英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロケ地の秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
前回は、ネットフリックス人気ドラマ、ブリジャートン家をご紹介したんですが、聞いていただけましたか?
あのドラマは、イギリス中にあるカントリーハウスや、歴史的な建物、庭園などをたくさん使って撮影されていて、観光ガイドのおすすめ場所を巡っているような気持ちになる豪華さがあったんです。
あ、あのお屋敷のあの部屋だとか、そこのお椅子が使われているという発見があって、とても嬉しかったんですけど、そこで今日はその中でも物語で中心的に登場するブリジャートン家の邸宅をご紹介したいと思います。
ブリジャートン四尺家が所有している邸宅は二つありました。覚えていますか?
一つは、ロンドンメイフェアのグロブナースクエアにある赤レンガの建物で、淡い藤の花が飾られている華やかなエントランスの邸宅です。
そしてもう一つは狩りが楽しめるような広大な敷地内にある郊外に建っているオーブリーホールです。
この二つの邸宅がどこでどんな場面に使われたのかってとても気になりませんか?
そしていくつかの場所が一般に公開されているんですね。
だからこのドラマを思い出しながらその場所を歩くことができます。
そんな特別な体験もできる情報もご紹介しますので、ぜひ最後まで聞いてくださいね。
ではまずロンドンのブリジャートン邸からご紹介します。
こちらは春から初夏の遮光シーズンを過ごす場所なんですね。
このブリジャートン家の物語全体が遮光シーズンを舞台にしているので、まさにここが物語の中心となる家なんです。
その舞台となっているのはロンドン中心部のグロブナースクエアです。
ハイドパークやバッキンガム宮殿からほんとすぐ近くにある一等地で、
18世紀からずっと貴族や上流階級の人が住んでいた高級住宅地です。
グロブナースクエアという名前の通り、四角い広場をぐるりと囲む赤レンガの建物。
ここを歩くだけで、当時の遮光界に来たという気分になれます。
そして嬉しいことに、この広場は今も公園として公開されているので、誰でも中に入れるんですよね。
ではロンドンのブリジャートン邸の外観をちょっと思い出してみてください。
下のバラが絡む緑の優雅な装飾された鉄の門をくぐると、白い石の小道があって、歩いて中に入っていきます。
そうすると、石段を上がった先にある緑の大きな扉、その上に半円形の窓があって、
それを縁取るように垂れ下がる藤の花、赤レンガの壁を鮮やかに飾っていましたよね。
本当にそれを見るだけで、こんな家に住んでみたいなぁと思わせる憧れをぎゅっと詰め込んだ玄関だったですね。
こちらの邸宅になっていたのがレンジャーハウスです。
ロンドン中心部から電車で30分ほどのグリニッチというエリアにあります。
元々このレンジャーハウスは王立公園の管理人の邸宅だったので、レンジャー、管理人の家という名前がついているんですね。
1813年頃にドラマにも登場していたジョージ三世の妹、オーガスタ王女が暮らしていたこともあるんです。
時代背景とドラマとがリンクしていて面白いですよね。
レンジャーハウスは今は美術館として公開されていて、中には彫刻とか宝飾品、フランス製のタペストリーなど豪華なコレクションが並んでいます。
なのでこちらを訪れると、ブリチャートン家のロケ地巡りと同時にアート鑑賞も楽しめるんです。
このブリチャートン家の家の中はセットでの撮影が中心だったようなんですが、一部はロケ地が使われています。
それが大広間や印象的な階段ですね。こちらはハルトンハウスで撮影されています。
場所はロンドンから車で1時間ほどの郊外にあるバッキンカムシャーという緑豊かな地域にあります。
19世紀にロスチャイルド家が建てた豪華な邸宅で、実は映画やドラマでしょっちゅう登場する有名なロケ地なんですね。
ブリチャートン家の他にもイギリスの歴史ドラマや映画にたびたび使われています。
しかしこのハルトンハウスは残念ながら一般公開されていないんですよね。
今はイギリス空軍の施設になっていて、士官たちの社交の場として使われているそうです。
軍の施設であの豪華な大広間を使っているのかという、ちょっと羨ましいというか意外な感じで驚きます。
さて次はブリチャートン家のもう一つの邸宅、オーブリーホールです。
こちらはシーズン2ではロンドン邸と同じくらい重要な場所として頻繁に登場していましたよね。
こちらは3つの邸宅がロケ地として使われていました。
その一つがルータムパークです。
