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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶應義塾大学の堀田隆一です。 このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった
英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。 毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
アメリカにおけるヨーロッパ語の影響
今回取り上げる話題は、意外と多い、アメリカで借用されたヨーロッパ語の単語、
というものです。 英語がアメリカ大陸と関係を持つのは15世紀末が最初です。
例のコロンブスが1492年にアメリカに到達するということが起こりました。 そのすぐ後、他の国々も次々とこの新大陸に到達するわけですけれども、
イギリスとしても、ジョン・カボット、これはイタリア人でイタリア名を英語で言い換えたものなんですが、ジョン・カボットを船長とするイギリスの船がニューファウンドランド、今のカナダの沖合ですけれども、大西洋の、ここに到達しますね。
ここである意味、初めて北米、カナダではありますが、北米と英語とが接触するということが起こったわけです。
次の16世紀中にもイギリスはアメリカ大陸方面に航海しているわけなんですが、最終的にイギリスが初めて植民地を新大陸に建てたというのは1607年のことですね。
いわゆるジェームスタウンと呼ばれることになる町の建設です。これ以降、英語が北米大陸に根付いていくことになるわけですけれども、その過程で多くの先住民の言語ですね、いわゆるアメリカン・インディアンの様々な言語から英語は単語釈用することになりました。
例えば、いくつか挙げてみますと、チップマンクなんていうシマリスですね、それからマカシンという先住民が履いていたかかとのない柔らかい革の靴ですね、それからパウワウ、先住民のまじないしですね、それからスクオー、先住民の妻ということですね、それからトーテム、これはトーテムポールなんかのあのトーテムですね、
そしてウィグワーム、ウィグワームというやはり先住民のドーム型のテント小屋ですね、とうとう先住民の文化であるとか、あるいは北米に特有の動物などの名前が非常に多くですね、英語に流れ込んできた。
これは当然のように思われるかもしれませんが、意外とですね、アメリカに英語が根付いてから、このアメリカ大陸で英語が釈用した語っていうのはですね、そのソース言語が、いわゆるアメリカインディアンの先住民の言語っていうことも多いんですが、意外なことにヨーロッパ系の言語ですね、から入ってきた単語っていうのは非常に多いんです。
というのは、既にですね、イギリスが北米に根付く前に、スペインであるとかフランスであるとか、それからオランダのような他のいわゆる植民地列強の国々が先にですね、領土を取っていた、北米と関わり合っていたということで、ある程度そういった言語も根付いているわけですね。
旧大陸のヨーロッパの言語も、もう既に北米大陸で使われている、それを喋る人々が送り込まれて、植民者がいるわけですよね。こういったヨーロッパ系の言語を喋る植民者がいたっていうことです。
彼らから英語話者、新しく入職した英語話者が、多くの単語を借りたということで、このスペイン語であるとかフランス語、それからオランダ語というのは、もちろん、
それ以前の時代、つまりイギリスが北米と接する前の時代から、すでにいろんな形で交流を通じて、こうした言語から英語は釈用をしてきたわけなんですけれども、
舞台を変えて、新大陸においても、やはり同じようなヨーロッパ系の言語から、意外と多くの単語を借りているということなんですね。
これは、あまり気づかれていないかもしれませんが、かなり多いんです。
フランス語からの借用語
では、フランス語から見ていきたいと思うんですね。フランス語というのは、英語史的には、1066年のノルマン征服を機に、中英語記を中心として、大量の1万を越す数のフランス語が英語に流入した。
典型的に従って、中英語の時期の話である、フランス語の釈用語はですね。というふうに見られているわけなんですが、実は近代以降も着々と英語に入っていますし、そしてアメリカ大陸という舞台においても、フランス語からの釈用語を英語はたくさん貰い受けているんですね。
というのは、1803年にフランス領だったアメリカのルイジアナ、これをですね、アメリカ合衆国が買い取ったルイジアナパーチャスと言っていますが、この経緯でですね、フレンチコネクションができているわけですよね。英語とフランス、あるいはフランス語の間で関係が新大陸においてあったということです。
しかも、カナダはですね、もともと大半をフランスが植民地として持っていたというところで、後にイギリス、そして後のアメリカ合衆国がですね、関与していったということもあって、もともと北米には広くフランスからの植民者が住んでいた、そしてフランス語を使っていた、こういう背景があるんですね。
いくつか紹介しますと、18世紀以降にですね、バトウ、これは平底の船ですかね、からチャウダルですね、クラムチャウダル、チャウダルです。それから大草原を意味するプレーリー、こんな単語があります。
次にオランダ語なんですけれども、もともとオランダ語と英語の接触っていうのは、すでにヨーロッパにいた時代からですね、長いこと関連はあって、たくさんのオランダ釈用語っていうのは、中英語期以来ですね、英語はたくさん借り受けていたということなんですが、新大陸ではどうかと言いますと、現代のニューヨークですね。
これはもともとオランダの植民地で、名前をニューアムステルダムと言っていたんですね。これを1664年にイギリスが奪い取ったということで解消したんですね。ニューヨークとしたということで、もともとその地にはオランダ語が根付いていた、少なくともオランダ語をしゃべる植民者がいたということなんですね。
その関係からですね、アメリカ英語の中にいくつか新たにオランダ語からの釈用語が入っています。例えば、ボスですね。ボスなんていうのは、アメリカ大陸でオランダ語から借りられた単語なんです。それから、コースロー。コースロー、料理名ですね。それからクッキーってのもそうです。それから重要なのは、サンタクロースもそうですね。
それから、スワイ。これソリです。雪のソリですね。それから、ワッフル。ワッフルということですね。このような単語が英語に入りました。
さあ、スペイン語です。スペイン語もですね、近代英語機に既に英語にたくさんのスペイン語の釈用語が流入しているんですけれども、一方、新大陸でもかなりの単語がですね、借りられています。
スペインはですね、メキシコであるとかテキサスであるとか、北米の南部ですね、を多く領有していましたので、その関係でですね、既にスペイン語が、スペイン語の単語っていうのがその地に根付いていた。それを後から大陸に入ってきた英語が借り受けたということになりますね。
例えば、アボカド。これアボカドですね。それから、カウヨーテ。ホヨーテなんていうのもそうですね。19世紀になってからはですね、1819年にフロリダを購入したり、1845年にテキサスを併合したり、1848年、カリフォルニアとニューメキシコを獲得したりしてですね、アメリカ合衆国がどんどん膨張していくわけなんですが、
こうして、もともとスペイン料だったところが、アメリカ合衆国の手に渡った。これをきっかけにしてですね、大量のスペイン語単語が英語に入ってきたということで、この時期からの釈用語の例としては、
レンチ、ローディオ、カフェテリア、キャニオン、マスタング、パティオなどがあります。アメリカで釈用されたヨーロッパ語の単語っていうのが意外と多いっていうことは分かったかと思います。