今回の特集は「いまこそ、ネガティブ・ケイパビリティ」。3回目の今回は帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』の第3章、第4章、第5章を読み進めて行きます。
前回は「答えの出ない事態に耐える力」を意味する「ネガティブ・ケイパビリティ」という概念が詩人キーツにより発見され、精神科医ビオンにより再発見されたエピソードを、二人の人生を追体験しながら紹介しました。
今回の第3章では「分かりたがる」性質を持った脳を抱える我々人間が、いかに危うい存在なのか、を紹介。つづく第4章、第5章では概して「ポジティブ・ケイパビリティ」が蔓延している医療現場において、ネガティブ・ケイパビリティが果たす役割について考えていきます。
さぁ、カタラジオの二人と一緒に病棟回診をはじめましょうか!
じっと待っていること、ある?感想・お便りは「お便りポスト」まで
🪟コンテンツ🪟
オープニング:ラグファントム / 特集シリーズ: いまこそネガティブ・ケイパビリティ / どんな本を読むの? / 第3章:分かりたがる脳 / 第4章:ネガティブ・ケイパビリティと医療 / 第5章:身の上相談とネガティブ・ケイパビリティ / エンディング:とある患者さんの話
📻カタラジオとは?📻
ひょんなきっかけで、突如ラジオをやってみたくなってしまった中高時代の同級生の二人。医師と企画者という異色で異職の二人が、新しい「概念」と対峙し、そしてインストールしていく様子をお届けする、概念獲得リアリティ番組です。
🤝出演 🤝
ヤマガミ:金沢在住の医師、不遜な方、ベシャり担当。
ミント:東京在住の企画者、横柄な方、ゆる進行担当。
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参考文献
00:01
スピーカー 1
カタラジオ!
スピーカー 2
はい、よろしくお願いします。
意思と企画者がゆるく語らう概念獲得リアリティ番組、
カタラジオの時間が今週もやってまいりました。
ルシンコのミントと、
スピーカー 1
ベハリ担当のヤマガミです。
はい、よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
スピーカー 2
どうですか?今週はラグくないですか?
スピーカー 1
いや、最高だよ。このぴょんぽんぽんぽん返ってくる。
ミンティーから返ってくる感じさ。
いやー、このリーバー最後に帰ってきましたよって感じですよね。
スピーカー 2
帰ってきましたね。いいですね。
スピーカー 1
トラウマになりそうだよ。
俺、今日最初、ラグなかったのにさ、
ちょっとラグくないって思ってしまったっていう、
俺のもう心理状況が。
スピーカー 2
そうだよね。なんかあれ、ちょっとやだよね。
あの感じね。
スピーカー 1
そうなんだよね。
なんか遅れて帰ってくるっていうか、
レスポンスがなんか遅いんだよ。
スピーカー 2
いや、そうなんだよ。
結構確かにトラウマになるね。
トラウマになった?
あれ、今遅れてないって、
今ちょっといい気持ちしてるもん。
スピーカー 1
そう、なんかね、
ミンティーが普通にちょっと考えて、
返してるだけなのに、
それがあれこれラグじゃんっていう風に
ちょっと思ってしまうような、
なんかメンタリティができてしまった。
スピーカー 2
いやー、恐ろしいですね、これはね。
なんかあれだよね。
あのさ、スマホ依存症のさ、
一個のさ、現れとしてさ、
振動してるバイブレーション。
ファントムバイブレーション。
スピーカー 1
ファントムバイブレーション。
スピーカー 2
なんかあれに近いね。
ファントムラグ。
スピーカー 1
ファントムラグだね。
ラグファントム。
ラグファントムみたいなビーズの。
ラグファントム。
ラグファントム。
スピーカー 2
やばいっすね。
いやいやいや、
それぐらいこの、
なんていうんですか、
タイムラグに僕らは日々ね、
敏感になってるっていうことですよね。
スピーカー 1
そうだね。
だからよほど上質な収録環境でね、
収録させてもらってるってことですよね、これ。
ルギーこんぼいんこさんじゃないけどさ。
スピーカー 2
本当ですよね。
これ、もしリバサイの劣化だとしたら、
めちゃめちゃ僕らなんかがっかりだよね。
それやばいね。
スピーカー 1
それずっとまた収録場所変えなきゃいけないです。
スピーカー 2
いや本当にこれ以上の収録場所を未だにね、
見つけられてないんでね。
スピーカー 1
いや本当に最適化よね、
序盤に見つけた、
このリバサイに関しては。
スピーカー 2
いや本当ですよ。
でもリバサイドもあれだよね、
よくよく思い返してみるとさ、
今やもうスポットファイに買収されてしまいましたけど、
もともとアンカーっていうね、
ポッドキャスター向けの配信サービスというかがあって、
その中で確か紹介されてたんだよね、
リバサイドの。
スピーカー 1
あ、そうだったね。
スピーカー 2
そうそうそう、
ここから直接連携したらアップロードできるよ、
みたいな話がありましたね。
懐かしいな。
スピーカー 1
聞かなかったよね、
このリバサイドっていう名前、
そこで知るまでさ、
なんだこのリバサイドっていうサイトって感じじゃなかった?
名前も聞いたことなかった?
スピーカー 2
出会うきっかけないもんね。
使うきっかけもないしさ。
スピーカー 1
ラジオやろうって思わなかった。
結構なかなか触れない、
意外とニッチなね、
ウェブサイトというかリバサイドって。
スピーカー 2
いやそうなんですよ、
そうなんですよ、
音声を後から上げるなんていうのはね、
レコーディングすることが前提になってますから。
面白いソフトウェアだよね。
スピーカー 1
そうなんだよね。
スピーカー 2
いやいや、ということで、
03:00
スピーカー 2
なんかちょっとビクビクしながらやってますけれども。
スピーカー 1
いやでもリハビリだね、
今のオープニングはリハビリって感じ、
ちょっとですね、
慣れてきた、
リハビリ通りに最近、
年末に直接会った時の会話感と、
このリバサイドの微妙なラグにも俺ら戸惑ったじゃん。
スピーカー 2
はいはいはい、ありましたね。
スピーカー 1
そうそう。
今度はリバサイドがバグった時のラグと、
この正常のラグに戸惑うっていう、
両方向からのラグに戸惑ってるっていう結構ね、
面白い状態になっておりますよね。
スピーカー 2
確かにね。
確かにね。
これ環境が変わることの、
なんかいい側面かもしれないですね。
全然話がある。
僕、車あるじゃないですか。
車さ、
実家用車になる前、
ずっとカーシェア使ってたんですよ。
隣だとカーシェアを使う人結構多いと思うんだけど、
カーシェアってさ、
その時々で空いてる車を取るから、
毎回車違うんだよね。
あ、確かに確かに。
そうそう。
アクセルの感覚とかブレーキとかハンドルとか、
車体の感覚もそうだけど、
毎回違うからさ、
違うことにアジャストするっていうのが、
そもそも運転し始めのさ、
ファーストステップとしてさ、
完全に擦り込まれていくじゃん。
それをやってると、
スピーカー 1
楽しい。
スピーカー 2
楽しいんですよ。
毎回違うなっていうのが前提になるからさ。
はいはいはいはい。
あ、今回こんな感じねとかさ、
あ、今回はこうなのとかってやってくんだけど、
ある時それが実家用車に切り替わった瞬間に、
そこにさ、最適化していくじゃない。
過適用みたいな。
スピーカー 1
あー、はいはいはいはい。
スピーカー 2
そうそう。
そうなった状態で他の車を乗ると、
全然うまく乗れないみたいなことがあって、
なんかこう環境が変わらない?
固定化してしまうことによる、
なんかこう弊害もきっとあるんだろうなっていうのはね、
今回のこの事件によってなんかこう明らかに。
スピーカー 1
あー、車に関してそれを感じたことはなかったわ。
むしろなんかね、
カナダだと結構車で飲みに行って、
帰り代行で帰るってことが多いから、
代行業者の方が、
自分の車で運転とかをなかなかできなくて、
プロならすっかりどこでアクセル掛かるとか、
覚えておかないかいって思うことあるけどさ、
なかなか難しいものなんだね。
スピーカー 2
いやー、そうね、確かにね。
そうそう。
例えばね、国産車と外国車でもさ、
ウィンカーの位置が逆だとかってのもよくある話ですよね。
スピーカー 1
そうそう。
それはあるよね。
スピーカー 2
でも結構ブレーキの感覚とかも、
アクセルの感覚とかも、
よくよく乗ってみると全部違うんだよね。
やっぱりね。
スピーカー 1
そうだわな。
スピーカー 2
浅いとか深いとかさ。
スピーカー 1
同じ車種でもなんか個体騒ぎそうだもんね。
スピーカー 2
いや、そうね。
スピーカー 1
全部同じ車なんてないもんね、絶対。
スピーカー 2
うん、そうですよね。
そんな話もありますけど。
だからちょっとね、環境が適宜変わっていくというのは、
実はね、意外といいことなのかもしれないですよね。
スピーカー 1
我々が適応能力高いか低いかはね、
もうアップロードされてるのかな。
ラグっていう、語らずショーツ。
聞いていただければよく分かると思いますので。
スピーカー 2
確かにね。
一つ前のショーツですね。
スピーカー 1
そうだね。
このラグ環境に適応できているかどうかをちょっとね、
検証したショーツになってますので、
こちらも面白いのでぜひ聞いてみてください。
スピーカー 2
ぜひぜひよろしくお願いいたします。
スピーカー 1
はい。
06:02
スピーカー 2
さてここから特集でございます。
スピーカー 1
はい。
スピーカー 2
新年一発目の特集ということですけれども、
今回のシリーズ特集では、
今こそネガティブケイパビリティということで、
今回シリーズ3回目の収録ですかね。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
やっていきたいと思いますけれども、
今回のシリーズは、
このタイトルにもなってます。
ネガティブケイパビリティということですけれども、
答えが出ないこと、
どうしようもない事態に耐える能力、
これを指すですね、
ネガティブケイパビリティという言葉があるんですけれども、
日本語に訳してね、
負の概念みたいな役になるかなと思いますけれど、
この概念を獲得すべく、
一冊の本を通じて、
この概念に向き合っていきたいなというシリーズでございます。
毎度僕らお馴染みですけれども、
一冊ね、テーマになる本を決めて、
これを読みながら、
概念を獲得していこうということで、
今回ね、僕らが読んでいるのは、
博家であり精神科医でもあります、
ハハギギホウセイさんという方が書いた、
ネガティブケイパビリティ、
答えのない事態に耐える力、
こういうタイトルの本があるんですけれども、
この本を取り扱っておりますということですね。
いや、3回目ですよ、山岸さん。
スピーカー 1
いや、もう3回目か、早いな。
スピーカー 2
早いね。
でも今回さ、全部で、
実は10章あるじゃない、今回。
10章あるからさ、ちょっと山が高いかなと思ったら、
今日ね、もう5章までいきますからね。
ちょうど折り返しです。
スピーカー 1
今日一気に3つ進むもんね、今日ね。
スピーカー 2
そうなんだよ、そうなんだよ。
いやいやいや、楽しみなところでございます。
ちょっと簡単にね、
なぜネガティブケイパビリティなのかみたいな話に触れておきますと、
この概念をね、ちょうど今年の年始、
新年初っ端の収録で、
どうするかたらしをということでね、
どっち方向のテーマについて
僕ら触れていくべきなんだろうかっていうこと自体を
そもそも考えるみたいな回があったんですけど、
その中でね、またまた出会った概念として、
ネガティブケイパビリティというものがあって、
すごく震災があったりとか事故があったりとか
いろいろありましたけれど、
それを乗り越えて、あるいはそういう事態に対して、
じっくりと向き合っていく態度みたいなね、
そういったアティチュードがインストールできるといいんじゃないかな、
みたいなところからね、上がってきたのがこのキーワードでしたよと。
そんな流れで3回やってきたわけですけれども、
ちょっとあれですかね、
簡単に振り返っておきましょうかね、前回。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
ボリューム1、初回ですけれども、
第1回目の収録では、
僕らね、もうお馴染みになってますけれども、
この本を読むことにしたきっかけの確認と、
本の冒頭の始めにを読むだけの回というのを毎回やってますけれども、
これを初回ではやりましたというところですね。
この回ではあれだね、ネガティブケイパビリティという概念が、
どういったところを捉えようとしているのか、
どんな射程を捉える概念なのかみたいなことを、
09:00
スピーカー 2
ちょっとざっと触れていったかなという感じでしたね。
というのが初回。
で、前回のボリューム2では、
1章と2章を読みましたけれども、
この2章を通じてね、
ネガティブケイパビリティという概念を発見した
詩人であるキイツさん、
そしてネガティブケイパビリティという概念を、
医学の文脈で再発見した精神科医ビヨンさん、
この2人の人生を追いかけながらですね、
この概念の出自みたいなところを追ってきたよというところでしたが、
スピーカー 1
これ面白かったですね、前回ね。
面白かったね。
これまさに概念獲得リアリティ番組、
カタラジオの概念獲得リアリティ回と我々は表していましたけど、
まさにこのキイツさんとビヨンさんという2人の医者が、
ネガティブケイパビリティという概念を獲得していく様を
追体験するという回でしたよね。
スピーカー 2
本当でしたね。
僕ら自身がネガティブケイパビリティという概念を獲得していく様を、
今多分皆さんに聞いていただいていると思うんですけど、
それ以前にね、もともと発見した人たちというのも
この概念を獲得した瞬間があったわけだから、
そこに向き合おうというような回だったわけですよね。
