生配信の開始と背景
こんにちは、英語の語源が身につくラジオ ヘルディオの堀田隆一です。今、私、ニュージーランドを滞在しておりまして、今日は12月18日木曜日の午後4時ということですね。
日本とは4時間時差ということで、正午に合わせてですね、このボイシーヘルディオで、久しぶりの生配信ですね。
私がですね、10月に日本を経ってから、生配信はあまりやってこなかったんですよね。
時差の関係もありますし、ネットが安定しているのかどうかなということもあって、控えていたんですが、そろそろですね、行けそうだなという感じで、生配信もですね、たまにお届けしていきたいなと思っております。
今日はですね、タイミングとしてちょうどですね、タイトル読んでいただけるとですね、分かるかと思うんですが、ランチ生配信Xで16万インプ、話題の君が寿司を食べんことについてという、何が何だか分からないという方もいらっしゃるかと思いますので、背景を説明したいと思うんですね。
今日はこの話題で、数分お話ししたいと思います。
昨日の夜なんですけれども、私が寝る前ですね、日本時間だとまだ夕方だったと思うんですけれども、
質問回答サービスモンドの方にですね、私、この1、2ヶ月は割とレギュラーに、通実に一遍ということで、英語に関して寄せられた疑問にですね、回答していくというような試みをやっておりまして、最近ですね、非常に多く読んでいただいているということなんですね。
それを、昨日ですね、回答を書いて、そして寝る前にアップしたんですかね。
XQ Twitter ですけれども、そちらのアカウントからも告知して寝たんですね。
そして、今朝起きてみまして、どんな感じかなと覗いてみたら、かなりの反響だったということでですね、
これ、今朝の時点でXのインプレッションが10万を超えていて、今、この時間ぐらいまでに16万ということでですね、今もどんどん数字としては伸び続けているようです。
本当にご注目くださいましてありがとうございます。
これ、いつも思うんですけれども、私回答して、こうやって表に出るので、こういうふうに注目していただく機会もあったりするんですが、
元の質問がいいんですよ。
これ本当に毎回そうなんですけれども、大体注目していただけるものって、元の質問が素晴らしいって言うんですよね。
今回もですね、本当にいい質問でですね。
今回話題になっているのは、こんな質問だったんですね。
読み上げます。
God Save the Kingが三単元であるべきところ原型を用いた家庭法だと習いました。
ならば、You Eat Sushiならば、君よ寿司を食べたまえ。君よ寿司を食べたまえ。
という意味にも、時と場合によってはなり得ますか?という、こういう質問だったんですよね。
これは面白い質問だなと。
おそらくですね、わかりませんが、質問者さんはですね、中学生、高校生ということで、
英文法ですね、家庭法現在という項目で習いますかね。
中級から上級の英文法だと思うんですよね。
意味としては願望を表したり、祈願を表したりというような、ここはそういう文法的な説明というよりは、
多分こういう言い方があるんだよっていう固定文句としてですね、育ったりすることが多いかもしれませんが、
ここは文法についても学んだので、ということは、You Eat Sushi、これはあなたは寿司を食べるではなくて、
あるいはお前寿司を食べろ、ではなくて、家庭法現在、つまりGod Save the Kingと同じフィルターを通すとですね、
君が寿司を食べることがですね、なんとも荘厳な祈りの言葉に変わってしまうということがあり得るのかっていう、こういう質問だったんですよね。
素朴でありながら、これなかなか面白い英語史上の論点を含んでいるということでですね、これはですね、回答者としてはですね、腕がなりましたね。
これ問答に寄せられてくる質問、いろいろあるんですけれどもね、その中で答えられそうなものとか、面白い話題になりそうなものっていうのを私が選ばせていただくんですけれども、
その時に、大体すぐ私答えないですね。数日寝かせるんですよ。考える時間というか。
今回もすぐ答えるというよりは、数日寝かせましたかね。どのように答えようかということをですね、考えていたということなんですね。
回答としましてはね、こちらにもリンク貼っておりますので、そちらじっくりとですね、説得していただければと思うんですね。
