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2021-03-19 1:10:38

BC008『ヒューマン・ネットワーク』

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今回は『ヒューマン・ネットワーク』について。

副題:人づきあいの経済学

原題:『The Human Network: How Your Social Position Determines Your Power, Beliefs, and Behaviors』

著者:マシュー・O・ジャクソン

スタンフォード大学教授、サンタフェ大学客員教授。プリンストン大学で学士号、スタンフォード大学で博士号を取得。主な関心はゲーム理論、ミクロ経済学、社会・経済に関するネットワークの科学など。2015年ケネス・アローやリチャード・セイラーも受賞した、ライク・ラズロ・カレッジが与える2015年度ジョン・フォン・ノイマン賞を受賞。

*書籍のリンクはすべてAmazonアフィリエイトのリンクです。

どんな本?

人間的ネットワークの特徴とその形成のメカニズムを論じ、さらに個々の人の振るまいがいかにそうしたネットワークの影響を受けるのかを検討した一冊。

倉下お薦めのネットワーク論系書籍

* 『ソーシャル物理学』

* 『ウェブはグループで進化する』

* 『経済は「予想外のつながり」で動く』

ネットワークに注目

個々人の特性に注目するのではなく、その人が所属しているネットワークに注目することは、人の行動を一つの系として捉えることになる。上記で紹介した本は、そうした観点を持つが本書は、そうしたネットワークが「いかに形成されるのか」も踏まえて検討している点が興味深い。

ネットワークの種類

一口にネットワークといってもその形はさまざまであって、考え得るバリエーションは多岐にわたる。たとえば、30人のクラスの中でいかなるネットワークが築かれるかは、「誰も友達ではない」から「全員が全員と友達」であるの間に巨大なバリエーションを持つ。友達のペアは435個考えられ、そのペアの組み合わせは、2の435乗である。

そうしたネットワークを個別に検討することはできないが、それぞれのネットワークの重要な特性に注目し、パターンを想定することはできる。

ありうる関係のうちどのくらいの割合が実際に結ばれているか、参加者の間で関係が均等に結ばれているか、どこかに偏りがあるか、に基づいて分類するのはその例だ。そうしたパターンを追求することで、経済的不平等や非流動性、政治の分極化、金融危機の伝播などの問題も解明しやすくなる。

物事をこうした視点で捉えることを「ネットワーク思考」だと呼ぶならば、本書はその思考法を開示するための一冊だと言える。

外部性

重要な話は盛りだくさんだが、一番重要なのは「外部性」の概念である。ネットワークの一部であるとき、ある決定や行動はネットワークの他の要素に影響を与える。

たとえば、倉下は五藤さんにヘッドセットを薦めてもらい、それを買った。すると誰かがそのヘッドセットを見て、「あっ、あれいいな」と思う可能性が出てくる。その人がそれを買うと、さらに「あっ、あれいいな」と思う可能性が出てきて……という感じで、個人の決定がネットワーク全体に広がっていくことが起こり得る。

むしろそのような影響が皆無であるならば、ネットワークを研究する価値はない。外部性があるからこそ、ネットワークは研究対象として興味深く、また価値があるものになる。

一人の人間の選択は、基本的に自由であり、その選択は最大限尊重されるべきであろう。一方でそれは、一人の人間の選択が外部性を持たないことを意味はしない。社会制度・道徳・倫理観といったものが要請されるのもこうした側面があるからだろう。「自分の人生なんだから、自分勝手でいいじゃないか」と言い切れない視点がネットワーク思考には含まれる。*しかし、共同体を至上におく共産主義とも異なるのがポイントである。

ネットワークの現れ方の違い

一人の人間がたくさんの人と交流を持っていても、それがインフルエンザウイルスなのか、HIVウイルスなのかによって立ち現れるネットワークは異なる。また、流れるものが情報の場合でも、政治的信念と明日の天気とお得なセール情報と銀行倒産のうわさ話では、流れ方が異なる。

ある面において一つのネットワークが現れたとしても、それが万事に通じるわけではない。流れるものによって、現れ方が変わってくる。

また、ネットワーク上のポジション(≒持ち得る力)も、単純には測定できない。友達が多いのか、友達が多い人を友達に持っているのかは、単純にどちらが「すごい」のかはわからない。そこを流れるものによって変わってくる。この点において、「フォロワー数がn万人ならなんちゃら」と考えるのはあまりに単純すぎることがわかる。

ネットワークの規模だけでなく、その性質に注目することは欠かせない。

ネットワークと個人の立ち振る舞い

本書は面白い話が多いのだが、深刻なものとして個人の立ち振る舞いや可能性がその人が属するネットワークに強い影響を受ける、という点がある。この話は、ピエール・ブルデューのハビトゥスを想起させるが、おおむね似通っていると言ってよい。

ハビトゥスは、行動の傾向(気質のシステム)にフォーカスしているが、入手できる情報やそうした情報に対する評価もネットワークからの影響を受ける点が本書では指摘されていて、それが極めて重要だろう。なぜならば、経済学が想定する「合理的な経済人」や、ジョン・ロールズの「無知のヴェール」が根本的に無理な要請である可能性が示唆されるからだ。

