2025-10-06 13:27

#443. 英語における20進法的発想

#heldio #英語史 #英語教育 #英語学習 #hel活 #英語史をお茶の間に #数詞
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サマリー

本エピソードでは、英語における20進法的発想について考察し、語源や文化の具体例を通じてその理解を深めます。特に、英語の「スコア」という単語がどのように20を示し、他の言語にどのように影響を与えているのかに焦点を当てます。

20進法の発想
おはようございます。英語の語源が身につくラジオヘルディオのパーソナリティ、 そして英語の歴史を研究しています。堀田隆一です。
8月17日水曜日です。 本日の話題は、英語における20進法的発想という話題です。
実は、昨日442回の放送で、英語における12進法の発想について扱いまして、 さらに3週間ぐらい前になりますが、424回の放送で、英語における2進法的発想という話題をお届けしました。
ということで、2進法、12進法に続き、20進法の発想も英語にはチラッと垣間見られるということでですね、 合わせてこの数字、数詞の話題を続けたいと思います。本日もよろしくお願い致します。
20進法という発想なんですけれども、 これ、日本語なんかで考えてみてですね、身の回りにありますかね?
にわかにはパッと出てこないんですけれども、私はいかがでしょうかね? ただ、世界の言語にはですね、何らかの形で20を定とする、20を基本とする数え方というのがあるようで、これ自体は理解するのは難しくないんですね。
というのは、10というのは自然ですね。指で数えるわけですから、手の指10ですね。さらに10では足りないという場合、もうちょっと数えたいという場合に、足の指を使うということを考えると、これで合わせて20となる。あるいは、両手だけでもいいんですが、行って帰ってきてで20というような数え方も含めると、
10の次に20っていうのは、比較的小さな数で、つまり大きすぎず、そこそこ日常的にも使う便利な数って感じですよね。なので20っていうのは、確かにそのように考えると身近だなということなんですが、日本語の中に20を定とした考え方発想っていうのが、言語や文化に埋め込まれているという例ですね。
これはあるのかもしれません。もしお気づきであれば、ぜひコメントいただきたいと思うんですけれども。
では、言語を変えて英語にはあるのかというとですね、これも字名ではないんですけれども、実は20をズバリ表す単位。これがあるんですね。通常は20というわけなんですけれども、英語にはスコアという単語があります。
特定のスコアと同じつづりです。スコア、S-C-O-R-Eですね。これ同じ語源、同じ単語なんです。20ということと特定ということで、語源的には全く同一っていうことなんですね。これについては後ほど触れたいと思うんですけれども、まず例を見てみたいと思います。20を意味するスコアですね。
まず聖書の表現なんですけれども、聖書で人間の寿命というのが70年であるとみなしている箇所でですね、3スコアイエースエン10という言い方があるんですね。3スコア、これで60です。3×20、イエースエン10ということで、プラス10ということで70ということですね。70年というような言い方です。
それから、これ以上に有名かもしれませんが、アメリカ合衆国第16代大統領、エイブラハム・リンカン。リンカン大統領のゲティスバーク演説ですね。この出だし、覚えている方もいると思うんですが、4スコア&7イエースアゴーというふうに始まりますね。非常に有名な出だしですけれども、4スコア&7イエースアゴーです。
ですから、計算すると、これ87年前ということになりますね。このように20個1組の単位としてのスコアという表現ですね。これが英語にはあるわけです。今、一般的に使うわけではありません。非常に賢った文体で使われるにとどまりますけれども、一応言語文化の中にですね、このスコアっていうのがある。
ちなみに、このスコアは単幅同型っていうことなので、先ほどの3スコアとか4スコアというふうに、これ自体にSはつかないっていうのがポイントですね。
昨日挙げたですね、ダズン、1ダースのダースですね。これも2ダースというときも2ダズンっていうふうにSがつかないんですね。こういった単位を表す名詞はですね、複数形でもSをつけない単幅同型っていうのは結構あります。
例えば身近なところでハンズレットとかサウザンともそうですし、ミリオンっていうのもそうですよね。このような仲間だというふうに考えれば良いと思います。
20を基本とする数え方が英語にもあったっていうことなんですけれども、さあ、これ自体このスコアっていう単語自体は、じゃあ古英語古くからあるのかと言いますと、そうでもないんですね。
これは本来の英語ではなくて、コーノルド語、ヴァイキングの話していた言葉ですね。北欧人、ヴァイキングの喋っていた言葉であるコーノルド語、古いノルド語に由来します。
時代的には、古英語の後期にこの単語が北欧語からですね、コーノルド語から釈用されていますので、一応古英語に例はあるわけなんですけれども、本来の古英語単語ではないっていうところがポイントですね。
実際に使われている例を、古英語の文献から探ってみますと、羊を数えるのに、いわば5スコアと数えている部分があるんですよ。
