ダーシーの第一印象
英国ドラマタイムへようこそ。この番組では、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、とけちの秘密、当時の暮らしまで深掘りしています。
物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
前回は、映画プライドと偏見のイギリス版とアメリカ版のラストの違いをご紹介しました。
今日はこの物語が、なぜこんなにも女性の心を掴むのか、その秘密をミスター・ダーシー徹底分析で探っていきます。
なぜイリザベスは最初最悪な男だと思った彼と結ばれたのか、なぜ私たちも気づけば彼に恋をしてしまうのか、
今日はダーシーの第一印象から、教科の大逆転までの物語を流れに沿ってたどります。
引き終わる頃には、あなたもやっぱりダーシーっていいよねと思っているかもしれません。
この物語は、ジェン・オースティの名作小説が原作です。
1995年のBBCドラマ版、2005年の映画版など、それぞれの描き方に違いはあるのですが、
どのバージョンでもミスター・ダーシーは多くの人の心を掴んでいます。
では、どうして私たちはダーシーに惹かれてしまうのでしょうか。
その理由は、私は大きく3つあると思うんです。
1つ目、人の印象は本人の言動だけじゃなく、周囲の評価によっても決まる。
イリザベスのダーシーの評価が下がったのも上がったのも、実は他人の言葉が大きく影響しているんですよね。
2つ目、ダーシーは圧倒的な財力とすぐには見せない優しさを持っている。
このギャップがたまりません。
そして3つ目、2回のプロポーズの落差がすごい。
最初は、なんで今言う、なんでそれを言うっていう最悪のタイミングなんですね。
それが2回目には胸を打つ最高のプロポーズに変わる。
この変化が感動を生みます。
ダーシーとイリザベスの関係の中で彼の印象はどう変わっていったのか、
私たちのダーシー沼落ちの理由もそこにある気がします。
ではここからその変化の過程を一緒に見ていきましょう。
ではまず最初のダーシーの印象です。
仏長面で武道界に現れて誰とも踊ろうとしない。
その横で友人のビングリーは誰にでも優しくてフレンドリーなんですね。
この対比でダーシーの冷たさが際立ちます。
そして極めつけはイリザベスのことを僕を魅了するほどの美人じゃないって言っているのを本人に聞かれてしまうんですよね。
イリザベスの中では最悪な男だっていう印象がここで決定的になります。
そこへ登場するのが優しそうな青年ウィッカム。
彼は子供の頃からダーシーを知っていて彼にひどいことをされたと言います。
他人の言葉の影響その1です。
さらに別のダーシーの友人からはダーシーはイリザベスのお姉さんのジェーンとビングリーの仲を引き裂いたとも聞かされます。
またしても他人の言葉の影響です。
そんな仲ですよ。ダーシーはプロポーズをしてきます。
その言い方が最悪です。
君を愛している。でも君の家族は恥ずかしい。ただ君とジェーンだけは別だ。
もう侮辱しているのかプロポーズなのかわからない。
この言い方にイリザベスは怒り浸透できっぱりと断ります。
ダーシーの魅力と変化
当時ね、結婚は女性の人生を決める大きな出来事なはずなんですよね。
それでも彼女は自分の気持ちにとっても正直でした。
でもダーシーの評価はここから上がっていきます。
彼はいろいろと誤解されていると感じてイリザベスに手紙を書くんですね。
この手紙の中でウィッカムの嘘も明らかになります。
その後イリザベスはおば夫婦と旅行に出かけて、偶然にもダーシーの邸宅を訪問することになります。
ここでまず邸宅のスケールに驚いて、使用人からは最高のご主人様ですと聞かされます。
ここでイリザベスの絵が始まるんですよね。
その直後にダーシーが一日早く屋敷に帰宅して、二人はとても気まずい再会をします。
でもその時のダーシーの態度が以前とはまるで別人で、
イリザベスに対してもおば夫婦に対しても笑顔と親しみを持って接してくれます。
このギャップにイリザベスも動揺します。
二人がいい感じになってきたなっていうその時にまた事件が起こります。
イリザベスの妹のリディアが駆け落ちをしてしまうんですね、ウィッカムと。
この騒動を彼で解決したのがまたしてもダーシーです。
二人を探し出し、お金を払い、仕事を手配して彼で全力サポートします。
そのことをイリザベスはまた人づけに聞くんですね。
他人の言葉の影響ここでもあります。
気づけばイリザベスの中でダーシーの評価はどんどんと上がっていきます。
そんな時にダーシーのおばさんが登場して、
二人が婚約しているっていう噂があるけど本当なの?と問いただしてきます。
こうやって二人の心をかき乱したことでダーシーは二度目のプロポーズを決意します。
このラストのプロポーズ、BBCのドラマでは散歩中に穏やかな雰囲気です。
でも映画版では夜明け前の霧の中からダーシーがボロボロになって現れます。
これ一晩中寝ないで歩いてきたのではって妄想したくなるようなロマンチックな演出がずるいんですね。
小説版ではここまでの二人の変化がさらに細かく細かく描かれていて、
アップダウンが激しくてもっともっと感情を振り回される感じで描かれています。
読んでいない方はぜひ読んでみてください。
さて、ダーシーの魅力の本質は最初から完璧じゃないこと。
少しずつ誤解が解けて真実が見えてきて、その中にとんでもない誠実さと優しさがあることに気づいていきます。
だから惹かれてしまうんですよね。
あなたはどこでダーシーのことが好きになりましたか。よかったらコメントで教えてください。
今日は高慢と偏見の物語がなぜいつの時代も女性をキュンキュンさせるのか。
ダーシーの魅力を女性目線で分析してみました。
放送を楽しんでいただけたらぜひいいねを。
また聞きたいなと思っていただけたらフォローもよろしくお願いします。
次回は高慢と偏見のロケ地についてご紹介します。
BBCのドラマ版も映画版も実際に訪問できる場所なんです。
たっぷりご案内しますのでお楽しみに。