とは言え、本書でそれが論じられているわけではなく、あくまで倉下の観点である。



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面白かった本について語るポッドキャスト、ブックカタリスト。 第8回の本日は、ヒューマンネットワーク、人付き合いの経済学について語ります。
よろしくお願いします。 よろしくお願いします。今回は倉下さんが本を紹介してくれるということで、
タイトル的にもいきなり疑問点がいっぱいあるんですが、ヒューマンネットワーク、人付き合いまではわかるんですが、そこに経済学っていう言葉が含まれている。
はい、そうですね。経済学の本家って言うと、僕もそのタイトルの経済学に惹かれて買ったところはあるんですが、先週に現代英語のもともとのタイトルっていうのが、
具体がHow your social position determines your power, beliefs, and behaviorsっていうので、あなたの社会的な立場があなたの力や振る舞いを決定してますっていうのはどういうメカニズムかっていうことを語る本ですね。
全く経済学ではなさそうですね。
もちろん経済の話も出てくるんですけど、もっと広いネットワーク論のほうが位置づけとしては適切かなと思います。
人同士のネットワーク論っていうことなんですかね、文脈としては。
一般的、現代的にネットワークって言うと、コンピューターネットワークとかね、電子機器の接続構成、ネットワーク接続不安定ですって言ったときにイメージされるネットワークが現代的な主流だと思うんですけど、
本書で取り上げてるのは人、あるいは人が属するもの、企業とか、そうしたものが構成するネットワークのことが中心ですね。
人間関係のつながりみたいな言い方で間違ってないですかね。
そうですね、だからさっき言った機械的なシリコン的なネットワークと、もう一個アリとかが社会を作るっていうネットワークがあって、人間のネットワークってその間ぐらいあって、面白いんですけど、
どちらかというと生物的な人間的なネットワーク論ですね。
ネットワーク論に加えて、そのようなネットワークが私たちの行動をどのように決定付けてるか、あるいは影響を与えるかっていう話で、その辺が若干経済学視点でもありますね。
確かにそこまで聞けばちょっと経済学っぽく、あとあれなんですね、著者が経済学の人なんですね、書いた人が。
スタンフォード流ネットワークの経済学って帯がついてて、多分スタンフォードの一般教養の授業なのかな、わからないですけど、それがベースになってるっぽいですね。
まんまあれですね、これもマイケル・サンデルさんつながりみたいな作り方というか。
そうなんですよ、これ早川処方なんですけど。早川処方なんですけど、その話でも思い出したんですが、前回2030年の手本をゴルゴさんが紹介してくれましたよね。
03:10
あれはニュースピックっていう新しい出版社なんですよね、レーベルというか。
ゴルゴさんの一つ前が正義の話をしようでしたね、これからの正義の話をしよう。
あれがまさにサンデルさんの本で、あれは早川処方なんですよね。
この配信を毎回ツイートしてるわけですよ、こういう新しい回が配信されましたって言って。
RTしてくれた人をたまに見に行くんですよね、誰がしてくれてるのかなって。
編集者さんがね、2030年の編集者さんがリツイートされてたんですよ。
ちょっと嬉しいなと思って、プロフィール見たら、これからの正義の話をしようも編集されてる人だったんですよ。
映ってるんですか、早川から。
はい、そういうことです。編集者って結構映るんですよ、出版社って。
だから、全然たまたまに同じ人を2回連続で紹介してて、すげーなこれと思って。
しかもあれですよね、本のスパンで言ったら10年越しのことですよね。
だから多分、なんでここで問い合いられてるんやろうって思ったんじゃないかと思うんですけど、
そういうたまたま出会いがあったんですか。
まだ早川っぽい講義を本にした。
でも別に講義長で掲げられてるわけじゃなくて、もちろん本としてちゃんと書き下ろされてる。
あのあれですね、余談なんですけど、その編集者の人のほうは追っかけたいですね。
どっちもきっと趣味が合うっていうので。
そうですね。ネットワーク論っていう話はだいぶ前から出てるんですよね。
人のネットワークに注目するっていう話は結構出てて。
おすすめできるように本を3つ挙げると、ソーシャル物理学っていう本があって、これは極めて面白い本。
名前の通り、結構インパクトある名前なんですけど、ソーシャル物理学。
ネットワークの中にいる人をどう動くかっていうのを俗人的な人に注目するんじゃなくて、
それを一つ一つを原始に見立てて、それがどのような力学で動くかっていうのを解析するっていうのがソーシャル物理学。
それよりも少し前にWebはグループで進化するっていう本がありまして、
インターネットの中にある人の繋がりっていうのが重要な力を持ってるんですよねっていう話で、
インフルエンサーって言われる人たちが今もいますけども、
あの人たちがすごいんじゃなくて、実はあの人たちが所属してるネットワークが実は力があると。
だからそのインフルエンサーの人を仮にネットワークから剥がしてしまうと、凡人になっちゃうわけですね。
その人がどれだけ優秀なのかは、その人がどんなネットワークに所属しているかによって優秀じゃないか、
そこに価値があるってことなんですね。
06:00
そうですね。だから例えば、僕がこのまますごい人気者になって本を紹介する人になったとすると、
僕はそのコミュニティに対して本を紹介する力はあるけど、
例えば僕が新しい専案の情報を知らせたとしても、そこのコミュニティには作用できないわけなんですよね。
めっちゃ当たり前なことですね。
だからその影響力って呼ばれるものっていうのは、ネットワークの形によって違うっていう、
こういうの人じゃなくて、ネットワークに注目しましょうって結構早い弾丸からこのウェブワークループで進化するっていうのは提案されて、
僕は結構好きな方ですね。
もう一個、経済は予想外の繋がりで動くっていう話がありまして、これもネットワークの話で、もっとより経済的な、
経済的なって普通の、経済に関する話にフォーカスされてる。
で、僕こういう本にネットワーク系の本をいつか読んでたんで、
ヒューマンネットワークって本が出た時にもちょっと注目しまして、
人付き合いの経済学っていう名前がフォーと思って読み始めたっていうのがきっかけなんですね。
そもそもというかなんですけれども、こういうのはある程度多くの人が研究しているジャンルだって言えるんですかね。
そうなると思います。近年ではかなりネットワーク、特にコンピューター上でネットワークが計算できるようになったのが多分でかいと思いますね。
そのネットワークというものがどういう働きをしているかとか、どういう特徴があるかとか、
そういう感じのことを研究するって言えばいいんですかね。
ネットワークの性質を研究するのがそのネットワーク論とか、
ネットワーク学までいくかどうかは知らないですけど、の中心的なテーマで、
本性が特徴的というか面白いっていうのが、人間のネットワークに注目しているっていう点と、
ネットワーク、今すでにそこにあるネットワークの特徴とか振る舞いを見据えつつも、
そうしたネットワークがいかに形成されるのかっていう点もちゃんと踏まえているところなんですね。
ネットワークが所有のものとして、すでにそこにあるものとして動作を分析することももちろん面白いし大切なんですけど、
そうしたネットワークは初めからあったわけじゃないんです。
だからゼロの段階からそのネットワークに至るまでにどういうプロセスがあって、
それがどういう影響を及ぼしているのかっていうところも踏まえているので、
この本は今までさっきあげた本よりもより視点のレンジが広いというか、
最終成果物のネットワークだけ見るんじゃなくて、
ネットワークが派生する過程もちゃんと見据えているという点で面白かったですね。
ちなみに今日めっちゃタイムリーな余談なんですけど、
Obsidianのグラフっていうネットワークの機能なんですけど、
あれのヒストリーが動画で再生されるっていう機能が付いたんですよ。
ヒストリーで再生される、だからパラパラ漫画風にということですか?
アニメーションとしてノートをどんどん追加していきますよね。
09:04
どんどんノートを追加していく過程で、
どのノートがどのノートとくっついていたかっていうのを
アニメーションしてくれる機能っていうのがちょうど今日出てて、
今日自分で3,4回ぐらい見てたんですけど、
まさに今聞いた繋がりだけなんだけど、
ネットワークがどういう風に作られていくのかみたいな動きが見えて、
ちょっと面白いな、ちょっと似てるなっていう感じで、
きっと共通点みたいなのはあるんですよね。
脳内の繋がりとか人間同士の繋がりとか。
まさにそれ、今聞くまでは思いつかなかったですけど、
オブシリアンに限らないんですが、
ああいう断片をグラフで表示してくれて、
ネットワークになるって、最初は楽しいんですけど、
おーおーってなるんですけど、
おーおー以上には進まないんですよね、基本的に。
いるかいらんかって言ったら、いらない。
でもさっき言われたようなネットワークの形状の変化として、
一つの時間軸に置けるんであれば、
たぶんね、それは面白いと思います。
