リスナーからのコメントへの返答
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語史の著者の堀田隆一です。
英語史の面白さを伝え、裾野を広げるべく日々配信しています。 今日は11月11日金曜日です。いかがお過ごしでしょうか。
英語の語源が身につくラジオheldio、本日はコメント返しです。 たくさん溜まってきました。皆さんにお寄せいただいたコメントにすべてではありませんけれども、なるべくお返ししたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
この1週間ですね、と言わず5日間ぐらいですかね、の間にも非常にたくさんのコメントをリスナーの皆さんからいただきました。本当にいつもありがとうございます。皆さんからいただいたコメントが力になって、毎日ですね、放送を続けられるということもありますし、今回まとめてお返しすることになりますが、これもこれで大変私自身も楽しみにしています。
コメント返しの回っていうのを最近作るようにしているわけなんですけれども、早速すべてというわけにはいきませんけれども、いくつかですねご紹介していきたいと思います。
523回、豚を表す単語たち。ペグ、ホッグ、スワイン、サウについてです。
ホッグという単語の語源についてですね、もともとのsの音がですね、弱まってhになったんではないかというような語源説を紹介しました。
それについてなんですけれども、鈴木ふとしさんからです。
いつも楽しく拝聴しています。
さて、sからhへの音変化ですが、日本語でも起こったという話を聞いたことがあります。
敬語のさん、敬語語尾の〜なさるに対応する関西方言のはん、しはるです。非常に興味深いです。
確かにこれ〜さんに対して関西方言では〜はんと言ったりするという、すとふというsとhの対応関係ということですよね。
このsとhに関しては両方とも摩擦音ということで、hっていうのは摩擦音としては非常に弱いものなんですね。
なので、sのような強めのといいますか、普通の摩擦音が弱まると、だいたいですね、hに相当する音の過程を経て、さらに弱まってなくなるというパターンは、
わりとよく歴史言語学では聞く音変化だなという感じがするんですね。
インドヨーロッパ語族以外でも、日本語のこのあげてくださった例もそういうことなのかもしれませんし、いろいろとありうるんではないかなと思いますね。
だいたい摩擦音って弱まると、hの音になってしまうっていうのは一つ典型なのかもしれません。
ご指摘ありがとうございました。
ちなみにですね、このsだったものがhになってホッグになったという、ケルト語と絡める説なんですけれども、
これ自体はですね、今OEDなんかでは否定されている、最新の語源説では否定されているということで、
実は放送日だったか翌日かにリスナーの方からご指摘いただいて、その後私、
523回の回にチャプターを後から加える形で、先に本編で述べた説っていうのは必ずしも正しくありませんという訂正を入れたんですね。
まだお聞きでない人もいるかと思いますが、523回改めて追加したチャプターも含めてお聞きいただければと思います。
次に524回ディールとパートのイメージは分け与えて共有するという放送会につきまして、
わらしべさんからコメントをいただきました。読み上げます。
このようにゲルマン語とロマンス語で似たような語形性が行われたのには、やはりヨーロッパ的な発想を感じます。
take part inはparticipoの翻訳釈用の可能性はあるでしょうか。
ということで、これは多文にある。おそらくそうだろうというふうに思っています。
いわばこういったイディオムですよね。英語側のtake part inっていうのはイディオムなわけですが、
こうしたイディオムの発想が多言語から借りられるっていうのは非常によくあることで、
一方でもともとの原先が一緒っていうことで、発想自体も独立的に似てくるっていうこともあり得るってのも事実なので、
この借りたのか独立発生かっていうのは常に歴史言語学、英語史でもですね、難しい問題だったりはするんですね。
ただ今回のtake part inの場合、part自体はフランス語から借りているものなんですよね。
このような場合には翻訳釈用あるいはなぞりといったほうが分かりやすいかもしれませんが、
大いにあり得るんではないかというふうに私は考えています。
そして英語の場合、よその言語からなぞるということが圧倒的で、少なくとも歴史的にはですね、
世界的な言語となる以前です。中世から近代初期までは基本的になぞりの方向性は英語がよその言語のモデルを受け入れるっていう側で、
モデルを貸し出す側、なぞられる側になるっていうことは近代初期まではまずなかったんだろうなというふうに考えています。
語源と多動詞についての考察
ありがとうございました。
次ですけれども、522回メニータイムズではなく、メニータイムって何?という放送会についてです。
これは直接的なコメントというよりもですね、あるリスナーさんがコメントをいただいて、
そのコメントに対して別のリスナーさんが反応するという形での交流もですね、繰り広げられていまして、
私も非常に面白くそして嬉しく配読してるんですけれども、
H74さんです。
全知の後にthatは来ないということですが、in that SVやexcept that SVというときはOKですというコメントをいただきました。
この問題なんですけれども、関心がある方はですね、実は過去の放送会でこの問題を取り上げています。
259回の放送なんですけれども、now that、thatを添えて接続詞を作ろうという会です。
