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2025-11-27 12:34

#72 ロケ地巡り:『ジェントルマン・ジャック』の舞台へ、アン・リスターが暮らしたシブデン・ホールを歩く【後編】

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今回は、BBCドラマ『ジェントルマン・ジャック』の舞台となったシブデン・ホールをめぐるロケ地回・後編です。

 

19世紀の女性地主、アン・リスターが実際に暮らしていた屋敷、そしてドラマのロケ地となったシブデン・ホール。

 

アン・リスターが実際に暮らした寝室

アン・ウォーカーとともに使っていたテント・ルーム

塔の中に作られた図書室など

ドラマでは描かれなかった場所を歩きながら、ふたりの暮らしとシブデン・ホールのその後をたどります。

 

アン・リスターの死後、屋敷はどのような運命をたどったのか。
そして暗号日記の発見が、いかにしてドラマ『ジェントルマン・ジャック』へとつながっていったのか。

実際に現地を訪れた体験を交えながらお話しします。

 

 

 

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サマリー

このエピソードでは、BBCドラマ『ジェントルマン・ジャック』の舞台となるシブデン・ホールの詳細が語られています。アン・リスターの生活空間や撮影の裏側、歴史的な出来事が取り上げられ、特に彼女の部屋や使用していた施設に焦点が当てられています。