なかなかこれまでないタイプのショーだったかもしれないね。
スピーカー 1
面白いよね。
だからキイツさんがネガティブケイパを発見して、
ビヨンさんがそれを再発掘、広めて、
我々がこのネガティブケイパに関して何をするかというところを
また問われているかもしれないね。
スピーカー 2
確かにね。
しかもこれ面白かったのはね、
キイツさんがこの言葉を使ったのは実はね、
最後の手紙の本当に一回だけなんだよね。
スピーカー 1
そう、弟に向けた手紙の一回だけっていう、
それを170年後にビヨンさんが再発掘したっていう奇跡だよね。
スピーカー 2
いやそうなんですよ。
しかもビヨンさん全然詩人と関係ないし、
精神科医としての文脈で拾ったっていう話で、
これもあったんで、面白い話でしたね。
スピーカー 1
そう、しかもさらにさっきからの患者さんと
いろいろ対話を深めていく中で
ネガティブケイパって概念を互いに深めていくっていう、
そういうやり取りもあって、
ちょっとネガティブケイパが広まっていく様を、
我々次第的にできたんじゃないかなって感じですよね、2章は。
スピーカー 2
確かに確かに。
ノーベル文学賞を取ったベケットさんだったかな。
スピーカー 1
ベケットさんだね。
そうそうそう。
スピーカー 2
あれ面白かったですね。
そういう対話の中で概念を獲得していくっていう様を
見てきたわけですけれども、
今日どこ読むのかというところですが、
今ねちょっと2章まで来たよというところだったので、
改めてちょっと目次をざっと見てみますと、
今回全部で10章あるんですけど、
今前回ボリューム2までで2章まで読めましたというところで、
今回読むのが3章から5章ですと。
で、第3章これが分かりたがる脳というタイトルですけれども、
いよいよね脳の話にやってきましたね。
スピーカー 1
そうだね、なんかこう気持ち感があるというかさ、
毎回の特集で脳に立ち戻るっていうフェーズがあるからさ、
また今回このフェーズが来たかっていう感じですよね。
スピーカー 2
確かにね、そのメカニズムを知ろうと思ったときに、
やっぱり脳に戻らないといけない瞬間がやってくるんでしょうね。
12:02
スピーカー 1
概念を獲得するってことは脳は切っても切り離せない関係なんだよね。
スピーカー 2
確かにそうかもしれないですね。
このね、ちなみに分かりたがる脳では、
分かるってどういうことなのっていうのが結構テーマになってくるわけですよね。
分かるっていうことについて考察をしながら、
なぜ人の脳は分かりたがっちゃうのか。
そういう分かりたがるっていう脳のスタンスに対して、
僕らどういうふうに応じていくべきなのか。
みたいなことについて考えるのがこの3章ということですね。
まず一旦ね、分かるメカニズムを把握した上で、続く4章。
これはタイトルがネガティブケーパビリティと医療ということでですね。
これちょっとビヨンさんもまさに精神科の文脈で引っ張ってきたよってお話でしたけど、
今回著者のハーキガホセさんも精神科医ということで、
医療文脈にネガティブケーパビリティを持ってくるにはどうしたらいいのか。
ということで、さまざまな実例を交えながらですね、
どうやってネガティブケーパビリティが活用されていくのかというところに迫る章になっているというところですね。
最後第5章ですけれども、ここは少し軽めの章なんだけれども、
タイトルは身の上相談とネガティブケーパビリティということで、
著者のハーギーさんご自身も精神科のかつ会議用意としてね、
多分お仕事されてるのかなっていうその日々の診療の中からですね、
身の上相談というキーワードが出てきてますけれど、
精神科として日々患者さんと向き合うそのプロセスが限りなく身の上相談に近いよという話をですね、
実例を交えながら教えていただけるというところなんですが、
まさにそのアプローチそのものがネガティブケーパビリティなんじゃないのっていうような、
そういう示唆に飛んでる章になっているよという、
スピーカー 1
全3章を今日はね読んでいきたいなというところでございます。
スピーカー 2
どうでしたか全部ざっと読みました?
スピーカー 1
今日は。
今回はもう読んできましたよ。
読み読まわせないから大丈夫。
読んでない本について読まずに語ってみたわ。
基本的にこの収録ではしませんのでご安心ください。
スピーカー 2
いつもねワードで読んだ内容まとめてくれてるんでね。
スピーカー 1
そうそうそう。今回はでもねやっぱり
母切先生がドクターってこともあり、やっぱりすごい自分にナイフを突き立てられてる感覚というか、
自分の心療スタイルだったりに、すごいお前それでいいのかっていうのを先輩医師から語りかけられてる感覚で、
ちょっとね背筋が引き締まる思いというか、そんな感じで僕読んでましたね。
今回あったような末期患者を見とるとかさ、
がん患者を見るとかそういった状況も俺なくもないからさ、
なるほどねっていうこれはちょっといろいろ考えることがあるなっていうような感じでしたね今回。
スピーカー 2
なるほどな。なんか前回チラッとねお話ししてくれたけど、
循環器という分野というのはさ、特にさ、ポジティブケイパビリティの権限みたいな判断が求められるって話もしてたじゃないですか。
15:06
スピーカー 2
そういった話と今回の話がどういうふうに対比されるのかみたいなところね、ちょっと興味深いところではあるよね。
スピーカー 1
まさに前回俺が話したようなことがブーメランになって帰ってきて首に刺さってるような、そんな収録になってるなっていう、なるんじゃないかなっていう今回は。
スピーカー 2
その山場はまさに今回で言うと第4章ですからね。
医療との絡みというところな。
スピーカー 1
そうなんですよね。
スピーカー 2
じゃあ早速中身読んでいきましょうかね。
では早速本編入っていきたいと思います。
まず最初が第3章の分かりたがる脳ということですけれども、これ結構切り口として面白い入り方だなと思いましたね。
なんか最初さ、実はビヨンさんの引用から始まるんだよね、この章はね。覚えてます?
スピーカー 1
ポジティブケイパな教育を受けてきてるけど、それを後押ししてるのが教育者じゃなくて人の脳だっていうところだっけ。
スピーカー 2
そうなんですよそうなんですよ。そういう議論から始まるんだけどさ。
ちょうどさ、ネガティブケイパビリティ養うのってなんだっけみたいな話題から入るんですよね、この章ね。
ネガティブケイパとは何みたいな話でさ、記憶がない、理解もない、欲望もないみたいな状態っていうのがさ、ネガティブケイパビリティを培うよりはすごい大事だみたいな、結構大きなテーゼから入ってくるなっていうのが結構印象に残ってましてですね。
記憶、それから理解、欲望みたいなさ、その三つの概念って実は全部さ、教育で獲得しようとしているものそのものなんだよね。
そうなんですよね。
スピーカー 1
近代学校教育でね、教えられることだよね。
スピーカー 2
これはさ、教育と逆なんだけど、別に教育が求めてるからこれが必要だって話なわけでもなくて、山上くんがさっき指摘してくれた通り、これを施行してるのは人の脳であるよっていうのがですね、最初の切り口になってるわけなんですけれど。
これどうですか、もう思い当たる節はビンビンなんじゃないかと思いますか。
いやビンビンだよ、そりゃもう、むしろ俺らはポジティブケイパーな教育を受けてきたって話を前回か前々回の収録でしてきたけど、これは教育じゃなくて脳が人間の性質に割と沿ったような教育だったんだって考えたら、一概に教育システムだけを攻めるのもよくないなっていうふうに思ったね。
まあそうだよねそうだよね、何ならわかることっていうのがやっぱ大事なわけじゃないですか、何か知識とかがあるとかね、理解しなきゃいけないみたいな、なんかそこに対してそれを克服するっていうのもなんか不思議な話だけど、そういうことが必要なんじゃないのっていう問題って日から入るということなんですが。
スピーカー 1
ビンピンは昔さ、分けるっていう言葉がさ、分割するってことから来てるよっていう主体的な言葉だよっていうふうに言ってたじゃん。
その時点で、このディバイド、ディバイド的なのがインディビジュアルだみたいなくだりから、分けるって言葉自体がもう結構主体的な言葉になってるっていうふうに言ってたけど、
18:02
スピーカー 2
それがだからもうネガティブ経過ともう逆になってんだなっていう、もう分けるって言ってる時点でもう耐える、理解しなくていいやって姿勢とはもうすでに真逆になってるなって、だからわかるって概念はやっぱネガティブ経過とは逆なんだなってことをちょっともう言葉の成り立ちから感じたっていうのがあったね。
なかなかシンクった話題から入ってきましたけど、あれっすね、これなんか面白かったのはさ、その人の脳がどうまず感じるかみたいな話があったじゃない。で、そこでさああったのはさ、わからないっていうことがやっぱりどうしても不安とくっついちゃうっていう指摘がありましたよね。
ああ、あったあった。
その通りだよなと思いながらいたわけですけど、どうですか?わからない場面置いとくってさ、実際できます?
できないね、実は。言った通りミスったらポジティブ経過なんで、俺はもうすぐに解決しようとするし、しかもわからないまま置いとこうってじゃなくて、後々いついつまでに解決しようとか、いつやろうっていう日程を設定するから、結局時間差ポジティブ経過みたいなことはするけど、ネガティブ経過はしてないね、あんまり。
なるほどね、なるほどね。
スピーカー 1
不安だよね、やっぱね。
スピーカー 2
そうね、確かにね。不安なんですよね。これがさあ、人に固有のものなのかみたいな話でいくと、実はそうじゃないよっていうのがね、この3章の冒頭で明かされるわけですけれど。
スピーカー 1
ああ、そうそうそうそう。
スピーカー 2
それこそ精神科医も使うのかな?セラピー犬っていうのはいるんだってね。これ僕はあんまり知らなかったんですけど。
スピーカー 1
いる。俺もあんまり知らなかった。うん、いるんだね。
スピーカー 2
いるみたいですけど、この犬もさあ、よく人のことがわかるんだって言うんですよね、このハーゲキさんは。で、そういう状況を見るにつけても、わかるっていうのは実は全ての動物に共通する根源的な欲求なんじゃないかみたいな話があって。
このわかるためにはやっぱり記憶が大事だと思う。で、面白いのはこの記憶の中には本能的な記憶、本能とそれからいわゆる経験に基づく記憶って2つあるんだみたいな話があってさ。で、経験の方はあんまり理解しやすいと思うんだよね。
こういうことがあった、だからこれを覚えておこうとか。あ、湯気が出てる夜間触ったら暑い、だから危ないんだと思っておこうみたいなさ。そういう記憶、経験に基づく記憶みたいなものもあれば、一方で本能も実は記憶だっていう指摘をしてて、ハーゲキさんはね。
スピーカー 1
これ面白かったね。
スピーカー 2
これ面白い。本能は進化的に獲得された記憶なんだみたいな話があって、これはなるほどなって感じでしたね、猫はね。
スピーカー 1
確かにこれはすごいロマンがあるなって思ったんだけど、このハーゲキ先生は種の記憶と本人が獲得した記憶は、本能のことを種の記憶っていうふうに呼んでて、後天的に得た記憶のことを本人が獲得した記憶って呼んでるけどさ、結局種の記憶って何かっていうと、結局その種の記憶の正体を俺たちは説明できるわけよ、進化論で。
発端の種が出現して、発端の種の一つの記憶がその高度に環境に適合的だったから現在まで残ってきたわけじゃん。
はいはい。
ってことは、俺たちが今獲得した記憶がさ、数千年後には種の記憶になってるかもしれないって考えた猫ロマンがあるなっていう。
21:04
スピーカー 2
いやあ、そうなんだよね。そこはそこでめちゃくちゃ面白いんだよね。
そうね。確かに。
スピーカー 1
何千年万年前にご先祖様が行った一つのアクションが種の記憶として我々にね、引き継がれてきてるっていう風に考えたら結構面白いなって思ったりしてます。
スピーカー 2
面白いですね。なんかその本能みたいなさ、生物的に組み込まれた記憶の一つのパターンってあると思うんですけど、ここでハーキーさんが一個指摘するのは人間の中でユニークな記憶って何なのって話になっていくわけですよね。
そこで登場するのが記号っていう概念が登場するのだと。
スピーカー 1
出てきましたね。
スピーカー 2
記号も実は僕らのラジオの中でも一個重要なテーマの一つではあるんですけど。
スピーカー 1
シギフラのシギフェですよね。
スピーカー 2
ですね。人間にとってユニークな記号っていうのは何で生まれたのかっていうと、記号を介して何かを記憶するっていうのは人間の脳にとってめちゃくちゃ効率的なんだという話がありましたね。
スピーカー 1
例えば文字は代表的な記号だけど文字を通じて物事を理解したり記憶したり、あるいは図形を通じて記憶したり、もうちょっと複雑なものだと地図みたいな概念図を使って物事を記憶したりみたいな、そういうプロセスの中で人間は記号を発展させてきたんだよみたいな、そういうくだりがあったのが、これは結構今回の特集の中で面白いところだなと思いましたね。
記号っていうのは分かるための結局デバイスってことなんだよね。
分かるために我々が作ったそういうツールなんだよね。
スピーカー 2
そうなんだよね。
このじゃあ何を分かるために記号っていうのは発明されてるのかっていうと、これは一つは全体をつかむっていう話があったりとか、あるいは法則を見出すみたいな話があったりとか、単純に1対1対1でこれってこういうことだよねみたいな単純な理解じゃなくて、もうちょっと複雑的な複合的な事柄を理解するために必要なのが記号なんだと。
そういうことを萩さんは言うわけですよね。
というのがこの章の入り口で描かれるわけですけど、なんか僕らの関心がありそうな領域にちょっと隣接してるなみたいな話から入ってくるわけですが、その権限として槍玉に上がるのがマニュアルなんだよね今回ね。
スピーカー 1
マニュアルになれたのってのをまずこうディスることから始めなんだよね。
スピーカー 2