新しいノードがいかに生まれるのかがわかるし、
いかに広がっていく。
だからこういう生まれ方をしたノードは、
後々発展しやすいけど、
こういう生まれ方をしたノードは発展しにくいねっていうのが、
解析できるようになるんで、
だから良いノートの作り方がたぶんそこから計算できるんじゃないですか。
たぶんね、やってることは、
後付けでファイルの作成日とかから、
順々に足しながらリアルタイムに計算しているんじゃないのかな、
っていうイメージ。
で、ファイル名を変えたりしたらどうなっているかとか、
ちょっとそのあたりは不明ではあるんですよね。
でもこれちゃんとできたら、
ちゃんと本当に追跡できたら面白いと思います。
例えば、スクラップボックスに例を挙げると、
単語を説明しただけのノートと、
あるいはタイトルが文章になっている、
ホゲホゲやホゲであるみたいな、
なってるノートがあるとして、
どちらがより後々成長しやすいのかっていうことがわかると、
適切なノートの取り方を論争できると思うんですよね。
そうっすね。それで言うと確かに、
スクラップボックスは良くも悪くも2次元というか、
平面一方向にしか並ばないから、
そのあたりはちょっと違うっすもんね。
できないことになるだろうな。
おそらくはね。
その辺、ビジュアル的な見方、
違うな、ビジュアル的な見方というよりは、
経年によるネットワーク構造の変化っていうのが可視化できたら、
今まで僕たちが持ってなかったデータになるでしょうね、きっと。
そうですね。
面白い以上のものがひょっとしたらあるかもしれない。
ありそう。
そこは面白いな。
その発想、どこから得たかは知らないですけど、
そういう機能は確かに面白いですね。
っていうのがちょうどめっちゃタイムリーだったっていう感じです。
本の内容なんですけど、
結構多岐に渡ってて、
12:00
難しくはないんですけど、
割と一個一個理解していかないと
ついていけない部分もあります。
トータルで330ページぐらいで、
商題からいきましょうか。
第一章が序論で、序論はいいとして、
第二章がパワーと影響力っていう章。
さっき商題からいこうか。
三章が拡大と感染。
四章が繋がりすぎて潰せない。
五章が同類性。
六章が非移動性と不平等。
七章が群衆は賢くもなり愚かにもなり。
八章が友達と身近なネットワークの構造。
九章がグローバリゼーションと変化するネットワークっていうことで、
話題はかなりタイトルから分かるので広いんですけど、
一個一個軽めに追いかけると、
第二章のパワーと影響力なんですけど、
さっき言ったようにネットワークと一口に言っても、
いろんなまず形があるんですよね。
構造があって。
例えば、そもそもネットワークって何かって話ですよね。
ネットワークって言葉と対比的に語られるのが、
ツリー構造ですね。
ネットワーク構造とツリー構造っていうのはよく対比的に語られるんですけど、
ツリー構造って言うとアウトライナーを思い浮かべてもらえばいいんですけど、
親の中に子があって、この中にまた子があってっていう構造で、
最終的に一つのノードは必ず一つの親の下にしか属さない。
おだしょー 掛け図になるんですよね、絶対。
三沢 そうですね。どこかに、一箇所に位置付けられる。
だから、自分から見たときに親が必ず配達的になる。
重複しないっていうのが一つのポイントなんですね、ツリー構造。
ネットワーク構造はツリー構造のような構造ではないっていうもので、
一つのノードが複数に接続していることがある。
もちろん、していなくてもいいんですけど、
接続し得るっていう構造がネットワーク構造で、
ネットワーク構造と似た言葉で、
リゾームっていう言葉とセミラティっていう言葉があるんですけど、
それは全部ツリーではないっていうふうに理解したいです。
一つの点が、一つ親、上と下っていうこと以外にも
つながりを持ちうる構造がネットワーク。
だいたい人間関係っていうのは、
ツリー構造にはなってなくて、ネットワーク構造になってます。
まさにあれですね、親子はツリー構造だけど、
友達とか知り合いとか、先生だったり、何だったりっていう
いろんなつながりがあるので、
ネットワークみたいなつながり方をするってことですよね。
寺田 そうですね。だからめちゃくちゃ厳しい家に住んでて、
家から出てはいけないと思う。
そこには親と子しかいないっていうことだったら、
その人はツリー構造のネットワークしか持ってないってことですね。
でも大抵の人間はもっと社会的に広がってるっていうか、
それが社会なんで、関係性は基本的にネットワーク構造だと。
15:03
そのネットワークもいろんな形があって、
存在しているノートがすべて接続しているような超密な関係もあれば、
お互いに一個としか接続せない。
例えば中心に一個だけあって、
そこに演習場に点があって、
お互いはそれぞれ接続してないけど、
中心とは接続しているっていうような素なネットワークもあるね。
まずネットワークっていうものにも多様な形があるっていうのと、
先ほど言ったように人が所属しているネットワークって、
ものすごく全体で大きいネットワークでも、
例えばブログ繋がりとか家族とか地域仲間みたいに、
個々のネットワークにもあって、
しかもそれぞれが例えば仕事仲間のネットワークと、
地域のネットワークは振る舞いというか性質が異なる。
だからネットワークの力とか、
ネットワークであの人がどんな力を持っているのかっていうことは、
実は一つの物差しだけでは測れないんですね。
おだしょー 会社ではバリバリ働けるお父さんが、
家に帰ると何も相手にされずに。
寺田 そうそう。だからどういうネットワークであって、
でもそういうお父さんも、
例えばキャンプに行ったらすごい活躍するとかってあるわけじゃないですか。
だからそのネットワークで何をするのかとか、
ネットワークでどう位置づけられるのかによって、
濃度の力とかも変わってくるんで、
だから観測する上で、
誰が一番のネットワーカーかとかはわからない。
まず特定する指標を決めないといけない。
一応本書では4パターンかな、
その測り方を想定されていまして、
一番わかりやすいのが、
次数中心性って言いにくいね。
次数は次の数ってことね。
次数中心性ってことで、
イメージさせるのは友達の多さですね。
Twitterで言うとフォロワーの多さ。
これは一番単純にわかりやすく、
次数が多い人はネットワーク上で力を持ってると言っていいと思うんですね。
ただそれだけで完璧かっていうと、
そうじゃないよっていうところでいくつかバリエーションがあるんだけど、
これまた難しくて固有ベクトル中心性っていう非常にわかりにくい名前があるんですが、
たくさんの友達を持っている人を友達に持っているっていうことね。
まんがとかでありそうですね。
ぼっちの人がめっちゃみんなから人気のやつに、
なぜかその人は仲良くしてくれてっていう。
それと同じなんで、
例えば僕Twitterで6000人ぐらいにフォローされてるんだよね。
例えば同じ6000人フォローされてる人と、
あるいは別に僕よりは遥かに多い1万人フォローされてる人、
この3人がいたとして、
単純に考えたら1万人の人が、
18:00
さっきの次数中心性でいうと1万人する人がパワーがあるんですけど、
例えば僕をフォローする6000人の中に、
10万人にフォローされてる人がいたとして、
さっきの1万人の人がみんな5人ぐらいしかフォローされてないとしたら、
こういうベクトル中心性でいうと、
僕の方が上になるんですね。
ネットワーク上の力が強いと言える。
なんかミュージシャンズミュージシャンみたいな感じで、
みんなからすごい人気があるミュージシャンっていうのと、
ミュージシャンからすごい人気があるミュージシャンみたいな人たちがいたりして、
ミュージシャンズミュージシャンみたいな、
いろんな人に知られているミュージシャンからフォローされている、
人というのはこういうベクトル中心性が高いっていうことですね。
それもだからそのによってネットワークに与える影響が違うっていうことが論じられるんですけど、
少し先を言っておくと、
たくさんの友達がいる友達を持つこと概念は、
再規制がありますよね。
つまりたくさんの友達がいる友達を持つ、
友達を持つみたいなことですよね。いくらでもノードを
ワンステップ、ツーステップ、スリーステップって
永遠に計算できるじゃないですか。
永遠に計算できるってことは終わらないってことなんですよね。
だからこういうベクトル中心性ってのはあくまで概念上の、理念上のものであって、
それを実際に測定しようと思ったら、
3ステップまでにしましょうって決める基地があるんですね。
ここが重要で、
そのステップの限界値をまず決めておく、
そのノードがどれぐらいAからB、情報が移るのかっていう
程度の強さを決めるんですよね。
例えば、ものすごく誰かに言いたいことと、
そうでもないかなっていうことがあるじゃないですか。話題によっても。
で、聞く方も、それならぜひ聞きたいとか、実行に移したいっていうものもあれば、
うーんで終わらすものもありますよね。
だからAさんとBさんが接続してるからといって、
情報がすぐに移るわけではないんですね。
移りやすいものと移りにくいものがあるんですね。
移りにくいものを最低0として、一番移るものを1としたときに、
その話題性ってのはどこかに位置づけられるわけですね。
で、先ほどの話に戻ると、
その情報が伝わりやすい強度を設定して、
