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面白かった本について語るPodcastブックカタリスト。第23回の本日は『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』について語ります。

今回の本は、メモをまとめればまとめるほど、書かれている内容について考えさせられることが多く、心からもっと多くの人に知ってほしいと思った本でした。

人は、いかに人の話を聞かないのか。なぜ聞かないのか。話を聞いて意見を変えることが絶望的に難しいことがわかる本。もちろん、どうやって話を聞いてもらうか、という話はあるが、全体的に「そういうもんだ」ということを知る本でした。

英語タイトルは『The Influential Mind ~What the Brain Reveals About Our Power to Change Othes』というもので、あえてへたへた翻訳をするならば『影響力があるマインド私たちが他者を変えるパワーについて脳が明らかにしたこと~』というもの。

邦題の『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』というのは、どちらかというと「1章のタイトル」という印象です。

ごりゅご自身もよく家庭内で「人の話聞いてない」「人に言われても意見が変わらない」みたいなことをよく言われるんですが、ある意味「それが当たり前」なんだということもよくわかりました。自分ではそういうつもりがなくても、自分も本に書かれてるまんまの特性を持ってるってことでしょう。

本は全体で9章の構成。基本的に、1章1項目で以下の要素が「考えに影響を与える」という話がされます。(他人に2章使っているのと、最後の章は「未来」の話)

