、さらにその近くにあるより広いフィッツロイガーデンズというこのあたりをですね、走ってみようということで、
今フィッツロイガーデンズまで走ってきたところです。
いやー気持ちいいですね。
やっぱり公園は走りやすいので、ちょっと水ものがないっていうか、川の方を今度走るコースも探そうと思っているんですけれども、水がないのはあれなんですが、まあ緑は多いですね。
非常にいいコースだなぁと、一つの選択肢には、候補には入ってくるんではないかというところで、
今フィッツロイガーデンズのベンチに腰掛けながら、こちら収録しております。
今年はですね、文字の話、スペリングの話などを多くしていきたいなと、これまでもですね、私は専門がスペリングということもあって、かなり多いんではないかと思うんですけれどもね、
さらに一層ですね、意識してスペリング、文字、書き言葉の話ですね、していきたいと思いますが、今日もですね、こちらオーストラリアに来てから見つけたある話題をですね、お届けしたいと思います。
偽個的スペリングというお題でお届けいたします。
それではどうぞよろしくお願いいたします。
先日ですね、メルボルンの街を散策しようということでですね、メルボルン市街の南にですね、ヤラ川という川が東西に、東から西に流れているんですね。
その河口にほぼ相当するのがこのメルボルンということで、この東西に流れる川の南岸ですね、南側を散策していたときに、その北岸、対岸の方にですね、大きなホテルを見つけたんですね。
クラウンプラザという、これは系列のホテルなんですかね、ニュージーランドでも見かけましたね、そしてクラウンがつくホテルというのは日本も含めてですね、いろいろあると思うんですが、そのスペリングがですね、聖書法ですとCROWNで止まるわけなんですが、こちら写真を貼っておきましたけれどもね、
クラウンプラザというときのですね、このクラウンが語尾にEがついてるんですよね、このEは余計といえば余計なわけですね、辞書にはですね、この形では通常載っていないと思うんですね。
ただもちろん同じ単語です。王冠という意味ですから、ちょうどロイヤルホテルなんていうのと同じような形でですね、この王の高級感を出すということで、クラウンが冠されているわけなので、全く同じ単語なんですが、ここなぜEがついているのかということなんですね。
これがまさしく今回のタイトル、擬古的スペリングというものなんですけれども、この擬古的スペリングという本題に入る前に、語源を確認しておきたいんですね。
私が数年来激推しております研究者の英語語源辞典によりますと、こちらラテン語のコローナという単語に遡るんですね。ラテン語ではまさしく王冠を意味する単語でした。コローナですね。
このラテン語のコローナ自体もですね、ギリシア語からの釈要ということで、さらに遡ることはできるようですね。ギリシア語コローナということで、あるいはコローネーという形で、曲げられたものぐらいの意味ということですね。
さらに語根としてはインドヨーロッパ祖語のスケル、まさに曲げる、折るみたいなものを意味した語根に遡るということで、同根語としてはサークル、クールなどもあるというふうに記載がありますね。
このラテン語のコローナという形が、古フランス語に入ってですね、コロンヌのような形になります。さらにアングロフレンチでコルンヌのような形になり、これがですね、どうも古英語、後期に英語に入ってきたということなんですね。
これは結構珍しいことでして、最終的にはラテン語に行き着くとしてもですね、どうもフランス語を経由して英語に入ってきたんですが、その時期がですね、ノルマン征服前っていうことなんですよ。ノルマン征服後にフランス語の単語が英語に入ってきたというのは時期的に大変理解しやすいと思うんですよね。
実際大量に入ってきたわけなんですが、1066年、ノルマン征服前、古英語の後期に入ってくる例というのはゼロではないんですが、非常に少ないんですね。
技巧的なスペリングの影響
例えばキャッソーなんていうのも、古英語、後期中に英語に入ってきたフランス語ということになりますが、今回のコローナ、これもですね、そのもう一つの少数の例ということになるわけですね。
これが中英語になりますと、第一音節のコの部分ですね、COのOの部分がですね、省略されて抜け落ちるという形もできてきて、現在のクラウンという一音節語になる道が開かれたということなんですね。
古英語後期に入ってきてから、そしてとりわけ中英語期になってからですね、様々なスペリングがありました。これはもう英語史の常ですね。
いろいろな綴り字の中でもですね、語尾にNで終わるものもあれば、NEというふうにEをつけるものというのも少なくなかったんですね。
ただ、このNEのEですね、Eはどこまで発音されたかというとですね、実際上は発音されなかったんではないかと思うんですね。つまりEの文字は飾りということです。
この飾りのEというのは、中英語、それから初期近代英語にかけて非常に普通のことだったんですね。意味のないEが付け加わるということで、
そして初期近代英語期、16、7世紀というまさにイギリスがルネッサンスの風が吹き荒れているという時なんですが、これ私まだちゃんと統計を取ったわけではないんですが、Eという飾り文字の付いた方のクラウンですね、これが非常に幅を利かせていたと。
OEDのこの時期からの例文を見る限りですね、Eの含まれている方が普通だったと言ってもいいんではないかと思うんですね。
やがてこのような飾り文字的なEというのは他の単語にもたくさん付いていたんですが、消されていくことになりました。
そして現代につながる標準的スペリングにはですね、この飾り文字のEが取れているバージョンがですね、正書法として確立しているというケースが多いんですね。
ただ初期近代英語期、ルネッサンス時にはどうもまだEの語尾がですね、文字としてちゃんと残っていることの方が多かったようなんですね。