シーズン2の場面をぜひ思い出して聞いていただきたいんですけど、
アンソニーの書斎でケイトとの情熱的な場面がいくつかありましたよね。
嵐の夜にケイトと本をきっかけに語り合う場面とか、
そして2人が顔を寄せ合う親密な様子をダフネに見られてしまう場面です。
実はこれルータムパークのライブラリーにそっくりなんですよね。
ネットフリックスのロケ地ガイドには具体的にどの部屋がどう使われていたというのが書かれていないので、
はっきり言うことができないんですけれども、
ルータムパークのホームページに載っている部屋の写真と、
ドラマに登場する部屋を見比べていたんですね。
窓が一緒だ、この位置にこの机が置いてあるな、
この机の装飾が一緒だなというのを照らし合わせて見ていて、
そっくりだったのできっとこの部屋が使われているはずです。
さらにエントランスホールや大きな階段、
ブルーの壁紙が印象的な3部屋が続いている大きな応接間など、
これらも実際にこちらで撮影されたのではないかなと思っています。
こちらのルータムパークはロンドン郊外にある大きなカントリーハウスなんですけれども、
現在も家族の方が所有している邸宅です。
一般公開されていないので、この目であの部屋を見れないのがちょっと残念ですね。
さて次は、シーズン2でアンソニーが池に落ちてずぶ濡れになって、
ケイトたちがセクシーな姿に釘付けになるという場面が撮影された場所です。
そちらがウエストウィッカンパークです。
アンソニーの寝室もこちらの邸宅が使われていたそうです。
ウエストウィッカンパークの歴史は300年以上です。
湖が広がる庭園がとても美しい場所なんですよね。
ぜひもう一度ドラマでアンソニーの池落ち場面を見て庭園の風景を満喫していただきたいんですけれども、
こちらは庭園だけではなくて、邸宅の外観とか中のインテリアもすごく素敵なんです。
私は大学の授業でここに行ったんですけど、
イタリアの建築スタイルを取り入れているイギリスの建物を見に行くという授業で一環でした。
豪華絢爛というよりかは、一つ一つの部屋の雰囲気がまるで違って、
細部にまで徹底したオーナーの美意識とか教養が刻み込まれている空間でした。
また行ってみたいなと思っています。
こちらの邸宅のインテリアを見てみたい方は、シーズン2で登場しています。
コリンが結婚したマリーナに会いに行く場面があったんですが、そちらでマリーナの邸宅として登場しています。
こちらもぜひチェックしてみてください。
そして3つ目です。
庭園シーンに使われたのがレストパークです。
ここはイングランドでも屈指の広大な庭園を持つ場所で、
シーズン2でも印象的な場面、ケイトが鉢に刺されてアンソニーが思わず取り乱してしまう場面もここで撮影されています。
その他にも、プルーデンスとフェザリントン卿がみんなに見つかってしまうという場面とかも、
このレストパークのオランジェリーが使われているんですよね。
オーブリーホールの庭や温室で起きたいろいろな名場面がこちらのレストパークで撮影されています。
レストパークは600年以上にわたってグレー家が住み続けたお屋敷で、
庭園はイギリスを代表する造園家のケイパビリティ・ブラウンが手を入れた場所です。
とても整えられたフランス風の庭園と自然を生かした風景式庭園が融合していて、
歩くだけで物語の中に迷い込んだような気分になる場所です。
さて、今日はブリーチャー・トンテイのロケ地をご紹介しました。
ロンドンの車高シーズンを彩ったレンジャーハウス、
そしてその中の大広間や階段の撮影に使われたのは、ハルトンハウスです。
そしてもう一つの邸宅、オーブリーホールの舞台となったのが、
それぞれの邸宅が重なり合って、あのブリーチャー・トンテイの世界が生まれているんですね。
あなたならどのロケ地に行ってみたいと思われましたか?
そして、もしこのようなロケ地についてもっと深く知りたいと思った方は、
私の旅するイギリス文化講座にぜひご参加ください。
今日ご紹介したような英国カントリーハウスやロケ地をテーマに取り上げています。
ダウントンアビーとかブリーチャー・トンテイなどの舞台となった
お屋敷の歴史や当時の暮らしを知ることで、
作品がもっと立体的にもっとワクワク見られるようになります。
詳しくは概要欄のリンクからぜひチェックしてみてください。
さて、次回はまた少し時代を移して、
ジェーン・オースティンの未完の作品を原作にしたドラマ
サンディトンをご紹介します。
こちらは海辺のリゾートを舞台に描かれる社交界の物語です。
ワクワクする魅力はこちらもたっぷり詰まっていますので、
どうぞお楽しみに。