2025-09-10 14:25

heldio #417. care と cure

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に
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サマリー

本エピソードでは、ケアとキュアという言葉の語源を探り、医療や介護における意味の違いについて考察しています。形は似ていますが、実際には異なる語源を持つことが明らかになります。また、CurateやCuriousなどの言葉の意味も掘り下げており、英語の学習に役立つ内容が含まれています。

ケアの語源
おはようございます。英語の語源が身につくラジオのパーソナリティ、そして英語の歴史を研究しています、堀田隆一です。
7月22日、金曜日です。 東京地方はまだ天気がグズついていまして、妙な陽気なんですけれども、これから数日経ってカーッと夏のようになるのかもしれませんね。
非常に暑いことは暑いですので、皆さん熱中症などにお気をつけください。 そしてコロナ禍も第7波ですか、が始まっているということで、こちらもケアしなければいけないところですね。
ということで本日の話題は、ケアに関する話題です。 ケアとキュア、この語源に迫ります。
本日もどうぞよろしくお願いいたします。 先日410回の放送で、腕、アームと武器、アームズの関係という話題を取り上げました。
ここでリスナーの横田さんからコメントをいただきました。 ありがとうございます。読み上げます。
なかなか面白いです。アーム、腕とアームズ、武器の語源的関係のように、医療や介護の世界ではしばしば使うケアとキュアの間にも、
何らかの語源的関連があるのでしょうか。 というご質問を受けました。ありがとうございます。
この2つの単語、確かに意味的にはケアっていうのは、お世話する、世話っていうことですよね。 そして、
医療的な世話っていうのが、いわゆる治療ということでキュアに相当するわけです。 そして非常に形が似ていますね。
カタヤ、C-A-R-E、ケア。 で、カタヤ、C-U-R-Eということでキュアということなので、
1文字違い、母音も少し違うだけということでですね、非常に似ている関係があるんではないかと思われるわけなんですけれども、
まず結論を申し上げますと、この2語は実は関係ないですね。 非常に似ている意味も形も似ていて、関連ありそうだなと思われるかもしれませんが、
この2つは語源的には全く関係のない単語ということになっています。 このチャンネルでもたびたび類義語の話ですね。
あるいは似ている単語という話をすることが多いんですけれども、2つの単語が意味的にも形態的にも似ている時っていうのは、
確かに語源的関連が何らかの形であって、それで似ているんだという結論になることも多いんですが、一方でですね、たまたま似てるに過ぎないということも意外とあるんですね。
いずれのケースかということを見極めるにはですね、やはり語源地点を引いて確かめるということしかないんですね。
なかなかこれは欺かれるんです。なので調べてみないとわからないということなんですけれども、今回の場合、ケアとキュアですね、それぞれの語源を見ていきたいと思います。
まずケアの方なんですが、これは本来の英語、古英語から存在しています。 もっと言いますとゲルマン系の単語なんですね。古英語ではカールという形、あるいはケアルのような形ですね。
つまり非常に古くからある英単語、本来の英単語で、当時の意味は悲しみとか嘆きっていう意味なんですね。
そこから意味がいろいろと転じていきます。 悲しみとか嘆きということから、まず悩み、悩み事という意味になるんですね。
心配事であるとか骨折し事ということにもなります。 そこから世話のやけることと言いますか、注意深く世話深く相手にしなければならないこと、対処しなければならないことというところから、世話とか注意という意味が出てくるんですね。
非常に広い意味の広がりを持った、そういう単語だと思うんですね。 現在普通には注意とか世話っていうその辺ですかね。Take careのケアですし、それからCareful、Carelessっていう時のあのケアですね。
注意とか世話という意味が中心的な意味になっていると思います。 古英語のCarryという形ですが、これを文字ってですね形容詞形にしたのが現在のCherryという単語です。
Cherryですね。 用心深い、細心なという意味になります。 このCarryとCherryというのはですね、くとちゅっていうのはだいぶ違う音のように聞こえるかもしれませんが、詩音としては非常に似ている音で、英語でもですね、くに対してちゅが対応すると言いますか、交代するっていうケースが非常に多いんですね。
これについては過去の放送、22回の放送ですね、SpeakとSpeechの関係について話していますので、そちらこのチャプターにURLを貼っておきますので、そちらも併せて聞いていただければと思いますが、くとちゅっていうのは結構似てる音なんです。
なのでここでもCarに対してCherryですね、現在のCareとCherryっていうこの関係につながっています。 一方Cureの方ですね、治療の方のCureなんですが、これは中英語記に
フランス語から入ってきた釈用語です。大元はラテン語のクーラという形になりますね。 したがってCareとCureはそもそも語源、元となる言語、ソース言語が違うっていうことなんで、全く関係ないと言ってしまっていいですね。
キュアの発展
ラテン語のクーラがフランス語を経由して中英語記に英語に入ってきたということなんですね。 ただちょっと厄介なのは、そもそものクーラ、ラテン語クーラですね、そして中英語記に英語に入ってきた形のCureですけれども、この時の意味はなんと世話っていう意味なんですよ。つまりCareなんですよ。
