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2025-12-11 12:59

#73 なぜ“アビー”“ホール”“キャッスル”? イギリス邸宅名のひみつ

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イギリスの歴史ドラマをもっと楽しむためのポッドキャスト。


今回は、英国ドラマに登場する「カントリーハウスの名前の秘密」についてお話ししています。

 

“Hall”、“Abbey”、“Castle”、“Court”、“Place”…
 

聞き覚えのある館の名前には、それぞれ歴史的な背景や、時代ごとの憧れ・イメージ戦略まで込められていました。

 

イギリスの邸宅がどのように名づけられ、
その名前が社会や暮らしとどう結びついていたのか。
ドラマを見る視点が少し変わる、小さな裏側トークです。

 

 

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サマリー

このエピソードでは、イギリスのカントリーハウスの特徴や名前の由来を詳しく解説しています。ホール、アビー、キャッスル、コート、プレイスなどの呼称には、それぞれ独自の歴史的背景や文化が反映されており、邸宅の魅力を深める要素となっています。

イギリスの邸宅名の紹介
英国ドラマタイムへようこそ。この番組は、イギリスの歴史ドラマが大好きな私が、ドラマや映画のおすすめ、ロレッジの秘密、当時の暮らしまで深掘りしてご紹介しています。物語の背景を知ると、作品がもっと楽しくなります。
今回のテーマは、イギリスの邸宅、カントリーハウスの名前の秘密です。例えば、イギリスのドラマや映画を見ていて、登場するのは、こんなお屋敷の名前です。ダウントンアビー、ゴスフォードパーク、ダーリントンホール。
こういったアビー、パーク、ホールという名前は、ドラマだけではなくて、本物のイギリスにも数え切れないほど存在します。その他にも、コート、キャス、マナー、プレイス、ハウスなどなど、まるで種類別になっているみたいに、いろんな名前が使われているんですよね。
でも、これらの名前は、なんとなくかっこいいから付けたわけではなくて、実は名前を見るだけで、この家がどんな場所だったのかが少し見えてくるものなんです。建てられた時代や、住んでいた人の階級、当時の社会の空気さえ映し出していることがあります。
ただし、ここが大事なんですが、そういった由来が全てではないんですね。似た名前でも成り立ちはバラバラだったり、本来の意味とは違う響きの良さを狙って選ばれたものもあります。
つまり、お屋敷の名前は、歴史や持ち主の好み、時代の流行やイメージ戦略みたいなものが混ざり合ってできています。
今回は、絶対にこうだという話ではなくて、そういった名前を読み解くヒント、そんな視点をいくつかご紹介したいと思います。
まず始めは、ホールです。このホールという言葉は、もともと中世のお屋敷にあった大広間のことです。
英語ではグレートホールとも呼ばれていて、上皇帝の大きな部屋に炉が一つあって、そこで食事をしたり話し合いをしたり、みんなで過ごす共同の空間でした。
まだ自分の部屋というものがなかった時代です。ご主人様と使用人が一つの部屋で寝宿を共にして暮らしていたんですね。
時代が進んでいくと、屋形の中に少しずつ部屋が増えていきます。寝室、台所、応接室、そうやってプライベートな空間が生まれてくると、広間だったホールは家の中心として残り、やがてこの家ホールと呼ばれるようになっていきます。
ただし全てのホールが本当に中世の館に由来しているわけではなくて、時代が進んでくると、ホールには格式とか伝統の演出みたいな側面も強まっていきます。
名前からは歴史とイメージ戦略の両方が読み取れるんですね。
次はアビーです。アビーは修道院を意味する言葉です。
イギリスで有名なアビーというと、ロンドンにあるウェストミンスターアビーがまっすぐ頭に浮かぶのですが、アビーは修道士や修道女が神に仕えて祈りの中で生活をしていた、いわば信仰の拠点でした。
ところが16世紀にイングランドに大きな天気が訪れます。天理発生による宗教改革です。
ローマ・カトリック教会との決別になって、国内の修道院は次々と解体されていきます。
この修道院解散で多くの修道院が取り壊されて、その土地やそこの場所にあった建物が国に募集されます。
この後に、そういった跡地は貴族や王に近い有力者たちに払い下げられて、その場所に新しいお屋敷や庭園が作られていったんですね。
つまりアビーという名前が残っているお屋敷は、もともと祈りの場だった場所が政治や権力の手に渡った証とも言えるんです。
次はキャッスルです。キャッスル、日本語では城ですけれども、石の塔や城壁、旗がはためく中世のお城を思い浮かべるかもしれません。
例えばアニックキャッスルという場所があるのですが、こちらは戦いや防衛のために築かれた宝物の中世のお城が今はお屋敷として存在しているものもあります。
この場所で実際に戦いが行われた歴史もあるので、敵の侵入を防ぐための堀や要塞が整えられて領地を守る軍事拠点として機能していた場所でもあるんですね。
でも全てのキャッスルがこういうわけではないんです。
ある種のブームのようにお城っぽい建物が流行した時代もあります。
塔や城壁の上のギザギザを飾りとして研ぎ入れて、名前にキャッスルをつけることで、あえて中世の雰囲気を演出した邸宅も登場します。