範囲を決定すると。
これを一番小さいとこまで縮めると、
さっき言った実数中心性になるんですね。
ワンステップだけ。
で、それがある程度強い、つまり広範囲に広がって、
しかもその情報の広まりやすさが強い場合は、
こういうベクトル中心性のほうが、
よりその人の実態に近いようになるんですね。
実態に近い。この人はどのぐらいすごいか、
パラメーターみたいな感じ。
21:00
影響力を及ぼせるのか。
全く同じ人でも、その話題の強さとかによって、
与えられる影響が変わってくるんですね。
なしたさんがエバーノートの話をするときと、
ワークフローウィーの話をするときで、
影響力が違う。
で、例えばワンステップだけでいいっていうことは、
つまり僕が何かを伝えて、その伝えられた人が
別の人にも伝えたいっていう状況を
全く考えないってことじゃないですか。
ワンステップだけっていうことを考えなかったら、
さっき言った時数中心性、ただ単純に
友達が多い人のほうがすごいわけですよ。
パワーがあるわけですよ。
でも、2ステップ以上を考えたときには、
その時数中心性だけでは図り切れずに、
こういうベクトル中心性のほうを考えないといけない。
だから、この情報をどう広めたいかによって、
その人に注目するパラメーターが変わってくるって話だよね。
例えば、マーケティングをするときに、
誰に頼んだらいいかっていうときに、
これを基にして、ただ友達が多いやつなのか、
友達の友達がすげえやつが多いやつなのか。
そういうことなんですね。
を考えて選びましょう。
選んだほうが期待通りにいくっていう感じで、
どっかで出てきたけど、マイクロファイナンスっていう話が
どっかで出てきたと思うんですよね。
発展してない村とかで、ちょっとのお金があれば助かるのに、
っていう人たちにお金を貸すっていう仕組みなんですけど、
それを当然、その人たちは絶対閉鎖的な無理だっていうか、
村だけで人間関係が完結してて、
これまでは全然マイクロファイナンスってことやったことはないっていうとこに、
やってもらおうと思ったら、
村人全員集めて抗議するってことはできないわけで、
何人かの人にも選んで、皆さんに伝えてくださいって頼むっていうことを、
どっかの銀行がしたんですよね。
その時に、牧師さんは大体村の人と多く交流するだろう。
つまり自粛中心性が高いだろうっていうことで決め張ったんですよ。
その銀行は別に深く考えたわけじゃなくて、
ただ牧師さんやったらいいやろっていうだけのことを考えて、
たくさんの村でそれをやったと、
それが社会実験みたいな感じになったんですね。
だから基本的にどの村も村の中で閉じてて、
外部との交流が少ないから、非常にネットワークの動きが観測しやすかったと。
条件がほとんど一緒で、牧師さんに伝えているにもかかわらず、
ひどく広まったところとあんまり広まらなかったところがあったということで、
さっきのこういうベクトル十字枝がいかに大切かっていう話が出てきたんですね。
教会の例えで言うなら、よく教会に来る人がどれだけおしゃべり好きなおばちゃんかどうか。
そういうふうなことだと思います、おそらくは。
だからそこをちゃんと見据えないと、
ただフォロワー多い人にだけプロモーションを頼んだり、
24:00
みたいな考え方はできないし、あるいは社会的に意義のあることを伝えようとした時にも、
電波性の高さっていうのをちゃんと見据えないといけないという話です。
単純にこれだけで面白いんですけど。
やっと全体図が見えてきた感じがする。
そういう研究ってことなんですね。
そうですね。
人の振る舞いとか情報の動きっていうものがどのようなメカニズムになってて、
どこを変えたらどんなふうになるかっていうのが研究されるわけですね。
今までのそうですね。
確かに今までの、ただ計算が複雑すぎるから、
今まではそもそも式を立てる段階でも難しすぎたし。
村のような閉鎖的なものか、コンピューター上の仮想的なノードとその動きが計算できるようになって、
初めて科学の土壌に乗るようになったっていうのを。
今まではそうですね、確かに感覚でこいつ友達多そうだからこいつに頼めばいいだろうとか、
こいつは友達いないからないなって言ってたものが、
だいぶちゃんとデータとして、科学として、サイエンスとして成立してきている。
あとやっぱFacebookが大きいらしいですね、あれ。
あれもデータを売っている会社ですからね、そういう。
だからFacebook参加してて、結局あれに参加してる人ってめちゃくちゃでかいネットワーク、人のヒューマンネットワークに参加することになるんだよ。
参加した瞬間から、ボッチとかじゃなくて、ものすごいでかいノードの一端に参加するらしいんですけど、
でもその人が10万人とか20万人と直接友達になるかっていうと、まず何年使ってもならないらしいよね。
せいぜい100人か、多くて数百人と交流するくらいっていうことも、
イメージとしてそれはそうやろうと思うんですけど、データとしてちゃんと分かるようになってましたね。
あ、じゃああれですね、あなたこの人と友達じゃないですかっていうのは、
要するにそのネットワークを見た上で、この人はきっとここにつながるはずだっていう推測ができるから、
そういうものが同じ学校とかもう一段階深いようなレベルで、
なんでこいつこの人と友達って分かるんだっていうことが分かるようになってきてるんですね。
その個人情報を全く隠して、ネットワークの関係図だけを、
Facebook上のネットワークの関係図を見せただけで、
Aさんの結婚相手は誰かがある程度分かるらしいです。
分かりそう、今ならもう分かりそう。
だからこういう関係、結婚すると友達と友達を共有するようになってくるんで、
その友達同士のこことここがやけに密やなみたいなところを見たら大体分かるっていう感じで。
それはあれですね、まさにそのグラフの変化によって分かってくる。
そうそう、まさにそうです。グラフの変化によって。
普段全然その2人以外の接点がないクラスターが、
27:00
いつの間にかその2人によって結ばれて友達が増えていくようなことを観察できると、
その人たちは長い時間一緒にいるんだなってことが分かるみたいな、そういう話ですね。
もうあれですね、やっぱそのFacebookができることは、やっぱ俺たちが想像しているより相当すごそうですね。
個人情報を隠す必要、隠してももう隠せない。
でしょうね、きっと。そういうふうに影響力の、影響力って言ってもいろいろあるしっていう話で、
そのネットワーク構造において、さっき言った友達が多いのと、友達の友達が多いのって違うよねっていう話で、
そのネットワーク上の良いポジションについての考え方で、
メディチケっていう家があるんですよ。
中世の有名なやつですね。
そうですね、ヌネスサンスで、影響力がある仮名としては筆頭に挙げられると思うんですけど、
一時期、メディチケの一人が追放されたらしいですね。ある町から。
あいつは目障りだと思われたらしいんですよ。
で、それを心よく思わない人たちが一致団結して追い出したんですけど、
結局復活し始まって、しかも復活した後に支配的な立場に帰り座が張ったんですよね。
それがなぜだったろうかっていうのが、さっきのネットワークの良いポジションの話の枕になってるんですけど、
星型ネットワークの中心っていう言い方をしてるんですけど、
さっき言った真ん中に点があって周囲につながってるけど、
その周囲は真ん中としかつながってないっていうのがあるんですけど、
例えば、メディチケ以外にX系とY系があるとするじゃないですか。
メディチケはXとYは直接つながってないけど、それぞれがメディチとつながってると。
だから、XとYはメディチを通過することでつながれるっていうような関係を
めちゃくちゃたくさん持ってたらしいんですよ。
まさに中心なんだ。
だから彼、その真ん中がいなくなると、まず非常につながりが薄れてしまうし、
つながろうと思ったらめちゃくちゃバイパスを通って、
あそこ行って、あそこから入って、あの話を継いでもらってっていうのをしなければならなかったのに、
メディチがいることでワンパスで行けるわけですね。
そういうポジションってめちゃくちゃ強いっていう話なんですよ。
あれですよね。〇〇さん紹介してくださいよって頼まれる人っていう人ですよね。
そう、そういうことです。そういうことです。
そういうポジションにいると、やったら排除されにくい上に、
言ったらコントロールが効くんですよね。
XとYが直接交流しないで、自分のところを経由するんで、
言ったら調整できてしまうんですよね、その真ん中の人が。
一番力を持ち、お前紹介して欲しかったらちょっとこれ買ってくれよってことが言えたりだとか。
そこまでダイレクトに言わなくても、お互いにそういうふうに気を使うようになりますよね。
そういう関係を言ったら、いろんな家とそういう人に娘を送り出して結婚して、
30:02
婚姻関係と商業関係を上乗せすることで密な連携を作っていった。
その密な連携をお互いがきれいに結びつくんじゃなくて、
必ず自分を通るようにセッティングすると。
それができると、どんどんできると、自分がダイレクトに交渉するんじゃなくて、
あいつに頼めば話してくれるっていうふうになれば、
どんどんどんどんさっき言ったネットワークが増えていくと。
そういう高瞬間で、ネットワークの強さがより高まっていくっていう効果が生まれるっていうのを、
ゴッドファザー効果と本庁では呼んでるんですけど、
