英語の形容詞の興味深い使われ方
おはようございます。英語の語源が身につくラジオのパーソナリティー、そして英語の歴史を研究しています。堀田隆一です。
7月21日、木曜日です。 地域の学校は、今日あたりから夏休みっていうところがあるんですかね。少なくとも我が家の子供たちはそうで、いよいよ始まってしまった。
ちょっと憂鬱な気分なんですけれども、暑さに加えて常に家の中に子供たちがいる状況というですね、この試練を乗り越えなければいけないということで、夏が本格的に始まってしまった感があります。
今日も元気にいきましょう。 今日は昨日に引き続きなんですけれども、リスナーさんからいただいた質問、ご意見に対して私がリアクションしたいと思います。
英語に関する素朴な疑問、1000本ノックのパート11、第11弾となります。 本日もよろしくお願いいたします。
まずは7月16日にコフシップさんからいただいたご質問です。 堀田先生こんにちは。いつも楽しく拝聴させていただいております。
英語は掘り下げると大変興味深いのですね。 昔一瞬疑問に思っていたことを、堀田先生に質問したくメッセージを送らせていただきました。
海外では形容詞が名詞として使われている場面があり、ぜひ詳しくお聞きしたいです。 例えば、昨日すごい大きい魚を釣ったよ。
どのくらいのサイズなの? このくらいの手でのジェスチャー好き。
を表す英語がthis big それからヘアドレッサーにてあなたの髪の毛の分け目はどこですかと聞かれた時の英語が
where is your natural? との場面です。 big も natural も形容詞だと思っておりましたが名詞でそのような意味があるのか
もしくは形容詞の後に実はoneやpartなどがあるけれど省略しているのか もしくはスラングなのでしょうか
私のこのふとした疑問が解けたら大変嬉しいです。よろしくお願いいたします。 ということで具体的な例を挙げていただきました。
具体例による分析
このぐらいの大きさなんだよって意味でthis bigっていうのはこれよくありますよね。 それからこれはあまり私自身が使ったりしたことはないので
知らなかったんですけどwhere is your natural? ナチュラルな分け目はどこなのっていうくらいの意味ですかね。
このように形容詞が名詞として使われるケースがあるって言うんですね。 2つの具体例を挙げていただいていますので具体的に見てみますと
this bigっていうのは実はこれは日本語に訳すとこれぐらいの大きさというふうに訳すことが多いかなと思うんですけれども
英語的には一般的にこういうふうに分析されると思うんですよ。thisっていうのはこのくらいという副詞でbigという形容詞にかかっている。
このぐらいに大きいということでこのbigは明らかに形容詞っていうふうに普通は取るんだと思うんですね。
how bigに対してthis bigとかつまりvery bigというぐらいのveryに近いぐらいのそこにジェスチャーが加わるのでthisと言っているっていうことで
この場合はbigの後に例えばfishというのが省略されているというよりはhow big is itに対してit's this bigという言い方ですので順前たる形容詞と考えていいと思うんですね。
大きい魚が省略されているとかあるいは大きさという抽象名詞になるんだというふうに考えるよりはthis bigでこれぐらいに大きい。
あえて言えばbig to this extentぐらいの言い換えなんだということでここでは形容詞がそのまま名詞として使われているんだというその例には当たらないのかなっていう気がするんですね。
一方where is your naturalっていう場合は明らかにyourがありますのでyour natural partぐらいなんですかね。
英語的にはこれが省略されているpartあたりの名詞が省略されているというようなこのように考えることはできると思うんですね。
本来は形容詞プラス名詞というくだったものが非常によく使われるのでしかも特定の文脈では何を指しているかわかるということでこの名詞の部分が省略されていわば見た目には形容詞が単体で
名詞を含んだ意味になるっていうことは非常に一般的に起こっていますね。
なのでこのnaturalっていうのもその雰囲気が濃厚だと思うんですね。
この例としてよく挙げられるのがprivate soldierという併卒ですかね。
これがあまりによく使われるのでprivateだけで併卒の意味をobtainになるというソルジャーを伴わずっていう。
