事業売却と企業売却の基礎
OASIS RADIO、ポッドキャスターの伊藤です。
この番組は、ペライティ創業者で、OASISファンドの橋田一秀さんと、
スタートアップを立ち上げる上での疑問や、企業に関するトピックを取り上げ、
SEED企業家や企業界部員の方に役立つ情報をお届けします。
橋田です。日本一オープンな企業家カフェ、OASISの隣にシェアオフィスができました。
その名も、渋谷スタートアップジャングル。
こちらは、スタートアップのコミュニケーションが盛んなOASISよりも、
もう少し個人または特定のチームで仕事をしたい、というスタートアップ向けのシェアオフィスとなります。
入居者のイメージは、1名から6名程度のチームで、SEEDからプレシリーズAぐらい、
数千万円の資金調達をした会社を想定しています。
初期費用や長期契約は必要ありません。1ヶ月ごとの契約となります。
入居者、大募集中です。資料とお問い合わせは、概要欄をご覧ください。
おはようございます。
おはようございます。元気ですか?
元気です。
そういう、なんかあれですよね。結構、伊藤さんも今、日本というか大体OASISにいて。
そうですね。
実は昨日とかも、これ僕火曜日に収録してるんですけど、月曜日は。
最近なんかね、ショート動画いっぱい撮ってるんですよね。
あー、そうですね。まだちょっと出してないですけど、はい。
なので、これが流行には出てるかもしれないんですけど。
まあ、いろんなところで、音声以外の媒体。
YouTubeのショートとか、あとTikTokとか、インスタとかで、
ショート動画をちょっと撮りまくって出すっていうのをやっておりますので、
なんか見かけたら、いいねしておいてください。
お願いします。
はい。
ということで、伊藤さん今日のテーマは何でしたっけ?
はい。今日のテーマはちょっと僕側の質問があるので、
その質問を橋田さんに答えていただきたいなと思ってます。
お願いします。
これは、まず結論から言うと、
事業売却と企業売却の違いを解像度を上げたいっていう質問なんですけど、
前、たまたまOASISで作業してる時に、
話を聞こうと思って盗み聞きしたわけじゃなくて、聞こえてきた話で、
OASISはね、いろんな会話が普通に聞こえてくる。
そういう場所なんで。
はい。その時に、ある企業家の方が自分の事業、
企業売却じゃなくて事業売却しようとしてるっていう話をしていて、
それに対して何が違うんですか?みたいな話を2人でしてる。
OASISの利用者の方がいて、それを聞いてて、
自分もあまりその違いをよく分かってないなって思いまして、
手続きとリスクの詳細
形式的に何が違うかとか分かるんですけど、
具体的にどう違うのかみたいなところは分からないので、
今日はそれを橋田さんに聞きたいなと思ってます。
なるほど。
はい。
一義的にどう違うかっていう、
形式的にどう違うかは先に前提知識として言えた方がいいと思うんで、
おなじみGPT先生に調べていただきました。
まず、ごめんなさい。最初に、
企業ごと売却する、つまり株式を売却することと、
それから事業売却、事業を譲渡するっていうことの違いについて
ちょっと説明しますね。
まず、企業を売却するっていうこと、つまり株式ごと譲渡するっていうことで言うと、
スタートアップであれば、株主全員の株式を会計企業に譲渡しますと。
つまり会社の経験を、いわゆる包括的に譲渡、引き渡すっていう形になりますと。
会社そのものが買収されるっていう感じなんで、
会社の組織とか契約関係とか、あと特に資産不採とかそのまま引き継がれますと。
例えば、M&Aの実務で会社に不採があったとき、借り入れが何千万ありますみたいなときに、
それを例えば評価額から引くみたいなことは普通に起こります。
あと、例えば従業員の雇用契約も原則継続するかなと。
もちろんこれは契約内容次第なんですけど、そうなりますと。
こっちの手法は手続きが比較的シンプルというか、素早く実行できますと。
契約ごとに個別の承諾とか再建者保護とかっていう手続きが不要だから、
スタートアップの場合はよく使われるかなと思います。
あとは売却代金に対する税金の負担も低めなので、
株主つまり売り手の経営者が直接対価を受け取れるっていう点もすごいいいとこかなと。
