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2024-12-27 10:00

heldio #160. fallen leaves は「落ちられた葉っぱ」?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #過去分詞形容詞 #自動詞 #完了形
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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、fallen leaves は落ちられた葉っぱ、という話題です。
落ち葉の季節になってきました。私は東京に住んでいまして、毎朝早朝にジョギングするんですけれども、すっかりこの1、2週間で色づいてですね、黄色や赤に色づいて、そして落葉している落ち葉が見られるようになりました。
この落ち葉というのはですね、英語では fallen leaves という言い方をします。
この fall 落ちるという動詞の過去分詞形を使うんですよね。 fall, fell, fallen のあの fallen leaves ということになります。
ですが過去分詞形というのは、一般的に言うと多動詞であって、それが受け身になるというのが過去分詞形の一般的な用法で、しかも形容詞的にですね、次に来る名詞にかかるという場合には、受け身の意味になるというのが一般的だと思うんですね。
例えば a satisfied customer と言うと、これあの満足させられた客ということになりますね。
それから a surprised look、驚いた顔、驚かされた顔ということですね。
それから written language、書かれた言葉、書き言葉ということですが、いわゆるこの satisfy とか surprise あるいは write という多動詞のですね、過去分詞形を使うことによって、何々されたという、この受け身の意味になるということですね。
これが普通だと思うんですね。
ところが、例外が存在するんですね。
例えばですね、一般的には多動詞と呼ばれている動詞、つまり本来目的語を取るのが普通の動詞なんですが、これが過去分詞形になったときに、されたという受け身の意味にならないというのがあるんですね。
例えばですね、a drunken fellow、drunken fellow っていうと、つまり酔っ払ったやつっていうことなんですが、これ drunken fellow ということですけれども、別に飲まれたやつではないんですよね。
すっかり飲んでしまった、お酒を飲んでしまったやつということで、パラフレーズすれば a fellow who has drunk。
あるいは、a fellow who has drunk much というふうに、能動的な意味になるわけですね。決して受け身ではない。
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他には、a well-read man なんていうときに、これよく本を読んでいる男ということですね。
つまり、a man who has read much ということであって、決して読まれた男ではないわけですよね。
他には、例えば speak out っていうのは、自分の意見を主張するということなんですが、an outspoken gentleman というと、自分の意見を表明するジェントルマンということであって、決して話されるジェントルマンというのは、受け身の意味になるわけではないということですね。
つまり、この過去分詞形容詞というのは、一般的には受け身の意味になるというふうに捉えられている。
確かに圧倒的多数のものがそれなんですけれども、そうではなく、むしろ受け身ではなくて、能動体の意味、能動的な意味で使われるものがある。
しかも、その元の動詞が自動詞であることもあるんですが、多動詞であることすらあるということで、この過去分詞形容詞であれば、これは受け身なんだというのは、大方当たっているんですけれども、そうじゃない例があるということなんですね。
今回の表題のフォール&リーフ、このフォールというのは、もともと自動詞ですけれども、自動詞には受け身というのはありませんね。
つまり、落ちられた葉っぱなんて意味ではなくて、落ちてしまった葉っぱなわけですよ。
つまり、官僚系ですね。むしろ、能動的で官僚的という意味になるということです。
今日の話題は、過去分詞形容詞でも受け身じゃない例というのが、意外とちょこちょことありますよという話です。
それでは、いくつか例を挙げてみたいと思うんですね。
例えば、a departed guestというと、これは去ってしまった、出発してしまったお客ということですね。
つまり、a guest who has departedというふうに、自動詞ですし、しかも当然、能動体なんですよね。
ただ、官僚系ではあります。もうすでに出発してしまったお客さんということで、a departed guestなんて言い方をしますね。
他には、a faded flower、色褪せた、つまり枯れてしまった花ということです。
言い換えれば、a flower which has fadedということになります。
これも、能動で官僚です。決して受け身ではないということですね。
それから、a grown man、大人っていうことですね。大人の男っていうことですが、
これ、a man who has grown upと言ってもいいですが、つまり大人になった、成長しきった人ということで、これも決して受け身のgrownではないということですね。
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a retired officerというのはどうでしょうか。
これ、退役将校ということなんですけれども、an officer who has retiredということです。
似たような表現ですが、a returned soldier、機関下兵隊ということで、受け身でも何でもありません。
むしろ、能動で官僚っていうことですね。
他には、a risen sunというのがありますね。これ、登った太陽、登ってきた太陽ということで、a sun which has risenということで、能動です。
自動詞ですから、当然受け身なんてことはあり得ないわけですね。
それから、a well-behaved child、行儀のいい子供ということで、a child who behaves wellというふうな、これ、完全に能動的な意味ですよね。
いくつかの過去分詞形容詞を含んだ表現ですね、フレーズを見てきましたけれども、今挙げた例はですね、すべて能動的なんです。
決して受け身ではない。じゃあ、この過去分詞は何かというと、つまり受け身の過去分詞ではなくて、官僚の過去分詞だということなんですね。
パラフレーズで、which hasとか、who hasというふうにやってきましたが、実はこれ、歴史的に見ると、今挙げたような単語、典型的に自動詞なんですけれども、往来発着形の意味を表すんですね。
行くとか、来るとか、何々になるというような意味合いですね。
こうしたものは、実は官僚系を作るときに、今のhaveたす過去分詞ではなくて、beたす過去分詞というふうに、be動詞を使ったんです。
be官僚ってやつですね。いわゆるspring has comeの代わりに、もともとはspring is comeと表現していたということを聞いたことがある人がいるかもしれませんが、
このようなケースで、実はいわゆる現在官僚は、haveではなくbe動詞を使ったということなんですね。
こう考えると、パラフレーズで、who hasとか、which hasとやってきましたが、実はbe動詞だったということです。
つまり、a departed guestというのは、a guest who is departedというのが、由緒正しいdepartの官僚系の作り方だったんですね。
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who has departedではなく、who is departedということです。
同じように、a faded flowerというのは、a flower which is fadedですし、
a grown manというのは、a man who is grown upということで、
これはですね、beたす過去分詞の形で、従来言われていたんですが、これ決して受け身ではないんですね。
自動詞ですから受け身っていうのがあるはずがないわけです。
そうではなく、自動詞の場合、beたす過去分詞で、これで官僚系の意味、つまり今で言うと、haveたす過去分詞ということなんですね。
ということで、今回の表題のfallen leaves、なぜこれが落ちた葉っぱ、落ち葉の意味になるかというと、leaves that are fallenというのが元にあったからなんですね。
それではまた。
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