シブデン・ホールの撮影
英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロケ地の秘密、当時の暮らしまで、深掘りしてご紹介しています。物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
今日は、ロケ地巡りの回の後編です。前回に続いて、BBCドラマ〈ジェントルマン・ジャック〉の舞台、シブデン・ホールを歩きます。
実は、前編で話したいことが多すぎて、収まらずに2回になってしまったんですが、今日も割と盛りだくさんという感じになりますが、お届けしていきます。
ジェントルマン・ジャックについて、軽くおさらいです。19世紀の女性人主アン・リスターの日記を元にして作られたドラマです。
アンが実際に住んでいた邸宅が、今回のロケ地のシブデン・ホールです。私も2年前の秋に行ったんですが、今日はその日の記憶もたどりながらお話ししていきたいと思います。
まずは前回の続きとして、ドラマの撮影の裏側を少しお話ししたいんですが、シーズン1とシーズン2とジェントルマン・ジャックはあるんですが、こちらの撮影方法がちょっと違うという話なんですが、シーズン1は2018年に撮影されました。
その時は、お屋敷の中だけではなくて、庭、なや、そして中庭まで、お屋敷のほぼ全域が使われています。撮影前には、一旦中の家具をほとんど外に出して、暖炉やキッチン、シンクなどを撮影用に作り直したそうなんですね。
中庭には家畜が入り、なやには馬や牛、羊、鶏とも、完全に19世紀のお屋敷を蘇らせていたんです。一方で、シーズン2ではコロナの影響もあり、屋内での撮影ができなくて、スタジオにセットを組んで撮られています。
シブデンホールの実際の建物は、外観と出入りのシーンだけという形になったそうなんですね。同じロケ地でも、シーズンによって撮影方法が全く違うというところが、このドラマの面白いところでもあるかもしれません。
さて、ここからは今日のメインです。シブデンホール2階のプライベートな空間へ入っていきたいと思います。
まず2階で注目していきたいのは、アンリスターの寝室ですね。もともとこのお屋敷には、アンの寝室以外にもっと広くて豪華な部屋もあったんですけれども、アンはこの部屋を選んだそうです。
その理由は意外なくらい現実的なものでした。まず1つ目は窓からお庭が見えること、2つ目は使用人の部屋に近いこと、そして3つ目は南向きで日当たりがよくて暖かいことです。
つまりこの部屋は格式を重んじる部屋ではなくて、アンにとって一番暮らしやすい部屋だったんですね。もともとこの部屋は天井がとても低くて、なんとその上には鳩小屋まであったそうなんです。
ところがアンは思い切って天井を高くして、青いカーテン付きのベッドを入れたと日記に書き残しています。
アンリスターという人物はどうしても彼女の強い性格とか行動力ばかりが目立ちがちですが、全く違う一面も見えてくるような気がしました。
暖かさを大切にして使いやすさを考えてちゃんと眺めまで選ぶ人だったんだなということですね。
ちなみにこの寝室はドラマでは実際には使われておらず、撮影用に別にセットが組まれたようです。
これは後から気づいたことだったんですが、私がこのお屋敷を訪れたとき、このアンの部屋は本物のアンの寝室をそのまま残しているのではなくて、ドラマの雰囲気に近づけて再現した展示になっていたようです。
ここに置かれている豪華なベッドや机などはレプリカだったそうです。
そのためにこのベッドや椅子に座って撮影してもOKだったそうなんですね。
そのことに気づけずにとてもショックでした。
私はお屋敷巡りをしていたら、とにかく隅々まで見たくて、写真を撮ることに集中してしまって、説明をじっくり読めていないことが多いんですよね。
これは本当に残念でした。
次に2階で注目したいのは、ちょっと空気がガラッと変わるような部屋、レッドルームと呼ばれている部屋です。
このレッドルームという名前の由来は、壁の上の方をぐるりと囲む赤い装飾です。
そしてどっしりとした石造りの暖炉があって、この暖炉の上にはこの屋敷を代々受け継いできた3つの家系の紋章が彫られています。
1番目を引くのが1630年代、およそ今から400年前に作られたオーク材のベッドです。
本当にどっしりとしていて豪華なベッドなんですけれども、このマットレスが下に張ったロープで支えられていて、このロープをピンと強く引っ張って使っていたそうなんですね。
そこから来たと言われているのが英語のスリープタイトという言葉なんですが、タイト、きつくしっかり張るというところから、しっかりぐっすり眠ってねという意味になったと言われています。
このシブデンホールに私はイギリスに住んでいる妹と一緒に行ったんですが、妹は普段子供を寝かしつけるときにスリープタイトって言っていたそうなんですね。
そこでこのレッドルームで説明パネルを読んだ妹が、この言葉の意味ってここから来ているの?ということですごく感動していました。
日常で何気なく使っていた言葉のその由来を見たわけですからね、嬉しかったんでしょうね。
さらにこの部屋は足元の床も注目なんですね。
この床も建てられた当時のままの板が残っているそうです。
まだ変わりきっていない木を使ったために今でも割れや歪みがそのまま残っています。
そんな歴史のある床を一歩一歩踏みしめていると何とも言えない感動がありました。
部屋もそうですし、ベッドもとても古いものなのでカビ臭くないのって思うかもしれませんが、そんなことが全くなくて、
本当に手入れがされていて長い時間かけて大事に守られてきた場所というのが漂っている部屋でしたね。
そういった意味で一番最初に言った空気がガラッと変わる部屋というふうに表現したわけです。
さて次にご紹介するのは、アンリスターとアンウォーカーが実際に一緒に使っていた寝室です。
名前はテントルームと呼ばれていたのですが、この部屋はもともとはお客様用の部屋だったのですが、
アンはこの部屋を大胆に作り変えたのです。
テントルームと呼ばれる理由は、天井いっぱいに布を張り巡らせて、まるでテントの中にいるような空間にしたからです。
当時のどんな雰囲気だったのかというのは見てみたいところなんですが、アンの日記にはその布の縫い目まで話が書かれています。
シンクの縁取りが施されていたということで、それがしっかり書き残されているのです。
それだけこの部屋がアンにとって特別だったということです。
私が行った時は、この部屋はアンリスターの怒りの品々や、シブデンホールの歴史などを展示した展示室になっていました。
さらにアンリスターが自分のために作った図書室というのもありました。
シブデン・ホールのその後
彼女は旅をしながらたくさんの本を読んで、人と出会い、学び続けていた人です。
その図書室は彼女が造築した塔の中にあって、その塔の上の方に上がっていく階段はとても細くて、保存のために現在は立ち入り禁止になっています。
実際に見ることはできませんでした。
さてここからは、ドラマでは描かれなかったシブデンホールのその後のお話です。
アンリスターとアンウォーカーはシブデンホールで静かに暮らし始めました。
しかし数年後、旅の途中でアンリスターが亡くなります。
お屋敷に一人残されたアンウォーカーは、もともと心の不調があったのですが、それが深まってしまって、家族の手によってシブデンホールから離されることになります。
よく近郊の施設に入ったという記録はあるそうですが、詳しいことは分かっていないようです。
やがてシブデンホールはリスターチェの遠縁へと引き継がれます。
そして時が経ち、1926年、最後の相続人のジョン・リスターが財政難に陥って、お屋敷は地元の議員に引き取られます。
同じ年に敷地はシブデンパークとして一般に開放されました。
この開園式には当時の皇太子で後のエドワード八世が訪れて、記念の食事も行われています。
さらに数年後はシブデンホールは博物館として公開されて、再び多くの人々を迎える場所になったんですね。
そしてですね、この最後の相続人のジョン・リスター、彼がアン・リスターの暗号日記を見つけたんですね。
その解読された日記には、アンの恋や旅、学びや経営、迷いなどが素直な言葉で綴られていました。
その日記が160年以上の時を越えて、ドラマとなって今私たちのもとに届いています。
ドラマジェントルマン・ジャックのロケ地巡りの後編をお届けしてきましたが、いかがだったでしょうか。
まだまだご紹介できていない面白い話もあって、また別の機会にお話しできたらなと思っています。
そして来月12月16日にはダウントンアビーグランドフィナーレの公開まであと1ヶ月ということで、
皆さんのお気に入りのシーンを募集する特別会をお届けしたいなと思っています。
ぜひ概要欄のお便りホームから、ダウントンアビーの好きな場面を送っていただきたいです。
シーズン1から6のドラマでも映画に作品でも、あとの作品からでもOKです。
泣けた場面や笑った場面、何度も見返してしまう大好きな場面など、ぜひお気軽に送ってください。お待ちしています。
次回はカントリーハウスの名前の秘密をお届けします。
ダウントンアビーのアビーというのは何?お屋敷の名前って色々あるけれども、あれはどんな意味があるの?という疑問にお答えする回です。
どうぞお楽しみに。
12:34

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