そうするとこの技巧的スペリング、意味がわかってくると思うんですね。
つまりホテルであるとか店舗、店はですね、技巧的にそれぐらい古いんだよという雰囲気を匂わせることがですね、戦略上重要なわけです。
死にせだよっていうことですね。それぐらい長く潰れずに続いてきたっていうことはサービスもいいし評判も高いという雰囲気を醸せるわけです。
それが本当かどうかは別として。なのでこのような技巧的スペリングを採用するっていうことは野後では多いんですよね。
そしてどの時代のスペリング、古いスペリングを採用するかというとですね、この初期近代あたり、つまりルネッサンスで一番輝いている頃ですよね。
エリザベス朝ですよね。ここに焦点を当てるっていうのが正解っていうことになるわけですよ。
そこでクラウンホテルとかクラウンプラザという時にはですね、クラウンのnの後にeを付け足しておく。これだけで一気に格が上がった気がするっていうことなんですけどもね。
このような技巧的スペリング、遊びで使ったりあるいは商売戦略上を使ったりということはですね、英語の世界にはあります。
技巧的スペリングの例
最もこの観点から著名なケースというのは、フォノヘルディオでもお話ししたことはありますかね。
これ、定関詞のtheをですね、このスペリングではなく技巧的なスペリングであるyeと綴るというものですね。
知らないとこれyeとかyeとか読んでしまいそうなんですが、これはthに相当する1文字が後英語中英語ではありまして、thornという文字ですね。
このthornという文字に最も近い、形状近い、現代に残っている文字がですね、yなんですよ。
文字の形ですよ。なので、今thornという文字はないので、ズバリ使うとハテナが飛んでしまうので、これはですね、最も形状近いということで、thornをかもす文字としてyを使っている。
ただこれはあくまでthのつもりで読んでくださいねということですので、theと読むわけですね。
野号に定関詞theが含まれることは非常に多いので、これを普通のtheでなくyeとすることで死にせ感が出せるという、これまた技巧的スペリングの例の一つということになります。
ちなみに、ラテン語のcoronaという語源形ですけれども、これは別途初期近代英語記にそのままラテン語から直に英語に入ってきておりまして、
これは太陽とか月の周りの降臨ですね。この意味で使われております。
日本語でもカタカナでcoronaと入ってきておりまして、ビールの銘柄にもなっておりますし、そしてもちろんcovidが思い出されるわけですが、
いろいろな派生経路を経てですね、corona、crown、そしてクラウンのお尻にeがついたもの。
一つのラテン語の語源形からですね、英語もいろいろと派生して、これだけ英語史的には面白い話ができるということなんですね。
皆さん、身の回りにあるかもしれない技巧的スペリング探してみると、それ自体、もう英語史の営みになっていると思うんですね。
リスナー投票のお知らせ
面白いもの、何か気づきましたら是非コメント欄にお寄せいただければと思います。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
皆さん、技巧的スペリング気にしているとですね、ちょこちょこ現れるかもしれませんので、注意してですね、面白いものがあったらこちら投げていただければと思います。
さて、もっか。ヘルディオ2025年、昨年ですね、第4四半期のベスト回を決めるリスナー投票を行っております。
1月13日までオープンということで、すでにヘルディオでもご案内差し上げましたが、改めましてご案内いたします。
昨年の10月、11月、12月に配信したレギュラー回全92回の中から、ベスト回を決めたいと思うんですね。
リスナーの皆さんお一人お一人はですね、一人10票ということで、92本の配信回の中から、これは面白かった、ためになった、などと思うですね10本までお選びいただける、そんな投票システムになっております。
まだ聞いていないというものもあるかもしれませんので、数日時間を設けましたので、この機会にですね、ぜひ聞いていないものを聞き返して見ていただければと思いますね。
そして13日の夜23時59分までにご投票をいただけますと幸いです。
概要欄にリンクを貼っておりますので、そちらから投票を解除をとんでいただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
Voicyのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。
SNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように、英語子研究者のほったり打ちがお届けしました。
また明日。すみません、一つお知らせがあります。
あさって2026年1月10日土曜日のお昼に、Voicyにて久しぶりに有料放送を1本公開します。
お題は、「2026年新春特別講義 情報発信を習慣化する方法 16年半1日も休まず発信し続けた継続の仕組み」です。
私お聞きのVoicyを4年半、そしてヘログ英語子ブログについては16年半、文字通り1日も休まず続けてきましたが、これは根性ではありません。
続けるための仕組みがあるんです。今回はその裏側をすべて体系化した本気の講義をお届けします。
価格は2026年の26年にかけて2600円。あえて書籍よりも高い設定にいたしました。
これは今年こそ真剣に情報発信していきたいという本気の方へのエールです。
2026年新春特別講義 情報発信を習慣化する方法
16年半1日も休まず発信し続けた継続の仕組み お聞きになりたい方は土曜日お昼の配信
覚悟を決めてお待ちください。 それではまた明日!