結論としては、まず最初に述べたんですけれどもね、理論上はそのような解釈もあり得ますと。
つまり、祈願とか願望のね、家庭法現在としてとって、君が寿司を食べることを、みたいな解釈も理論上はあり得る。
だけれども、実際上はほぼないと思って良いですという旨をお答えしたんですね。
リスナーからの反響
最初にその結論を述べてから、後からですね、英語詞の観点、知見も含めまして、詳しく文章でですね、説明いたしました。
読んでいただければと思いますね。後半にはですね、回答の後半では、私はニュージーランド滞在中でですね、ちょうどある道路標識が気になってたんですね。
本当にそこら辺にある道路標識なんですが、それがPedestrians give way to vehiclesという、歩行者たちは車両たちに道を譲るっていうのがそのままの意味なんですが、これ道路標識ですから、
これどういうふうに解釈すれば良いのか、命令なのか、はたまた今回話題になっている家庭法現在の事例なのかとかですね、
この辺の実地のネタにもですね、触れながらその解釈をめぐってですね、議論しています。
そして回答記事を締めくくったということなんですけれども、とにかくですね、私自身もですね、自分としては面白い問題を選んで、数日考えて回答したということはあるんですが、
まさかね、今朝目覚めたら10万という反響があるということに驚きまして、やっぱりこういう文法の問題っていうのは多くの方がね、関心を持ってるんだなっていうのを、改めてこのモンドで注目される度にですね、思うんですよね。
そこでたくさんのですね、この寿司文と今日読んでおきたいと思うんですね。You Eat Sushi をどういうふうに解釈するかっていう、いくつかの読み方があるんだというような話題になってくるので、寿司文と読んでいきたいと思いますが、このモンドの記事、それから X 上での告知に対してですね、本当にたくさん今のところでもですね、リプライいただいているんですね。
いくつかにはお返ししたりしたんですけれども、たくさんあって、全てにまだ目を通せていないんですけれども、いくつかこちらでですね、ご紹介していきたいと思います。
まずですね、宮後さんです。なるほど勉強になる。形が同じで区別がつかないという量儀性ゆえに願望家庭法という文法自体が衰退してきたのだと考えられます。
私の文を引用してくださったんですけれども、実はこの家庭法が英語ではですね、衰退してきているというのは、英語史ではですね、1000年以上ずっと続いている流れなんです。
今ですね、ギリギリ残っているのが家庭法過去とか家庭法過去完了、これは通常学校の英文法でも勉強すると思うんですけどね。そして、さらにマイナーな今回の家庭法現在みたいなもの。
これギリギリ残っているだけで、これもですね、もうあと数百年したらなくなっていく運命かなというように、千数百年ですね、家庭法が衰退してきたっていうのが英語の歴史なんですよね。
で、様々な理由があるんですけれども、一つ大きいのは、やはり直接法の動詞の形と家庭法の動詞の形、もともとはちゃんと区別されていたんですね。
公英語の時代には。中英語でもギリギリですね、区別されていたかなとか、ちょっとされにくくなったかなっていう感じですね。
そして、近代になるとも完全に区別がつかなくなったという、この形式上の問題で、同じ形なのに役割が2つあるというのもですね、分かりにくいということで、
もともとマイナーだった家庭法の方ですね、直接法に比べて、サブの位置づけだった家庭法が犠牲になって、どんどん衰退してきたと。
こんな歴史的な流れがあって、そして未だに残っている。特にフォーミュラのような、今回のGod Save the Kingのように、定型句として残っている場合ですね。
残るにしても、こういうところでしか残っていないというような、本当に日にし状態にあるのが、今の英語の家庭法なんですね。
他のインドヨーロッパ系の言語では、ここまでですね、衰退はしていないと思うんですけれども、英語ではこの衰退がいち早く他の言語よりも起こっているっていうのが、今回の話題につながるわけですよね。
他にですね、いちいろさんですかね。
読みながら、May peace prevail on earth 世界人類が平和でありますように、という文章を思い出した。
朝起きてから、もう一回読ませていただきます。面白くて分かりやすいというふうにコメントいただきました。ありがとうございます。