もちろん買い手側にとっては、誤解債務含めて会社の全責に引き受けるので、
いわゆるDD、Due Diligenceをめちゃくちゃ細かくやらないと後で困るかもしれないっていうので、
めっちゃそこは買う側が注意してみるっていう感じですね。
M&Aの交渉があるときって、いろんな観点からいわゆるDue Diligenceが走るんですけど、
フォームだったりローム面だったり、あとはテクニカル技術面だったり事業面だったり、
大きくそれぞれのDDが走って、例えばフォームとかだと、
Excelのサイレントシートに100個ぐらい質問くるとか、それ全部回答するとか。
どんどん質問に対するQAシートみたいになってて、
Qの列に100個ぐらい質問書いてあって、それを全部回答すると。
回答すると間違いに対する質問がどんどん下に増えていってみたいな。
それずっとやるんですよね。
そういう感じですよね。
つまり買う側にとってのリスクをできるだけ消すというか、クリアにするっていうのがもちろん必要なので、
それをやらないといけないですよね。
それが特徴ですと。
一方で事業を売却するというのは、スタートアップで限らずですけど、
自社の事業を切り離して、そこについている資産とか財産を買い手に売却するという方法ですと。
いわゆる譲渡対象を個別に定めて、この事業一式を売りますという形なので、
それを譲渡する資産とか財産とか契約とかを一個一個特定して、それを移転するという手続きが必要になりますと。
なので買い手側としては、さっきと逆なんですけど、必要な資産だけを引き受けられたりとか、
そういう事業と関係ない会社に付帯するリスクとかを避けることができるというのが利点としてありますと。
実際隠れた債務リスクとかが多いケースでは、株式上じゃなくて事業選択が選択されるという時もありますと。
あとさっきの税金の話でいうと、一般的にこの取引が終わった後も売り手側の会社は存続しているので、
売却代金は株売ってるわけじゃないんで、売却代金は会社に入りますと。
そうするとそこに法人税課税されるんで、注意が必要です。
つまり売り手のオーナーに株式の対価ではなくて、事業譲渡代金として法人に入るってことなので、
オーナーが手に入れるわけではないですよっていうのは注意ですと。
あとなんかすごい細かいところで言うと、事業譲渡だと契約移転に取引先の個別の同意が基本必要だったりするんで、
あとは従業員の雇用も別に何かこう、例えば事業に紐づく、これも一個一個特定するわけですよね。
この事業をやってた人をA社からB社に移転させますみたいな。
そこはもう一個別、例えばこの人とこの人とこの人は、買う側からするとAさんとBさんとCさん欲しいですけど、
DさんとEさんとFさんはいらないですみたいな。
そういう交渉が走ったりもするわけですよね、一個一個。
っていうのが大きく違いますと。
コインチェックの事例
まとめると、スタートアップにおけるMAで言うと大体は株式業と企業ごと買収されるケースが多いです。
そっちがシンプルだし、あとそれぞれの株主にも直接リターンが出るし、
あとは大抵一個しか事業やってないんで、それで売却っていう形が多いんじゃないかなと思いますと。
一方で、スタートアップで事業売却した事例ないかなとかってちょっと探してたんですけど、
実は細かいの結構あると思います。
僕も周りで聞いたことがあって、
ピボットするみたいな時にスタートアップが一個目にやってた事業が、
潰すほど悪くないんだけど、そこそこ売上がついてるとかユーザーがついてるみたいな。
だけど、後から始めたBっていう事業の方が伸びてるし、めちゃくちゃポテンシャルあるから、
スタートアップの理想が少ない中で二個やるのは無理だから、
じゃあこのBっていう事業に選択と集中をしましょうと。
このAっていう事業は別に潰すほど悪くないから、どこかの会社に買ってもらえば存続できるし、
もしかしたらその対価ももらえるっていうところで売却するっていうケースは、
実は結構あったりします。
で、何か分かりやすい事例ないかなって調べてたんですけど、ありました。
コインチェックですね。
コインチェックって、最近NASDAQに上場した日本の暗号資産の取引所ですね。
で、これって実は知ってました?
