英国ドラマタイムへようこそ。この番組では、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロケ地の秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。物語の背景を知ると作品がもっと楽しくなります。
さて、今日のテーマは、あの名作、高慢と偏見のロケ地巡りです。
BBCのドラマ版も、キイラ・ナイトレー主演の映画版も、実は私たちが本当に行ける場所で撮影されているんです。
それってすごくないですか。物語の中に自分も入り込めるような、まるで時を越える、そんな体験ができるんです。
今日はその中でも、リジーが訪れるペンバリ、そう、あのミスター・ダーシーの屋敷、そのロケ地になった4つのカントリーハウスを、ドラマ版、映画版、それぞれからご紹介していきます。
ペンバリって一つじゃないのって思いましたか。実は外観と内装、それぞれ別の場所で撮影されているんです。
作品の中では一つの屋敷のように見えているんですが、カメラの裏では全く違うロケ地だったんですね。
この裏話を知ってから見ると、きっと作品の見え方も変わってくるはずです。
今日はそんな魅力たっぷりのロケ地を、どこにあるのか、どう使われているのか、そして実際に行ったら何が見られるのか、語っていきたいと思います。
劇を終わる頃には、いつか行ってみたいなあって、きっと思っていただけると思います。
そして最後には、4月に発表された高慢と偏見ファンへの嬉しいニュースもご紹介しますので、どうぞ最後までお楽しみください。
では早速、まずはBBCのドラマ版から行ってみましょう。
1995年に放送された、コリン・ファースがダーシーを演じた、あの名作ドラマです。
この作品で、ペンバリーのロケ地として使われたのは、2つの邸宅、外観にはライムパーク、そして内装にはサドバリーホールが使われています。
どちらもイギリスで、自然や歴史的建物を守っている、ナショナル・トラストという団体が管理していて、今も見学できるんです。
この実際に行けるっていうのが、ファンにはたまらないですよね。
では、まずライムパークからです。
あの有名なダーシーが池で泳いで、つぶ濡れで登場する伝説のシーンが撮影されたのが、このライムパークです。
ペンバリーは、ダーシーという人物そのものを映すような場所、彼の品格、財力、趣味の良さ、そういったものを全て語ってくれるような屋敷じゃないといけなかったんですね。
なので、路地選びも相当苦労したようです。
製作の舞台裏が書かれている本があるんですが、そこにはこんな家が実在するのかっていうくらい選択基準が高かったと書かれていました。
そして最終的に見つけられたのが、イングランの北西部、チェシャーにあるライムパークです。
ただ、経営陣の交代があって、建物の中を使うことができなかったので、外観だけが使われたそうなんですね。
でも、広大な景色と池を見れば納得、あれだけでダーシーの家だなと思わせる説得力がありました。
ドラマの中では、リジーがオバフサイとペンバリーを訪れます。
当時はこうしたお屋敷を訪問して見学させてもらうこともできたんだそうです。
リジーは豪華な贅沢にうっとりして、ダーシーへの印象も少しずつ変わっていきます。
そして池のほとりで、まさかの気まずさ満点の再会をします。
それは、リジーがあなたとだけは絶対結婚したくないとプロポーズを断っておきながら、ペンバリーを訪問していたから。
そしてダーシーは池で泳いでいて、全身つぶ濡れの格好だったからです。
当然会話も全く弾まず、気まずい空気のままダーシーは立ち去ってしまって、リジーの方はもう帰ると馬車の方に走っていくんですね。
でもここからダーシーの態度がガラッと変わります。
その後にこやかに再登場するダーシーとリジーは庭園を散歩します。
ダーシーの池は今やファンにとっては絶対に見逃せない聖地ですね。
さて次は室内シーンのロケ地です。
赤いレンガが美しいサドバリーホールです。
こちらはダービシャーにあって、17世紀に建てられたバロック様式のカントリーハウスです。
ドラマの中で印象深いのは、ダーシーとウィッカムの小さな肖像画を使用人の女性が説明してくれる場面を覚えていますか。
その時に映っていたのが黄色い壁の印象的な階段ホールです。
ここでぜひ注目してほしいのが階段の白い漆喰の装飾です。
本当に信じられないくらい繊細で、まるでレースのように細かくて美しいんですね。
静かな場面だからこそその美しさがより際立っています。
その後に登場するのが、ダーシーの大きな肖像画が描けられたロングジャラリーといわれる長い廊下のような部屋です。
この部屋も白い壁と漆喰天井、そして金色の額縁がふわっと浮かぶように並べられていて、まるで理事の視点で歩いているような感覚になります。
この同じ部屋は、ダーシーがろうそくを手に、かわいい犬を連れて歩く後のシーンでも使われています。
サドバリーホールに行けば、このロングジャラリーも階段ホールも実際に歩くことができるんですね。
ちなみにこの邸宅の敷地内には、子どもの暮らしや遊びの歴史を紹介する子ども博物館もあるんです。
土下地巡りに加えて、ちょっとしたタイムトラベル気分も楽しめるスポットなんです。