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2024-06-05 12:22

『コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる』学芸出版社(2011)

サマリー

山崎亮さんの『コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる』は、人々のつながりをデザインし、まちの幸福やコミュニティの維持について語られています。

コミュニティデザインの概要
LISTEN to books、これが19冊目の紹介になります。 今日は、「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」、山崎亮さんですね。
私より10個下、もう50歳になりますが、その方が2011年にデビュー作ですね。
これが非常に売れまして、話題になって、情熱大陸にまで出ちゃったというのが、この「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」。
これ、とてもいい本で、彼がコミュニティデザインというコンセプトで関わってきたプロジェクトが紹介されてるんですね。
その後に書かれたのが、それを少し、なぜそんなことを自分がやり始めたのか。
その動機とか背景を解説する本と、山崎さんは言ってるんですが、「コミュニティデザインの時代」っていうのが中公新書で出されて、これで一気に売れっ子になったというかですね。
コミュニティデザインといえば山崎亮さんという話になったわけですけれども、私がなんでこの本を読むことになったかというと、実は札幌の大学で、授業で「コミュニティとまちづくり」っていう科目を担当することになったんですね。
たまたまね。コミュニティとまちづくりっていうことで、なんかいい本ないかなと言って探したのが最初のきっかけですね。それで引っかかったのが、この山崎亮さんのコミュニティデザイン。
他にも、これ説明欄にリンク貼っておきましたけど、いろんな本を買い込みまして、読みまくりまして、やっぱり事例紹介として非常に良かったのはこのコミュニティデザイン、山崎亮さんですね。
「コミュニティデザインの時代」の方が、多分、中公新書の方が売れたと思うんですけれども、まあ新書本だということもあるんですが、コミュニティデザインについて概要を知るにはこっちの中公新書の方がいいとも言えなくもないんですが、やっぱり生々しい具体的な実践の事例、プロジェクトの事例をヴィヴィッドに生き生きと知るには、
やっぱりこの「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」。こちらがおすすめですね、私としてはね。なので紹介も悩んだんですが、中公新書ではなくてこの「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」。これは本当にとてもいい本だと思いますね。
そのまちに入って、人の話を聞き出すところから始まる。まず聞くことから始まる。これも一番最初に書いてあるんですけど、「僕たちの仕事は地域に住む人の話を聞き出すことから始まる」。まず聞く。どっかで聞いたコンセプトですけども、この番組もLISTEN to Booksということで、声を聞く。
その本が言いたかったことを聞くというコンセプトなんですが、やっぱり聞く。耳を立てる。耳を澄ます。とても大事なことなんですよね。じっくり聞く。単に聞き流すんじゃなくて、そこにある何か、言葉の字面だけじゃないものを聞くということがとても大事だと思うんですね。
これは見るでは代えられない。やっぱり聞くことで見えてくるものがある。見てるだけじゃわからない。聞いてみて初めてわかる。
これ例えば、観光地とかまちに訪れて、やっぱり見て写真を撮って回るだけ、インスタに上げるだけではわからなくて、そこにいる人たちの声を聞く。そこで語る。夜ちょっと飲み屋に行って地元の人の声を聞く。話を聞くことで、むしろまちの見え方が変わるってことはよくあると思うんですけれども。
コミュニティデザインの必要性
彼はまちづくりっていうことに関わって、いろんな地域でいろんなプロジェクトに関わるわけですね。それが結局、一言で言うとコミュニティデザインっていうことなんだっていうことなんですが、これ別の言い方で、ソーシャルデザインなんて言い方もあるわけで。
それはいろんな言い方があっていいんですけれども、「コミュニティデザイン学」なんていう本も出てます。これ東大出版会かどっかでしたかね。これも非常に勉強になるんですけれども。
そういう意味では、山崎亮さんっていうのは、本当に実践的にまちに入って、いろんなプロジェクトの中で実際に人をつなぐっていうね、中で、そのことの面白さもそうなんですけど、面白いだけじゃなくて、そこにやっぱり社会が息を吹き返すみたいなね。
そういうことがあると。単なるまちの配置計画とかね、そういう物理的な空間の話じゃなくて、むしろそこに生きる人たちのつながりをデザインする、人々のつながりをデザインするっていうね。
よくまちづくりって言うと、やっぱり箱物とか空間とか動線とかね、そういう話になりがちなんですが、確か山崎さんはそういう建築系のことをまず学んだんじゃなかったでしたかね。確かね。ちょっとうろ覚えですけども。見ればわかるんですけれども。