中心にいればいるほど、その中心性が高まっていくっていうネットワークの性質があるんですね。
だから、近似に拡大しないんですよ、ネットワークってそういう場合って。
お互いにそれぞれ離れてポコポコっと生まれて、それが一気に大きくなるとかじゃなくて、
その一個のハブって呼ばれるものに接続する形でネットワークが広がっていくんですよね、その場合は。
おだしょー イメージはそうじゃないかっていう感覚としてはそう思うかも。
おだしょー だからこう、近しいことで言うと、
デジタルノートで、他のノートへのリンクだけが貼ってるノート。
三沢 あー、MOCとかって言ってたりだとか、構造ノートって言ったりとか、それ系のやつ。
おだしょー あれがいわゆるノードになって、構造を作ってるわけですよね。
そのノートがなかったら、まずそもそも構造っていうのがなくなっちゃうわけで。
そういうふうにハブの存在が全体のネットワークを支えてるし、支えてるからこそどんどん強くなっていくっていう。
だから中間屋になったら強いですよねって言えるし、中間屋を排除するのはかなり難しいですよねっていう話でもある。
三沢 中間屋がいなくなると不便ですからね、確かにそれはノートの整理の話にしても。
おだしょー さっき、あいつにお願いしたらいいっていう話にまさに関連するんですけど、当然誰だって中心、仲良くなるんやったら中心にいる人と仲良くなりたいじゃないですか。
ストランプ王国、普通の話で。で、それよりはるかに重要なのは、その人が中心であることがいかに容易くわかってもらえるかっていうことを言ってるんですよね。
つまり誰も私が中心ですって生きてるわけじゃないですか、別に。
オブジディアンのようにグラフで表示されるわけでもないですよね、人間関係って別だ。
でも、その人が中心であることはわかるわけですよ。で、なぜわかるかっていうと、言及するからなんですね、それぞれの人が。
いちいち自分で言わなくてもいいんですよ。多くの人がその人のことを名前を挙げるという現象だけで、その人が中心であることがわかってしまうんですね。
このことがよりその中心性を高めていくんですよ。だから、単に中心であってパワーを持ってるってだけでは弱いんですけど、その人の知り合いがたくさんいることによってネットワークでその人のことを知る人の確率がものすごく上がるんですよ。
33:04
そのあれですよね、ラシタさんが中心にいるとして、クラシタさんのことを知らない友達と知ってる友達がいて、この人はクラシタさんに紹介してもらったって言って、この人に聞けばいろんな人を紹介してもらえるんだなっていうのが、自分を何もしなくても伝わるようになってくる。
たとえば単純に言うと、いろんなポッドキャスト番組があって、クラシタさんがね、クラシタさんがねって、数々の番組で言ってたら、ネットワーク図を見なくても、クラシタさんがあってわかるっていうことを、ここの告知効果というか、周知効果がより強いんですよね。
だから単に中心にいるだけでは、逆にその中心性を隠しておくことで、注目されないってことも逆にできるんですよね。中心的な力を持ってるけども、世間の人から全く知られてないっていうことも、一応作れると思うんですよね。
おだしょー 言ったらダメですってやつとかにしとくとかってことですよね。
おだしょー ネットワークはそういう性質を持っているっていう言い方ですかね。
おだしょー ネットワークは外部性を持つということが、ネットワークにとってとても大事なこと。
おだしょー 大事なこと。だからそれがなかったら、つながってるっていう言葉の意味がなくなるんですよね。これちょっと言い過ぎか、ちょっと難しいと。外部性があるからネットワークっていうものを分析する価値が出てくる。
つまり同じ部屋の中に人が5人いて、その5人がお互いに影響を全く与えないとしたら、5人がそこにいるだけですよね。そこにネットワークがあるって言えるのは、つまりそこに相互作用が何かしらあるからなんですね。
相互作用がいわゆる外部性ってここで呼ばれてる。その辺の1、2章までがネットワークとその構成する要素とネットワークの形による違いって話なんですけど、ここから拡散と感染の話に入って非常に現代的な話なんですけども、
これはね、僕はこの本を読むまで全く気づかなかったんですけど、インフルエンサーとかインフルエンスっていう言葉は現代ではごく普通に使われてて流行の言い換えみたいになってますけど、ネットワーク上を伝わるものによって感染の仕方が違うって、今当たり前のこと言ってるけど感染の仕方が違うんですよね。
例えば、HIVは基本的にその性交渉によって広がるじゃないですか。でもインフルエンザは近くに居ただけで広まりますよね。ということは、その人がすごいたくさん友達を持ってて世界中を動いてるけども誰とも性交渉しない人やったら、この人が持つHIVの感染率とインフルエンザの感染率は異なるんですよね。
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これ非常に当たり前なんですけど、僕そのことに全然気づいてなくて、その人が同じ生活をしているネットワークに属してても、それぞれのネットワークの中で伝わるインフルエンザウイルスなりHIVウイルスなりによって感染の影響って変わってくるんですね。
それはウイルスだけじゃなくて、情報っていうものに敷衍できるんですよ。
さっきの話ですよね。倉下さんがエヴァノートいいよって勧めるのと、ワークフロービいいよって勧めるのは伝わりやすさが全然違う。
あるいは、エヴァノートいいよっていうのと、結婚生活いいよっていうのと、日本人であることはいいよっていうのは伝わり方が全く違うってことね。
そういう、同じネットワークに属してても伝わり方が違うっていうのは、それぞれで発動しているネットワークが違うってことだよね。ここが非常に面白かったんですよね。
ネットワーク自体は一緒だけど、通過しやすさが違う?道の広さが違うみたいなイメージ?でもないか。物によって違うんですもんね。伝わる物によって。
人と人の関係可能性っていうのは常にあって、ネットワークなんですけど、誰とも成功しようじゃない人は、成功しようネットワークはゼロなわけじゃないですか。ネットワークの中でその特徴だけの部分を色付けするような感じ。
だから、クラシタさんのエヴァノートネットワークと夫婦生活ネットワークと日本人ネットワークは当然ながら全然違うと。
光る場所が、ネットワークが光る箇所が違うから、情報伝達の影響力っていうのも全く変わってくる。だからもうそのTwitterで6000人とかフォロワーっていうのは、実質ほとんど何の情報もないに等しいんですよね。
その人が何に関してどんな発言力を持ってるかは何も示してないんですよね。ただフォローされてるだけっていう。ただそれだけ。
おだしょー めっちゃ当たり前な話でね、誰にも受けなさそうな今まで何も関係ないことをツイートしても誰にも反応してもらえないぞっていう。まんまそれだってことですよね。
だから、こういうのは当たり前なことにね。だから影響力がある人って何事にも影響力があるように見えるんですけど、そうではないなと。
で、さっきの友達の友達の例から言うと、フォロワーが少ない人でも案外目に見えない影響力をある特定の分野だけは発揮するってことがあり得るんですよね。
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実際あると思う、それは。
そういうふうに結構見方が変わったというか、人が多重のネットワークの中にいるんだなっていうことを改めて確認した。
多重のネットワークにいて、それぞれのネットワークの振る舞いが違うってことか。それに結構関心しましたね。
見えないですもんね、日常で。最近そういうツールで一次元のネットワークというか平面上の一種類の線だけのネットワークなら見えるけど、そうじゃないものは見えないですからね。
特にここでいうネットワーク上で伝わるものは基本的に情報なんで。情報も難しくて、例えば僕がゴリフさんに何かを言ったとしても、それが受け取られたかどうかがまずわからないですね。
耳に入っただけかもしれないし。だから測定しにくいんですよね、結構。その結果、例えばゴリフさんが僕が勧めた本を買ったとかやったら、それが測定できますけど、
それ、コードに出てこないものの情報の技術って測定できないんで、だからわからないんですよね、基本的に。
どのぐらいの影響力を持っているかもわからない。
わからない。不思議な、実に不思議なもの。だからその辺が人間のネットワークの面白いところですね。話が金融市場に行っていいかな。金融市場、そうか、次の金融市場で。
金融市場も繋がりの代表例で、この場合のネットワークっていうのは、企業Aと企業Bが取引してたらそこに繋がりがあると言えますし、企業AがX銀行にお金を融資してもらったら、これまた繋がりがあると言えると思うんですよ。
さっき言ったインフルエンザの場合って、ウイルスがAさんからBさんに移るだけじゃないですか。経路をたどるのは一種類のことで、関係性ってウイルスの移動だけなんですけど、金融市場ってさっき言ったように、業務関係にある、資本関係にある、融資している、借金している、投資しているとか、めちゃめちゃいっぱいあるんですよね。
だから非常に金融ネットワークは、さっき以上に測定が難しいですよね。
うーん、その計算できなさそうなのはわかるかも。
A社とB社が契約しているっていうだけでは何もわからないですね。
