息抜きと気晴らし
おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった
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本日の話題は、ハッシュタグ企画。昨日に続きまして、Voicyの企画するハッシュタグ企画に乗っかろうと思います。
今週の2つ目のキーワードが、息抜きしようということですので、私の息抜き、気晴らしの方法と合わせまして、本日のお題は
私の息抜き、気晴らし、ディスポートは運動、スポートです。 これも二重語ということで、語源の話題に引っ掛けてお話しようと思います。
息抜きしようというお題なんですけれども、この日本語の息抜きと似た用語、類義語と言っていいと思うんですが、気晴らしというのもありますね。
この2つはあまり使い分けないで用いていることもあるかなと思うんですけれども、私の語感としては息抜きという方が小規模と言いますか、日常的で仕事の合間の息抜きっていう感じでしょうかね。
一方、気晴らしというともう少し大きく、大規模と言いますかね、気晴らしにお出かけしよう、気晴らしに登山に行こうであるとか、少し大掛かりになってくるかなというニュアンスの違いは感じないでもないんですけれども、ただ日常的には両方、大規模にも小規模にも、ちょっとしたことにも大きいことにも使うのかなというところですね。
私にとって息抜きであるとか気晴らしというのは大変重要なことでして、研究のようなことをしていますと常に頭の中がごちゃごちゃある一つのこと、あるいは複数のことでごちゃごちゃになっている状態で、なかなかまとまらないという時があります。
こういう時に息抜きをしたり、気晴らしをするとふと繋がってくると、さまざま複雑だったものがスッと一本の線が通るように、ある気づきの瞬間があったりするということですね。
これはアイディアの神様が降りてくるとか、いろんな言い方で言われていることだと思うんですけれども。
おそらく一回その頭の中に詰まっていることごとであるとか、仕事であるとかですね、そういったものから離れてみることによって、むしろ整理される、頭の中が整理されるということなんだと思うんですね。
ということで、私も計画的にと言いますが、意識的に息抜き、気晴らしということを生活の中に含めるようにしています。
どちらかというと心身を休めるという目的よりは、普段ごちゃごちゃしているものを、その息抜き、気晴らしの間に勝手に脳が整理してくれるような状況を作ろう、そんな感じで一服入れているっていうことが多いと思うんですね。
アイディアの神様の降臨を待つみたいな、そんな使い方です。
古くからこの発想法ですね、アイディアの神様が降りてくるのを待つという時に引き合いに言い出されるのが、中国の欧陽州、北層の政治家ですが三条っていうことを言ってますね、3つの上。
この上にいる時に一番リラックスして息抜きができていて、アイディアが湧いてくる、降りてくるっていうことですね。
その欧陽州の三条というのが馬上、沈上、死上っていうものですね。
これ馬の上、馬上、枕の上、寝る前後っていうことですかね。
そして死上、これ河谷の上っていうことです。
トイレって非常にリラックスするので、確かにふと湧いて出るアイディアがあったりするっていうのは、私も経験がありますし、皆さんもあるんじゃないかと思うんですけれども。
この三条の私版ですね。私が考えるところでは、上には乗らないかもしれませんが、まず一つ読書中ですね。
読書ってある意味集中して行っているんですが、その本の内容に集中している間に別のこと、例えば仕事のことであるとか、そちらのアイディアがふと浮かんでくる。
これ読書をしながら、実は集中していないかのような感じもしないでもないんですけれども、どうも読書中に何か異なることについてアイディアが湧いてくるってあったりするんですね。
私は比較的これは多いかなと感じています。
もう一つは、これは文字通りの息抜き、気晴らしということになっているんですが、水泳するんですね。
小さい頃からずっと今まで続いていて、週に3、4回ですかね。夏休み等になるとほぼ毎日行って泳ぐわけですね。
その後にプール、ジムみたいなところのサウナがあって、サウナに入るのも好きなんですが、これで頭と体がすっきりするということで、
私が最も頻繁に利用する、日常的に組み込んでいる気晴らしであるとか息抜きというと、この水泳ということになりますかね、プラスサウナですが、この泳いでる間もどんどん湧いてくるっていうことがありますね。
メモりたいぐらいに湧いてくるっていうことが多いです。
これは普段の研究であるとか、仕事、机について行っていることから離れているからこそ、逆にどんどん湧いて出るのかなというふうに考えます。
3つ目は歩行中、歩きですね。これも一人で歩いているときに、頭がよく働くんですかね。体を動かしている分、これもやはりふとアイデアが湧いてくるっていうことが多いので、
私の3畳というか3中ですけれども、読書中、水泳中、プラスサウナですけれども、歩行中というこの3つあたりなのかなと思っています。
ということで私自身にとっては、3つの中2つが体を動かす系ということなんですね。
これは昔からおそらく言われている気晴らしであるとか、息抜きの方法として、最も典型的なものではないかと思うんですね。
英語の表現
さあここで、息抜き、気晴らしを表す英単語、いくつか見てみたいと思うんですが、様々な訳語、YA字典なんか引くと出てくると思うんですけれども、普段日常的に使うのは何でしょうかね。
まあリラックスっていうのがありますね。これ動詞ですが、リラックセーションっていうのが名詞です。