そうなんですよ。これは一般的に言うとマニュアルってネガティブな評価も一方であると思うんだけど、マニュアルって必要なものだよねみたいな理解はなんとなくあるじゃない。
スピーカー 1
この本の中でもわかりやすさの最大の便利帳みたいなキャッチーな言葉で表されてましたけど、マニュアルっていうのは基本的にはわかりやすいものだし、誰がやっても同じような結果が得られるよみたいなことを得る上で大事なツールだよね。
スピーカー 2
多分これってさ普通にさあの前なんか不老チャートみたいな話が出てきたけどさ診療の現場でもさある種マニュアル的なプロセスって絶対あるよね。
24:03
スピーカー 1
全然あるからもう医学現場はそんなもんばっかだよ。もう常に医者はポケットの中にマニュアルを200個か300個くらいこう家でマニュアル帳持って歩いてるからさ。
白衣のポケットに大量に詰めて。看護師とかもそうだし、医療現場はねもう壁にマニュアル貼ってあるからさ。ポンって人が倒れたらどうするかみたいな。そういう現場で働いてるんですよ我々は。
スピーカー 2
だからもうチクタクチクタクロジカルにさAかBかみたいなことを判断し続けていくみたいなそういうプロセスなんだよね。
スピーカー 1
だからまさにねあの慣れてくると本当何も考えなくてもね朝から夜まで何も考えなくてもマニュアル通り動いてれば最悪現場は回せるみたいな感じじゃん。
スピーカー 2
いやそうだよねそうそうそうだからなんか僕もそういうことを思い描きながら言ったからいやむしろ医師にとっての診断ってマニュアルに従ってこう判断することじゃないみたいな。
まさにまさに。
スピーカー 1
そうそう。
スピーカー 2
そうなんだよね。でただここに対してそうハーキーさんはいや弱点もありますって話をするっていうところがこの本の転換点なわけですよね。
スピーカー 1
これ面白いのがこのマニュアルっていうのは接客の例が挙げられてるじゃん。
接客マニュアルっていうのがあってその接客するときのマニュアル通りに接客してるといざちょっと変わった事態が起きた時に対応できなくて本当の接客マインドが消失してしまうっていうふうに表現されてたけど
これまさにこの医者の世界でいうとガイドラインってものがあるんですよね。我々の医者の世界で。
例えば心筋梗塞になったときはまず何をするかカテーテルをします。次は何を取ります。薬はこれこれこれを入れますっていうのが全部フルワークチャットで決まってこんな検査をしてこんな治療をしますっていうガイドラインってものがあって全部の病気についてあるのよ。
だから究極に日本語さえ専門用語さえわかれば資料とかにても一応患者を治せる何をするかわかるようなそういうものが公開されてるんだけど。
それに従って治療を行うことをエビデンスベースとメディションEBMっていうふうに言って我々は基本的にEBMを実践しないと保険診療ができないっていうそういうふうに決められてるわけよ。
基本的に医者もガイドライン通りにやればいいんだけどやっぱり患者さんもいろいろいるからガイドライン通りの一筋縄ではいかなくてガイドラインってのはいろんなデータを集めて検証した結果の集まりなわけで全患者にそれが当てはまるわけではないのよ。
だからそこを忘れてガイドライン通りにやっちゃうと悪い結果になっちゃうような明らかになっちゃうような患者さんにもガイドライン通りの治療をポッとやってしまう脳筋的な医者がいるわけ。そういうのが多分このマニュアルに慣れた脳というか接客マインドが消失した状態なのかなっていうふうに思った。
スピーカー 2
なるほどね。だからそのケーススタディというかそこで想定されているケースだったりとか事象に100%当てはまってるならば一定ワークはするんだろうがそこから逸脱する事例だったりとか直接的に書かれていない事例みたいなことに出会ったときに脆いというか弱いみたいなそういう感じなのかね。
27:06
スピーカー 1
例えば統計でデータ取ってるわけだけど要はハズレつきの人には対応できないだったりとか。要はガイドラインってだいたいこの80歳までの人を扱ったりしてるから90歳の人が来たときにその人に対してはもう個別会議をするしかないという状態なんだけどその人にも80歳までで取ったデータを当てはめちゃったりするみたいなそういうそこが起こっちゃうっていうのが面白いとか。
スピーカー 2
なるほどね。例えば正常とされる基準値がちょっとずつずれていったりするようなものがある年齢を境にちょっとパーンと外れちゃったりとかそういうことだよね。
スピーカー 1
そうそうそうそう。そういう人にも正常な人間だけであった今20歳から80歳までの平均で取ったデータを90歳であったり10歳の人に当てはめていいんですかっていうのがガイドラインが弊害だったりするわけ。
面白いですね。みたいなマニュアルに慣れた脳っていうものをこのハーキーさんは批判しているわけですけれど、そのねあのなんというか象徴的な事例がピロリ菌の発見というところで出てきましたね。これどんな事例だか覚えてます?
これあれだよね。ピロリ菌っていうのはヘリコパクターピロリっていう菌なんだけどこれ日本人の二人の一人が家にいるんですよ。ミーティも調べたほうがいいと思うんだけど何かというとこれがピロリ菌っていう菌がいると胃がんになりやすいの。胃がんになるリスクが上がっちゃうから見つけなきゃいけないんだけどこのピロリ菌何が厄介かというと菌っていうのはいろんな環境で生きれるんだけどさすがに胃酸の中では生きれないってされてたの。
なんでかというと胃酸ってめちゃくちゃ共産性ですごくこう生き物にとって過酷な環境だからこんなところに菌がいるはずないじゃんっていうふうにもうみんな医者だったり研究者がもう思ってしまってたから胃カメラとかしたときになんかいるんじゃないっていうふうに言う人もいたけどいやいやそんなのもうゴミでしょとか見間違いでしょっていう風に流されてきてたわけよ
スピーカー 2
はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ
なんかそういうことじゃなくてねこれはね
スピーカー 1
そうそう専門家が言ってるんだから言うわけない患者さんがまさかピロリ菌しなくてって言うわけないし
誰も気づかないっていうそういう状態になってで結局誰か疑って見つけたんだけど
そのみんながそういうふうに菌がいるわけないじゃんって思ってるせいでピロリ菌の発見がめちゃくちゃ遅れましたよっていう
日本の世界の医学にとって大きな損失がこのバイアスによって生まれてしまったよっていうのが
この画一的思考が遅らせたピロリ菌の発見っていうエピソード
30:01
スピーカー 2
なるほどなるほどそういうことですね
そうかそうかだからそのマニュアルというものがなんかある種その世の中で起きている事象をすごく
あの単純化して捉えるようななんかそういうものになってるってことなんですねここで言うと
スピーカー 1
そうそうそうだからどういうふうにマニュアルが生まれたかみたいなとこまでこう
札に思って考える櫛をつけないとこういったミスが生まれてしまうんじゃないかっていうふうに俺は思うんだけど
スピーカー 2
なるほどねでも逆にさマニュアルを作った人も一方でいるわけだから
それはそれで開拓されてきてるわけだもんねこれまでの歴史の中でね
スピーカー 1
そうそう逆にだからマニュアルを作るのはどんなかというと
俺がこないだ書いた論文みたいなこういう遺伝子の異常がありますよっていうのを
誰かが目に留めてじゃあその遺伝子異常から薬作ろうよってその薬が効いたら
その薬がどんどんマニュアルになっていくっていうそういう感じで出来上がっていくんだけど
こうせえ薬のガイドラインだけ見た人はその山神が遺伝子をこうこう研究したって
背景を知らずに薬だけ使うみたいなそういう状態になっちゃうっていうのが
スピーカー 2
悩ましいとこだよねじゃあ毎回毎回考えてたら適切なスピードで処置できるかってそういうわけでもないからさ
スピーカー 1
いやそうなんだよ
スピーカー 2
要法要領を守りくださいみたいな世界の
スピーカー 1
いやまさにまさに本当に本当にそういうことですね医者側も要法要領を守らなきゃいけないということなんだよね
スピーカー 2
みたいなことをちょっと茶化してこの医者は創始からの引用で混沌っていう神様がいるんですけど
この人の話めちゃくちゃ面白かった
スピーカー 1
この話俺どっかで聞いたことある国語の授業かなんかで聞いたことあるな
スピーカー 2
はいはい混沌っていうのがまず神様の名前なんですよね
混沌には目も耳も鼻もないんだよね
ただこの混沌は他の神様を呼んでご馳走を振る舞うんだよね
スピーカー 1
でも南の神北の神
スピーカー 2
そうそうご馳走を振る舞えるのはなんでなのかとかよくわかんないんですけど
そういった話を聞いといていろんな神様がやってきてご馳走を振る舞ってくれてありがとうって言ってじゃあお返しを送れよって言って
スピーカー 1
目と耳と鼻を送るんだよね目と口の鼻か送るんだよね
スピーカー 2
それでこう穴を開けて目をこう形作ってとかやってる間にこの混沌が死んじゃうっていうすげえシュールなストーリーが乗っかってるんだけど
スピーカー 1
これ面白いよね
スピーカー 2
これは何のメタファーなのかっていうと生き過ぎた知性が何かを殺すぜっていうメタファーとして
この創始の時代からこんなことが言われてるってすごいよねさすがこの古代中国というか
面白いよねこの事例は文脈とどれくらい合ってるのかよくわかんないんだけどすごい印象に残ってましたね
本当に本当に
という中で知性によって物事を理解するみたいなことにどれくらい可能性があってどれくらい限界があるのかみたいなところがね
もうおそらくこの章で言いたいことなんだろうなということがなんとなくわかってくるわけですけど
一方で神経心理学者の山鳥先生かなっていう方のコメントを引用しながら理解にもいくつかパターンがあるんだという話がですね紹介されるわけですよね
33:06
スピーカー 2
理解つまりわかるということについて2つのパターンがあって一つが浅い理解
これはどういうことかっていうと浅い理解だからしょうもない理解なんだろうって話なんだけど
我々が比較的理解はこれだろうと思っている大半のものはこっちに分類されるんじゃないかなと思うんですけど
重ね合わせ的理解っていう言葉で言い換えられてるんですけど
例えば今のフローチャートを通じて理解するってまさにこの一種だと思うんだけど
教科書みたいなものを読んでこれってこういうことなのねって現実の事象と対応関係を理解して重ね合わせてわかりましたっていうタイプの理解だよね
これ多分学校でやる大部分の理解ってこっちだよね
スピーカー 1
そういうことだそういうことだ
スピーカー 2
っていう理解を浅い理解というふうに呼ぶんだと
もう一個理解があって浅いの対義語ですけど深い理解というものがありますよ
これは山取先生曰く発見的理解であるということなんだよね
これは既存の理解っていうのはつまりある種教科書的なものであって
教科書っていうものはこの発見的な理解には役に立たないんだというふうに言うんですよね
これ具体的にじゃあどういうところでこの発見的理解が必要になるかっていうと
例えば自然を理解しようと思った時に自然にはおそらく何かしらの法則があったりルールがあったり物理法則によって駆動したりすると思うんだけど
それを誰もどこにも明文化してくれているわけじゃないから探索的発見的に理解せざるを得ないというようなことが出てくるわけですよね
この時に使えるのは過去の事例やマニュアルや教科書じゃなくて
自分の己が立てた仮説でしかこれを理解することができないんだと
これを通じて理解するものが発見的理解なんだみたいなことですね
スピーカー 1
はいはいはい面白いよね
これ思ったのが今ミンティが重ね合わせの理解は学校教育でよくやるって言ってたけど
特に理系と言われる人たちに多い気がするこの重ね合わせの理解っていうのはね
我々理系と文系って深いところでは違うんだろうけど
我々がよく口にする程度の学校教育レベルの理系と文系っていう分類でいくと
理系はよく考えるとか文系は暗記であったとかいうふうに言われるじゃん
それ本当かと思ってむしろこの重ね合わせの理解っていう意味で考えると
理系こそポジティブ経過で文系こそネガティブ経過なんじゃないかなっていうふうに思ったのよ
だからちょっと現代の学校教育に提言したいんだけど
むしろ理系こそ研究者として体制するためには文系的なネガティブ経過が
必要なんじゃないかってことを一時研究者として思ったスリラでございます
スピーカー 2
なるほどなるほど面白いですね
だからつまりもしかしたら文系それこそ歴史だったりとか世界史日本史みたいなところは
もしかしたら暗記科目団みたいなふうに見られてる可能性もあるかもしれないけど
36:01
スピーカー 2
むしろ理系の方が公式を覚えてそれをパターンにおいて適応するみたいな
比較的当てはめ型の重ね合わせ型の理解をして
むしろ歴史の読解の方がよっぽど発見的な読解を要するかもしれないみたいなね
そういう指摘ってことね山上くん
スピーカー 1
そうそう理系を考えたら気になってるけど実は
文系のこうなんでこういった歴史事件が起きたかっていうふうに考えることの方が
ネガティブ経過なんじゃないかなっていうふうに思ったということだ
スピーカー 2
確かにですねだからその理系的な問題を解くときに
ちょっとこれ以前もチャットGPTみたいな話が出たけど
もしかしたら数学的な問題はさやっぱりコンピューターは解きやすいじゃない
ロジックがそこに当てはめたら答えパーンって出ますよみたいな問題で解きやすいけど
そうじゃないこうなんか読解が必要だったりとか文脈理解が必要だったりとかってなると
やっぱりちょっと機械には解きづらいよねみたいな話があるっていうのとちょっと似てるかもしれないね
スピーカー 1
まさにそうだね重ね合わせ理解が機械でもできるってことなんだね
機械がまさに得意とする部位なんてことだよね
スピーカー 2
そうだよねそうだよねだからチャットGPTも過去の大量の統計的なデータを処理しながら
要はどの事例に一番近いかなっていう重ね合わせを人間にはできないぐらいの規模でやってるから賢そうに見えるってそういうことだよね
スピーカー 1