ここがややこしいですね。形と意味がたまたま似ていた単語ということで、直接の関係はありません。たまたま似ていたっていうことなんですね。
もともと世話という意味でCureっていうのが英語でも最初に入ってきた時、14世紀ぐらいですが、世話の意味で使われていた。ある意味ではCareと同義語、類義語ということにはなりますよね。
それが後にMedical Care、つまり医療的なお世話、つまり治療という意味に特化していって、そして今の主に治療の意味ですね。これで使われるようになったということです。
英語の文脈では、普通Cureっていうのは同じ治療といっても、内科的な治療、病気の治療っていう感じですね。それに対してケガ、外科的なケガの治療っていうのは、普通Healという別の単語を用いますね。
さて、このCuraなり英語に入ってきたCureですけれども、やはり世話という基本的な意味の広がりがありそうな、そんな意味をもともと持っていたので、その後の展開といいますか、さまざまな単語がですね、直接的にはラテン語やフランス語から借りてきたものが多いんですが、英語の中にたくさん残っています。
例えばAccurateっていうのがありますね。正確なという意味のAccurate。これCuraという部分が入っていますけれども、これやはり注意深いっていうところから来てるんですね。注意深いってことは正確だということです。作業が正確だということにつながります。
それからProcure、調達する、獲得するなんて意味がありますけれども、このProっていうのはForに相当しますね。何々のために世話をする、何々のために結局調達するっていうような意味に発展していきます。
それからCurateといいますと、キリスト教の教区の補助司祭、代理牧師っていうことですね。この意味で持ち入られますが、これは魂の救済を担当する人ということです。魂のケアをする人、そのあたりが原理なわけですね。
それからCuratorっていうのは、博物館、美術館などの学芸員を意味しますけれども、これはもともと世話をする人、そのものをですね、作品を管理して世話をする人ということで、これは比較的わかりやすいんではないかと思います。
他に重要なのはCuriousですね。好奇心の強いということですけれども、もともとはやはり注意深いって意味なんですね。注意深いということは、好奇心の強いものを知りたがるということと緩く関係するっていうことですね。ここから好奇心みたいな意味が出てきて、もちろんCuriosityっていうことです。
それからCurious、骨董品なんてありますが、これ物好きの集めるものですよね。そして大体そういうものをですね、非常に注意深く世話をして管理するということになるのがCurious、骨董品だと思うんですね。
こう考えてみますと、語源的にはケアとキュアは全く違うところにあるということは確認できたと思うんですが、たまたまだとしても意味が世話注意という原理ですね。この原理を共有していたという感覚、つまり何らかのこの2つの間にですね、語源的関係があるかどうかは別として、
意味として2人3脚で歩んできたみたいな、そんな関係ぐらいは想定することはできるかもしれません。結局は注意、世話という原理を中心として、それぞれ関連する単語が発達してきて、あるいは釈用されてきて、そして今に至るっていうことですね。
英語学習の情報提供
語源的関係にはないとはいえ、なかなか面白いペアだと思います。今回質問をお寄せいただきました横田さん、ありがとうございました。今回のように、このチャンネルはリスナーの皆さんから質問やコメントをいただいて、それに反応するという形で話題トピックを選んでいるということも結構多いんですね。
ですので、ある放送会について、あるいは直接関係なくてもですね、英語に関するあらゆるトピックについてコメント、あるいは疑問に思ったことですね。日々の英語学習の中で疑問に思ったことなどをぜひお寄せいただければと思います。
そのようなコメントは、このVoicyのコメント機能、あるいはチャンネルプロフィールにリンクを貼っています。専用フォームを通じてお寄せいただければと思います。なるべく多く取り上げて、皆さんのご質問、ご意見にこちらからもリアクションしたいと思っています。
今日も最後まで放送を聞いていただきまして、本当にありがとうございます。
最後にですね、講座のお知らせをさせてください。
朝日カルチャーセンター新宿教室にいて、2週間後となりますかね、8月6日土曜日午後3時半から6時45分に全4回でお届けしているシリーズ、英語の歴史と世界英語の第2回講座が開講されます。
お題は、いかにして英語は拡大したのかという、主に近代から現代にかけての英語が世界中に拡大していったその経緯をたどっていきたいと思うんですね。
新宿教室での対面、およびオンラインという形でハイブリッド講座として開講されますので、都合の良い方法でですね、参加することができます。
そして当日リアルタイムに参加できない方もですね、講義自体を録画して、その後1週間は視聴できるという形になっておりますので、都合の良い方法で参加できるかと思います。
シリーズの第1回講座は世界英語入門として6月11日に開講しているんですけれども、シリーズとは言いましても各回独立しておりますので、第1回に参加されていない方もご安心ください。
シリーズの流れとしては、第1回で現代のことを扱い、そして次の第2回で近代、後期ですけれどもね、のことを扱うと。そして第3回でさらに遡って中英語期くらいの話から解き起こして、だけども全体としては世界英語の話、つまり21世紀の英語のあり方に関する話に帰っていくような、そんなシリーズの計画を立てております。
現在の英語に関心のある多くの方に響く内容になっているかと思います。よろしければぜひご参加ください。
それでは今日も良い金曜日になりますように、ほったりうちがお届けしました。また明日。
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