基本的に。そこに濃度があったとしても、その契約のどれぐらい強いかとか弱いかとかまでは見えてこない。
例えばインフルエンザにかかりにくくする一番いい方法って、誰とも合わないことじゃないですか。原理的には。
だから感染症に対するリスクマネジメントって、繋がられて減らすことなんですね。基本的には。
でも投資の世界では逆の話で、カゴに卵を全部入れるなっていうのがよく言われるんですよね。
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リスク減ってしろって話で、年先を分散しろ。だからもうここで話がまず全く逆になるんですよね。
いろんなとこに散らばった方がいいのが金融リスクの現象で、なるべく分散しない方がいいのが感染リスクを下げるっていう。
伝わるものとかによってリスクの取り方も変わってくるっていうのがまず面白い話なんですけど、
ごく少数の企業としか契約してない状態、1社とか2社とか契約してる状態、卵を一つのカゴに乗せてる状態はあまりよろしくないと。
なので、だいたいそこから少しずつ取引先を増やしましょうっていう風に企業っていうのは成長していくんですね。
一番いい感じは数十社と契約してて、その中の1社が潰れようがなしようが自社の経営は安泰っていうのが一番低リスクな状態じゃないですか。
逆に高リスクの状態は3社としか契約してなくて、1社でも潰れたら自分も潰れるっていうのが一番リスクが高い状態ですね。
この本が言うには、一番リスクが高い、つながりが少ない状態から全然安定な状態に至る途中、特に序盤が一番危ない状況らしいんですよ。
つまり、ごく少数のところとだけ契約してるけども、少しだけ他ともつながりがあるみたいな状況が一番感染リスク、倒産リスクにあいやすいらしいんですよね。
感覚的にはそんな気はする。
でも基本的に増やしたい、どんどん増やしたいけども、増やすと少し手間がかかるじゃないですか、それぞれのことに。
例えば僕たちだって銀行を10も20も口座持たないじゃないですか、基本的には。
企業も結局そのめんどくさいっていうのはあるわけですね。ここにやるとそれぞれに経営が違ってっていう話が出てくるんで、なるべくなじみしたところにしたいと。
なじみしたところにすると便宜が測ってもらえるというか、お得遺産になるっていうのはいいことじゃないですか、基本的には。
だからどうしてもある程度限られたところと契約を結んで安定関係に入ってしまうんですけど、それが一番まずいと。
お得遺産になればなるほど、A社にとってはB社が潰れたら困るし、B社にとってはA社が潰れたら困るしっていう状況になってしまうんだよね。
これは2社が潰れたらそれでいいっていうか、それは良くないんですけど、2社が潰れたときに、その2社と契約しているC社も確実に悪いことになるんですよね。
連鎖倒産ですよね。
これがネットワークの外部性っていうやつなんですよ。
自分だけで自分、自分倒産しました、すみませんってそういうのやったら良くないけどいいんですけど、金融とか経済っていうのは確実につながっていて、外部性を持つから影響を外に与えてしまうんで、望ましいのはその影響を極めて少なくすることなんで、極めて少なくすることがさっき言ったように分散なんですけど、
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結局、なじみの企業とずっと契約する形態が楽やから、企業はそっちに動いてしまうんですよね。だから潰れたときにどうしても影響が出る状況が避けられないっていう話があって、なんかこれは非常に複雑やなと思ったんですよ。
リスクを分散したい気持ちと、でもおなじみの企業と取引したい気持ちはね、両方よく分かるんですよね。
この本では、どうしたらいいぞってことが書かれているわけではなくて、そうなるぐらいですか?書いてあるのは。
一応、政府としてはこの点を見て規制した方がいいかもしれないけど、結局その規制を見て企業の行動は変わってしまうから、永遠のいたじこっこになるだろうという若干悲観的な話はありましたね。
企業の行動とか経済って言ったら先に市場原理とか自由主義が支配下なので、政府が口出しするのはまず結構難しくて、みんなにマスクつけろとかは一応ギリ許容されてますけど、それ以上を超える金融とか自由市場に参加に政府がどこまで口出しできるかは難しいですけど、
安全性をいかに図るか。A社はものすごく特定の2、3社としか契約してないですよっていうことを安全度のパラメーターに考えることができるんじゃないかとは言ってましたね。
おだしょー うん、それは確かにそうですね。
トヨタにしたら100%依存企業が1個2個潰れようが別に関係ないじゃないですか。一番まずいのはトヨタほどでかくなってないそういう企業形態の場合は、参加の企業が1個潰れると上流にいる企業も潰れて、連載的に別の下請けもまるっと潰れるっていうようなのが一番危ない状況ってことね。
おだしょー そうですね。2時、3時ぐらい。2時ならまだ死なないのに3時、4時ぐらいの下請けが潰れるとすごいやばいかもしれない。
おだしょー だからネットワーク構造をいかに構築するかっていうのはもちろん個人の判断だけで決められるもんじゃないですけど、バランスが難しいんですよね。だって人間関係だってなじみの人とだけ暮らしているのが楽ですけど、
おだしょー じゃあ、それで自分の知見が広がるかっていうと広がらないで広めた方がいいのは確かなんですけど、まあめんどくさいっていうのもあるんで、人間心理的にわかるんですよね。
おだしょー 新しい人と知り合った方がいいのはわかるけどめんどくさいよねってすごいわかる。まんまそうだよね。
おだしょー だから企業にそうしろと命じてもたぶんそれは現実的ではないだろうなと思いますね。
おだしょー だからその辺がタイトル第4章つながりすぎて潰せないっていうのは、いわゆるサブプライムローンでいろんな企業が破綻したけど、めちゃめちゃでかいとこは融資が入って、
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おだしょー でもあの潰したらさっきの話で言うと確実に破綻することが見えてるんで。だから本来はもう少し、もう2、3社、たとえ国民の税金を使っても救済した方が全体的な被害の金額は抑えられたのではないかっていう観測はありましたね、本書で。
おだしょー そのあたりはまさに経済学ですね。ここに書いてある。 さらに言えばそうか、こういう関係性っていうのがもう経済学っていう感じもするかもしれないですね。
おだしょー 確かに。だからその、1社が潰れることの外部性っていうのをちょっと軽く見すぎてなんではないかっていうような話ね。この本書には常に外部性の話が出てくるんで、これは。
おだしょー そうか、でもそのサブプライムなんてまだ10年経ってないのに、そのレベルでやっぱまだ分かっていなかったことなんて無数にある。後になってから分かるなのか研修されて。
おだしょー あの投資が正しかったかどうかっていうのは後からしか分からないですからね、基本的には。
だからそこからいかに学ぶかっていうことですね。だからその時代の銀行はあまりにも密に繋がりすぎてたっぽいんですよね。
大手証券会社が2、3社しかなくて、みんなそこを通して、間接的であれそこを通して契約してたんで、そこを潰すと雲の糸が広がりすぎてるんですよ。
本当はもうちょっと分散的になった方がいいんですけど、結局分散的にはならないんですよね。携帯の会社と一緒ですよね。100個も200個はできないんですよ、基本的には。
おだしょー そうか、でもまんまあれですね。ワールドワイドウェブの考え方と本当に一緒なんだ。安全のためにはできるだけ密な繋がりを持てとその中心を作るんじゃなくて。
繋がりが切れた時にその繋がりの切断する影響が他にも及ばないっていうのが一番いいんで。だからやっぱりね、Googleを使わないとページにたどり着けないっていうのは非ウェブ的なんですよ。
おだしょー ワールドワイドウェブの本質からは外れてしまうんだ、それは。
おだしょー もちろんYahooもあれか、Googleのエンジン使ってるのか。
おだしょー 検索じゃないですからね。ネットサーフィンですよね、このたどり着き方っていうのは。
おだしょー 本来はそれで良かったはずなんですよ。誰かが自分の好きなページっていうのをそれぞれに保存しておくと。それをたどっていけば、いつかは何時かのステップでたどり着けるっていうのがウェブ的だと思うんですよ。
パケット通信ってそういうわけじゃないですか、基本的には。
おだしょー まあでもそれは不便すぎるからね、今それをやろうとしたら。
おだしょー だからトレードオフかな、だからGoogle一極じゃないほうが、まあ別に実際Google一極じゃないけど、Google一極じゃないほうがいい。
だからGoogle以外にもあるよねって、そういえばあったよねじゃなくて、もうちょっとちゃんとした知名度がある検索サイトが出てくると、
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逆にGoogleの検索も今後これまではまずいよと思ってもらえるようなライバルが出てくるのが望ましいですね、きっと。
おだしょー 今は実際一興になってしまって、出てきてるんだけどまだ脅かされてないから、きっとやっぱ停滞はしているはずですからね、競争してないから。
