2025-12-28 14:42

【再】#526. departure --- お別れか出発か?

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/650f4aef0bc9d6e1d67d6767

サマリー

今回のエピソードでは、「ディパーチャー」という英語の語源とその意味について考察しています。また、フランス語との関連を通じて、この言葉がどのように変化してきたのかについて掘り下げています。さらに、出発と別れの概念に関する深い意味やコミュニティとの関係も探求しています。

00:00
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語史の面白さを伝え、裾野を広げるべく日々配信しています。 今日は11月8日火曜日です。いかがお過ごしでしょうか。
ディパーチャーの意味
英語の語源が身につくラジオ ヘルディオ。本日は、ディパーチャーお別れか出発かと題してお届けします。どうぞよろしくお願いいたします。
一昨日の放送なんですけれども、524回ディールとパートのイメージは分け与えて共有するということでお話ししまして、
パートに関する単語をいくつか挙げたんですね。その中で実は放送に取り込みたいなと思いつつ念頭にあったんですけれども、
私自身がよく把握していなかった、よく知らなかったので触れなかった単語としてですね、ディパート、出発する、そしてその名詞形であるディパーチャー、出発という単語ですね。
これについてはよくわからないんで調べてないので触れなかったっていうところなんですね。ですがずっと気になってたんです。
というのはフランス語ではこのディの部分、接頭字なしにまさにパートをそのまま派生させて動詞化したパーティーという単語ですね。これが出発するという意味なんですね。
そして一昨日の放送ではパートっていうのは部分である、そして分け与えるという意味であるということでお話したんですが、これと出発ってどういう関係があるんだろうと気になりながらですね、
その時にはお話せずにいたと言いますか、わからなかったんでお話せず姉妹だったんですが、その後やっぱり気になってですね、いろいろ調べたんですね。
そうするといろいろ面白いことが分かってきて、フランス語でもそしてその影響を受けた英語でもですね、このディパートとかディパーチャーっていう単語、普通出発する出発という風に英語では訳されるわけなんですが、
これがいかにしてこの単語と意味が現れてきたのかというのは大変面白い問題だなと思いましたので、今日取り上げたいと思います。
さて、このディパート、出発するあるいはその名詞形であるディパーチャーっていう英単語なんですけれども、皆さんどのようなイメージを抱きますかね。
一般用語ではありますけれども、例えば空港であるとかターミナル駅でディパーチャーに対してアライバルというようなですね、形字が出たりしますので、ディパーチャーって言うと出発ということでこれから出かけていくっていうようなね、未来思考って感じがすると思うんですよ。
英語でも日本語でもそうなんですけれども、出発、ディパーチャーと聞くと、どこにというまず一つこうがありますね、こうってのアーギュメントです。項目のこうなんですけれども、ディパーチャーと言ったら何を連想するかと言ったら、じゃあどこにという未来思考の考え方が一つあります。
もう一つはですね、逆でどこから出発するんですか、つまりディパーチャーforみたいなものとディパーチャーfromという2つのこうがですね、想起されるんです。皆さんどちらを先にイメージするでしょうか。
出発、ディパーチャーといったときに、未来思考のどこどこへのほか、あるいは過去思考っていうんですかね、どこどこから出発する。これ心理テストになりそうな感じの問題なんですけれども、ディパーチャーっていうのは2つの方向性を持ってるんじゃないかと思うんですよ。非常に面白い単語だなと思いまして。
英語のディパーチャーもやっぱり同じなんですよ。どこどこへ向けて出発するっていうところと、どこどこから出発する、出発するというところで、両方の方向性があるんですね。この点で面白いのは死、死ぬを意味するディパーチャーです。
これ2つの考え方を示していますよね。この世からお別れだという見方と、あるいはあの世への出発だということで、ネガティブ思考、ポジティブ思考っていうんですかね、これに関係しますよね。
実際、この使い方は古くて、新約聖書の手もてへの手紙、4章6節で、私が世を去る時が近づきましたという文があるわけなんですけれども、この場合、deathに近い意味なんですよね。
このdeathというのをどっちと取るかっていうところで、ディパーチャー、これ面白い問題だと思いませんかね。考え方一つです。
似た問題として、コメンスメントっていうのがありますね。これアメリカではコメンスメント、文字通りは始まりって意味なんですけれども、大学の卒業って意味があるんですね。卒業っていうのは、日本語の卒もそうですけど、終えるって意味です。
終えるというふうに、過去思考、今までやってきたものが総括されるっていうことですね。これまでのことを重視するっていう発想と、これからの人生の始まりなんだと見る見方っていうことで、コメンスメントですね。始まりという意味と卒業という意味を両方持っているのがこの単語なんですね。
なかなか面白いと思うんですけれども、こういうふうに二面性があるわけですよ。ところがですね、一昨日放送したpartというのはですね、基本的には分け与える、共有するという意味の名詞だったり動詞だったりするわけですよね。
これとdepart、departureって関係するわけなんですけれども、partの部分がありますね。どのように意味的に関わっていくんだろうかっていうことが非常に気になるわけです。
そしてフランス語をですね、勉強されている方はpartir、まさにpartをそのまま動詞化したものがですね、それが分け与えるというそのものの意味ではなく出発するという意味なんですよ。
