曖昧さと語源の探求
おはようございます。英語の歴史を研究しています堀田隆一です。 このチャンネル英語の語源がミニスクラジオheldioでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に
関する素朴な疑問に英語史の観点からお答えしていきます。 毎朝6時更新です。ぜひフォローして新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回の話題は、 ambiguous about amphibians
両生類に関して曖昧って何のこと? 語源的共通項を持つ三語
という話題です。 ambiguous これは曖昧なとか、量儀的な2つの意味に読めるっていうことですね。
それからabout これは普通の全詞ですね。 そして amphibians これは両生類、両生動物
ということなんですけれども、これ3つ繋げて ambiguous about amphibians 両生類に関して曖昧という
まあナンセンスな句ではあるんですけれども、ここで使った3語にですね、 語源的な共通点があるんですね。
これは ambiguous の amb っていう部分、それから about の部の部分ですね。
b の部分です。そして amphibians の amphi これはまあ ambiguous と似ているところがありますので、なんとなくわかるという気がするかもしれませんが、
この部分がですね、実は引用祖語に遡る非常に古い要素なんですね。
引用祖語ではこの語源形はですね、 ambig という形だったと考えられています。
そしてこれのもともとの意味はですね、 周りに何々の周囲にという意味だったんですね。
これが少々形や意味を変えて、後の様々な言語、インドヨーロッパ語族の言語に受け継がれてですね、
そして単語を作る要素となっていったということです。 では amphibians 両生類の amphibian という単語ですね。
ここから行きましょう。これはギリシア語に由来する単語で、これを英語がですね釈用したということになるんですが、
この amphibians の amphi という部分がまさにこの周りに、周囲にというのがまあ原理である
引用祖語の amphi という部分ですね。これに対応するということになります。
その後の bian については、これもギリシア語の bios に対応しまして、これは生命、生き物、命ということですね。
これが様々な形で英語にも入ってきていますが、最も有名なのは biology の bio ですね。
他には biomass とか biotechnology とか biochemistry とか、今ある意味流行りの単語要素ということができますね。
この amphi というのは、周囲にとか丸という意味合いですね。これが出てくるんですけれども、
これあるものを中心にして、その周囲、周りということですよね。
ある線を境に、こっち側とあっち側というふうに考えるとですね、両側とか両方とか2って意味が出てくるわけですよ。
周りにと同様にですね、2、2つの両側のという意味が出てきます。
そしてもうわかると思いますが、まさに両生動物っていうことですよね。
両方、この場合水と陸っていうことですけれども、両方で生活することのできる、生きることのできる生き物ということで、両生類。
アンフィビアンという単語が出てくるわけですね。
ラテン語の影響とaboutの起源
続けて、アンビギュアス、曖昧なに行きたいと思います。
こちらはアンビという形で、ギリシア語の要素ではなくラテン語の要素なんですね。
まあだいぶ似てますけれども、アンフィとアンビ、言語が違うわけですね。
ラテン語でアンビということになります。
これにギュアスの部分ですね。これは動詞でリードぐらいの意味の動詞と、それに形容詞を作る語尾ということでアンビギュアス。
こういう形で、これ量儀的な、多儀的なということですね。
やはり両方の量であるとか、周りにという、様々なというニュアンスにもなりますけれども、様々に解釈できる、曖昧なという意味になっていくわけですね。
他には例えばですね、アンビを持っているラテン語からの釈用語は有名なものとしましては、アンビシアスがありますね。
Boys be ambitiousという野心のある野望を持つという意味の形容詞ですね。
名詞としてはambition、野心、野望ということになりますが、これはどういうことかと言いますと、これもともと選挙活動用語なんですね。
ambitionというと、これwalk aroundぐらいの意味なんです。
つまり周りを歩く、つまり歩き回るってことですね。
これ選挙活動で票集めのために挨拶に回るというのが実は原理なんですね。
そこから名誉心、名誉欲であるとか、最終的には野心、野望という意味になったということで、これもともとは選挙用語、選挙活動用語だったっていうことなんですね。
それがambitious、ambitionという単語になっていったと。
それから、どっちつかずの状況ですね。
これambivalenceとかambivalentという、それぞれ名詞形容詞ですから、語尾は異なっていますけれども、これもですね、ambがありますね。
これは両方の、そしてvalentとかvalenceっていうのはvalueなんかと同じですね。
つまり価値ってことです。つまり2つの価値があって、その間で揺れている不安定だという意味になります。
ここにもambitというですね、2つ、両側のという意味が確認できるっていうことになります。
最後にaboutについていきます。
これはですね、英語では非常に頻度の高い、ごくごく普通の全知識なんですけれども、
このaboutのこのbの部分が、実は古く遡ると引用総語のambitという、今回話題にしている何々の周りという意味に繋がるんですね。
考えてみればaboutっていうのは、もともと何々についてという意味で使うことが多いですけれども、そもそも何々の周りでっていうことですよね。
だからこそ概数を表すのに、例えばabout100peopleのような使い方、周囲っていう感じですね。
その辺りっていうことです。になるんで、原義としてはですね、周りにという、そんな意味があるっていうことになりますね。
そしてこの単語はですね、実はon、by、out、これを合わせたものなんです。
on、by、out、これが、小英語ではですね、onbotanなんていう形で用いられたんですけれども、
これで合わせて何々の周りにとか何々についてという、いわゆるaboutの意味になったんですね。
実際これが包まってonbotanがbotan、about、about、aboutというふうに変化して、現在のaboutに至るわけなんですが、
このon、by、outのこの2つ目のbyですね、実はこのby、これ自体も非常に当たり前の前置なんですが、
実はこの語源がインオウソ語のanbiだということなんですね。
これがどんどん包まって、ただのbyに相当する部分ですね、あれだけになっちゃったっていうのが真相なんですね。
小英語でonbotan、このaboutですね、これが一般的になる、以前はですね、小英語でのこのaboutを意味する前置はinbeとかinbotanって言ったんですね。
少し形は違いますけれども、このinbeっていう部分がまさにインオウソ語のanbiに相当するっていうことですので、
端的に言えばこのインオウソ語のanbiが元になってbyという前置も出来上がったし、それから前後にですね、onとoutを合わせてaboutっていうのも、
実はこのanbiの系統を継いでいるっていうことになるわけですね。
さあこのようにインオウソ語のanbiというですね、周りにと周囲にという意味を表した基本的な意味の要素ですから、それが各言語にですね、様々な形とか意味に派生しながらも受け継がれたっていうのがポイントですね。
他には例えば、スウェーデンでombudsmanっていうのがありますね。あのombっていう部分も実はこのanbiに関係しますし、ドイツ語ではaboutとかaroundぐらいの意味を表す前置、umっていうのがありますね。
ここから例えばumlautっていうのがありますが、これもインオウソ語のanbiが包まってこんなに短くなってしまったものだということになります。
気づかない意味ですけれども、非常に身近なところでインオウソ語のanbiが英語の中にも息づいているということになりますね。
それではまた。