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2024-08-04 10:03

heldio #15. なぜ名詞は REcord,動詞は reCORD なの?


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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる素朴な疑問は、なぜ名詞はREcordなのに動詞はreCORDなの?という疑問です。
英語にはこの手の単語っていうのが結構ありますね。
二音節後、名詞と動詞があって、名詞の場合には前にアクセントですね。第一音節にアクセントでREcordとなるんですが、動詞はreCORDっていうに第二音節後の方にアクセントがあるっていうタイプです。
これ今でも言うんですかね、名前動語なんて呼び習わせていまして、つまり名詞の場合は前にアクセントがあって名前ですね。
動詞の場合は後だから動語ということで、名前動語なんていう風に入詞英語なんかでは、いくつか主要な単語を覚えることになっているっていうことなんですね。
実際いろいろありまして、この記録の場合は名詞の場合はREcordに対して記録するですね。
その場合、動詞の場合はreCORDとなるっていうことなんですが、他にいくつか例を挙げてみますと、
プロデュース、プロデュース、名前動語ですね。
サブジェクト、サブジェクト、オブジェクト、オブジェクト、
リサーチ、リサーチ、
インクリース、インクリース、
ディクリース、ディクリース、
プロジェクト、プロジェクト、
ディテール、ディテール、
コントラクト、コントラクト、
というふうに、この二音節語で名詞と動詞を掛け持つ場合に、
アクセントの置く場所がですね、変わってくるっていうのがあるわけです。
さあ、このようにですね、名前動語なんて名前がついているぐらいですね、
結構あるってことなんですが、じゃあ実際どれくらいあるかっていうことを、
私調べてみたことがありまして、
これはですね、200以上あるんですね。
これ結構あるなと、これは規則なんだと思うかもしれませんが、
そんなことは実はなくてですね、
二音節語で名詞と動詞を掛け持つっていう単語は、
少なくとも一般の普通の辞書を調べる限り、
1300以上あるんです。
それを見るとですね、実はこの200ちょっとあるというこの名前動語のパターンは、
実は少数派でほとんどがですね、実はそのタイプではないんですね。
名語動語か、名前動前なんです。
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いくらでも例が上がりますね。
例えば、両方とも後ろ、名詞でも動詞でも後ろっていうものは、
effect、effect、report、report、result、result、いくらでも上がります。
同じように、名詞も動詞も前にアクセントっていうのもいくらでもあります。
promise、promise、temper、temper、visit、visit。
こっちの方が圧倒的に多いんです。
その意味では名前動語というのは珍しい、200あるんで珍しいとは言いませんが、
少数派であることは確かなんですね。
そもそもこのアクセントって何なのかということになります。
実はですね、この名前動語、recordに代表されるこの200長の単語なんですけれども、
このような発音の分布、アクセントの分布になったのは、
実はですね、昔からそうであるわけではなく、16世紀の話なんですね。
16世紀に初めてこの名前動語を示す単語が現れます。
実はその一つが今回取り上げたrecordなんですが、
まず16世紀にですね、最初に3つぐらいの単語がですね、
辞書に記載されていて、発音がですね、アクセントが確認されると。
その後、徐々に増えていったんですね。
増えていって、この数百年かけて現在200まで達したということなんです。
どうもですね、少しずつ増えているという話なんですね。
これだから歴史的な話題ということになります。
じゃあ何で増えているのかということになります。
基本はですね、effect、effectとかreport、report、result、resultのように、
名語、動語、どっちにしても後ろに単語があったという単語が、
名詞に関して前に出てきているというのが、どうも実態なんですね。
つまりこの記録するを意味するrecordも、もともとはrecord、recordだった。
ところが名詞に関して前に出始めた、record。
動詞は取り残されてというか、変わらずにrecordのままに今残っている。
そういうことらしいんですね。
さあ、一体なぜかということになります。
もちろんですね、名詞と動詞とで発音が違う、アクセントがずれていると、
文の中での役割が分かりやすいということは確かにあると思います。
ただですね、発音すればそうですけれども、書き言葉としてはスペリンが変わらないわけですし、
いまだにですね、名語動語とか名前動前という変わらないものが多いわけで、
それで十分用を足していたわけなので、
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なぜですね、このrecordとかsubjectとかincreaseとか、
この単語に限って名前動語と分けてきたのかっていうのがいまいちよくわからない。
なんでなんだろうかということになりますね。
これはいろいろと考えることができるんですけれども、
まず大雑把に言ってですね、英語の歴史では後ろにアクセントがあった場合ですね、
これは主に釈用語なんですが、実際今述べたような単語ですね、
これまで出てきたような単語はすべて釈用語なんです、フランス語からアテン語から。
このフランス語からアテン語の単語っていうのは、日本説の場合は後ろにアクセントを置くっていうのは結構多いので、
そのままアクセントの位置を保持したまま英語が借りたっていうことになるんですね。
その意味では名詞、名語、動語という形になっているのはわかるんですが、
それが英語では名詞だけ前に出るっていうことが起こっているのはなぜかっていう問題ですね。
英語の歴史の一般的な抵抗として、
後ろにアクセントを置くっていうことを嫌うっていうのがまず根本にあります。
後ろに置くのを嫌うので、なるべく前に持ってきたい、前に移動させたいっていうことがあります。
その意味では、このrecordのような名詞はもともとrecordだったわけですから、
これを前に持ってきたいっていう英語の本来の流れに従順であると。
そのまま乗っかった形になります。
なので、recordという名詞に関してなぜ前に来たのかっていうのは、
説明を要しないわけではありませんが、
基本的に英語の大きな流れに従って変化したんだと考えることができます。
もしそう考えると、動詞はなんで前に出ないのかっていうことになりますね。
動詞はなぜ後ろのままであり続けているのかっていうことがポイントになります。
これもいろいろと説明できるんですけれども、
名詞の場合ですね、recordとなった場合に、語尾に何か付くってことは名詞の場合少ないんですね。
せいぜい複数形のsぐらいです。
この場合、recordの場合はrecordsとなって、特に音節数は変わりません。
単にずとなるだけですね。
ところが動詞の場合、他にもいろいろ付きます。
確かに三単元のs、複数形のsと同じようにsが付いて変わらないんですが、
他にもedが付いたりingが付いたりしますね。
その場合、recorded、recordingっていう二三音節になります。
この場合、英語の弱強弱っていうふうに、弱と強の音節が入れ替わり立ち替わりですね。
リズミカルに出てくるというのが英語の音の特性でして、
そうするとrecorded、recordingっていう風に、
どんどんどん、どんどんどんっていう流れが保たれるんですね。
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つまり動詞の場合、二音節語の場合、後ろにアクセントを置いたままの方が、
後ろに弱いedとかingが来た時に、弱強弱の流れにそのまま乗っていきやすい。
recorded、recording。
これがもし、動詞も英語本来の特性で前に出ちゃったら、
recorded、recordingとなってしまう。
これが絶対悪いわけではありませんが、
どちらかといえば、弱強弱が保たれるrecorded、recordingとなるように保ちたいということですね。
名詞にはその制限がないので、本来の特性に従って、
第一音節、頭の方にrecordとなったというふうに考えることができます。
ただですね、まだこの明前同号歌の動きが出てから、
たかだか400年か500年ぐらいです。
しかもまだ1300以上あるうちの200ぐらいなので、どうなるかわかりません。
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