そうそうそう究極の理系ってことだね
スピーカー 2
まあそう究極の理系で文系を克服したみたいなことだねすごい気がかしてますけど
スピーカー 1
つかない技だね
スピーカー 2
今みたいな話実は結構次の話題にさ重なる部分あるなと思ってて
スピーカー 1
ああそうだねそうだね
スピーカー 2
音楽と絵画に分かりたがる脳っていうのは音楽と絵画に戸惑うんじゃないかっていう指摘が今度は筆者から出てくるわけですけど
ここでいうこの分かる分からないみたいな話結構僕も思えたりとかあるなと思ってて
例えばさあの著名な現代美術の体感みたいな人のさ絵を見た時にさ
この絵が分かる分からないみたいなコメントを言いがちなんだと思うんですよ多分人類
何が書いてあるか分かるとか何を表現しようとしてるか分かるみたいな言い方をしてしまうんだよね多分ね
それはナンセンスなんじゃねえのっていう指摘をしてるのがこの3章の最後に書いてる最後じゃないかちょっと手前に書いてるところですけど
これクラシックが分かる分からんみたいなことをこの人は例に書いてるよね
スピーカー 1
書いてあるね
スピーカー 2
それで分からんとか分かるとかっていうのはナンセンスじゃね分かるんじゃなくて味わうでしょみたいなことを言ってて
それだけ見るとそんなもんかって思うけどここまでの文脈を踏まえてみると確かになっていう感じがしてきますよね
スピーカー 1
これはね俺がピンときたのがこの人の例で晴れた日の山頂からの景色を見て分かったという人はいないはずです
なるほどって思った
スピーカー 2
これすごいいい例だったよね
スピーカー 1
そうそうそう
スピーカー 2
だから人間の作ったものに対して何か意味があるって勝手に思っちゃうんだけど
自然とかを見たときにそれを分かるか分からないかみたいなことを言うのはめちゃくちゃナンセンスだっていうことを言ってるんだよね
そういうことだね
これは確かに面白いなと思いましたし逆に言うとその景色はもっと味わっていいじゃんみたいなことをここでは言ってるんですよね
39:07
スピーカー 2
これ俺まさにすごくピンときた例があってこれショーツでも収録したけど全感覚祭の話をちょっとしてもいいですか
スピーカー 1
そうこれここに書いてあるのがもともと音楽は分かることなど前提としていませんっていうふうに書いてあるわけよこの記載にね
で俺その全感覚祭の感覚がまさにここに表現されてて俺はあの全感覚祭で何をしてたかというと分かることを拒否してたんだよね
スピーカー 2
はいはいはい
スピーカー 1
でこの本の表現から言うとあの川崎のつより公園で感じた感覚こそがこの自分が閲覧と進化した喜びであったっていうことだ
なるほどなるほど
スピーカー 2
ここに書いてあるじゃん
スピーカー 1
ありましたね一段進化した脳の喜びを味わっている
そうそう分かること拒否した上でさらなる高みの感覚にいったことを感じるのが自分が一段と進化した喜びを味わっているって
俺はあのつより公園で自分が進化した喜びを味わってたんだってほんまに
まさにだからさ分かることなんて前提とされていなかったあの祭りで
スピーカー 2
季節して俺は割とあの祭りに正しい向き合い方してたんじゃないのかなってちょっとこの本読みながら感じます
話を聞けば聞くほどそうだなって気がするよね
だからよくなんかそれこそさあの音楽の中でもさ難解な音楽みたいなことをさ言ったりするじゃない
スピーカー 1
あいうねそういう表現あるよね
スピーカー 2
めちゃくちゃダサい表現だよねつまり
スピーカー 1
確かにね
スピーカー 2
難解とか分かるつもりで作ってねえしみたいな
スピーカー 1
解くこと前提としたコメントはやめろよって言うんすよね
スピーカー 2
いやそうそうでもなんかこの今のさ難解とか分かるとかって話の下りで思い出すのはさ
あの前回の収録で出てきたベケットさんがさ演劇にさ自分の書いた作品を転換する時にさ役者がさここはどういう意図でこういうコメント言ってるんですかわからないんですけど聞いたら書いてある通りに言えばいいんだよみたいなさ回収したの覚えてる?
スピーカー 1
覚えてる覚えてる
スピーカー 2
あそことかはまさにさその分かるっていうことをさ拒否してるっていうある種の一つの姿勢の表れだよね
スピーカー 1
そうだね芸術はだから分かることを拒否するっていうところにこうたどり着くのが真の真のって言ったらおかしいけど芸術の一つの側面なのかもしれないね
スピーカー 2
まあ少なくとも脳の進化した喜びを感じることができる
そうだね
いやいやいやっていう話がありましてここから最後ちょっとね逸話みたいなところが出てくるんですけどこれ面白かったねあの黒井さんという方の随筆知りすぎた人っていうのが紹介されてて
これもうこの書の最後ですけどなんかあのあるね大学教授にさいろんなことをこの黒井さんって方が尋ねるんだよねエッセイションとかね
で尋ねると大体あらゆるその質問に対してパッと答えちゃうとでそのやり取りを何往復かした暁にこの黒井さんが言ったのが
何を聞いても知らないものがないからつまんないっていうコメント残してそれを随筆としてこの人は落とし込んでるわけですけどこの感覚はなんか
わかるなと思っちゃいましたねこれはねつまり困ることがないというかさこれってのはこういうことなんですよ理解してるように見えるんだよねその尋ねた大学教授は
42:06
スピーカー 2
でもそのこと自体に何かしらこう味わいを感じなくなってしまうみたいな
スピーカー 1
要はだからミンティがさ語らずよチャット随筆としてでも全然面白くないっていう風に
一周年企画の時かなそれ山上であったら面白いという風に言ってくれてたけどそれはチャット随筆では答えを返すことには積み重ねの理解から答えはすぐに返しちゃうけど
俺は答えを返せないからってそこの差だって言ってたけどまさにそれのことじゃない
スピーカー 2
いや本当だね確かに確かにそうだねそうだね
分からないという答えが一つのコミュニケーションになりうるんだみたいななんかそういう面白さまではやっぱり踏み込めないんだよね
スピーカー 1
そうだねそうだね
スピーカー 2
いやそうなんですよでこれ最後に締めくられてるのが哲学者の引用とそれかビヨンさんの引用で2つ引用があって答えは質問の不幸である
これ哲学者のブラウンショーさんの答えは質問の不幸である
文法合ってるって感じなの
スピーカー 1
質問の不幸である
まなんかこの答えとか質問が一般的に使われる文脈で考えると間違ってそうに聞こえちゃうね
スピーカー 2
いやこれ面白いねこれちょっとめちゃくちゃ僕好きだなと思う
答えは質問の不幸である
スピーカー 1
いや俺も好きだ
ヤバいです 声に出して読みたい日本語だよこれ
スピーカー 2
これ何回読んでもうんうんってなる
スピーカー 1
そうそうそうそう分かるよ
スピーカー 2
答えが不幸であるってすごい定義の仕方ですよねこれはね
スピーカー 1
そうだね
だって答えってのは質問のために用意されたものっていうかこの言い方もおかしいけど
答えは質問のついて言うなら幸福というか質問の後に用意されているものであるじゃん
スピーカー 2
質問は答えを要求するものだってみんな思ってるね
スピーカー 1
そうそうそうだから質問の定義ががらりと変わってしまうよねこの言葉によって
スピーカー 2
そうだねでもなんかこのラジオのことを思い返してみると
これって何なんだろうねとかこれってどういう意味なんだろうかって僕らが言ってる時に
全くその答えを求めてない瞬間って結構あるじゃないですか
スピーカー 1
あるある問いね問い
スピーカー 2
問いそうそう問いと言ってその質問っていうものをさなんか
QとAみたいな感じで考えると一体値対応しないといけないのかと思うけど
純粋に問いなんだよね問いっていうものが問い単体として成立してでいいんだみたいな
ことをちょっと言わんとしてる言葉でこれちょっといいなって思いましたね
これ素敵だよね
素敵だねでもう一つビヨンさんはもうちょっと常人にも分かる表現で言ってますけど
答えは好奇心を殺すっていう表現でね
スピーカー 1
分かりやすい
スピーカー 2
書いてくれてますねこれ分かりやすいですねまあそうだね
では答えっていうものが登場することによってそれ以上問うことをやめてしまうみたいなねニュアンスをちょっとここでは感じられるよね
スピーカー 1
まさにこの語らず世のスタンスというか
あの我々別に答えを求めてやってませんよっていうところを代弁してくれた感じじゃない
スピーカー 2
そうだよね答えないことによって好奇心を生かすことができるっていう
45:04
スピーカー 2
まあそういう逆を言うこともできるかもしれないよね
スピーカー 1
まあ答えが出ない世のテーマを我々扱ってるからまあそこは幸いというか逆に答えさんね
出そうとしても出せない世のとこにいるんだけどねいつも
まあだから味わってるわけですね僕ら問いをね
そうだねだから景色を眺めてる書作と似てるわけだこのラジオ収録は
スピーカー 2
そうですねそれは
スピーカー 1
だから言いやすいというか回復というかそうそうそうそう
スピーカー 2
確かにな
なるほどね
ああ面白いですね
スピーカー 1
分かってきた
理解することもできる
スピーカー 2
繋がってきたと
分かること拒否してないですけどね
そうだねプライベートだ
というのが3章でしたということで
まあだからいかに我々が分かりたがってしまうのかというところと
分かることを拒否することがさらに一段進化した脳の喜びに繋がるんだというですね
非常に崇高なテーゼが登場しましたというのが3章でございました
はいということで4章に入っていきましょうかね
4章ネガティブケイパビリティと医療ということで
いよいよ山上くんの本丸の医療の領域に入ってくるわけですけども
スピーカー 1
ついに来ましたねベッドサイドに
来ましたね
スピーカー 2
はい
スピーカー 1
ようこそ病院に
スピーカー 2
病院の話の前にねこの話の入り口は何かというと
医学の教育現場でネガティブケイパビリティというのがどう扱われているのか
という話から入ってくるんだよね
そうだね
最初の指摘が教育でネガティブケイパビリティが
変えられ見られてないじゃんっていう指摘から入るんだよね
これどうですか山上くん
スピーカー 1
これさまさに俺がこのこの間の収録で話したことだけど
循環器内科医である俺はミスターポジティブケイパビリティだ
何でかというと小中高大医師国家助けとずっとこう
いつも一等を強いられた上に循環器内科医になっても
さらにこう血圧が下がった小圧薬
心臓が止まった電気ショックってもうそういうポジティブケイパビリティを続けた人間ですよ
って話すとまさにこう重なって
だからこれ言われたと思ったこれ俺が言ったことでやっぱこう
医者って同じことを考えてたなってことが思った
スピーカー 2
なるほどね
なんか彼がねここで言ってるのもまさにね
教育っていうのは問題を早急に解決する能力のことだという風に
信じられてきましたって話だし
例えばねあらゆるチェックポイントで試験っていうね
ゲートウェイが設けられるわけですけど
試験って基本的にいかに早く効率的に問題を正確に解くかという
そういう分野ですから
これはまさにポジティブケイパビリティの権限であろうと
スピーカー 1
そうなんですよね
スピーカー 2
でここで登場するのが
医療現場で使われてるあるツールというか
フローチャートと言いますか
なんて言うんですかこれは記載方法って言うんですか
SOAP
SOAPこれSOAPって読むのでいいんですか
スピーカー 1
そうそうこれはもうなんかね
SOAP正式な読み方は知らないけど
毎日これ多分1日100回200回書いてると思う
48:01
スピーカー 1
外来の患者さん1人に毎回書いてるし
入院患者さんにも書いてるから
スピーカー 2
外来の方にも同じスキームで書くんだ
スピーカー 1
そうそう
どういうものか説明してもらっていいですか
SOAPっていうのはカルテを書くときの決まりごとみたいな
こういう風にカルテ書きますよっていう
カルテによってはSOAPで電子カルテを書く欄が勝手に分かれていくような電子カルテもあるぐらい
医療現場に浸透した書き方なんだけど
スピーカー 2
何かと言うと
スピーカー 1
Sはサブジェクト
スピーカー 2
主訴
患者さんの訴えってことだね
スピーカー 1
そうそう
Oがオブジェクト
客観的には証券だね
何書くかは後から説明するとして
Aがアセスメント
今アセスメントだよ考えたこと
判断みたいな
そうそうそう
Pがプラン計画
例えば
例えば今日俺さっき
心筋梗塞の患者さんが来てて患えてる人だから
まさにどんなことを書いたかというと
ピーポーピーポーと救急車が来ましたと
患者さん胸に痛がってる人が来ましたと
でSのとこに
主訴胸が痛い胸が痛いよって
患者さんの言葉そのまま書くわけよ
胸が痛いですってSに書いて
O客観的に証券に
血圧とか書くの
要は看護師さんが測ってくれたデータとか
検査データ
血圧120の60脈拍不正
データはCKって心筋梗塞の
梗塞が上がってます心電図はこうこうこういう変化が起きてますって
O
スピーカー 2
誰が取っても同じものって書くんだね
スピーカー 1
そうそうそう
Aっていうのがアセスメント
それを見て俺が考えたこと
心電図でこの23AVFのST分が上がってます
これは梗塞だ
心電図の
どこの心臓の部分が
おかしいかというのを当てて
心筋梗塞だというふうに
スピーカー 2
推測すると
スピーカー 1
それがアセスメント
かつ血圧が下がっているから
これは小圧剤を使わなきゃいけないというのも
スピーカー 2
Aに書くと
スピーカー 1
そこまでAに書くんだ
そう使わなきゃいけないかもしれないみたいな
小圧が必要かみたいなことをAに書いたりして
Pでプランは
緊急仮定でいる
小圧剤必要ってのをPに書くみたいな
そんな感じの
SOAPを書いて
一人の患者さんの
訴えから
訴えと初見から治療方針を決めるための
すごいわかりやすいフローチャットを
一人一人に
オーダーメイドに作っていくっていうのが
このSOAPのカルテの書き方なんだよね
スピーカー 2
何となくわかった?