このように形容詞プラス名詞のくだったものが名詞がunderstoodされて省略される。
そして形容詞単体で事実上名詞の意味を表すっていうことは非常によくあると思うんですね。
つまり成り立ち統合的に言うと後ろの名詞が省略されただけということなんですが。
この前のnaturalとかprivateに相当する部分ですね。
この形容詞の立場からすると本来形容詞だったものが後ろが省略されたがために分析言いされると立場上いきなり名詞になってしまうということになりますね。
naturalの中にもともとpartという意味が含まれているわけではありません。
あるいはprivateの中にsoldierの意味が含まれているわけではありません。
もともとnatural partであるとかprivate soldierという区がありそれが省略されたからこそ省略された名詞の暴霊ですね。
その名詞の意味の暴霊みたいなものが未だにつきまとっているっていうことで形容詞がこのような形で名詞化するっていうことは非常に頻繁に起こっています。
形容詞と名詞の関係
もう一言言いますとこれは英語だけの話題ではありません。
引用語にはおそらく広く言えることだと思うんですね。
とりわけ古い時代例えば後英語中英語だったりさらにもっと昔の引用語の仲間たちですね。
整数書くというものが形容詞にもついていまして後ろに特定の語尾がついたので単に形容詞だけを使っても後ろの語尾の変化に従って実際上名詞の意味になるわけですよ。
ですからラテン語やギリシャ語といった古代の言語ですね。
それから後英語でも使えますかね。
この用語サブスタンティブって言うんですよ。
名詞と形容詞を合わせた品詞っていうことですね。
つまり形容詞っていうのは常に名詞にもなり得るということなんですね。
なのでこの2つをあえて区別せずにサブスタンティブという名詞プラス形容詞をひっくるめた言い方の品詞っていうのが文法用語としてあった。
後英語でもこれ当てはまると思うんですね。
ギリギリ中英語もかなっていう感じですが屈折語尾がなくなって整数書くを英語を示すことができないようになったのでそれ以降は名詞と形容詞っていうのは基本的には区別。
ただ今回の例のように昔の遺産でですね。
やはり非常に近い関係であるっていうことで形容詞と名詞っていうのが区別されないと言いますか。
両方の役を果たすことのできる語っていうのがたくさん存在するっていうのはそういう流れなんですね。
次の質問です。
同じく7月16日にいただいた質問です。
槍を振り回すおじさんからです。
おはようございます質問です。
英語では2022年を2022のように4桁の西暦年を読むとき4つの数字を前後2つずつに区切り4桁の数であるとみなさず2桁の数字2つの形で読みますがこのような読み方はできたのはいつのことなのでしょうか。
また単純に2022のように読まないのはどうしてなのでしょうか。
これは大変良い質問と言いますが答えるのは難しい質問なんですけれども、正式に言いますと実は最後に挙げていただいた2022というのはこれ正式な言い方としては認められていますし、日常的にはこういう言い方はしないっていうだけで、これはこれでOKなんですね。
ただ一般的にはご指摘の通り2桁に区切ってですね。
1975であるとか2022であるとか、イギリス時における最大の事件ノルマン西暦が起こった年なんですが1066のように確かに2桁に区切ってそれを2つ合わせることで4桁の数字を表現するっていうのが一般的かと思います。
これなかなか難しくて、文献学的に私もいろいろこれから調べてみようと思うんですけれども。
文字で書かれている文献学上ですね、英語紙で研究する際には当然文字で書かれた資料がほとんど唯一の資料になるんですが、それがですね、最初から数字で書かれてるんですよ。
英語の数値表記
古くはローマ数字ですね、アラビア数字ではなくですが、どっちにしろですね、記号で書かれているので、これをどのように読み下したのかということですね。
はなかなかスペルアウトしてくれていないので、分からないと言えば分からないんですよ。
なのでここからはいろいろ私自身が調査する前の想定、仮定ということで仮のお話なんですけれども。
実は小英語の時代から1000の位って言いますかね、例えば1900っていう時に普通だったら1900という言い方ですが、これは小英語からあった言い方として実はですね、100をベースにして1900という言い方があったんです。
つまり1975年は1975だったんですね。
