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おはようございます。英語の語源が身につくラジオ、ヘルディオのパーソナリティ、そして英語の歴史を研究しています、堀田隆一です。
8月16日、火曜日の朝です。いかがお過ごしでしょうか。
12進法の概念
本日の話題は、英語における12進法的発想ということでお届けしたいと思うんですけれども、
これ実はですね、424回の放送で、英語における2進法的発想というお話をしたんですね。
それとの関連で、今度は12進法的発想ということで、合わせて聞いていただければと思います。
このオープニングのチャプターに、424回2進法の話ですね。そちらへのリンクも貼っておりますので、後ほどお聞きいただければと思います。
それでは、本日は12進法的発想ということで、よろしくお願いいたします。
身の回りに12がベースになっているものっていうのは、多少あると思うんですね。
英語の世界で考えたいと思いますが、日本語でも共通するものがいろいろあると思うんですけれども、まず何よりも頭に浮かぶのが時計っていうことだと思うんですよね。時間です。
時計には12の文字盤、1から12までの文字盤があるっていうことですね。
それから12ヶ月、1年12ヶ月ということもありますね。太陽の巡りということを考えるとですね、360日プラスということですけれども、これを12分割する。
そうすると30になって、これはこれで月が一巡りするというものにおよそ相当するということで、古代からこれはですね、非常に多くの社会文化で30っていう数とか12、そして360っていうのは、暦との関係でよく使われるっていうことですね。
そうすると、さらに1日も同じように区切りたいということで、12分するということですね。
なので、このあたりの12とか30っていうあたりですね。これを区切りにした数の数え方あるいは発想っていうのは、多かれ少なかれですね、非常に多くの社会文化の中に根付いているのではないかと思われるんですね。
ダースとその語源
それから英語の世界にはダースというですね、日本語にも入ってきてダースと言っていますが、英語的にはダズンということですね。
このダズンという単語自体は、本来の英語というよりもフランス語から入ってきたもので、さらに遡るとラテン語のルオデキムに10って言い方ですね。つまり2たす10という言い方なんですけれども、英語にも根付いていますね。
ですから6を表現するのに、half a dozenとわざわざ言ったりするっていうことですね。そして12個の塊、これ1ダースなわけですが、これが12個集まると、これgrowthっていう単語になりますね。
例えば、a growth of pencilsというと、144本の鉛筆というような言い方で、今ちょっと古風なのかなと思いますけれども、このように大量に仕入れたりする商品であるとかですね、こういったものにgrowthっていうのは非常によく使われていたわけです。
このgrowthというのもフランス語から入ってきた単語ではあります。
他には、shillingっていうお金の単位ですけれども、これは12ペンスのことですね。これは古いイギリスのお金の単位ですけれども、shillingっていうのは12ペンスの価値を持つということで、これも12信法の発想が入っている。
さらには、inch、footっていう単位ですね。12インチがone footという、いわゆるfeetという単位ですけれどもね、これにあっていくということで、単位形にはこの12ベースというもの、少なくも10信法ではなく12信法ベースのものっていうのが英語に根付いてきた。
こういうことができると思うんですね。
このように、10信法と並存する形で、より古い伝統だとされている12信法っていうのもいまだに残存していると。
この2つの信法っていうのがですね、バッティングしてしまう一番小さな数字っていうのが11と12あたりなんだということで、これはつい先日440回ですね。
そちらの放送で、なぜ1teen、2teenではなく11、12というのという素朴な疑問として取り上げましたので、そちらですね、まだ聞いていない方は440回お聞きいただければと思います。
さて、英語は本来的に12信法というのを持っていたっていう話なんですけれども、英語のみならずゲルマン語の仲間ですね。
ゲルマン語派の初言語はどうもですね、この12信法というのを持っていたらしいんですね。
ここから急にですね、小英語の話に飛びます。非常に英語史的な話題に飛ぶんですけれども、非常に面白い事実があるんですね。