Mayの祈願文の話も、その文章の回答でしたんですけどね、これあの非常に面白いです。このMayの公文だけ取ってもですね、これですね、1時間半語れますね。
エゴシポーキできてしまうという感じですね。この家庭法現在の文とも比較しながらですね、格好としては家庭法現在の文の頭にMayをつけるっていうような、そういう格好になっているんですが、
実はルーツは全く異なるんですね。どっちが先に出ているか分かりますかね、歴史的には。
Mayの公文と、つまりGod save the king っていうのは、頭にMayをつけて言うこともできるんですね。
May God save the king みたいに。これ両方可能といえば可能なんですけれども、これですね、歴史的には家庭法現在の方が先にあるんですね。
これ古英語からあります。もっと言うと、さらにその前の段階からあったことは間違いないですね。
それに対してですね、Mayを使った祈願文というのはですね、これ早くても中英語からです。
本格的に使われ出したのは近代英語以降ということで、ずっと新しいんですよね。
この辺はですね、議論に含めると、今回のモンドの回答ではちょっと煩雑になるので、
触れなかったというか、ちょっとだけ触れたに過ぎないんですけどね、これ実は非常に面白い話題なんですよ。
またこれヘルディオでも取り上げていきたいなというふうに思っております。
それからスーさんです。何気なく前にHelogで似たような話読んだなと思ってアカウント見たらそもそもホッタ先生だったっていう。
ありがとうございます。書いてたんですね。
Helogのどこで書いていたかちょっとリマインドいただけますと幸いです。
私からもリンク貼ったりしたいと思いますので。
これどこで書いたか覚えてませんし、書いたことも忘れるっていうことがよくあるのでありがとうございました。
どこかで書いてるんですね。私も検索してみたいと思いますが、分かったら教えてください。
それからJack of all tradesさんです。
スペイン語をやってる身からすると、いわゆる接続法、subjunctive moodがこれに当たるので、ちょっとエモいということですね。
英語以外のヨーロッパ系の言語をやられていると、大体接続法がいわゆる英語の仮定法なんですけれども、
英語よりは生き残っているということで、今回の話なんかはよりよく理解できるのではないかなと思います。
英語でも中英語ぐらいまでは、今の多くのヨーロッパ言語のような状態にあったんですけども、その後の衰退が英語はめちゃくちゃ早かったんですよね。
それからですね、これ面白かったですね。新情報というか、古梨さんって呼ぶんですか、古梨さん。
昔、似た例を見てネイティブに聞いたことがあります。ということで画像を貼っていただきまして、サンタストップヒアって書いてあるんですよ。
これクリスマスでタイムリーでいいですよね。サンタストップヒアっていう標識があって、これサンタさんここで止まってねっていうようなことだと思うんですけれども、
sushi文の解釈
個人的にはこの文脈なら祈願文でも解釈できるなと思ったけど、そのネイティブ曰くmore of command、つまり命令文の方に近いかなというような言い方が返ってきたということですね。
私もそういうことなんだろうと思うんですよね。ネイティブの方に聞いてみると、みんながみんなかわかりませんね。これアンケート取ってみたいと思うんですけれども、
これ非常に面白いですね。さらにですね、この同じ方なんですが、あと願望の命、祈願の命ですね。
これ明治神宮の絵までよく観測できます。英語話者の観光客が願望拡板になっているので、これ面白いですね。
メイの祈願文もやっぱりだいたいパターンが決まっていて、そのパターンをベースにしてアレンジするというかパロディ的に書くということで、そんなに目新しいものないんですね。
これ私もコーパスで調べたんですが、ただですね、この明治神宮の絵に行くと、コーパスが揃っているってことですよね。
これは素晴らしいですね。明治神宮に限らず、各地の観光客が訪れそうな神社の絵馬とか、七夕祭りの短冊とかね、これちょっとコーパスとして面白いかもしれませんね。
これは有用な情報をいただきました。
はい、それからですね。
アマーノ・ユミさんですね。
本題から外れるけど、文中の2の場合。
You eat sushi.
