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2024-05-23 12:02

『ハーバード大学は「音楽」で人を育てる─21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育』アルテスパブリッシング(2015)

LISTEN to books #18

Listen to the voice of books.

 

ハーバード大学は「音楽」で人を育てる──21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育:Amazon

ハーバード大学:Wikipedia

未来の人材は「音楽」で育てる 世界をひらく5つのリベラルアーツ・マインド:Amazon
MIT マサチューセッツ工科大学 音楽の授業 ~世界最高峰の「創造する力」の伸ばし方:Amazon

 

注:音楽学部・音楽学科と語っていますが、ハーバード大学の場合、音楽学科は人文学部・学群に属している。ちなみに、英国のケンブリッジ大学には音楽学部がある。他のアメリカのユニバーシティで音楽学部・音楽学科を有する大学は少なくない。

ケンブリッジ大学:Wikipedia

 

Camp@Us presents

Summary

ハーバード大学には音楽学科があります。他の学部の学生も音楽学科の授業を学ぶことができます。日本の大学に音楽学部がないことは異常な事態であり、日本のユニバーシティの在り方に問題があります。

ハーバード大学の音楽学科
LISTEN to books、久しぶりの更新になります。18冊目の紹介になりますね。
この番組は、本の内容を紹介するというよりも、思い出の本、あるいは、この本はとてもいい本だよということ。
さらには、LISTEN to booksということで、その本は何が言いたくて書かれたのか、
著者は何が言いたかったのか、ということを私なりに、私なりの観点からお話をするという、そういう番組なんですが、
今日紹介したいのは、『ハーバード大学は音楽で人を育てるー21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育』ということで、
この本はとてもいい本です。菅野恵理子さんという方が書かれて、私、直接お会いしたこともあるんですが、その話はまた後でするとして、
3つですね。1つは、ハーバード大学には音楽学部音楽学科(正確には、音楽学科は人文学部)があるという。
しかも他の、例えば理学部とか工学部とかの学生も音楽学部(人文学部音楽学科)の授業を学べるという。これぞまさにユニバーシティだという話なんですね。
日本には音楽学部を持ったユニバーシティが皆無である。これがむしろ異常な事態だということなんですね。
だからユニバーシティ、より普遍的な形で人を育てる場としての大学にとっては音楽という、これは実技・パフォーマンスもそうですし教養・知識もそうですが、音楽という素養を身につける。
音楽だけじゃなくていいんですけど、体育とか美術とかもそうなんですが、そういった学部が日本のユニバーシティにはないんですね。
これはやっぱりグローバル・スタンダードではないというのが一つです。つまり一つのキーワードは、大学です。ユニバーシティはいかにあるべきかというのが一つですね。
そこで音楽という要素はどう位置づけられるべきか。
日本のユニバーシティを出た人は、クラブ活動とか同好会では大学でも音楽には触れられるけれども、あるいは趣味としてね。ところが専門的に学ぶ機会を奪われるわけですね、大学時代は。
音楽を専門的に学ぼうと思ったら、音大もしくは芸大に行かなきゃいけないという形になるわけです。
ここでもう一つが音楽大学、芸術大学というのも、実は非常に特殊な事柄なんですね。
日本という独特の環境の中で、日本の国公立の芸術大学、そして私立の音楽大学、美術大学というのが形成されてきた経緯があって、ユニバーシティの外に置かれてしまったということなんですね。
これの問題点。二つ目は音楽大学の問題。
そして三つ目が、リベラルアーツということですね。
リベラルアーツ教育の重要性
このリベラルアーツということを、日本は戦前の大学はこういったリベラルアーツ、あるいは教養教育が軽視されたということで、それが専門、一言で言えば専門バカ、あるいは専門しかわからない、教養を持たない専門人を生み出してしまったことが、例えば戦争にも繋がったみたいな話もあって。
それで戦後の新制大学はアメリカの大学のユニバーシティの理念も取り入れながら、教養課程を置くと。教養部っていうのが2年間、どこのユニバーシティにも置かれたんだけど。これはこれで2年間は教養部。
3年生からしか専門が学べないという、2階建てってよく言われたんですが、これも問題だということで、これが1980年代ですね、90年代もう近かったかな。いわゆる2階建てをやめて、1年生から専門も学べる。いわゆる教養部解体って言われたんですけども。
教養部を解体していくという動きが日本ではあったわけですが、じゃあそこで本当に専門教育とリベラルアーツ、教養教育は有機的に、融合的に、体系的に整えられたかっていうと、そうでもないわけですよね。
依然として、専門教育と日本における教養教育・リベラルアーツっていうのは、深い溝があったりする部分があるわけです。