そしてこの100という単位が長すぎたんで省略したのではないかというのが私の意見です。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
リスナーさんからのご質問に答えるという形で、今日も2問しか答えられなかったんですけれども、非常に噛み応えのある質問が寄せられてきました。
ありがとうございます。このような機会をいただきますと、私も大変刺激を受けてですね、問題自体が非常に面白いということもありますが、話していてとても楽しいということなんですね。
リスナーの皆さんにおかれましては、各回の放送の内容に引っ掛けるという形でもいいですし、それとは全く別の関心から湧き起こった質問ということでも全く構いません。
いつでも受け付けておりますので、ぜひご意見ご感想ご質問をお寄せいただければと思います。
このVoicyのコメント機能を利用して、あるいはチャンネルプロフィールにリンクを貼っています専用フォームを通じてご投稿いただければと思います。
なるべく多くのご質問にお答えしたりリアクションしたりしていきたいとは思っています。
なるべくすぐにお答えしたいと思っているんですけれども、しばらく経ってから答えるというケースはですね、本当は結構考えたんだなと思っていただいて結構です。
すぐに答えられないものがたくさんありまして、堪能しているものもいくつかあるんですけれども、
これも含めまして、ご意見であるとかご質問って本当に大変貴重な機会だなというふうに思っております。
ぜひふるってコメントをお寄せください。
最後に講座のご案内です。
2週間ちょっと先になりますけれども、8月6日土曜日午後の3時半から6時45分、3時間超にわたる長丁場なんですけれども、
朝日カルチャーセンター新宿教室にて、全4回のシリーズ、英語の歴史と世界英語、こちらの第2弾となりますが、第2回講座、いかにして英語は拡大したのかについてお話しします。
こちら対面とオンラインのハイブリッドの形で開催されることになっていますので、ご関心のある方はいずれか都合の良い方法でご参加いただければと思います。
当日の時間が都合が悪いようでしたら、その後1週間でしたかね、このビデオですか、録画したものを視聴できるというような、そのようなサービスを朝日カルチャーセンターが始めているというふうに聞いていますので、その形での間接的ではありますが、参加も可能かと思います。
どうぞご検討いただければと思います。
シリーズの2回目ということで、掲載上は続きものということになっているんですが、実際には1回1回、だいぶ独立した話になっています。
シリーズ全体のテーマは世界英語入門ということで、最近ですね、非常にトピックに上がってきますワールドイングリッシーズ、これを4回にわたって、主に歴史的な立場からですね、考えてみようということで、
歴史的な立場から世界英語を見るっていうのは、今のところほとんどないと思うんですね。
それがこの私の講座のオリジナリティだと思っていますが、前回の第1回は、まさに4回の講座の入門編ということで、導入編ということで、様々な考え方、概念、用語みたいのを導入したっていうことなんですね。
そして今度の8月6日の回は、いかにして英語は拡大したのかと題して、主に18、19、20世紀、近代ですね、近代になってイギリスプラスアメリカですけれども、が世界に英語の種をまいたと言いますかね、そして拡大させていったという、この経緯を見ていきます。
その中で英語も1種類では決してなくて、様々な種類の英語というのが各地に根付きながら、そこで育っていったというような、そのような現代に至るまでの話になると思うんですね。
現代21世紀の世界英語の話ですね、それから英語の未来という話、これを考えるにあたって、やはり決定的に重要なのが、近代期の英語の拡大拡散ということかと思いますので、この第2回講座は、その点で非常にクリティカルな時代、そして現象を取り上げるということになります。
この話題にご関心の方は、ぜひ参加をご検討いただければ幸いです。こちらのチャプターに、講座のご案内を貼り付けておきますので、そちらで詳細をご確認いただければと思います。
それでは、週末に向けて木曜日ということですが、私は期末テストの採点地獄になっております。これからひたすら丸付けをしなければいけないという状況に置かれていますが、めげずに何とか頑張って1日を過ごしていきたいと思います。リスナーの皆さんも元気に木曜日をお過ごしください。
ほったりうちがお届けしました。また明日。