お前、そこのお前、寿司を食べろっていう、かなり無礼な命令文になるんですが、話し言葉でYouに強い強制が置かれて発音されるというくだりですね。
そこを引いていただきまして、こういう部分が音声付きの英語翻訳の難しさだと思うし、授業でしつこく音声をよく聞けという理由でもある。
文脈でわかるとかじゃなくて、全く同じ文面が言い方だけで別の意味になることが多すぎる。
英語はもしかしたらそういう側面は多い言語かもしれませんね。
その屈折語尾ということで、どういう文なのか、どういう方なのか、ムードなのかっていうのを区別する方法が弱くなったので、
イントネーションを利用したり、また別の音律とか、他の言語要素、言語手段で操作するっていうことは、英語多いのかもしれません。
この観点、非常に面白いと思いますね。
はい、それからですね、たくさんいただいておりますが、これは用語の問題で、今回の記事では家庭法現在、家庭法と言っていますけれども、
これ本当に家庭法なんですか?色々調べると接続法と言うべきじゃないんですか?っていう用語問題ですね。
この用語問題は実は数十年、議論になっているんですよ。
接続法派と家庭法派っていうのがいて、他の言語を学んだりですね、あるいは英語でも昔の言語を学ぶとですね、
これどういう用語にするかってこだわりが出てきてしまってですね、これ宗教戦争みたいになっちゃうんですね。
どっちの用語で読むかっていうの。
これ、私、今回は立ち入りたくないということで、質問者さんがおそらくですね、中学生、高校生ということかなと思ったので、
最も流通している日本の一般の英文法で流通している家庭法で通しました。
英語書をやっていると、高英語、中英語ではサブジャンクティブの訳語で、接続法と私は訳すことが多いですかね。
ただ入門書であるとか、こういうふうにですね、素朴な疑問に答えるという趣旨では大体家庭法で通すことにしているということで、
あんまり私自身はこだわりないんですが、これこだわりある方もですね、少なくないっていうことでですね。
これ本当にね、難しいんですよ。
今の英語のいわゆる家庭法はですね、高英語のいわゆる接続法に形態的には遡っていくんですね。
さらに遡るとですね、これインドヨーロッパ語のまさに祈願法というか寄給法の形に遡ったりするんですね。
つまり今家庭法と言ってはいけない、接続法と言うべきなんだというのであれば、じゃあもっと遡ってこれは寄給法と言うべきだとかなっちゃったりするんですね。
これはあまりですね、首をつくまない方が今のところはですね、いいかなと考えております。
はい、そういうことですね。
あと他にもですね、これからもですね、ぜひまだまだの熱が続いているかと思いますのでお寄せいただければと思います。
一つですね、もう一つ、一方ドイツ語では、ドイツ語でやられてる方ですね。
同じく接続法と直接法との区別が形態的につかなくなったとき、助動詞秒でを持ち込むなどして接続法を延命させました。
そのこだわりは何だったのか。
英語もね、形態的に区別がつくのであれば、こだわりは必ずしも捨てていなかった可能性はあるというか、高いんじゃないかなと思うんですよね。
それぐらい、こだわりも持てないぐらい、余裕がなくなったっていうのが、英語の空説のボロボロ具合っていうところあるかと思うんですよね。
それぞれね、いろいろな言語をやったり、関連する表現などを知っていらっしゃるとですね、この議論ももっと深みを持って捉えられるのではないかと思いますが、
本当に今もですね、たくさんリツイートしていただいている反応が入ってきておりますが、
本当に私自身がちょっと驚きましたが、これは寿司文と呼んでですね、もうちょっと引っ張っていきたいなと。
言葉の歴史
今回注目いただいたのは、この寿司文の疑問の素朴さがやっぱり良かったですね。
God save the king っていう、これは定型文句としてやっぱり学ぶと思うんですよね。
そこから一歩ですね、踏み出して、じゃあ you eat 寿司っていう何でもない文がですね、
祈願文として願望の仮定法として読めるのかっていうような、この辺りに疑問を展開していったっていうのが素晴らしいところだと思いますね。
学んでいく上で、こういう姿勢、本当に大切にしていただきたいなと思いますね。
このキャッチーなネタだったということはあるんですが、その奥にある言葉の歴史のドラマですよね。
ここにこれだけ多くの方が関心を持ってくれたというのが、私、英語の歴史ですね。
これを広めようと、お茶の間に広めようということで、このヘルディを何度も配信しておりますので、そういう立場からするとですね、本当にその点が嬉しいですね。
このスシ文の前方、そしてニュージーランドの道路で見つけた、見つけたというか、そこにあったっていう普通の道路標識なんですけど、
それについて触れたので、モンドの記事がっつり解説しております。
まだお読みでないという方はですね、ぜひこちらお昼休みの読み物などにしていただければと思います。
これで、God Save the Kingという定型表現の丸暗記がですね、ちょっと愛おしい歴史の旅に変わるのではないかと思いますね。
それでは、今日の皆さんのランチ、ぜひですね、お寿司など召し上がりつつですね、スシ文について語ったり考えたりしていただければと思います。
いや、食べたいですね、お寿司。食べてないですね、この2、3ヶ月。はい、食べたいです。
ということで、今日も皆さん元気にお過ごしください。
May your afternoon be wonderful.
ということで、ヘルディオ、ほったり打ちでした。
ぜひ、Xやモンドの方もフォローのほどよろしくお願いいたします。