分かりました分かりました
その中で切れるナイフって書かれてて
スピーカー 1
面白いなと思う
スピーカー 2
切れるナイフまさにまさに
患者さんの症状を診断して
パッと回答を与えるみたいなそういうことですよね
スピーカー 1
これがないと正直
自分の頭の考えまとめながら書いてるから
これがないと正直
俺らでも
パッと胸痛い患者さんに次何するってのを
51:01
スピーカー 1
体系的に
筋ができないかもしれないから
すごく助けられてる書き方ではあるね
スピーカー 2
なるほど
自分に従って書いていくという
その整理の仕方自体がすごく意味があるということなんだよね
スピーカー 1
そう頭の中をすごく整理する上では
役に立ってる
だから患者さんのことを分かるために
スピーカー 2
ってことなんだよね
母ケギさんがここで指摘してるのは
このSOAPが
マルチで切れるナイフだとすると
現実の患者さんの状態
っていうのはナイフで切れるのかという
問題提起がある
スピーカー 1
そうなんだよな
スピーカー 2
これはどうですか?
スピーカー 1
グサグサ刺さるみたいな
これはグサグサ刺さるんですよ
これまさに前回の収録で
不定収束といって切り捨てる患者さんの
訴えがあるっていう風に言ってるけど
スピーカー 2
ナイフバキバキのやつじゃないですか
それつまり
スピーカー 1
これ例えば
胸が痛い患者さんが
先生背中にも何か出来物があるとかいう風に
おっしゃる患者さんがいるんだけど
俺はその時に
背中の出来物は後でいいんでとりあえず
心臓を治しましょうよ
という風に言っちゃってばさっと患者さんの
訴えを切り捨てたりすることが
往々にしてあるわけよ
それがまさに
スピーカー 2
そうせざるを得ないもんね逆に言うと
スピーカー 1
そうそう
そうしないと患者さん死んじゃうから
しょうがないとはいえども
患者さんからするとめちゃくちゃ気になることだし
例えば
テレビのテレビカードが消えたとかさ
隣の患者さんがうるさくて
眠れないとかそんなの後でいいですよ
みたいなこと俺も言っちゃうわけよ
とりあえずもう癖で
それがだからちょっとね
例えばさ
テレビのテレビカードが切れたってのもさ
もしかすると本当は切れてないけど
テレビカードが切れたように見えてしまう
スピーカー 2
幻覚が見えてるかもしれないわけじゃん
スピーカー 1
本当は切れてないけど
切れてるように
思ってしまうという脳の病気かもしれないけど
そこの可能性をまず
スピーカー 2
俺は見落としてしまってると
そんなような
テレビカードが切れそうなことを忘れちゃうみたいな
スピーカー 1
そうそう認知症だったりするかもしれない
そういったことを全部全部
切り捨てた上で
俺はもう心筋梗塞で家庭手術をする
っていうところに向かって
ひたむきに走り続けてるようなことをしてるから
これは確かにね
ポジティブ経過してるなってのを
ハーキリ先生に
教えてもらえるよね
スピーカー 2
今の話を聞きながら
思ったのはさ
お医者さんってそもそもさ
大きく分類がもう分かれてるじゃない
関係ないかもそうだしさ
かっていうものでさ
何に対応できるかって分かれてるじゃないですか
確かに確かに
僕らからするとこれは何かに行けばいいのかな
っていうようなさボーダーラインの
ジャッジメントってさ大部分患者に
委ねられてるところってあるじゃない
あるよね
でも多分さお医者さんの分類ってさ
どういう方針を立てれるかとか
どういうアセスメントを下せるか
っていうどちらかっていうとさ
さっきのSOAPでの後半側にさ
だいぶフォーカスしてさ
スピーカー 1
かが分かれてるじゃない ああそうそうまさにそうだと思う
54:01
スピーカー 2
でも前半側ってさ
意外とさこうファジーでさ
曖昧で境界線どこにあるか分からんみたいな
症状とか手術とかいっぱいあるわけじゃないですか
スピーカー 1
ああそうそうそうそう
スピーカー 2
そこにすごく構造的な難しさ
あるなっていうのはねすごい今
スピーカー 1
話を聞いてて思いましたね
それもでも結局専門家によって
同じ患者さん見ても
王に書くものは全然違う要は
何を拾うか
皮膚科の先生とかは皮膚の処刑ばっか書くだろうし
俺循環器ないか
脈白とか血圧とか
血管の処刑ばっか書くだろうし結構それはね
科の先生によっても
王に書くことは違うから
王に書くことが違えば英に書くことも違うし
っていうことで全然もう
科の色が出ちゃうんだよね同じ科で書かせても
スピーカー 2
そうかそうかそもそも
どの科の視点で見るかによって
何が不定で何が不定じゃないかが
スピーカー 1
そうそうそう
結局俺らにとってはめちゃくちゃ
重要な動機が
ドキドキする症状も他の科の先生にとっては
不定思想になりうるっていう
スピーカー 2
そういう問題があるんですよね
スピーカー 1
それはそうだよね
スピーカー 2
面白いですね
そうなんですけどね
それはちょっとね前回の収録であった
それこそ
あれビヨンさんだっけ
見方がいくつもあるよ
っていう言い方を拒否したいんだ
みたいなことを言ってたの覚えてます?
あったね
絡みるような見方をしないと
スピーカー 1
視点ではなくて頂点で
精神分析療法の話だよねたしか
スピーカー 2
ですですですです
視点が複数あるという言い方を
前提としてはいけないんだ
みたいなことがありましてちょっとその話を思い出しながら
今聞いてましたけど
今の話ももしかしたらその一つかもしれないけど
基本的な医療教育というものは
どういう性質なのかってことが
ここには少し示されてて
端的に言うと
正常と異常を瞬別するトレーニングを
ひたすらした人たちのことを
医者だというわけだと
ああなるほど
これすごい面白いなと思った
何が正常かさっきさっきも言ってくれてたけどね
正常の範囲っていうのをある程度知ってるからこそ
それが異常領域に振り切れてた時に
それをこっち側に戻しましょう
多分そういうことをやってるんだろうな
ってことはなんとなく想像できたんだよね
スピーカー 1
ああそうそうそうそんな感じですね
スピーカー 2
はい
そうなった時にさ
じゃあなんで異常なのとかっていうのをさ
原因を特定していかないとさ
手立てが打てないわけじゃん
うんうんうん
スピーカー 1
おそらくねこれ完全に想像で喋ってる
スピーカー 2
そうだそうだ
その時面白いなと思ったのがさ
いずれにしても分からないってことを
積極的に避けるような性質があるんだみたいな
ことを書いてたのがめっちゃ面白いと思ってて
あるんだよ
診断名の中にさ
読み方わかんない本能性新鮮
本体性
スピーカー 1
本体性新鮮か
スピーカー 2
新鮮っていうのの
症状に本体性っていう
言葉がくっついてるんだけど
この本体性は原因不明であることだって
書いてあってマジかめっちゃおもろいなと思ったんですけど
スピーカー 1
いやこれはね
俺らの領域にもあるんだけど
血圧が高い人って循環器内科が見るのよ
57:01
スピーカー 1
で
血圧が上がる原因って色々あって
腎臓の血管が狭いとかホルモンの異常とか
色々あるんだけどその原因がわかってる
高血圧のことを二次性高血圧
という風に言うんだけど
一次要因があるってことね
そうそう一次があって二次なんだけど
原因がわからない高血圧のことを
我々は本体性高血圧という風に呼んでる
スピーカー 2
なるほど
なるほどわかりませんよっていう
スピーカー 1
名前があるわけですね
スピーカー 2
そうそうそう
この記号の使い方が
原因不明であることを名前をつけることによって
隠してるってすごいよ
スピーカー 1
そうそうそう
外来とかで原因不明の高血圧
スピーカー 2
って言うと患者さん不安じゃん
スピーカー 1
患者さんもある意味分かりたいから
分かりたいという需要自体は
患者側と医者側で
マッチしてるのかなっていうところがあるかもしれない
スピーカー 2
分かったことにしたいってみんな思ってる
スピーカー 1
そうそうそう
スピーカー 2
なるほどね
そうなんね
なるほどなるほどいやおもろいですね
みたいな話が
医者あるいは医療教育の
現場で起きてるんだ
っていう中でさっきの切れるナイフ
S.O.A.Pみたいなものを使いながら
例えばマッキガンの患者を前に
切れるものあるんですか
っていう問題提起をしてるんですよね
スピーカー 1
そうなんだよな
スピーカー 2
これはどうですか
まずそういう患者さんにこう接することって
スピーカー 1
あるんですかヤンヤン
マッキガンは今はないけど
マッキガンは研修院の時に接したことはあるんだけど
今って言うと
マッキシンフゼンっていう
病態シンフゼンっていう病気が
病態があって
いろんな心臓の原因で最終的に心臓が
ボロボロになっちゃってどんな薬を
使ってもどんどんどんどん心臓に
水が溜まっていって徐々に徐々に
理屈で溺れていくような状態になって
最終的にはもう理屈で溺れていくみたいな
言い方があれだけど
呼吸ができなくなって呼吸止まっちゃうっていう
シンフゼンっていう病気があって
それはもうしょっちゅうそういう患者さん見てるわけ
最終的にシンフゼンの患者さんに
大事になってくるのは何かというと
緩和ケアっていう苦しみをどういう風に
とるかとか
どういう風に死っていう概念で向き合うかとか
家族がどう受け入れるかとか
ってとこがすごく重要になってきてて
薬でどうこうできないからね
だからそういう患者さんは
よく見る
スピーカー 2
そうなんだそういう患者さんに対して
どう接するの山上くんは
スピーカー 1
いやそれがね結構
反省すべき
問題だけど
すごく向き合ってた時期もあったのよ
そういう人たちの話をちゃんと聞いて
ベッドサイドに行って
こうこう苦しいですよね
いろんな話をしてた時期があったけど
最近で言うと家庭が
めちゃくちゃ忙しくなって
そういう人の話をしっかり聞いてあげられない
話を聞いてあげるのは看護師さんだったり
とかにお任せして
自分はもう
この本に書かれてる
要はアセスメントは苦しい
プランがもう
お見とりみたいなそういう風に書いてしまってる
ことがあるから
1:00:01
スピーカー 1
アセスすべきだと思う
スピーカー 2
逆に言うと問題解決
っていうナイフが
役に立たないこともあるんだってことだよね
スピーカー 1
そうそう解決できないからね
スピーカー 2
だって医師は基本的に
何かしらの
症状だったりとか
病気だったりとかを
改善する直すってことが
職能だけだから
ソリューション提供できることが前提だ
みたいなところがあるじゃないですか
スピーカー 1
そうそう
これでも俺たちは
なんかね
緩和ケアっていうのをプランに書いたりして
処方した気になってる
何かを出した気になって自分を
慰めてるような感じだねこれはまさに
スピーカー 2
なるほどね
これなんかちょっと僕も全然知らなかったんですけど
緩和ケア診療課さんみたいなのが
ここ20年くらい前に
スピーカー 1
導入されたんですよね
スピーカー 2
その中でその
末期患者さんを見ること自体も
加点の要件になりますよ
みたいな精度の変更が
ありましたという中で
そういうところに向き合っていく必要も
医師の仕事の一つに
取り込まれたんだというふうに僕は理解したんだけど
スピーカー 1
それはあっているのかな
まさにあってて
アドバンストケアプランニングっていう概念があって
ACPって俺は呼んでるんだけど
何かというと心不全って診断された時点で
徐々に徐々に弱っていって
心不全が
悪くなって亡くなるっていうことが
多いのしかもある程度までも怪談踏み外しちゃうと
確実に数年以内に心不全で
亡くなるっていう状態になる人が結構いるのよ
なるほどね
でもその人自身はその段階では普通に
生活できてるけどこの人はもう数年以内に
心不全で亡くなっちゃうっていう人に
早い段階から
どういうふうに死と向き合うか
みたいなことを医療チームで
介入するって考え方があって
それは結構ね
医者個人じゃなくて
チームで患者さんに
どう死と向き合うか
みたいなことを話すことはある
スピーカー 2
なるほどね
なるほどね
そういう状況になった時に
いずれにしても向き合わなければいけないのは
死に対する不安だったりとか
恐怖みたいなところ
いかに向き合うかみたいな
僕らが半年以上前です
1年近く前に棚取るみたいな言葉で
表現してたようなことってさ
そこに改めて立ち現れてくるな
と思ったんですけど
結局死っていうものは
永遠に治療できない
ある種の病なわけじゃないですか
そういうふうに呼ぶのが正しいかどうか
スピーカー 1
わからんが
スピーカー 2
何をどう頑張ったって
克服できないみたいな
現代の技術の限界だと思うんで
そこに対してどう向き合うのか
みたいなところに対して
切れるナイフがないっていうのが
スピーカー 1
現代の医師が向き合っている状況だってこと
スピーカー 2
そうなんですよ
なるほどね
僕すごい面白い記述だなと思ったのは
正常と異常を
瞬別でトレーニングを受けた人らみたいなことがあったじゃない
あったあった