おだしょー だからGoogleの広告ビジネスを脅かすような何かが出てこない限りは、もう彼らは好き勝手やるでしょうから、きっと。
あまり望ましくない、ウェブ的やなという感じですね。4章は金融の話で、5章がちょっとだけセンシティブな話なんですけど、同類性っていう、
同じものが集まるっていうことね、同類性なんですけど、インドのカースト性の話が出てくるんですね。カースト性もね、あれめちゃくちゃ種類あるらしいんですよ。
僕この本で初めて知ったんですけど、僕らが知ってるのは4つぐらいの階層で、上の人たちが選んで下の人たちは、
おだしょー バイシャー、シュードラー、クシャトリアみたいな。
おだしょー 階層を超えた繋がりというか、婚姻とかは基本的にはないっていう。で、それ以上に住んでる場所もそのカーストの一つで固まるっていう。
こういう風な同類性があるっていう。で、この場所って、例えばカーストの場合ってはっきりしてるっていうか、社会的に当たり前のような空気があるかもしれないですけど、
一応、先進国というか、日本とかアメリカとかでは差別しないようにしましょうみたいな空気があるじゃないですか。
空気があるというか、そうあるべきなんですけどね。例えば、黒人、白人の人が黒人どこに住むとか、黒人の人が白人に住むとかっていうのは別に
法律で妨げられるわけでもないですし、個人の自由で選べるんですけど、普通にマッピングしたらきれいに分かれるらしいんですよね。きれいに。
で、住む場所を選択する人を一人のプレイヤーと見た時に、その人が周りは白人ばっかりじゃないと嫌っていうほどの極端な考え方を持っていなくても、
結局、引っ越しを繰り返すと、そのようにきれいに分かれるっていうのがゲーム的に説明されてたんですよね。
おだしょー それは、なぜなのかがちゃんと説明できるってことなんですか。
寺田 その人が、一応、システム論的に説明できるってことなんですけど、例えば、住所っていうのをマス名で考えるとするじゃないですか、マス名で。
で、真ん中に白い点を置いて、その白い人が何人か白人がいると、全体のうち半分かな、周りに8マスあるんで、8マスのうち4人ぐらい白人やったらいいなと。
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5人ぐらい、4人を切ったら引っ越ししようと。引っ越し先は、さっき言った4人以上になる場所にしようっていうルールを持って、それを何回か繰り返すと、結局きれいになるらしいんです。きれいに分かるらしいんですよ。
おだしょー それはなんか絶対そうなりそう、確かに。 寺田 これもだから、さっき言ったネットワークの形成っていう時系列で追ってるわけですね。ワンステップワンステップを。その中でそのちっちゃい変化の積み重ね、極端ではない、ちょっと好みの偏りが繰り返されることによって、きれいな分になってしまうっていう、そのネットワークの構造がそんな風にして生まれるっていうのが、一応実験モデル的に示されたんですけど。
それは格納実験モデルなんで、一人ずつインタビューしたわけではないんですけど、少し社会実験として、アメリカの連邦議会、日本で言うと国会か、一応お金を出して実験をしたらしいんですよね。
ちょっと貧困な層にある人に、家賃の補助をしますと。その際に、そのままの家でいいから家賃補助しますっていうのと、今住んでるとこよりは少し高価なとこに移動しなければ、移動したときには家賃補助をしますっていうような、そのパラメーターを設けて、その引っ越しを促したらしい。
高いとこに移動するっていうのは、引っ越しするっていうことなんで、場所を変えるってことなんですけど、結局それをやると、やっぱり移動先は自分の近しい人たちのとこには集まるらしいんですよね。これは。
まあでもそれは当然と言えば当然なのかもしれんけど、そういう引っ越しが数多く重なると、意図されてない住居地区の分断っていうのが生まれてしまう。
そうか、分断になってしまうもんな、言葉にすると確かに。
うん、だから別に本人たちは分断しようとも思ってないですよ。ただ個人にとって少しだけ快適な、仲間が3人いるよりは4人いるところがいいぐらいの気持ちで移動したとしても、結局それが、その人の移動が別の人の移動に関与するわけですね。
だからここにいた白い人が移動すると、ここにいた白い人にとっては仲間が1個減るわけじゃないですか。そうすると行き地が減ってしまって、じゃあ引っ越そうかってなってしまうっていうようなことが、だから一つの選択そのものが外部性を持つのがネットワークってことなんですね、これ。
だからああそうか、そういう極端な意見なんかなくても分断っていうのが生まれるんやなっていうのを、ネットワークのちょっとずつの変化、一定ずつの変化で見ていくとすごく納得しましたね。
そうか、これはこの話、この章はそういう問題提起までは言っていないのか、どういう性質があるかっていうだけなんですかね。
なぜそういう極端な分断が極端じゃない思想の人たちでも生まれてしまうのかみたいな話ですね。
どこに行ってもそうですからね、外国に行くと中国人外があって日本人外があってとかそういう。
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そうじゃないところが多分珍しいですよね、きっと。
うん、多分そうなる。
結局そういう個々の人の移動の繰り返しによってそういうのが自然に形成されて、自然に形成された後はさっき言ったゴッドファーザー効果でどうせ済むんやったらそこやろみたいになって。
うん、もう絶対そうなる。
そういうふうに強化されて。だから最初に結晶が生まれてその結晶がどんどん太っていくっていうようなことが極端な思想じゃなくても生まれるっていうのが、このネットワークの面白いところというか一つの特徴やなっていう感じですね。
うん、確かにね。人間の移動っていうのに関して言うとめっちゃリアルな、本当に自然にできたんだろうなって思えるですね、そこは。
そうして動詞姿勢が固まると、次の章の第6章の非移動性と不平等っていう話に繋がっていくんですけど、非移動性っていうのは、
Aの階層からBの階層へ移ることができない、移ろうとしないっていうようなニュアンスなんですけども、
アメリカという社会では当然日本よりも遥かに大学卒業して学位持ってる人の方が良い就職先につけるんですよね。
日本の場合って、大学院に出てるとたまに気持ち上がられるらしいんですけど、Googleとかに入ろうと思ったら、大学卒業ぐらいでは全然足りなくて、
という感じじゃないですか。だから、学位を取るためのインセンティブって日本よりはるかに高いはずなんですね。
でも、貧困の人たちやから学校に行けないと、お金がないから、だから貧困はそのまま留まってるんだっていう論調があるわけですよ。
でも調べてみると、それぞれの大学って実は貧困者の人たちの学費支援ってめちゃくちゃ充実してるらしいんですね。
だから成績さえ良ければ、本人のやる気があれば、その貧困層の人たちでも一応大学に通うことはできるにもかかわらず、
多くの場合そうなってないのはなぜかっていう話なんですけど、一番簡単に言うと知らないからなんですね。
情報の非対称性がある。
おだしょー なぜ情報の非対称性があるかっていうと、周りの人は誰も大学に行ってないからなんですね。
わかる気がするな。みんなが大学行ってたら当たり前に俺は行くって思うだろうし、逆もまたそうですよね。
おだしょー だから、Aさんが例えば大学に行きたいと思った時に、その人が貧困層である場合と、その人が裕福層である場合、親が大学経験者である場合とで、
全く行動が違ってくるっていうのがあって、それだったらこういうの調べたらいいよって言ってもらえるのと、
何も言ってもらえないと、場合によっては反対されることもあるらしいですね。
うん。大学なんて行っても何にもならんっていう。
おだしょー つまりその人が親が大学行くことに価値を見出してないから援助してもらえないっていうのと、
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貧困層だからって言うと親が収入証明出さなあかんらしいですけど、それが恥ずかしいから嫌とか、そういうのもあるらしいですよね。
だから、親が恥ずかしくても大学に行くことに、子供が行くことに価値を見出してたらさ、頑張ろうって感じですけど、
あんなとこ行ってどうなんねんやって思ってたら、それはもう行かないじゃないか。
だから、あるコミュニティの中にいると、そのコミュニティから抜けてるための情報が得られないんですよね、基本的に。
これはね、さっき言ったように、援助のお金を用意したらいいっていう話では解決しないんですよね、これ。
そういうものが、情報があって、しかもそれに価値があるっていうことまでを伝播しないといけない。
おだしょー めっちゃムズイって感じするけど。
これはね、制度を用意しました、だから頑張ってくださいっていうのではダメで、
情報の流通経路そのものを発揮しないといけないっていう話で、これは解消するのは相当難しいだろうなって思いましたね。
一個人が抜け出るなら不可能ではないと思うけど、社会としてそれをどうにかしようはちょっとありえない難しさな感じですよね。
おだしょー ネットワークの構造とそこの構造に自分が属していることっていうのが、とんでもなくその人の人生に影響を与えるって話で、