小英語の数の数え方
小英語の数字の数え方というのは、およそですね、現代と似たような形で数えるんですけれども、10代、20、30、40、50というのは10の倍数ですね。
この表し方を言ってみますと、まず20、20、30が3Tという形で大体わかると思うので、そのまま小英語の読みで読み上げていきますと、次からですね、40、50、60、70、80、90という風に続くんですね。
これ90まで来たってわかると思うんですが、次、現代語だったら当然100ということになりますね。
当然100に相当する単語はあって、100という形があったんですね。
このレッドというのは実は付け加えでですね、大した意味がなくて、単体100だけでも100を意味したんです。
フンドあるいはフンドレッドという言い方が、現代語に大体相当するものがあったんですが、もう一つの言い方で、フンドテイオンティという言い方があったんですね。
だいぶ長くなりますけれども、フンドっていうのはこの100の意味ですよね。
さらにその後にテイオンティと付くんですよ。
テイオンティって何かというと、簡単に言えば10Tっていうことです。
つまり70、80、90に次いで10Tっていう言い方で100を表すっていう。
ですからちょっと冗長な言い方でありますよね。
フンドだけで100、もう済んでるのに、あえてですね、10Tという言い方、これ自体でも数えれば100のことなんですけれども、長めにですね、これ合わせて100を意味するという言い方なんですよ。
そしてこの冗長な、頭にフンドを加えると言い方は、次の110、120まで続くんですね。
これがとても面白いことで、つまりフンド&ラフティ、これ111Tと言ってるのと同じことです。
そして120はフンド12Tということで、112Tと言ってるのと同じことで、これで120を表すんですね。
ところが130以上は、このような妙な言い方はしないんです。
さらに面白いのは、100までの数なんですけれども、先ほど述べたように70以降はですね、そのままセオボンT、エアフタT、ニゴンTのように表現すると言いましたが、
この3つに関しては、冗長なフンドをですね、窃盗図のように付けてもいいんです。付けるバージョンもあるっていうことです。
つまりフンドセオボンT、言い方としては107Tということで、この100の部分余計なんですけれども、付いてもOKなんです。これで170ではなくて70の意味なんですね。
同じようにフンドエアフタT、これで80の意味です。そしてフンドニゴンT、これで90の意味。
先に述べたようにその後も改めて言いますと、フンドテイオンT、100ですね。そしてフンドアンドラフT、110ですね。
フンドトゥエルフT、120ということで、この余剰なフンドっていうのを付けていいものはですね、70から120までなんですよ。
あたかも60までは単体で言っていいけれども、70から120まではちょっと違った言い方にしてねということで、なんか妙ですよね。
よくわかりませんが、12がベースになっていて、その半分のハーフはダズンですが、60までは特別で、60からは位が上がると言いますかね、フンドを付けてもいいというルールが持ち上がるわけですよね。
なのでやはりこの12とか6っていうのがどうも効いてるということになるんです。大変に不思議です。
小英語からさらに遡ったですね、古いゲルマン語の段階ではどうやらですね、100のことをフンドテイオンTのような言い方をするのが普通であって、このフンドの部分ですね、つまりハンドレットの部分はどうも100じゃなくて120を表していたのではないかということなんですね。
実際現在でもですね、あまり使われませんが、ロングハンドレットという言い方が英語にあります。あるいはグレートハンドレット、これ120のことなんですよ。100ではなくて、さらに長いあるいは大きいっていうことで120のことを指すという面白い表現があるわけですね。
とすると1000というのはどうなるかというと1000ではなくて1200をもともと意味していたっていうことにもなって、謎が謎を呼びますが、とにかく十二神法の考え方があったということなんですね。
数とか数字の話っていうのはこれまでもこのチャンネルでいろいろ取り上げてきましたけれども、本当に謎を呼びますね。話題は豊富ですのでまた取り上げたいと思います。
本日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたのご意見ご感想ご質問をお待ちしています。
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