日本語ではリラクゼーション、ゼーションのように濁っていますが、英語的にはこれ決して濁らずにリラックセーションという発音になりますね。
これは、体を緩めるっていうのが本来の意味となりますね。他には、リフレッシュっていうのもありますね。リフレッシュワンセルで、すっきりする、気晴らしをするっていうことで、主に食べたり飲んだり軽くすることで息抜きするという色彩が強いですかね。
ですので、名詞形で複数形にすると、リフレッシュメントというと、ちょっとした飲食物ということになるわけですよね。
この2語などは、どのように気晴らしするかっていう方法と言いますかね、そこに焦点を当てたような単語のように思うんですね。
もう一方で、ダイバージョンみたいな表現がありますね。動詞はダイバートというところでですね、つまり本筋から離れる、脇に反れるというような感じですので、本業であるとか、仕事みたいなものをずっと集中してやっているのを一回離れてみるっていう感じなんですね。
なので、先ほどの話に照らしますと、私のこの息抜き感、気晴らし感っていうのは、どちらかというと、このリラクセーションとかリフレッシュメントというよりは、このダイバージョン的な発想に近いのかなというふうに自分で思うんですね。
もう一つ、この系統の英単語がありまして、これはthis portという単語ですね。これちょっと古めかしくて、あまり今では使わないかもしれませんが、これもthisっていうのはこの離れてっていう意味ですね。それからportっていうのは運ぶ、import、exportのあのportです。運ぶっていうことなんで、つまりcarry awayっていう感じですね。
やはり心であるとか集中力みたいなものを、本筋から外に持っていく、外に運び出すっていうことで、ダイバージョンなんかと同じ発想に基づいた、そういう意味での息抜き、気晴らしだと思うんですね。さて、今回は主にこのthis portという単語に注目したいんですけれども、これ今述べたように、もともと気分を外側に持っていく。
反れた方向に持っていくっていうことで、まさに気晴らしに近い感覚なんですけれども、この単語は14世紀ぐらいにフランス語から借りた単語で、当初はですね、やはり気晴らし、遊びって意味だったんですね。まさにズバリの意味です。
そして比較的よく使われる単語だったのが、2音節の単語なんですけれども、これが1音節になります。つまり省略形っていうのが生まれるんですね。その際に頭音、頭の音が省略されて、つまりthis portですから、このdiの部分が消えてしまって、なんとsportになったんですね。我々の知るスポーツです。
このスポーツっていうのは、本来的にはあくまでthis portの省略形に過ぎませんから、当初の意味はやはり娯楽であるとか気晴らしであるとか、そういうことなんですね。そこから少し独り歩きを始めてですね、スポーツっていうのが独立した単語とみなされるようになって、気晴らし、娯楽ぐらいの意味からだんだん運動、ゲームというような、体を動かす系の気晴らしの方法ですね。
こちらに意味が特化していたって言いますかね。このように変化していくのは少し経った後、16世紀前半なんですけれども、それがさらに少し時間を置いてですね、比較的最近になって19世紀後半ぐらいになって、このスポーツと我々が今知る、一番よく知る意味ですね。この本格的な仕様が始まったということなんですね。
つまり、スポーツとスポーツっていうのは、元の単語と省略された単語という関係で、本来は同じ単語だった。確かに気晴らしという意味と運動、スポーツという意味で、先ほど述べたように意味的な関連というのは密接にあるわけですよね。
このような単語のペアを25ダブレットというふうに呼んでいます。語源的には全く同じなんだけれども、少し形と意味がずれて、異なる単語として2つ存在しているということですね。
今回の場合、ディスポートのDの部分、頭の音が消えることによって25が生まれたということになるんですが、他に例を挙げますと、例えばディフェンス、これ防衛ですよね。
Dが消えてフェンス、囲いなんです。囲いって確かに防衛のための策のことを言うわけですけれどもね。
他にはコンプロット、凶暴なんていう単語がありますが、このコンが消えてプロット、これ陰謀、計画というような意味がありますね。
他にはディストレイン、差し抑えるの誤答が消失してストレイン、引っ張る、緊張させるというような、このような誤答音省略による25っていうのは探してみると結構あるものなんですね。
ということで、今回の話題は、私の息抜き気晴らし、ディスポートは運動、スポートです、という、こういうことになったわけですね。
実は25の話だったということになります。
講座の紹介
本日も最後まで放送を聞いていただきありがとうございました。
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最後に講座のご紹介をしたいと思います。
来る6月11日土曜日なんですけれども、午後の3時半から6時45分、朝日カルチャーセンター新宿教室にて、英語の歴史と世界英語、世界英語入門と題するシリーズ講座の第1回が始まります。
シリーズの紹介ということで、世界英語の入門の入門、World Englishiesというものは一体何なのか、これについて考えたいと思っています。
講座内容の詳細な紹介やお申し込みにつきましては、このチャプターにリンクを貼っておりますので、そちらをご覧いただければと思います。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。
ではまた。