ぜひこちらも聞いていただければと思います。
ありがとうございました。
次に525回、多動詞transitive verbって一体何?という会につきまして、
アンナさんからコメントをいただきました。
学生の頃から文法用語が苦手で、その後英語での文法書を知り、英語の方がまだわかるような感じでした。
文法用語が2000年の歴史を背負い、未だ争いの種になりかねないとは、それはわからないわけだと納得しました。
それから併せて別の放送会につきましても、dealなどのお話は驚きの連続でした。
併せて普段使いだとdeal withしか浮かばず、知っていると思い込んでいる単語は辞書を引かないという現状に反省しました。
本当に勉強になりました。この番組はまさに詞の共有ですねということで、
共有がテーマの回だったのでdealとpartの話ですね。そこに引っ掛けていただいたということだと思いますが、
そうなんですよ。dealっていうと今、分け与えるとか共有するというようなね、
そのような意味で考えることってないわけなんですけどもね。
ただ使い方をいろいろ探っていくと、その辺にコア、核がある、意味の核があるということがわかってくる。
この辺りが語源を調べたり学んだりすると、いろいろつながって面白いところ、新たな発見があるところだと思うんですね。
英文法の語源と問題
ぜひ辞書を引くということもそうなんですけれども、語源辞書を身近に置いておくととても良いと思うんですね。
皆さんにおすすめです。
同じtransitive verbの回につきまして、のっこさんからもコメントをいただきました。
こんばんは。今日もビッグな発見をありがとうございます。英文法はギリシャ語の文法が基盤にあるとは不快です。日本の英文学者が悩むはずです。
transitiveは多動詞というよりは、ほった先生がおっしゃっておられる多動詞的という方が的確な感じがしますね。文法大好き人間なので、今日のお話でもっと幅広く考えることができそうです。
というコメントをいただきました。ありがとうございます。
英文法というのは、ギリシャ語であるとか、もっと直接的にはラテン語ですね。このラテン語文法の文法用語とか概念みたいなことをそのまんま英文法に応用しようという発想のもとに用語体系が作られているんですよ。
ただ、だいぶ異なるタイプの言語ですので、同じインドヨーロッパ系といえどですね、ラテン語と英語、特に現代英語ですがかなり違うので、用語とか概念を当てはめようにも強引にならざるを得ないんですね。
ここに英文法の用語、今に続く英文法の用語の大問題がある。そしてそれが日本にも輸入されてしまったという悲劇があるわけです。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
すべてのコメントを読み上げることはできませんでしたが、こうした形で皆さんにコメントを寄せていただいてですね、そして質問もいただいたりしながら、このボイシーで交流できるっていうのはなかなかない試みだったと思いますし、
これまでもですね、英語史のようなマイナーな分野を皆さんに知っていただいて、さらに皆さんにも広めていただくというような、非常に有意義な活動ができているという、私自身も満足感楽しさがありますので、今日のコメント返しも楽しみに返させていただいたという次第です。
これからもですね、いろいろとコメント、ご意見ご感想、そして質問ですね、寄せていただければ幸いです。
実はですね、今日触れようと思って時間がなくて触れられなかったんですけれども、一昨日リスナーのKKさんからいただいた質問と言いますか、話題の提供があったんですね。
これについて、いつどうやって触れようかなと思ってたんですが、あまりに興味深い問題だったんで、この2日ぐらいで調べまして、ボイシーで語るというか説明するにはちょっとまどろっこしくなりそうだったので、これ文章のほうがいいだろうと思い、
ヘログ、私のブログのほうで実は昨日からですね、記事を書いています。何の話かと言いますと、公認野球規則のですね、英語版があるんですが、こちらが本家なんですが、これを日本語版に訳したものっていうのがあるんですね。
野球の規則です。プロ野球を含めて、アマも含めてですかね。野球の規則っていうのが定められている英文があるんですが、その語訳と思われる問題がきっかけで、日本ハムが今、北海道に新設しているスタジアム、球場がですね、その規則に違反した作りになってるんではないかということで揉めているという、そういう案件についてなんですが、
つまりこれですね、英文制度の関わるちょっと面白い話題、これを提供していただいたんですね。教えていただいたんです。この話題、これが面白くて、いろいろ今調べている最中です。まずはですね、このチャプターにブログへのリンクを貼っておきますので、
昨日書いてアップロードをしています。公表しています。ブログの方を読んでいただければと思います。そしてこれをいろいろ調べ終わって落ち着いたあたりで、Voicyでも話題として取り上げたいなと、そんな手順で考えていますが、これも含めてリスナーの方からのコメント、意見、話題提供、これで成り立っているということですので、
Voicyのこのヘルディオ、それからブログのヘログ、このあたりを連携させてますますですね、英語詞の話題、広く長く深くお届けしていきたいと思っています。皆さんのご協力よろしくお願いいたします。
その問題の記事というのはこのチャプターにリンクを貼っておきますので、ぜひぜひそちら読んでいただければと思います。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように、ほったりうちがお届けしました。また明日。