だからそういう意味で、本当に日本のユニバーシティではリベラルアーツが学びにくい。さらには音楽というもの、あるいは美術といったもの、あるいは体育といったもの、例えばアメリカのハーバード大学においても当然のように体育や音楽や美術、芸術、専門的に学べるわけですね。
メジャー・マイナーとかダブルメジャーとか、いわゆる専攻を複数取れるわけです。ところが日本の場合には複数専攻制っていうのはまだまだほとんど導入されていなくて、一つの専門領域に入ったら、それが学際的な専門分野になってきた部分もあるんですが、
それでもやっぱり専門偏重の大学という仕組みが、いまだに根強く残っている。一方で、リベラルアーツや教養教育は、そこに融合的に、有機的に結びついていない。そのことの問題ですね。つまり日本の大学教育は、いろんな意味で失敗している。
さらに言えば、日本のユニバーシティっていうのは、非常に大事なことを欠いた、欠如したユニバーシティかもしれない。さらには日本の音楽大学、芸術大学っていうのも実はそういう形で存在するのがいいというわけでは全くないというね。これはかなり特殊なことなんだという。
そこで、この菅野恵理子さんはとても優秀な方なんですが、1回しか会ったことないんですけれども、本にはサインもその時いただいたんですが、ちょうどこの本を持ってたんですね、私ね。まさか会えると思わなかったんですけども、たまたま会いましてサインもいただいたんですが、それはさておき。
常々、私はたまたま日本の音楽の単科大学に勤めたことで、これは特殊な世界だな、おかしいなと思って、いろんなことを調べると、アメリカは違うじゃないかと。音楽学部はユニバーシティの中にあるじゃないかと。体育学部もあるし、美術学部もデザイン学部もダンス&パフォーマンス学部もあるじゃないかと。しかもそれらを横断的に学べる環境があるじゃないかと。
なぜ、日本のユニバーシティにはそれがないんだと。日本にはユニバーシティは一つもないぐらいに思ったんですね。これがもう1990年代末の頃ですけれども。本に戻って、そういうユニバーシティの本来の在り方、そして音楽というものの位置づけ、さらには人が育つ、人を育てるということの意味ですね。
そういったことを非常に考えさせてくれる本なんです。
菅野さん、これ2015年に書かれて、ちょうど私、これが出たばっかりでそれを買って持って、たまたま新幹線に乗って東京に行ったんですね。ピティナというのがありまして、全日本ピアノ指導者協会っていうのがあって、ピティナってあるんですが、そこの代表理事の方と、私とほぼ同世代なんですが、福田さんと。
たまたま菅野さんが一緒に見えて、福田さんにご挨拶したら菅野さんも隣にいたという。さらにそこには大内孝夫さんっていうね、『音大卒は武器になる』を書かれた方も一緒にいたということなんですが。
そこで出会ってサインもしてもらって、今ちょうど新幹線の中で読んできたんですよなんて話で、お会いしたんですが。この菅野さんその後、全然ご挨拶も何もしてないんですけれども、2015年にお会いしてから、その後、本出されてるんですね。
さらに、MITマサチューセッツ工科大学の音楽の授業のも出されて、さらには未来の人材は音楽で育てる世界を開く五つのリベラルアーツマインドっていうのも出されてて、つい最近ですねこれ。
これ今、私、今知りまして、この本を紹介しようと思ってAmazon見てたら出てきたので、早速注文させていただきましたので、1週間以内には届くと思うので、この3冊については一度どこかで取り上げて、中身を詳しく紹介したいなと真面目に思ってます。
さて、そういうことで、日本の大学の在り方、そして音楽教育の在り方、そして人を育てるとはどういうことか。さらには、そこにおけるリベラルアーツ教育っていうものの非常に重要な意味ですね。
これについてmとても考えさせられる本ですし、とてもいい本だと思います。近々届く続編2冊もちょっと楽しみにしているんで、また紹介していけたらなと思ってます。
余談ですが、その時にお会いした福田さんには、私が勤めてた、ちょうど学長をもうやってたんですけども、2010年から2016年まで音楽大学の学長を私やってたんですが、福田さんには、ピティナの代表理事でしたけれども、
一コマ、「音楽と人生」っていう授業に来ていただいて、さらにそこに見えた大内孝夫さんにも「音楽と人生」に来ていただいて、ゲストティーチャーでね、一コマ話していただいたんですが。菅野さんにも是非と思ってたんですけれども、結局、その機会を持てないまんま、それ以来お会いしていないということなんですけれども、
思い出の一冊ですね。ちょっと続編も読ませていただいて、と思っています。ハーバード大学は音楽で人を育てる。さらに続編2冊、とても示唆的だと思います。日本の大学にとって、そして日本の音楽大学、芸術大学にとって、そして教育、リベラルアーツ教育ということについて、非常に示唆的な本だと思いますので、紹介したいと思います。
最後に余計なこと言いますが、大内孝夫さんの「音大卒は武器になる」のシリーズを何冊も買うんだったら、こちらの本をね、菅野さんの本を是非買って、中身も濃いですしね、価格相応の中身だと思いますので、是非手に取って、全ての大学関係者、音楽大学関係者の方は、
読まれるといいんじゃないかな、なんて思ったりしています。ということで、菅野恵理子さん、ハーバード大学は音楽で人を育てる、紹介させていただきました。ではまた。
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