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2025-10-02 08:30

#67 『ダウントン・アビー』という名前の本当の意味を知ってる?

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世界中で愛された『ダウントン・アビー』。
でも、なぜこの名前がついたのか知っていますか?


実はプロデューサー、ジュリアン・フェローズの家族史に深く関わる、とても個人的な理由から生まれた名前だったんです。

 

「ダウントン」は曽祖父が設立した農業大学の名前から


「アビー」は家族が200年間所有していた歴史ある屋敷から。

そしてその屋敷には、969年創建の修道院→オリバー・クロムウェル一族→フェローズ家→現在の学校まで、なんと1000年以上の壮大な歴史が!

 

ドラマのタイトルに込められた、イギリスらしい歴史の積み重ねをご紹介します。

 

 

 

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サマリー

このエピソードでは、『ダウントン・アビー』というタイトルの由来が解説されます。プロデューサーのジュリアン・フェローズが持つ個人的なエピソードを通じて、イギリスの歴史が紐解かれ、タイトルの背後にある深い意味に迫っていきます。

ダウントン・アビーの名前の由来
英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロケ地の秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。物語の背景を知ると作品がもっと楽しくなります。
あなたはダウントン・アビー好きですか?物語全部見ましたか?登場人物のことなら何時間でも語れちゃいます?
でも、ダウントン・アビーという名前そのものに込められた意味ってご存知ですか?
今日はこの秘密を、プロデューサーのジュリアン・フェローズが2016年のインタビューで語ったことを元にご紹介したいと思います。
そこからいろいろと調べてみたんですが、名前はジュリアン・フェローズのとても個人的なものから引っ張ってきたようなんですが、
ドラマの中で、ダウントン・アビー時代が先祖代々受け継がれてきたように、名付け親のフェローズ家の歴史やイギリスの歴史が詰まった壮大なものが込められていました。
では、ちょっと詳しく見ていきましょう。
まずはダウントン・アビーのおさらいです。
改めてですが、ダウントン・アビーはグランサム伯爵家が先祖代々継承してきた土地と大贅沢です。
イギリスヨークシャーのダウントン村にあるという設定です。
このアビーというのは修道院という意味があるんですが、
昔修道院があった場所に建てられたお屋敷には〇〇アビーという名前がついていることが多いんですね。
ではここからが本題です。
ダウントン・アビーの名前の由来がなかなかすごいんです。
まずはダウントンという名前はどこから来たのか。
ジュリアン・フェローズがドラマの邸宅名を最初に考えた名前はチャーホード・アビーだったそうです。
このチャーホードというのは彼が尊敬している祖祖父に関係しています。
祖祖父はジョン・ライトソンという農業の研究者でした。
彼の持っていた大きなお屋敷の名前がチャーホード・マナーだったんですね。
そこでこのお屋敷の名前から取ってチャーホード・アビーにしようと思ったわけなんです。
でもここで問題が発生します。
実はイギリスの有名な古典小説と名前が似ていることに気がつきます。
19世紀の架空の街、クランホードを舞台にした小説で、
こちらもBBCでドラマになっているクランホードです。
チャーホードとクランホードって聞いてみるとちょっと似ていますよね。
文字にすると1文字しか違わないという紛らわしさです。
これでは視聴者が混乱してしまうということで、この案はやめることにしたんです。
じゃあどうしようかって考えていた時に、また同じ祖祖父のエピソードが出てきます。
祖祖父のジョン・ライトソンは1880年に自分の屋敷の中に農業大学を作ったんですね。
その名前がダウントン・アグリカルチャロカレッジ、ダウントン農業大学です。
当時のイングランドで3番目の農業大学だったそうです。すごいですよね。
そこでフェローズはこの大学の名前からダウントンを取ることにしたんです。
では次はアビーの部分です。
こちらはフェローズ家が代々所有していたお屋敷ラムゼアビーから取られました。
このラムゼアビーが調べてみたらすごい歴史が隠れていました。
まず969年に建てられた修道院なんです。1000年以上前ですよ。
ダウントン・アビーの歴史と意義
日本でいうと平安時代の初期、その頃からずっと続いているわけですね。
そしてさらに面白いのがフェローズ家の前に誰が住んでいたかというと、なんとオリバー・クロムウェルの家族なんです。
歴史が好きな人なら聞いたことがあるんじゃないですかね、このクロムウェルの名前を。
イギリス史上唯一王様を処刑して共和制にしたあの有名なクロムウェル家の一族が1627年から1737年まで110年間住んでいたんです。
ちょっと皮肉というかダウントン・アビーのドラマの中では毎回ダイニングルームに飾られているチャールズ一世の肖像画がドーンと登場してましたよね。
あのチャールズ一世を処刑した子孫が住んでいたということなんですね。
その後、このラムゼ・アビーはフェローズ家が引き継いで1804年に大改装を行います。
これがまたすごいんです。
当時最高の建築家ジョン・ソーンに依頼したんですね。
このジョン・ソーンはイングランド原稿や美術館なども手掛けた超一流の建築家で、
彼はこのラムゼ・アビーの仕事をとても気に入っていて、3年間で12回以上も現地に通って手掛けたそうです。
そして1937年にフェローズ家がこの歴史ある建物を町に寄贈して、その場所が学校になりました。
今でもアビーカレッジという学校として使われています。
つまりダウントンアビーという名前は、969年の修道院、グロムウェル家、フェローズ家、現在の学校という1000年以上の歴史の積み重ねから生まれているんですね。
ちょっと大げさですかね。
まさにギヒスらしい歴史が現在につながっている素晴らしい例ですよね。
ドラマを見るたびにこの壮大な歴史もちょっと思い出してもらえると嬉しいです。
さていかがだったでしょうか。
私はこの名前の由来を知って、最初はフェローズの個人的なものから引っ張ってきた名前なんだなと思ったんですけど、
調べていくうちにイギリスの歴史やフェローズの創作部への農業への貢献に対する敬意や尊敬が感じられて、
ただのドラマのタイトル以上の意味があるんだなとちょっと感動しちゃいました。
そしてフェローズ家の邸宅だった場所が今は学校になっていて、
そこは千年以上の歴史を持つ修道院の遺跡の上に、ジョンソーンという天才建築家が設計した美しい建物です。
そんなところで毎日授業が受けられるなんて、日本ではちょっと考えられない贅沢な環境ですよね。
きっと生徒たちは普通に校舎として使っているんでしょうが、
この壁や階段、窓の一つ一つにこれだけの歴史と芸術性が込められているんですね。
イギリスの子どもたちが歴史に対して自然に親しみが持てるのも、こういう生きた歴史に囲まれて育つからなのかもしれないなと感じました。
さて、このようなドラマに登場する邸宅に関する実際の歴史やエピソードを知りたいと思った方は、
私がストア化で開催している旅するイギリス文化講座もぜひチェックしてみてください。
詳細は概要欄にリンクを貼っています。
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次回は、2011年のイギリス映画マリリン七日間の恋をご紹介します。
マリリン・モンローが映画撮影中に体験した知られざる七日間の実は、
イギリスの美しい風景の中で描かれるハリウッドスターと若いアシスタントのつかの間の恋物語です。
どうぞお楽しみに。
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