いわゆる都市計画とかまちづくりの専門家っていうときに、どうしてもそういう空間とか物理的なものを作ることで人の動きを作るはいいんだけども、そうじゃなくて、やっぱりもっと目に見えない人と人とのつながりを作るということが、実はとても重要というか、そっちのほうが中心なんじゃないかっていうね、話になっていくわけですね。
これはすごく私は実感するというか、私自身は大学という世界で生きてきたんですが、小さな私立大学で生きてきたんですね。しかも芸術系の。
そこで意識してたのはやっぱり大学、小規模大学ってのはやっぱり一つのコミュニティだと。そこにいる学生・教職員だけじゃなくて、卒業生、保護者も含めて一つのコミュニティだというふうに思って。そこでどういうつながりを作るのか。
どういう人と人とのつながりを作るのかっていうことを相当意識してやってきたんですね。私は、これはデザインでありアートだって言い方もしてたわけで、ソーシャルデザイン、コミュニティデザインだなんて言い方を実はしてたんですけども。
それでよく言った言葉が、タテ・ヨコ・ナナメのつながりを作ろうなんてね、言い方もして。そのこともあって、FacebookやTwitterやSNSね、そういったものも駆使して、もちろんそれだけじゃなくて、対面のいろんなこともやったんですけれども。
そういったデジタルのSNSなんかも駆使して、やっぱり人と人をつなげる。これは卒業生、保護者、教員、職員、それから大学外の人も含めて、とにかくつなげていくことで化学反応が起きるっていう。
そこを単につなげて終わりじゃなくて、何かそこで何か新しいものが生まれるっていう、この面白さっていうのは、私は自分の大学っていう現場でしたけれども、非常に実感してるし、もうまさにこれだよな、コミュニティデザイン。
ソーシャルデザインとも言ってましたけどね。別の言い方で言うと、これはソーシャルマネジメントなんですね、私の言い方で言うとソーシャルマネジメント。
実はソーシャルなマネジメントが必要になった理由があって、それは昔の地縁・血縁のつながりとかがなくなっていくわけですよね。
そういう中で、だからマネジメントをしないと、組織とかコミュニティっていうのは存続・維持できないっていう、生き生きしたものにならない時代に入ってきたってことなんですね。
つまり、昔は町内会にみんなメンバーとして属してた、PTAにメンバーとして属してた。
いろんなこと言わずにみんな一応ね、和気藹々とやってた時代があるんですが、そういうコミュニティはもうなくなってしまっていて、バラバラになったわけですね。
これはいろんな理由があるんですけど。バラバラになってしまった中で、だからデザインが必要だし、つながる仕組みが必要だし、マネジメントが必要だっていう、そういう時代に入ってきたわけですよね。
で、これをやらなきゃいけない。やらなきゃいけないっていうか、そこに面白さを見出すことがとても大事だし、
それを実際にうまくやれたら、とてもいいことがあるっていう。自分にとってもいいことがある、他の人にとってもいいことがある、そこでつながれたみんなにとっていいことがあるっていう、そういう幸せですよね。
だから山崎さんその後、いろいろ本を書いてて、幸福論的なことも書いてますよね。
「まちの幸福論」なんて本も共著で書いてますし、「経済成長がなければ幸せになれないんでしょうか」なんて本も共著で書いてるし、コミュニティデザインの議論を一方で書きながら、そういう幸福論みたいなこともちょっと書いてたりして。
もうこれは本当に、コミュニティあるいは社会的な幸福、幸せってなんだっけっていうことなんですけども。そこにはやっぱり人と人とのつながりっていうのがあって、それはやっぱりデザイン、上手にデザインするっていうね。その出発点は、まず聞くことから始まるっていうね、そんなことをいろいろと感じさせてくれる本ですね。
この「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」の中では、本当に具体的な事例が書いてあるわけですよね。ここではこういうことがあって、こんな人がいて、こんなおばちゃんがいて、おじちゃんがいて、こういう人がキーパーソンになって、こんなふうに変わってったんだみたいなね、話が書いてあって、だから本当、事例集としてもとても参考になるっていうことで、「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」、
紹介させていただきました。あと、合わせてね、中公新書の、こっちは読まれた方多いんじゃないですかね。「コミュニティデザインの時代」。なんでそんなことをやり始めて、しかもコミュニティデザインって結局、何なのかなんてことも、ちょっと理屈も含めて書いてあるのが、こちらの中公新書なんだけど。やっぱりおすすめはこのね、リアルな生々しい生き生きした素材のまんまの事例紹介の「コミュニティデザイン」。
こちらをぜひね、多分、中公新書よりは売れてない?。わかりませんが、読まれるといいんじゃないかなってことで紹介させていただきました。
ということで、LISTEN to ブックス、19冊目は、「コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる」、山崎亮さんの本を紹介させていただきました。
ではまた。
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