これ100のことですから、100という単語、古英語にあるわけなんで、これを使えば良さそうなものを5スコアのような言い方してるんですね。
それからその直後にですね、8スコアという言い方も出てきますね。
これ160ということになりますかね。
なんでこんな妙な言い方するのかと思うと、実はこの文献はですね、もともとラテン語なんです。
他の言語への影響
そしてラテン語の単語の上にグロスって言うんですけれども、中ですよね。
これをつけると、私たちが英語の文を読むときに英文がザーッと書いてあって、その上に分からない単語の意味を日本語でちょこちょこっとメモ書きしますよね。
あれです。あれをグロスと言うんですけれども、ラテン語の文章の上に古英語のグロス、アンチョホと言いますかメモですよね。これを書き込んであるんです。
そしてそのラテン語の表現がまさに20を基本とした言い方。
例えば最初の100はですね、ズバリ100と言っていなくて、5の20、5つの20みたいな言い方してるんですね。
クインクイエスウィギンティという、このラテン語の100ですね、5×20という表現の上に5スコアみたいな言い方で古英語訳が乗っかっていると。
同じように先ほどの160を表す8スコアのような表現ですね。
これ古英語なんですが、ラテン語のグロスとして書かれているんです。
もともとのラテン語は何かというと、オクティエスウィギンティということで、8の20と言いますか、8×20みたいな言い方ですね。
ですので、これは本来の英語的な言い方というよりは、ラテン語でそういう言い方をしているので、一時的にそれに相当する英語ですね。
と言っても、実際にはそのスコアという単語はコーノルド語から比較的最近借りた単語ということなんですけれどもね。
古英語時代の。それがグロスとして書き込まれているっていうのがなかなか面白いわけですね。
そしてこの北欧語ですね、コーノルド語のスコアという単語なんですけれども、これはもともとですね、刻み目とか割り譜ですかね。
という、数えるために切れ込みを入れていくっていうその割り譜、数字の記録のための割り譜っていう意味らしいんですね。
それがどういうわけかですね、二重で一組という切れ込みをどうも入れていったらしいって言うんですね。これが起源ということになります。
結局割り譜っていうのは点を刻むっていうことですから、そこから現在の得点の意味の我々がよく知るスコアの意味ですね。これが出てきたっていうそんな関係なんですよ。
ですから発想としてはコーノルド語から英語が借り受けたもののようだということなんですが、一方で先ほど見たように既にラテン語でも二重をベースとした言い方っていうのがあって、そのグロスとして英語でスコアが使われているということでですね、英語以外のところでは意外と二重をベースとした数え方っていうのは使われてたんじゃないかっていうことになるわけですね。
そうしますと、現代のフランス語なども学んでいる方はわかると思うんですが、フランス語にも二重進歩の痕跡っていうのが残ってますよね。
例えば80のことを4×20っていう言い方をします。さらに60から79までのこの19と言いますかね20近い数ですけれども、これは60足すいくつという言い方するわけですよね。
なので79.760足す19みたいな言い方をして、80で今度は先ほどのキャットバーンになって4×20となり、そして81から99まではやっぱり80をベースとして、そこからプラス1,2,3、プラス11,12、プラス19までいくということで、どうも20っていうのが何らかの単位として感じられるわけですよね。
これについてはフランス語史の話なのでここでは深入りしませんけれども、さまざまな説があってフランス語の二重進歩的な要素はですね、バスク語に起因するんだとかですね、ブルトン語だといやいやデンマーク語だとかいろいろありまして、もし最後のデンマーク語ということであれば先ほどのコーノールド語との接点もあるということで、関係は複雑ですが面白いですね。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。数の問題いろいろとですね扱ってきましたけれども、とりわけ〇〇進歩という〇〇進出という話につきましては、二進歩、十二進歩ときて、今日二重進歩というのをカバーしたことになります。
そして通常の十進歩というのもありまして、さまざまな南進歩というものの痕跡と言いますかね、それがごったりのような状態になって英語あるいは英語文化を形に作ってきたんだということがわかったと思うんですね。
現在残っているのは本当に痕跡というべきもので、マイナーな目立たない表現なんかが多いわけなんですけれども、この十進歩以外の数の数え方というものもそこかそこにですね、ちょっと調べると残っているっていうのが、この数をめぐる話題の魅力ですね。
他にも関連する数の話題、いろいろ出てくるかとは思うんですが、また思いつき次第取り上げたいと思います。またこうした数の話をお聞きになってですね、リスナーの皆さんもさまざまな言語からの数え方で思い当たる不思議と言いますかね、面白い話題いろいろ出てくるんではないかと思いますので、コメント等経由でですね、ぜひお知らせいただければと思います。
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それでは今日も良い1日になりますように。ほったりういちがお届けしました。また明日。
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