素行はコインチェックの会社って、素行はコインチェックじゃなくて他の事業やってたんですよ。
それは本当に知らなかったです。
ストーリーズ.jpの成功事例
本当ですか。で、もともとストーリーズ.jpっていう、
ちなみにストーリーズ.jp今もあるんで、調べてみると出てくるんですけど、人生物語って書いてあって。
今はですね、ブログじゃないんだけど、ブログみたいな感じで、その人とかストーリーを書く、物語を語るプラットフォームなんですよね。
で、一番有名なのはここから生まれたヒットコンテンツとしては、ビリギャル。
ビリギャルってあるじゃないですか。
すごい勉強のできなかったギャルの子がめちゃくちゃ勉強して慶応大学に元気合格するみたいな話なんですけど、
ビリギャルはこのストーリーズ.jpから生み出されたお話になりますと。
で、そんなストーリーズ.jpなんですけど、やってた会社の新規事業でコインチェックを始めたらコインチェックがめちゃ伸びして、
ストーリーズ.jpを事業売却したという経緯があります。
知らなかったです。
これすごい余談なんですけど、ストーリーズ.jpの創業メンバーってみんな今活躍してるっていう話があって、
コインチェックは結果今、マネックスグループに、暗号試算流出事件があった後にマネックスグループが買収してるんですけども、
その前に創業時で言うと、
ワナさんとか大塚さん、今残っているメンバーの2人、それから最初の社長をやってたジェームズさんっていう人がいて、
ジェームズはコーラルキャピタルをやっているジェームズさんと、それからタクローさんっていう、この人も今すごいんですけど、
パルワールドを作っている会社の社長をやってて、そうなんですよ、これがすごいみたいな話だったりするんですけど、
なんで、ストーリーズ.jpは結果だから事業としては切り出して、正確には別の会社に売ったっていうか、
それ専用のやる用の会社作って、そっちに切り出して、その事業をやってた方が引き続き運営するということになったってことですね。
事業売却の考察
そんな感じなんですけど、こういうケースがたまにあるよっていう感じですね。
オアシスにいた方、これ聞いてくれてるとめちゃくちゃ嬉しいんですけどね。
確かに、そうですね。
何となく違いとか事例含めて理解できましたか。
はい、できましたね。でもスタートアップは基本そうですよね。事例として今話してくださったやつは、もうあると思うんですけど、基本的な単一事業をやってる場合が多いと思うんで。
珍しいっちゃ珍しいですよね。
珍しいっちゃ珍しいね。そんなに多くない。しかも事業売却ってのがあったとしても、そんなに目立たない形でやられてることが多いので、そんなすごい値段で売れるとかあんまない気がする。
柱さんとかも、それはもう一旦事業売却したらいいんじゃないみたいなアドバイスとかすることってありますか。
どうだろう。それは投資先に対してって感じですよね。
そうでもそうじゃなくてもいいんですけど。
どうすかね。あんまりそういう話したことないんですけど。でも投資先とかでもしそういうシチュエーションになったら言うかもしれないですね。どうですかね。
でも確かに、事業を何年かやって、何か思った以上の成長が、当初思い描いていた成長が得られなかったときに、その事業をなくすか。しかも一番悩ましいのは、そこまで悪くないみたいなときなんですよね。
そうですね。売れるってことは悪くないからってことですね。
そこまで悪くない。けど、これで結局どこを目指すかっていう話で、じゃあ分かんないけど、これでユニコーンを目指せるのかみたいな話になったときに、いや無理じゃねってなったらその事業は売却して、順序あると思うんですよね。
新しいの立ち上げてからその事業を売却して、次の事業に行こうというのは普通にあるかなと思いますけどね。
橋田さんがそのプライベートをやってるときは基本的にはあれですよね。企業売却を持ち掛けられることはあっても、事業売却を持ち掛けられることはないってことですよね。単一事業だし。
そうですね。特にそういう話はなかったです。ほぼ単一事業なので、なかったですね。
事業売却はそれこそだからスタートアップではなくて、一般的なそこそこのサイズ感のある事業会社が新規事業をいくつかやってるけど、その中で同じシチュエーションですよね。悪くないけど、大企業でも選択と集中がやっぱ必要なんで。
例えば今策定している中期経営計画には合わないみたいなのって全然出てくるんですよね。じゃあ劣りつぶしかって言われると、別にそこまで悪くないんだよな。でも会社の向かっていく方向性とちょっとずれてるから、これは外に出した方がいいねっていう議論っていうのは普通にありますよね。
そういう感じなんじゃないですか。スタートアップだとほぼ単一事業だけど、たまにそういうピボットとかで怒り得るみたいなぐらいなんじゃないかな。そんなに多くないと思うけどね。
でもすごい解像度というか理解が深まりました。
はい。
はい。オアシスレイリオは番組に対する質問や取り扱ってほしいテーマを募集しています。今回みたいな感じで、ふと何か疑問に思ったこととかをお便りとかでサクッと気軽に送っていただけると嬉しいです。
はい。お願いします。
それではまた次回の放送でお会いしましょう。さよなら。
さよなら。