そういうものかと思って僕が受け止めたんだけど
週末期のね
死に対する不安っていうのは
1:03:01
スピーカー 2
正常だっていうふうに判断されるから
異常の範疇に入らないから
ケアの対象に入ってないんだみたいな書きっぷれがあって
スピーカー 1
めちゃくちゃ面白い
これ面白かったよね正常な不安だって書いてあったよね
スピーカー 2
そうそう正常な不安だから
別に特にケアする必要もないみたいな
言い方がなるほどと思いましたね
そう
スピーカー 1
だから正常な不安に対しては
だからプランが立たない
医者が介入できるエリアじゃないんだよ
スピーカー 2
そういうことか
プランが立つってことは
異常から正常に戻すための三つ筋を
スピーカー 1
描くことができるって意味なんだ
そうそう
例えば不安障害っていう変な
異常な不安だったら薬処方できるけど
死の不安っていうのを書いても
それは別にもう
話を聞くことしかできないってことになっちゃうわけだ
スピーカー 2
なるほどね
なるほどね
なんかちょっとこの辺りの話題が
徐々に多分この
筆者の本領の部分に
少しずつシフトしていくんだと思うんですけど
じゃあ今みたいな例えば
心臓もそうだしガンに対峙している
お医者さんとかも多分今みたいな
話題って向き合うと思うんだけど
じゃあ精神科医はネガティブケーパーとか
どうするってのはその次に書かれてることなのね
スピーカー 1
うんうんうん
スピーカー 2
ここで書かれてた
大事だなと思ったところは
目の前の事象に
拙速に長寿流合わせにいかないというのが
精神科医においてはすごく大事だと
スピーカー 1
いうふうに書かれてました
スピーカー 2
長寿流合わせるっていう
言い方がなんか僕は非常にしっくり
きてて面白いなと思ったんですけど
なんかこの感覚ってあるんですか?実際の患者さん
スピーカー 1
そうだね長寿流
合わせるまあ
確かに我も
患者さんの弱さを我らが不定周測と
言っているようなことに関しては
すぐに処方せずに
すぐに処方することを長寿流合わせる
っていうなら
入院中に良くなるかもしれないからもうちょっと
様子見ましょうよ経過観察って書くこと
はある
スピーカー 2
もうちょっと様子見ようっていうふうに
スピーカー 1
すぐに長寿流合わせにいかない態度かもしれない
スピーカー 2
ああそうかそうか
もう一回時間を置いて見てみましょうみたいなことね
スピーカー 1
そうそうそう
スピーカー 2
なんかちなみにこの精神科医
がどうするのかっていうセクションで
ヤマガミ君がビビってくるポイントってあるんですか?
スピーカー 1
ヤマガミ 人の病の最良の薬は
人であるっていうくだり
スピーカー 2
ああそうそうそこに行く手前のところだね
スピーカー 1
ヤマガミ はいはい
これはすごく思うことがあって
その
俺がよくさ
医者プラス何か
っていう話をしてるじゃない
それで料理回しをするっていう話をしてたけど
これ俺その料理回し
してるつもりになってるだけで
医者下ろす側になってたなってことを
この本を読んで気づいて
どういうことかというと
患者さんが皮膚かゆいとか言ってます
っていうふうに言ってそれを
いやかゆいのはほっとけばいいよでも今日勝ててるし
心臓大丈夫だからなんかかゆみでも出しといて
って言って帰ってラジオするのはそれはもう
正しいネガティブ競馬のあり方ではなくて
それはただ
分けてるだけなんだよ
その医者プラス何かになってなくて
医者と何かをただ
両方やってるだけで料理回しできてないんだな
1:06:01
スピーカー 2
ってことを気づいている
スピーカー 1
ヤマガミが半分になってるんだね
ヤマガミが2分の1ずつにしてるだけで
統合してないなってことに気づいて
何がどうやって料理回しできるかってところで
ラジオで得た知見だったり
ネガティブ競馬的な概念がありましてですね
みたいなことを
患者さんのベッドサイドで立っていってこそ
ネガティブ競馬なんだなっていうことに
これ話ですごく最近思ったのが
最近の若い世代って
若い世代の医者って
医者は仕事だっつって
QOLとか働き方改革とか言われてる
時代だからしょうがないんだけど
医者とプライベートってのはすごく分けがちなんだよ
スピーカー 2
若い医者って
スピーカー 1
でもおじいちゃん世代の医者って
結構医者とは人生だって言う人が
結構多いんだよね
医者ってのはライフワークで
お前の人生が医者なんだってことを
言う先生らがいて
結構若い人だからすると敬遠されるわけだけど
何言ってんだこの人ってなるわけだけど
まさにちょっと意味が分かったっていうか
この人生で得たものを
医者の仕事に還元する
それこそ真が両輪回しなんだな
だから医者だけやってる人に見えてたけど
むしろそういう人が両輪回ししてるんだなっていう
逆転の発想で見えたなっていう
スピーカー 2
なるほどね
なるほどね面白いね
だから一輪車
二つ回しても意味がないと
両方に車輪がついてて
一個のものが走ってないと意味がないんだって
そうそう
スピーカー 1
俺はだから二個回してどうだ
二個回してんぞお前一個しか回せねえじゃん
って言ってただけで実はその人の方が
ちゃんと駆動して回せてたってことに気づいて
これがちょっと本業に
しっかり向き合わなきゃなっていう風に
スピーカー 2
思いました
面白いですね
さっき山上がちゃんと触れてくれた
人の最良の薬は
人の病の最良の薬は人であるっていうのは
これ最後のセクションのタイトルでもあるんですけど
これはなんかねセネガルの
言い伝えだっていう風にこの本には書かれてましたけど
この葉劇さんが
この精神科として
精神科として患者さんに向き合う上で
なんか二つ
大事な薬があるという
指摘があってこれ面白いなと思いましたけれど
皮薬と目薬
スピーカー 1
って書いてあるんですよ
スピーカー 2
あーあったね
これ皮薬っていうのは時間が解決してくれると
つまり皮を置きましょう
経過観察ももしかしたら一つかもしれないですけど
皮を置きましょうっていうのが一つ
でもう一つ目薬って
書いてありましてこれは
見てるよっていう状態
を続けることによる解決だと
これもある種観察
経過観察の観察の方がこれかもしれないです
この二つが大事だと
でこれってなんか多分積極的に解決
してるわけじゃないんだよね多分ね
自分が自力で
持って解決するっていうスタンスと
多分ちょっと違うなっていう風に思いますし
なんていうか
ある種判断保留みたいな態度
でもあるのかもしれないけど
そのちょっと前のとこにさやっぱ患者さんは
例えばこれ以上どうにもならん
どうにもならんってなった時に一人で
苦しみに耐えられる人っていないんだと
でかつ
より近しい家族には
1:09:01
スピーカー 2
家族だからこそ距離が近いからこそ
心境を通しづらいのだと
その時に第三者である
医者みたいな人がいて
である種関係性的
特権的な地位にいるわけじゃないですかそういう人が
そういう人たちがやってきてただ見てるよ
ただ見てくれてる
っていう状況自体が
実はすごく意味があるんだみたいなことを
言ってありまして
これは僕が思ってる石像とは
ちょっとやっぱ違うというか
面白いなと思ったんだよね
そういう向き合い方もあるんだなっていうところは
すごく新鮮だなと思ってみましたね
スピーカー 1
なるほど
スピーカー 2
そうなんだよね患者さん
やる機会があるのかな
みたいなところがすごい気になってるんだよね
スピーカー 1
そうそう患者さんって
ベッドサイダーに行くだけで喜んでくれるからさ
別に特に処方しなくても
来てよっていう
毎日毎晩来てよっていう
こと言われることがあって
また明日行きますよっていうだけで喜んでくれる
それがまさに目薬
僕はあなたのこと見放してませんよ
見てますよって態度を
ベッドサイダーに行くっていうアクションで示すことも
処方の一つなのかなっていうのは
それは結構数年の医者経験で
なんとなく感じることではあるね
スピーカー 2
なるほど
それを理解する一個の助けとして
ホールディングっていう概念が出てきたじゃないですか
スピーカー 1
書いてあった
スピーカー 2
小児科医であり精神科医の
ウィニコットさんという方が提唱した
ホールディング抱えるっていう意味ですけど
これもちょっとおもろいなと思いまして
ここ書いてあったのはね
患者さんの状態を解釈したりするんじゃなくて
患者自身が自分で発見できるような
関係性コミュニケーションするっていうのが
ある種プロフェッショナルな接し方なんじゃないか
みたいな書いてあった
つまり治療
キュアは医師は
キュアを差し出すことができないのだという態度に立って
ケアしましょうみたいなことが書いてありましたね
スピーカー 1
これはでも結構
精神科医に独特の考えかも
循環器がさすがにもう
ケアをさ
キュアを求められるからさ
詰まったものがあったら治せってなっちゃうからさ
それをホールドすることはできないなっていうとこもあるけど
あるけど
でも治した後の患者さんの不安だったりとか
治した後の
どう患者さんと付き合っていくかとかそういったところは
確かにホールディングは大事になってくるかもしれない
スピーカー 2
確かにね
さっき言ってたところでいくと
プランが立つ範囲と立たない範囲というのもありそうだね
こういう
立たない範囲に対しては
今みたいにもしかすると
自分自身の問題として
キュアしてもらうような
なんか態度が必要なのかもしれないですね
スピーカー 1
そうだね
スピーカー 2
なるほどね
これはでもちょっと実際に
実践してる人の声を聞いてみたい部分でもあるよね
このあたりはね
僕らは想像でしか語れないところかもしれない
スピーカー 1
これも精神科医の力が
必要だねこれはね
スピーカー 2
いずれにしてもこの人の病の
最良の薬は人であるのだという提示は
なんか非常に
新しいものがありますね
スピーカー 1
これは本当に実践しようと思った
まさに研修員のときがしてたんだよって思ったよ
逆にね
自分が何もする意味がなかった時代
その研修員の時にさ
1:12:01
スピーカー 1
どう治療するか分かんない
目の前の患者さんにても知識がないからさ
どうするか分かんないからとりあえずベッドサイトに行って
なんか何を
どんな治療方針に立てるか
上に伺わないと分かんないから
上の先生に聞かないと分かんないから
そうなんですね辛いですよね
こんなことあったんですか
何が大事かも分かんないからとりあえず全部聞いて
全部に合図をつけて長いこと
ベッドサイトにいたという時期はあったんだよね
だから
それは何してたかというと
自分自身を処方してたあの先生何でも聞いてくれる
とかあの先生に話したら笑ってくれるとか
逆に
上の先生に言えない
上の先生に言えないことを当時24くらいの
若造に
喋ってくれるおじいちゃんとかおばあちゃんとかいて
これまさにこう自分自身を
人間を処方してたんだなっていうのを
言葉にするとそういうことだったのかなっていう風に
思うね
スピーカー 2
なんか今聞くとさっきの
混沌のことを思い出しますね
知性が
蓄えられていけばいくほど
何かを殺してしまって
自分の中の何かを殺してしまってる可能性があるかもしれない
何かのプロになる
プロになるということは何かに対して
素朴な目で見る
っていうことを捨てなければいけない
どうしてもあるわけじゃないですか
スピーカー 1
そうだねそうだね
スピーカー 2
これを使い分けると言うと
ちょっとポジティブK-POPっぽいけど
ある種放棄するみたいな態度が
ネガティブK-POPエリティの中には含まれているのかもしれない
スピーカー 1
まさに
初心に変えるって言葉が結構大事なのかもしれないなって思った
スピーカー 2
そうね
さっきの精神科医がどういう風に
ネガティブK-POPを使うのかみたいなところにも書いてあったよね
赤子のように患者さんと接するみたいな
赤子の心で患者と対峙するかって書いてある
スピーカー 1
そうなんだよね
スピーカー 2
いやいやいや
スピーカー 1
だいぶリアルな現場の話とつながって
スピーカー 2
面白いところで終わりました
スピーカー 1
いや面白いね
面白いね
スピーカー 2
時間もあるので
一旦4章締めましょうかね
スピーカー 1
はい
スピーカー 2
はいでは最後5章ですね
5章は
身の上相談とネガティブK-POP
アビリティということで
最後はちょっと軽めの章ではありますけれども
ここまでね
脳の特性というところから
分かりたいという気持ちが
どうしても抑えられないんじゃ
っていうところから入ってきて
実際にその分かりたい気持ちみたいなところが
医療現場の中で
どういう風に咀嚼されていくのか
あるいは医師に何が求められているのかみたいなところを
3,4章で見てきました
最後第5章では
秘者でもあります
秘製が実際にね
会議用意として精神化を
やられているわけですけれども
彼が日々の診療の中から
どういうことを感じているのかという
かなりリアリティのあるお話に
ぐいっと引き寄せられていきますよ