かたや英語ではそれにdeという接頭字がついた形で出発するなんです。この辺の関係、なんかどうも複雑そうなんですよね。これについてざっと調べてみたところですね、細かくは調べていないんですけれども、面白いことが分かりました。
フランス語でpartをそのまま動詞化したpartirっていうのは今出発するという意味なんですが、これは元々はse partir de英語で言いますとseparate oneself fromぐらいの意味なんですよ。
自分自身を〜から分離させるっていうことで、つまり〜から分けて自分自身は違うところに行くというような言い方ですね。これが結局出発する、つまり他のグループから離れて違うところへ行く、独立するみたいなニュアンスですね。
この言い方がスタートになってse partir deですね。こうした言い方から始まって、統合的な省略がいろいろと起こってpartir、partに相当するその動詞形ですね。これだけでとにかく出発するという意味が出てきたということらしいんですね。
se partir de、separate oneself fromという表現のseparateの部分だけが一人歩きして、それだけで新たなところへ出発する、元のところから離れるみたいな意味になったと、そんなことらしいんです。
departureの語源と意味
もともとはどこどこから出発するっていうからに相当する前置詞ですね。これがラテン語とかフランス語ではde、deで表されるものなんで、これが頭についた形でdepart、departureとして入ってきたのが英語ということになりますね。
もちろん元々のフランス語でもdepartという形で、deがついた形で出発ということがあるんですが、英語にもそれが入ってきてdepartとして、これは動詞として使われるようになったんですけどね。
さらにそれに名詞語尾がついてdepartureとして出発ということになった。どこどこから自分自身を離す、離して別れさせて別のところへ行くということですね。これが出発という意味になったと、そういうことです。
一昨日の放送ではpartっていうのは分け前を与えるっていうことなんで、ある意味ではコミュニティに属する、参加するっていう参加の意味が出てくるんだということを述べました。
このコミュニティとか参加ということがですね、この分け前ってことと合わさって非常に重要な、このpartに関する関連語彙の中核を成していると思うんですよ。
もうちょっと動物的に言えば群れと考えていいですよね。なのでdepartureって自分の群れを離れて他の群れに行くってことなんですよね。
ポジティブ、ネガティブ両方あると思いますが、いや深い。エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
一昨日の放送のpartから解きほぐしまして、今日はdepartureまで話が進んできました。
これはポジティブなのかネガティブなのかということですね。
明日に向けての出発なのか、昨日からのお別れなのかみたいなことになりますけれどもね。
発想の根源にあるのはコミュニティっていうことではないかと思うんですよ。
人が複数いるコミュニティですね。
そこで食べ物になるなり分け前を与えるっていう関係、これがまさにコミュニティに参加しているっていうことである。
コミュニティに属しているっていうことである。
そこから離れるっていうことはどういうことなのか。
独り立ちする、別のコミュニティへ参加するという未来志向のこともあれば、そのコミュニティから離脱するというようなんですね。
否定的に見ることもできる。
これは動物の世界、特に猿ですかね。類人猿の猿の世界なんかでは、
自分の群れを離脱して他の群れに加わるであるとか、そういうことがよく言われますけれども、同じ猿ですよ、我々も。
コミュニティを作って社会を作ってその中で生きる存在でもあるし、時にそこを離れていかなければいけない存在でもあるということでですね。
このpartに込められた意味合いって結構深いなというふうに、この2日私もですね、放送しながら改めて考えた次第です。
partとかdealっていうことですね。それから日本語では分けるになるんですかね。
分けるっていうことは分け与えるとか分かち合うということですし、分かれるということにも通じます。
分け与えるであるとコミュニティ内部の話ですが、分かれるって言うとコミュニティから離脱するっていうことですよね。
また別の発想ではですね、分けるっていうのは個にする、個別にするっていうことなんですが、分かち合うという言い方にするとむしろ個別ではなく集団ですよね。
このような複雑な人間関係、場合によっては逆向きの人間関係も同じ一つの語根から編み出そうとする人間って何?
日本語でも西洋語でも一つの語幹に遡らせるということですね。
この辺りに何かあるなというふうに感じつつ何もまとめられずに終わった形なんですが、皆さんいかがお考えでしょうか。
ぜひご意見を寄せいただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご質問、ご意見、ご感想をお待ちしています。
ポイシーのコメント機能を通じてお寄せください。
チャンネルをフォローしていただきますと更新通知が届くようになります。ぜひフォローをお願いいたします。
また、面白かった、ためになったなどと思った放送会がありましたら、ぜひそちらにもいいねをよろしくお願いいたします。
最近の配信会だけでなく、古い配信会につきましてもコメントやいいねをいただければ幸いです。
私の方に必ず通知が入りますので、なるべく反応したいと思っています。
それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように。
もったりうちがお届けしました。また明日。
14:42

コメント

スクロール