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2025-03-02 10:00

heldio #225. 接頭辞 dis- は否定なの、強調なの?

#英語史 #英語学習 #英語教育 #接頭辞 #意味論
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サマリー

このエピソードでは、接頭辞dis-が持つ否定や強調の意味について深く掘り下げています。由来や語源を踏まえながら、dis-の具体的な使い方の例を示しつつ、言葉の成り立ちを探ります。

接頭辞dis-の概要
おはようございます。英語の歴史を研究しています。 慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも、 辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、
英語史の観点からお答えしていきます。毎朝6時更新です。
ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、
接頭辞 dis- は否定なの、強調なの、という話題です。
英単語の発声語を作るという場合にですね、
元の語幹部分と言いますかね、これをベイスと言っています。
基体、基本の体と書いて、基体、英語で言うとベイスですね。
この部分に、接頭辞、頭に何かを付けるであるとか、あるいは設備辞、
お尻に何かを付けるかということによってですね、
新しい関連する語を作り出すという語形成の方法があります。
一般にですね、接頭辞、頭に付けるものは、語幹の意味を変える。
例えば否定にしたり、反転させたり、というようなことですね。
一方、設備辞、お尻に付く方はですね、
品詞を変えるという基本的な役割があります。
もちろん一般論であって、そうじゃないこともあるんですけれども、
例えばですね、happy、幸せなということですね、幸福な。
これに対してunhappyというふうに、
接頭辞、unを付けると意味が反転するんですね。
否定になります。つまり不幸なという意味になりますね。
品詞は変わらない、形容詞ということです。
一方、設備辞というのは、意味を変えるわけではなくて、品詞を変えるということが多いですね。
例えば、happinessとすると、happy、幸せ、幸福という基本的な意味は変わらずに、
ただ品詞が変わる、形容詞から名詞になる。
というふうに、設頭辞は主に意味を変える。
設備辞は品詞を変えるということが、一般論として言えばですけど、多いというのが英語の語形性の特徴なんですね。
今回取り上げたいと思うのは、設頭辞、つまり意味を変える方ですね。
これも様々なものがあります。先ほどのunhappyのunなんかも問題になりますけれども、
もう一つよくあるものとしてですね、disというのを取り上げたいと思います。disですね。
設頭辞にdisが付くと、大体は意味が否定になるとか反転するということが多いですね。
例えば、分かりやすい例から言いますと、ableに対してdisableというのがありますね。
これは動詞ですけれども。それからhonestに対してdishonest。
これも反対語、否定語というふうになりますね。
このようにdisというのが設頭辞に付くと、大体はですね、反転であるとか否定という役割を担っていて、
もともとのそのベースの意味をですね、反転あるいは否定させるということが多いんですね。
ところがですね、そうでない例もある。例えばsolve、solve the problemというときのsolveですね。
これは解く、問題を解くということですけれども、これにdisを付けるとdissolveとなりまして、
これ解く、解ける、解くの漢字が違いますけれども、例えば砂糖が水に溶けるといったときの溶けるですね。
化学、化学の用語ということになりますが、これは特にですね、何かsolve、これも解くということなわけですが、
これに対して反転とか否定というような意味が備わっているわけではないように感じられますね。
つまりableに対するdisable、honestに対するdishonestとはちょっと違う関係にありそうだと。
ただ明らかに同じ設頭辞なんですよね。disですから。
この場合、だいたいですね、語源辞典の中を見ると強調のdisというふうに言われますね。
そうすると、反転とか否定とか言っていたものがですね、一方で強調というのが出てくる。
これはどういうことなんだということですね。
さあ、この問題に歴史的に迫っていきたいと思うんですけれども、もともとはですね、これはラテン語、さらに遡るとギリシャ語なんですが、
同じ設頭辞がありまして、ここに由来するんですね。disということですね。
大元の意味はですね、このdのところがポイントで、これ実はtoと同じ語源なんです。2です。
つまり2つの方向へというのが大元の意味なんですね。
ラテン語で2を表す、数字の2ですね。表す単語はduoということで、英語ではto、twoと書くわけですが、
これは大元は全く同じ語源です。引用祖語としては、1つの語源に遡るduoとtoということなんですね。
今問題になっている設頭辞、disというのも、実はこの2に由来する形だということなんですね。
そうすると2つの方向へというのが原理で、つまりですね、原理は2つへの分離、1つだったものが分かれていくって感じなんです。
そうするとこの分離、区別するというような意味合いが出まして、例えばdiscern、これは2つのものを見分けるっていうことですよね。
分離するっていうことですね。からdisrupt、これ1つだったものを2つに分裂させるっていうことですね。
からdissent、これ中高いっていうことですよね。それからdivide、これはまさに2つに分けるってことですね。
divideの場合はdisのsがないわけなんですけれども、これは音の都合で消えてしまったっていうことで、もともとはdissなんですね。
まさに今挙げたですね、discern、disrupt、dissent、divideというのは2つに分ける、つまり分離の意味がはっきり見て取ることができると思うんですよね。
そこからこのdissという本来分離を意味するものが選択、分けるってことですね。選んで分けるっていうことであるとか、別々というような意味が発展していくことになります。
とするとですね、2つのものの対立という雰囲気が出てきますね。そこからAからBを奪うであるとか、AにはBが欠如しているであるとか、どうやらですね、否定の方向、反転の方向、結局2つですから、もともとは。
強調の役割と多義性
一方じゃなかったら他方になってしまうということで、このような剥奪、欠如、それから反対、そして最終的には否定という意味が発展するということになるわけですね。
このdiss自体も従って非常に多義的になってきまして、時を経てですね、様々な意味を発展させてきたということになります。
そうしますと、最終的にですね、反対とか否定という意味になりまして、例えばjoinに対してdisjoinですね。
それからpleaseに対してdisplease、associateに対してdissociate、persuadeに対してdissuadeということになるわけです。
つまり反対、否定という意味を強く持つようになってくるわけですね。
さあ、ここでなんですけれども、面白いのは最初に出した相部の例なんですが、相部っていうのはもともと解けるということですね。
つまり分離するという意味が、そもそもの機体である相部自体に備わっています。
これにもともと分離を意味したはずのdissがつくと、強調になるわけですね。
つまり機体の意味がそもそも分離とか剥奪、欠除、否定、反対というものであると、その前につくdissはそれを強めるという形になるわけですね。
実は様々な窃盗時に強調という用法と言いますかね、役割、意味っていうのが付されることがあるんですが、大体このパターンです。
強調というよりはですね、機体の部分にそもそもその窃盗時の役割と同じ意味、似たような意味があって、その方向性を強めるという役割で窃盗時が使われるということなんですね。
例えばこのdissolveの例としては、似たような例としてはですね、disannullというのがありますね。これannullというのがもともと無効にするという意味なんですが、これにdissをつけて完全に無効にする。
つまりもともとは否定なので、それを強める形でdissが使われているということですね。
それからembowel、これ腸を抜き取る、腹股を抜き取るということなんですが、これも抜き取る形ですから、剥奪形、分離形ですから、dissというのはそれに強調の意味を加えるということになります。
dissembowelということですね。
なので、多くの窃盗時に強調の意味があるというのは、こういう理由だということなんですね。
窃盗時自身も多疑性を帯びている、このことを理解することはとても重要なことだと思います。
それではまた。
10:00

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