ダウントンアビの舞台のハイクレアキャッスルも中世のお城だったわけではなくて、純粋に住む場所、社交の場として建てられた邸宅です。
こうした事情からキャッスルという名前には、大物の城と中世への憧れをまとった演出みたいな、こういった二つの意味が混ざり合っているんですね。
その他の呼称とイベントのお知らせ
次はコートです。コートという言葉は英語では裁判所や王宮を意味します。
権力があって立派な場所というイメージともつながりますよね。
でも、もともとこういった場所は土地を治めていた領主が自分の土地の人々を集めて、ちょっとした裁判をしたり決まり事を話し合ったりする場所のことを指していました。
つまりコートは地域社会の中心だったんですね。その名残がお屋敷の名前として今も残っている。
コートという名がつく邸宅はかつて人を集めて統治する場所だったという歴史も語っているのかもしれません。
こちらもすべてのコートが実際の裁きの場だったわけではなくて、コート、威厳のある場所というイメージだけが残り、雰囲気として名前に採用されることもあったようです。
最後はプレイスです。
プレイスという名前はイギリスのカントリーハウスでは少し珍しい響きです。
英語のプレイスは場所という意味ですが、ここでのプレイスはフランス語やイタリア語で宮殿や広場を意味するパレスやピアッツァに由来しています。
ヨーロッパ大陸の宮廷文化を思わせる言葉にルーツがあるようです。
イギリスが中世から近世に移り変わる中で、貴族たちはヨーロッパの大陸の洗練された建築様式や芸術、暮らしぶりに憧れを抱くようになりました。
こういった感覚を名前には表現したのがプレイスという呼び方です。
ここまで紹介してきたホール、アビー、キャッスル、コート、プレイス以外にも、イギリスのカントリーハウスには様々な名前がついています。
例えば、ハウス。
ハウスは建物そのものを表す最も直接的な言葉ですよね。
特別な由来とか象徴性があるわけではなくて、格式ある大邸宅でよく使われています。
名前にハウスがついているだけで、ここは大きくて立派なお屋敷ですと堂々と語っているようなものでもあります。
次はマナーです。
マナーは中世の土地制度でもあるマナー制の名残です。
土地を治めている領主が農民を率いて土地を支配していた時代。
マナーはその地域の政治や経済、暮らしの中心でした。
そのためにマナーという名前がつく邸宅は、この土地を治めてきた家という重みを感じさせる名前でもあります。
最後はパークです。
パークは館だけではなくて、周囲の広大な敷地も含めた余韻です。
特にディアパーク、シカ公園のような狩猟と貴族の暮らしが結びついた空間を示すことがあります。
名前にパークがついていると、建物と広大な自然、狩猟文化、こうしたイギリスらしい景色も想像させてくれます。
さて、ここまでいろいろな名前の由来を見てきましたが、一つ言えるのは、
邸の名前には確かに歴史的な背景もあるのですが、それが全てではないということです。
名前は時に伝統の名残であり、時に持ち主の憧れやイメージ戦略だったりもします。
その家がどう見られたいのかを映す鏡のようなものでもあるのですね。
いずれにしても、名前を一つ見るだけで、その家が持っている物語に少し近づくことができる。
これがイギリスのカントリーハウスの魅力でもあると思います。
今度、ドラマや映画を見るときには、ぜひそういった建物の名前にも注目してみてください。
どうしてここはホールなんだろう、キャッスルって言っているけれども本当にお城だったんだろうか、
そんな小さな疑問が作品の世界を今までよりぐっと深くしてくれるのではないでしょうか。
今日はカントリーハウスの名前の秘密をご紹介しました。
最後に一つお知らせがあります。
今回、そういったカントリーハウスの裏側の世界観をもっと気軽に楽しめる小さなオンライン会を開くことになりました。
イベントのタイトルは、英国ドラマのあの世界観はどこからくるの?カントリーハウスの裏側をめぐるオンライン会です。
ドラマに登場するあのリアルで美しい邸宅がどうしてあんなに暮らしている感じがするのか、
どこまでが本物でどこからがフィクションなのか、そのような疑問を緩やかに解いていく入り口の会です。
当日は、露地として使われたお屋敷の話や、その歴史、ドラマとの違いや、実際に現地に行ったときの裏話など、私が撮ってきた写真なども交えながらお届けしたいと思います。
難しい専門的な話ではなくて、英国ドラマの世界がもっと好きになる入り口として気軽に楽しんでいただける内容にしています。
そして、オンライン会をドキドキしながら募集をスレッツの方で始めたのですが、早速お申し込みをいただいて本当に嬉しくなりました。
オンライン会の第1回目は、来年2026年の1月17日、土曜日の夜8時から9時の開催です。
お申し込みの締め切りは1月10日です。
この回後半には、皆さんと少しおしゃべりする時間もあります。
イギリスのドラマや映画を見て、ここに住んでみたいなとか、行ってみたいな、こんな場所で1日過ごせるなら何をする、そんなもしもトークを楽しめたら嬉しいなと思っています。
ご興味のある方は、どうぞお気軽にご参加ください。
概要欄にお申し込みフォームへのリンクを貼っています。
では、また次回お会いしましょう。
12:59

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