福田にあったHow Your Social Position、あなたの社会的なポジションが、あなたの力とか信念とか立ち振る舞いを決定づけるっていうのはそういうことなんですよね。
もちろん決定づけるっていうのは、絶対に変えられないっていうものではないにしろ、
私たちの前提となるような世界観は、私たちが属しているネットワークに強く、ひどく強く影響されてるんですよね。
おだしょー もうディターマインですからね、使ってる言葉が。
福田 そうそうそう。だからこれは大きい問題だなと思って。さっき言ったように、人は視点に自分の好みに合わせて分断を作り出して、
その分断の中では人が集まって、その分断から抜け出るための情報を得られないっていうのが、ワンセットになってるんですよ、これ。非常に強固な構造があるんですよ。
おだしょー 難しいってことですよね、そのネットワークを後からいじろうなんてのは。
福田 だから、そもそもが人為的に作られたものではない以上、いわゆるボトムアップでできたものである以上、
トップダウンで変えるのは原理的に無理というか、無理技を革命のようなことをしなきゃいけないのは多分無理じゃないですかね、きっと。
おだしょー 個人の話だったら、付き合う人を変えろみたいなのはすっげーよく言われてることで、まんまそれなんで、結構簡単とは言わないけど十分な解決案はあると思うんだけど。
福田 社会全体に一般論として敷衍した場合に、どうしたらいいのかまずわからないですね、基本的には。
おだしょー 何から始めたらいいのかがわかんないって感じですね。
おだしょー だからインターネットって人と出会うためのツールじゃないですか、これは素晴らしく。
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一方でそもそも他人、新しい人を知ることが面白いっていう価値観がなかったら、そもそも人を探そうとしないですよね。
ずっとLINEだけしてるのもインターネットじゃないですか。
福田 まあインターネットを使っていると言える。
おだしょー だからインターネットが素晴らしい開放の制度だとしても、それを使うための価値観がいるんですよね、まずもって。
福田 しかも価値観を勝手に決めていいのかって問題ですよね、今度はまた。
おだしょー そこはやっぱナッジの考え方が遠慮されるんでしょうけど、これはね難しいです、これは。
簡単ではない。だからこういう時に個人の努力不足とかを非難するんじゃなくて、やっぱり社会的な構造とかネットワークの中で決められてしまっているっていうことをちゃんと配慮する必要があって、
大学を行くことを賛成しない親も結局、もともとその人たちの親がそうやったわけで、その人の親に問題があるわけじゃないんですよね、基本的には。
福田 価値観だって言ったら、そういう社会によって形成されるもんですからね。
おだしょー だからこれは根深い。ネットワークを見るってことは、そういう風に問題を俗人的に捉えるんじゃなくて、社会構造の変化として捉える。
しかもさっき言ったように、それが変化していく。しかも大体は強化される方に変化されていくっていうところをちゃんと見据える必要があるよね、これは。
おだしょー じゃああれなんか、世界がより繋がるようになってしまっていったせいで、余計繋がりが、そういう同類が集まりやすくなってしまっているのか。
福田 特にインターネットで得られるネットワークって選べるじゃないですか、自分で。だからより強固になりますよね。
例えば、ツイッターに始めたら、5人全然知らない人をフォローしなければならないとかやったら、もうちょっと分散性は進むと思うんですけど、そんな風になってないですよね、基本的には。
個人の選択を許容しているとそうなるんですよ。だからそうなると、じゃあ管理社会がいいんかっていう、また中国的な話になってくるんですけど。
これ難しいですが。あと、7章8章、6章か。7、8、9とあるんですが、若干時間が多すぎたんで、軽くだけ言うと、
さっき言ったインターネットが繋がってドルヒーターと文教化が進むって話がまさにそれなんですけど、最後の9章で話されることって。だから、インターネットが開放をもたらすっていうのは一種の幻想なんですけど、
でも結局それってインターネットのせいじゃないんですよね。僕たちが偏りを好む傾向がインターネットによって強化されてるだけなんですよね。
だから変えていくとしたら、そのインターネットがもたらす別のランダム性をいかに生かすかっていうことだろうなと思ったら、ネットワーク構造に変化を与える変化っていうことができたらいいんでしょうけども、
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まあ難しいですけど、これはあんまりしゃべると長くなるんで、ここまでにしておきます。
ムズイっすね。分断をいかにこれから避けるという言い方はあれなのか、分断をなくしていくにはどうすればいいのか。
だから、もし極端な人、そこに住んでる人だけが極端な人ばかりだったとして、じゃあ極端なことをやめましょうっていうことに同意してもらえたら分断ってなくなると思うんですけど、そうじゃない。
しかも、意図的に分断しようと思って分断してるんじゃなくて、小さな積み重ねの結果として生まれてる分断なので、対処療法は多分できないんですよね。
つまり、一回その分断したものを強制的な力で混ぜたとしても、結局、引っ越しの繰り返しでまた分断すると思うんですよ、これは。力学が変わってなかったら。だからね、それはね、かなり難しい問題だと思います、これは。
おだしょー なんか10年100年レベルの問題では解決できなさそうですね。
だからもう人間から選択の自由を奪わない限りは、残り続けるでしょうね。
おだしょー 多分そう、遺伝子レベルで同類を好むなんていうのはもう遺伝子レベルの話ですもんね。
うん、間違いなく。分断が社会的不安を起こすにしても、もっとリベラルになりましょうよと、インテリになりましょうっていうことって、それもまた押し付けでしかないですからね、基本的には。
おだしょー まあリベラルなんてね、現代の価値観でしかないですからね。
分断の何が悪いんやって反論されたときに、その、え、いやっていう風になってしまうからこそ。
おだしょー 俺は答えらんないですね、分断何がダメって言われても確かに。
もう僕たちは自分と好きな人たちと集まって盛り上がってるからいいんじゃないですかって言われたときに、それ以上突っ込むと個人の権利の侵害からリベラル的になってしまうわけで、だからもうそれ以上は踏み込めない。
結局だから、アメリカ大統領が一時期彼になったのはそういうことなんでしょ。
おだしょー あの人が負けてから、むしろいろんなことを考えるようになって、なんだったんだろうっていうのは結構考えてて、まあやっぱ分断が気持ちいいからなのかな、みたいなことも思ったりとか。
そうですね、快適っていうか安心・安全を感じられるっていうのはあるんですよね。だから日本も村社会でアメリカは自由だみたいな話はありますけど、そんなに単純ではないんですよね、基本的には。
おだしょー アメリカの田舎の方がもっと村社会なイメージですからね。
確かに。だから昔は日本に比べると移民を受け入れたっていう社会があるから、日本よりは自由に見えますけど、結局その中で住んでる場所が分かれてて、やっぱり大学生の友達をマッピングしても、やっぱり人種できれいにネットワークが分かれるんですよ。
おだしょー 極少数の人が繋がってるけど、大抵自分の肌の色と同じ人が友達なんですよね。これはね、さっき言ったように人間の自然な生物学的にインポットされてるものに従うとそうなっちゃうんでしょうね、これは。
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まあそうですね、これから学べるのは意識してそれを個人レベルで言うんなら、そこからそれを避けるようにするということをするしかない。
そういうとこで、ある程度意識する人が出てきて、その人の子供とか周囲がそれを真似するようになって、いつの間にかものすごく広くなると、それに同調する人が増えていって、そのオセロを一個一個裏返していくような時間のかかる作業でしょうね、きっと。
おだしょー 本能では絶対できないですから、もう教育しかないですよね。 そう、本能では全くできないっていう、これは非常に重要な指摘だと思いますよ。だから、自己啓発とかあるじゃないですか、あなたの思うままに言いたいことがある。
おだしょー 心の声に従いましょうって。 あれはね、まずいと思うんですよ。だって絶対に分断するもん、そんな。
おだしょー まあ、心の声に従ったら絶対に分断するし差別すると思う。 だからね、ああいうのはダメ。でもそれを抗えるほどの啓蒙主義が力を持ってないということなんでしょうけど、あんぎにあっちに流れるのはまずいなと思いますね。
おだしょー そうか、自己啓発というものすらも考え直さないといけない。 と、僕は思いますよ。
おだしょー 少なくとも、心の声という言葉はやめといた方がいいだろうっていうのはすごい分かる気がする。
そんなところに置いておきます。
おだしょー では、感想や質問などはTwitterのハッシュタグ、カタカナでフック型リストをつけてつぶやいていただけるとありがたいです。それでは今回もお聞きいただきありがとうございました。
ありがとうございまーす。
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