というところでございます
最初何の話から
入るのかというところですが
彼も大学でお勤めされてたりとか
あるいは会議をして
自分自身のクリニックを
持ったりとかっていうさまざまな
経験をする中で
パブリック公的な場所から
1:15:01
スピーカー 2
プライベートな私的な場所に
どんどん移行していくに従って
よりその診断
診療の中身が
身の上相談的になっていくという経験を
されたよというお話から
入るわけですけれども
これはどうですか何か実感としてあるのかしら
スピーカー 1
そういう話っていうのは
全然あるこれ別に大学であっても
だけどまあ俺はまだ今
若干32だし見た目も
若く見えることもあって
医者としてはいいことなのかもしれないけど
話しやすいと言われるのね見た目が
だから結構患者さんは
身の上相談とか
いわゆる
カラザでいうと雪かきして腰痛めたけどどうしようかね
みたいな話をされたりとか
正直循環器には
全く関係ないようなことを
どんどん聞いてくる人はいるよ
スピーカー 2
なるほどね
結構環境に依存するものなの
それとも山上のパーソナリティにするの
依存してる気がするけどどうなんだろうね
スピーカー 1
パーソナリティもあると思う結構
別にいろいろ言ってくることを
突っ跳ねる先生もいるんだけどあんまり突っ跳ねないから
はいはい
まあまあ別に
突っ跳ねて関係悪くないのもやじゃんって俺結構思っちゃうタイプで
意外とそこは出さんなんだけど
スピーカー 2
はいはい
別に話聞いて損することねえよみたいな
そうそうそう
なるほどねいやいやそうなんですよね
その中でこの彼が実際に
接している受診者の人たち
8人ぐらい紹介されてるんですけど
これなんかどうでした
AさんからHさんまで
8人紹介されてましたか
スピーカー 1
あったあった
正直循環器の
ベッドサイドだったり
外野でみたら全員不定収索で
片付けてしまうなっていう風に俺は思ったよ
スピーカー 2
ああなるほどなるほど精神科の
受診者の
収索というのは基本的には
循環器にとっては不定収索であると
スピーカー 1
そうそうそう
多分ここで言われたら
はいはいわかりましたわかりましたじゃあ
血液検査の結果説明しましょうかという風に
言ってしまうような話だよな全員という風に
思って思った
どうミンティ逆に気になる人いた
スピーカー 2
いや気になる人というか
全員のやつをざっと
読んでいくとこの場で
一人一人ピックをしていかないんですけど
例えばね一人目のAさん
大工やってたけど大工の仕事が
なくなって仕事がないことに対して
イライラしてるという状態で
やってくるわけですよね
それでちょっと欲打つ状態みたいな
患者さんが来ると
この人に別に仕事をあげられるわけじゃない
と言うんだよね仕事を
あげられないからそれは
どっかに登録したらいいんじゃないですかとか
言いながらこうやっていなしていく
みたいなそういうコミュニケーションをやって特に何も解決
そうみたいな
患者さんの事例がもう8つ
スピーカー 1
バーッと並んでるわけですよね
スピーカー 2
これを見て何を思うって話
なわけだけれども結局
維持に解決できる問題
っていうのは非常に限定的なんだなっていう
非常に当たり前のことに気付く
スピーカー 1
わけだよねこれ
いやそうなのしかも精神科の先生ですらこれだぜって感じじゃない
スピーカー 2
いやそうだね
そうだね精神科だからこそ
これが彼らが
1:18:01
スピーカー 2
日々向き合うことになっているのかもしれない
ああそっかそっか
そうなんですよ
別に何かを解決して
あげられるわけではないんだっていうことだし
結局精神科なんか
特にさ
ちょっとわからないですけど
環境的なさ
要因でなったりすることも多いんだろうな
とかって思う
そうするとさ
自分の内側から何か変わっていくというよりはさ
環境が変わったことによって
それがきっかけになっても何かしら
症状があるよとか不安に感じるよとか
ちょっとよく打つ状態だとかあると
すると結局周り変えない
ことにはさ
緩和しないじゃんみたいな
スピーカー 1
すごく感じたんだよね
そうだね
手術医と患者の関係だけでどうにかなるようなもんじゃないよね
スピーカー 2
そうそう生活習慣だったりとか
家庭環境だったりとか
仕事の
職場の関係だったりとか
本当にその人が
直接タッチすることのできないことが
原因で起きているみたいな
そういうことがめちゃめちゃ多いなと思った
スピーカー 1
んですよ
そうなんだよね
これを聞いてて思ったのがまさにこれ
ラジオのお便りコーナーかよって思った
これ見てて
スピーカー 2
ああ確かにね
確かにそうかもしれないですね
別にそのなんか
ラジオのお便りの機能は
まさにそれかもしれない
スピーカー 1
そうラジオのお便りコーナーだったり
これ新聞のさ
ちっちゃい投稿するコーナーあるじゃん
日々のグッズみたいな
そうそううちの旦那がどうだろう
どうだろうってそこじゃんって思ったんだよね
これ見て
スピーカー 2
確かにねそれはあるかもしれないね
直接何かして
することが
意味があるというよりはむしろそこで
レスポンスして
そこでなんかちょっとした対話が成立する
ということ自体にすごく意味があるみたいな
領域なんだね
スピーカー 1
でもなんでラジオだったり
新聞の投書欄が今
長い期間まだ廃止されずに
成り立っているかというと
そういったところに需要があるからってことなんだよね
スピーカー 2
多分ね
潜在ってことなんだよね
スピーカー 1
そうそう
投稿すること話すことが
その人たちにとっての何かしらの解決になっているから
未だにあれが存続しているんじゃないか
って考えたらこの母桐先生の
AさんからHさんの
全部この話聞いているのは
要はこの人たちにとっては
何かしらの一定の
治療ケアなのか給養なのか
わかんないけど果たしているのかなって思うよね
スピーカー 2
確かにねそう考えると
あれだね確かに
精神科のナースの野田くん
野田ラジオの野田くんですけれど
彼がラジオをやるっていうことの意味は
何かそういうところにあるのかもしれないね
なるほど
スピーカー 1
確かに野田くんは
騎士眼っていうのは自殺を
考えてしまう人たちに
ラジオを聞く処方をする
っていう風に彼は言ってたよね
スピーカー 2
そうだよね
まさにだなと思った
これを聞くということ自体が
すごくラジオ的だなと思ったし
1:21:01
スピーカー 1
そうだな
結構野田くんがやってる
メンタルエンターテイメント
メンタメンみたいなのはすごい実は
精神科っていうかと
ラジオとか
そういうツールは相性がいいのかもしれない
スピーカー 2
確かにね
これちょっと全体の
締め隠れに近しいところなので
そういう話題に
少しずつシフトしていければなと思うんですけど
この最後のセクションがね
身の上相談に必要なのがネガティブケーパビリティ対応
って話があってまさに今
登場したような
直接的な解決
つまりさっきの
SOAPでいうところの
Pを提示することができないような人に対して
どう接するのか
っていうところがさまさにネガティブケーパビリティ
なわけですよね
つまり解決方法を
見つけようにもそんなものはないんだ
特にその医療的に
何か施すことができることが
ないんだっていうときに
それに対して長尻を合わせにいくような
解決を提示するんじゃなくて
それを例えば
寄り添ったりとか話をただ聞くだけだったり
とかさっき日薬目薬
ってやったけど時間一緒に
見てるよっていう態度を示して
並走したりとか
みたいなことをするほか
耐えるほかないんだみたいなことがここでね
改めて確認されるわけなんですよね
そうだね
面白いのはこのハーキーさん自身も
ネガティブケーパビリティという概念を知らなければ
もしかしたらそういったことに
向き合うことから逃げ出してたかもしれない
スピーカー 1
ということだよね そうなんだよね
知ってるおかげで
この概念を知ってるおかげで
逃げずに
耐えれば答えが見つかる
より深い答えがより深い
ところに自分が行けるってことを知ってるからこそ
耐えることができるっていう
この概念この言葉にされることによって
耐えるときの
自分の中のモットーになるのかも
すね
スピーカー 2
確かにね
僕らも何かしらの領域では
今上くんのように専門医のように
専門の領域を持っていて
そこに対してズバズバ答えていかなければ
いけないシーンっていうのはあるかもしれないけど
そうではない領域に関しては
不定収束的なもの
というものがたぶん
存在しないんだよね
全人格的に起きてることから
受け止めるほかないっていう領域が
一方では全体にあるはずで
切り捨てずに
いかに受け止められるかみたいな
そういったことがありそうだよね
スピーカー 1
これも
医者に限って話じゃないよね
職場ミンティーもそうだと思うけど
誰かの悩みを聞いて
何かレスポンスするって職業において
絶対この自分の思ったこと
以外の質問だったり
訴えがくるわけじゃんそれをどう扱うかって
一つその人
その人の技術じゃない
その人の人間の
ネガティブ・ケイパブリティの深さが結構
仕事に出てくるかもしれない
スピーカー 2
そうなんですよね
すごい悩ましい問題だなと思うのが
例えば自分のことを考えると
例えばお医者さんは基本的に
1:24:01
スピーカー 2
来る患者さんを拒むってことは
基本的にないって思うんですよ
門が開かれてるし受診したいという
希望があれば受けさせてあげる
っていうのは当たり前のことじゃないですか
例えばそこに
ある種の営利企業的な
ロジックが働くと
この人は自分のお客さんなんだろうか
っていうなんか一個
ジャッジメントが入るなと思ったんですよ
スピーカー 1
なるほどなるほど
スピーカー 2
そうするとこの人は自分のお客さんではない
っていうジャッジをすることも
できるわけじゃない場合によっては
例えばさ
シンプルな話
こういったお仕事ってこれぐらいの
お値段がつくものですよってなるときに
これが見合いませんって言ったらお仕事受けません
みたいなことってのは往々にしてあるわけですよ
医者じゃないいわゆる営利企業だとね
はいはいはい
でもその時にやってる態度って
この人の要望っていうのは不定収素だ
って言ってるのすごく近しいな
スピーカー 1
と思ったんですよ僕は
なるほどね
スピーカー 2
見合いませんってのは
それは確かに営利を求める
企業のなんか態度としては
間違っちゃいないしそうしないと
潰れちゃうんだけど
一方でそのジャッジメントが
やってることっていうのは
不定収素を切り捨ててることと全く一緒だな
スピーカー 1
って聞いてたんだよね
スピーカー 2
職業倫理というか
俺の職能として解ける問題ではない
っていう
スピーカー 1
なるほどなるほど
スピーカー 2
それは
もしかしたら
何ていうの儲かる儲からないみたいな
軸はまた別にあるとしても
そういうことがあるってこと自体が
すごくチャンスかもしれないなって今思ったね
スピーカー 1
この話をしながらね
これは俺もミンティも
ネガティブ競馬の概念から
直接にフィードバックできてる感じがあるね
スピーカー 2
そうだね
そういう気はするんですよね
それってだから
僕が短期間で
あるいはお金をもらいながら
プランを立てることができないもの
っていうのを切り捨てざるを得ない
ってなってるんだけど
いやいや切り捨てない方法もあるよね
っていう多分
スピーカー 1
接し方だと思うんだよね
それは多分
すぐに断るんじゃなくて
寝かせる
耐え忍んでるとその人との関係続けてると
その人への提案方法が
ふとどっかで思いついたりとか
スピーカー 2
そういうことがあるってことかな
そうかもしれないし逆に向こうが
その期間に向こうの環境が
変わることがあるかもしれない
それとか
あるいは向こうが
いやいやいつも結局お願いできなくて
申し訳ないねって言いながら
ずっと気にしてますよ
っていうことで
その人が変わったときに声かけてくれるかもしれない
とかわかんないけど
そういうことにもなる
火薬みたいな話にも
すごいつながるなと思った
スピーカー 1
はいはい
スピーカー 2
だからなんか純粋に
シンプルにより多くの患者さんを
治療したい
みたいな発想ってあるじゃない
例えばだけど
僕におけるよりたくさんの
1:27:01
スピーカー 2
報酬を得たいですとか
よりたくさんのお仕事をこなしたいです
って普通に考えるとそんなに
不健全な動機ではないように思うけど
それだけじゃなくて
もっと広い人を
お客さんにしたいんだと思ったときのアプローチって
やっぱちょっと変わってくる可能性あるなと思った
つまりその切り捨てない態度どこまでも
なるほど
なんかこのあたりはすごい
僕自身もすごい
ブックステップスだと来るところがあるな
スピーカー 1
って思って
結局
たくさん見るとか
たくさん獲得するっていうのは
同じ二次元
同じ次元の中で広げてる
平面の面積を増やしてる感覚だけど
ネガティブキーパーを獲得するっていうのは
レイヤー1個上げるというか
3次元に来るというか
もう1個上の次元に上がるような
そういう進化の仕方をするって思っちゃった
スピーカー 2
これ聞いてて
そのときに
二次元的な目標と
三次元的な目標っていうのは仮に
違うものとしてあったときに
そこの目標設定の
資座がちょっと変わるんだろうね
結局何のために医者やってるの
何のために医学者やってるの
ところにさ一段上がったときに
さっきのさおじいちゃん医師じゃないけどさ
全人格的に
あらゆる側面で
あらゆる時間軸で
医師というものの人生なんだと言ってやってる
みたいな人とそうじゃない人は
明らかに質的な違いがあるわけだけど
そこに行くためにはやっぱり
1個資座が上がってないといけない
スピーカー 1
上がってないといけないみたいなところがあるじゃないですか
そうだね
スピーカー 2
つまりこの前の頂点に
スピーカー 1
そうだね
生きてる我々の生きてる世界線は
今で言うと
三次元のところにいるわけじゃん
我々の人生ってのは二次元で面積広げるような
三次元を普通に生きてるとすると
自分の職業
医者って職業だったら企画者って職業を
その三次元のところに組み込むかどうかってところが
それはその人の価値判断基準に
スピーカー 2
よるのかなっていう
そうなんだよね
だからその
そうね
本当にそうでしかない
スピーカー 1
そうだとしか言えない
スピーカー 2
そうなんだよね
そうなんだよなっていう話を
リアリティがある話で最後
一個事例の引用で終わってるんですけど
インドネシアの精神病院の例がね
最後に登場して終わるんですけど
覚えてますか
このインドネシアの精神病院で
なんか研修みたいな感じで言ったのかな
ハーキー先生はね
この病院では看護師の数も少なければ
お薬も潤沢にないみたいな状態で
全然治療できないじゃないですか
っていう意見交換があったんだと
その意見交換の中で
いやそうだと
治せないかもしれないけど
トリートメントはできるよみたいなことが
返ってきたっていうんですね
この時のこのトリートメントっていうのは
直訳するとトリートメント自体もある
治療という意味があるよね
なんだけどこの時の響きは
どう聞いても
美容院のそれのニュアンスでしかなかったんだ
みたいな
じゃあすげえ面白いなと思ってて
1:30:01
スピーカー 2
そのいわゆるその紙につける
トリートメントのこと言ってるんですよね
このハーキー先生は
このニュアンスは治すんじゃなくて
それで一旦その
痛みをとどめてそれ以上痛まないようにする
みたいな関わり方でも
いいんだよっていうことを
このインドネシアの精神病院の人が言ったんだと
これはなんかその
直接プランを立てることができない
方針を立てることができない患者さんに対する
態度としてあるいは
方針を立てるだとしてもそれを実行することが
できない関わり方を
する時になんか全然
許容できる態度なんだなっていうのを
改めてここで気づかされると
スピーカー 1
いう感じがあるよね
そうだね
それ以上痛まないようにするってとこは重要だよね
スピーカー 2
そうそうそう現状維持なんだけれども
それはなんか積極的な現状維持も
スピーカー 1
あるんだみたいな
そうそうそう
耐え続けていれば
いつか光が射すみたいなそういう考え方
スピーカー 2
そうそうそう
だから今やれる最善のことをやる
みたいなことなのかもしれないですけど
このトリートメント
っていう発想が
この筆者にとっての
ネガティブケイバビリティという
一つの柱ともう一個
杖を成す概念として
料理になってるんだよってことをですね
5章の最後では
筆者の
ハーキーさんはおっしゃってます
というとこですね
スピーカー 1
そうだね
スピーカー 2
というところで
5章が終わりましたけれども
どうですか
3から5まで通してサーッときましたか
スピーカー 1
いやーしっさ深いというか
俺はもうまさに
ミンティも当然ね色々こう
仕事の話で
フィードバックがあったと思うけど
俺はもう医療現場の話が多かったから
医療職業を鑑みで
常にいろいろ上級医の先生
それこそハーキー先生って大先輩なわけだから
医者としては
若造医師に
いろいろ説教されてる気がして
そうだなそうですね
って思いながら聞いておりました
スピーカー 2
かといって日常に
いきなり取り込めるかというと構造的に
そうもいかないわけでね
循環器という特性を考えると
むしろザクザク緊急に
その判断を下していってもらわないと困るよ
って当然あるわけで
それを捨てるわけにはいかないんだけど
でもそこで方針が立たない患者さんも
言っているわけで
そういう人たちに対してどう向き合っていくのかとか
僕にとってみれば
お客さんに一瞬見えない人に対して
どういう風に振る舞うのかみたいなところに対する
視差はめちゃくちゃあったんじゃないかなと
いう感じの参照でしたね
そうだね
いやいや視差深いね
視差深いですね
スピーカー 1
カタラジオ
スピーカー 2
はいお疲れ様でした
スピーカー 1
お疲れ様でした
スピーカー 2
いやいや
今日は長旅だったね
スピーカー 1
いや長旅だったね
主に病棟をミンティと一緒に
1:33:00
スピーカー 1
歩きながらっていうのをイメージしながら
病棟会社に一緒に来てたイメージ
スピーカー 2
確かにそんな感じは
ありましたねで病院を出て
ちょっと小さなクリニックに最後寄って帰る
スピーカー 1
みたいな感じで
スピーカー 2
どうだった病院みたいな感じ
スピーカー 1
どうでしたか病院は
スピーカー 2
これ先週チラッと読み始めたタイミングでね
あのSOAPですか
のことにチラッと聞いて
あ出たこれかっていう感じで
そうそうそうそう
なんかまあシンプルだけど
あの分かりよいよねやっぱり
ああいうツールというかさ
共通言語みたいなものじゃないですか
スピーカー 1
あそうそうそうそうそうなのそうなの
だからまああの看護師さんたちも
みんな俺たちのSOAPを見て
こういろいろ
ケアの方針に立てたりするし
病院の中ではめちゃくちゃ便利な
スピーカー 2
システムではあるよね
そうだよねそうだよねだからそういうものが
一定機能してるよっていう世界がある中で
そこからあぶれた場合にどうするのか
みたいなことが山上くんの
分野だと多分大事だし
そもそも精神科の
お医者さんにとってはそもそもが
そういう世界が中心にあるっていうことだと思うんで
だからそのあたりの
アプローチの違いみたいなところがよくわかったかなと
スピーカー 1
そうなんだよね
でも最近これ思い出すと一つエピソードがあってさ
ちょっといい話なんだけど捨てもいい
スピーカー 2
いい話だいぶハードル上げて
スピーカー 1
しゃべる話だよね
あのねさっき不定周遭の
不定周遭おばあさんがいたの
俺の患者さんで
胸が痛い胸が痛いってずっと言ってる
おばあさんで
でもその人はもうカテーテルをさ
一回捨てるのね
カテーテル捨てても大丈夫なことわかってるんだけど
胸が痛い胸が痛い風に言ってて
じゃあまたカテーテル
カテーテル直したときに詰まっちゃうってことも
ごくわずかな可能性であるから
じゃあカテーテルまたしますかって言ったら
するって風に言ったのよ
じゃあしましょうかって
じゃあしますねって言ったら
翌日に言ったらカテーテルしませんやっぱ怖いって風に言って
しないんですかって
しないって言ってわかりましたって
で翌日に言ったらやっぱカテーテル捨てくださいって風に言われて
これのやり取りを3回くらいして
何がまずいかって言うと
これするって言ったら俺だけじゃなくて
いろんなメディカルスタッフが動くからさ
動かされてるわけよこのやり取りの間に
看護師さんだったり機械を操作する人だったり
いろんな人が振り回されて
もう限界だって
結局カテーテルしたのよ
3回くらいの押すモードの後に
なるほど
して
何もなかったんだけど
何もないって言った後にもずっと胸が痛い胸が痛いって言って
なんだこの人という風にずっと思ってたのよね
ゆっくり
なんでこんなに喋るかと思って
カテーテルしまったけど結局何もなかったよって
よかったですねってマスクを外して
ニコって微笑んだの俺がね
そしたらなんか
向こうおばあちゃんが
可愛らしい先生やねって言ってくれたのよ俺のことをね
でちょっと場の空気和んで
ずっとその振動もあったからさ
ペギペギペギペギしてたのが
そう言われた瞬間に俺も不意をつかれて
そうですかってなっちゃって
1:36:00
スピーカー 1
すごいなんかね
いい空気が流れて
そっからその人の不定習操がなくなったのよ
なるほど
結局
この人の不定習操の原因って
手術師チームとの関係不良
俺たちが
わりと圧をかけるような感じで
その人に迫ったことが原因で不定習操が出てたんだ
っていう風に思って
これまさにネガティブ啓発だなっていうことを
スピーカー 2
思ったと最近はありまして
なるほどですね
例えばね
不定習操の原因の結果に対して
もしかしたらちょっと信頼がおけないとか
って思ってたのかもしれないしね
そういうことが
スピーカー 1
不定習操の原因になってたのかもしれない
そうそう
だからそこで手術師が打ち解けたってことによって
習操がなくなるっていうことがあって
これは
まさにそのSOPだけじゃ解決できない
共通をネガティブ啓発で解決した
HDAだなっていう風に
つい最近の話なんだけど
スピーカー 2
なるほどね
なんかでもそういうこと
今の話を聞くと
なんか結構ありそうな気がするよね
スピーカー 1
全然あると思うんだよね
スピーカー 2
めちゃくちゃありそうな気がするね
なんかちょっと不安で痛い気がするみたいな
スピーカー 1
そうそうそうそう
だからやっぱり
医者として人間を処方するってことが
大事なんだなってことを改めて
思い知らされました
スピーカー 2
なるほどね
それはちょっと深いですね
スピーカー 1
そうなんすよ
スピーカー 2
ネガティブ啓発そのものの話なのかどうかわかんないけど
確かにそういうものに対してどう向き合うかみたいなことを
考えたときに
ネガティブ啓発がないと向き合えないよね
スピーカー 1
そうなんだよ
もう完全にネガティブ啓発なしで
そんな胸痛いのが出てる人があって
突っ跳ねたらその人は退院しちゃってたわけで
そこでちょっとこう
ネガティブ啓発的な
関わりをしたからこそ得られた
次のステップなのかなっていう
スピーカー 2
それはなんか山上くんにとっては
例えば次に似たようなケースが起きたときに
3回の押し問答をなくすことはできるんですか
スピーカー 1
押し問答をなくすのは
それは難しい
それはもうその人が勝てるようにするとかしないとか
元々は結構不安が強い人だったから
そこをなくすのはもう
完全にキャラクターの問題だけど
その後の
最初からちょっと心を開いて
もっと待つような姿勢で
話していればもしかしたら
もうちょっといい関係でしゃべれたのかもしれない
答え決めてくださいって感じで迫ったから
すぐに答え決めなきゃってことで
意見をコロコロ変えるようなことになっちゃったのかもしれない
スピーカー 2
それはつまり
長尻を合わせにいくっていうことはそういうことなんだな
スピーカー 1
まさにそういうことだね
スピーカー 2
深いですね
じゃあちょっと次そういう不定周測があったら
マスク取ってにこって笑ってあげてくださいね
スピーカー 1
そうだね
ほほ笑みのドクターになるべきだね
スピーカー 2
かわいらしいお医者さんやね
スピーカー 1
かわいらしいと言われてしまいました
スピーカー 2
ということで
1:39:01
スピーカー 2
本日は第3章
わかりたがるのから始まって
第5章の井上相談とネガティブケーパービリティ
ということで
3つの章を読んできましたけれども
今回はかなり実際の医療現場に近いところでね
ネガティブケーパービリティがどういう風に
使われていくのか
あるいは活用されているのか
というところでできましたという
お話になりました
では次回の
どこまで読むかという話ですけれど
どうでしょう
ちょっと目次をパッと見てね
予告だけしておきますが
次は
今日3から5まで来たんで
次は第6章の希望する脳と伝統治療師
というところと
第7章
創造行為とネガティブケーパービリティの
2本立てできたいなと
思います
あと3本って感じかな
スピーカー 1
そうだね
さすがに10章あるだけあって
収録回数が多くなりますよね
スピーカー 2
そうね
まあまあまあいいんじゃないでしょう
スピーカー 1
楽しみながらやっていきましょう
スピーカー 2
はい
というところで
今回の収録はこんなところです
ちょっとなんか
日頃の我々の生活に
グサグサと刺さってくるような
スピーカー 1
3章だったんじゃないでしょうかね
スピーカー 2
はい
本日もまたよろしくなさそうですけれども
また次回も頑張っていきたいと思います
スピーカー 1
よろしくね
スピーカー 2
おやすみなさい
01:40:38
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