* 事前の信念

* 感情

* インセンティブ

* 主体性

* 好奇心

* 心の状態

* 他人

「なぜワクチンを打ちたくない人がこんなにもたくさんいるのか」という疑問から手に取った本でしたが、興味深いエピソード満載でした。

以下、強く書籍で印象に残った内容

* 情報が十分にある現代は以前よりも意見を変えることは難しい

* 間違いを証明するのではなく共通点に基づいて話をする

* 行動を起こさせるには飴、行動をやめさせるには鞭

* 人間は結果を早く知りたがるが、自分に不安な考えをもたらす情報は避けようとする

* ストレスの目的は「生存にリソース全振り」すること



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面白かった本について語るポッドキャスト、ブックカタリスト、第23回の本日は
事実はなぜ人の意見を変えられないのかについて語ります。
はい、よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
今回は、私、goryugoが読んだ本、「事実はなぜ人の意見を変えられないのか?」という本について語ろうと思います。
多分、これまでにも何度か話していたのではないかと思うのですが、
顔を知っている人というのが、コロナのワクチンを打ちたくないと言って、少なくとも現段階では多分打っていないと思われるのですが、
まさにこの本に書いてあるまんまと同じような意見を僕も思いまして、
俺の中で合理的に考えたら、どう考えても打たないということがあり得ないのに、打たないという選択をするのはなぜなのだろう、というのをめっちゃ思っていて、
ちょうどそのタイミングで、何かの表紙でこのタイトルを偶然見つけまして、
これは読まねばということで、前から知っていたんだったかな、その本のタイトルは。なんとなく気になっていて、ワクチンを打たないという話を聞いて、すごく気になって実際に読んでみたという感じですかね。
なるほど。ジャンルで言うと何系の本なんでしょうか。
この著者がですね、分野で言うと認知神経科学というジャンルのものらしく、
なんて言ったらいいんだろう、すごい大雑把に言えば多分心理学、脳心理学、そっち系のジャンルから脳みその仕組みを考えた上で、人はなぜそう考えるのかということを考えているような話で、
全般的になんでそうなるのかっていう理由みたいなのが、いわゆる進化心理学と言われる、人は原始時代とかこういう生活をしていて、こういうことをしてきた奴らが生き延びてきたはずだから、今でもそういう性質が残っているっていうような観点で、こんなような特徴があるみたいなことを話してくれていて、
個人的になんて言うんだろう、なんでみたいなのが全般的にすごく納得できるというか、確かにそう考えたらそうだなっていうのがいっぱいあるような話でしたね。
なるほど。
いきなりなんですが、やっぱりこれも日本用にタイトルがだいぶ改変というか、日本語向けに変換されております。
はい、現代はじゃあ。
現代はですね、the influential mind. What the brain reveals about our power to change others.
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ちょっと分かったけど。
超直訳すると、影響力があるマインド。脳が明らかにしたこと、それは何かというと、私たちの力が人を変えることについて。もうちょっと日本語にすると、私たちが他者を変えるパワーについて脳が明らかにしたこととかっていうんですかね。
なるほど。
だから、事実はなぜ人の意見を変えないのかは、具体的に言うと本の一部にそんなようなこと、主に第一章が事実ではなぜ人の意見が変わらないのかっていうことが書かれていて、全体で言うと人の意見はこういうものの影響を受けて考えが変わり得る。
もしくはこういうことを変えてやらないと人の意見は変わらないというふうに言えるのかな。
言ってみれば、まんまねこれもオープニングでトランプさんのインタビューというか演説みたいなのがあって、コロナワクチンではないんですけどワクチンの話が出てくるんですよね。
ちょっと日本語なので、日本語訳なんですけど、ちょっと一回これは引用して読んでみたいと思います。
トランプさんがワクチンを批判する文脈で言っていた話で、
私に言わせてもらえるなら、自閉症は今や流行病ですよ。すでに制御できなくなっている。小さな可愛らしい赤ん坊を連れてきて注射をする。子供用なんかじゃなくて、その注射器は馬に使うようなバカでかいものに見える。実例ならたくさんありますよ。
私どもの従業員の話ですが、つい先日2歳の子が、2歳半の可愛らしい子供がワクチンを受けに行った1週間後に高熱を出しました。その後、ひどく悪い病気になり、今では自閉症です。
このワクチン否定派の人々が、ワクチンを打つと自閉症になるという概念が、欧米の一部のところでは流行しているらしく、トランプさんは真剣にそういうふうに思っているので、こういうことを公の場で堂々と話してしまうわけなんですが。
この話をテレビで見た時に、諸者が思わず聞き入ってしまって、「あ、そうかも。」って思っちゃったらしいんですよね。
一応、諸者も自分でも言っているし、客観的にもバリバリの脳神経科学の専門家で、エビデンスも何もない感情に訴えかけてくる、科学的にはどう考えても正しくない話なんですけど。
それがわかっていたとしても聞いて、「え、そうかも。」ってちょっと思ってしまった。そこから、なんで人はそんなふうに思ってしまうんだろうっていうことを、いろいろ考えたり解き明かしたりしていこうっていう話で進んでいく感じですね。
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だから、人が何を信じるのか、何を自分の信念とするのかという認知のメカニズムが明らかになっていくような本って感じなんですかね。
そうですね。ちなみに、このトランプさんが言っているこの話について、諸者が言っている説明の仕方っていうのが、トランプさんの話っていうのは、知性以外のすべてに訴えかけてきた話だと。
簡単に言うと、要するに人間は知性以外のすべてに訴えかけてこられると、知性では勝てなくて確かにそうだって思ってしまう。
それがどういう部分なのかどうなのかっていうのは、これから本に順番に書いてあったっていう感じなんですけど、まずこの段階で、そうか、そういうことなんだなっていうことをすごく思い知らされた感じがして。
この場合の知性っていうのは、理性に置き換えても多分大丈夫な感じですかね。
そうですね。理性と言っていいし、理性なんじゃないんですかね。
ファスト&スローで言うとシステム2に近い感じ。
感覚で言うとシステム1に伝えようとしているっていうイメージなんじゃないかな。システム2ではなくて、システム2に訴えかけ、イメージで言うとシステム2では意見は変わらないなんですよね、この本の全体の意見としては。
だからシステム2を使わせずにシステム1で理解させようとしてくるというのかな、という感覚が一番近いような気がする。
了解です。
一応この著者なりの分析で言うと、人間の状況をコントロールしたいっていう欲求とコントロールを失うことへの不安というものを上手に利用して、知性以外の面に訴えかけることで相手に響くような話ができてしまう。
他人の失敗を例に感情を誘導し、脳の活動パターンを同期させ、忠告に従わないと悲惨な結末が待っていると信じ込ませようとした。
割と全体的に強い言い方をしていたりするんですが。
そうですね。
個人的には確かにその通りだなというか、だからあの人が選挙で勝ってしまうようなことが起こるんだなっていうか。
一流の科学者と言われるような人でもパッと聞いてしまって、ふんふんって気になって不安になって聞いてしまうレベルの、ちょっと生の演説を聞いていないし、多分英語で自分はそこまで理解できないんですけど、そういうレベルの上手に話しかけられてしまったらそこまで響いてしまうというのは結構やっぱ恐ろしいというか、知っていなかったら簡単に引っかかるなっていうのは思って。
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そもそもの話なんですけど、人間というものがどういうところから自分の意見とか考えに影響を受けるのかっていうのがこの本で言うと全9章まであるんですけれども、
8章が2つに分かれているので、7個かな、7個の要素から考えに影響を与えているというようなイメージで1章ずつ順番に紹介されています。1個ずつ全部言っても覚えられないと思うんですが、一応言っておくとですね、まず1個目がその事前の信念。
自分がそう信じていたら人に言われても全然聞かない。2番目が感情。怒っている時と悲しい時とで同じことを言われたとしても伝わり方が変わるし考え方が変わる。3つ目がインセンティブ。やる気になる何かがあるかどうかでやっぱり考えは簡単に変わってしまう。
行動と言えるのかな。4つ目が主体性。自分がやっている感がある。自分がコントロールできているかどうかというものにすごく大きな影響を受ける。5つ目が好奇心。知らないことは知りたがるという性質がわりとあって、知らないことは知りたがるくせに、ここは結構面白かったんですけど都合が悪いことは知らないままで言おうとする性質もある。
ちょっとアンビバレントとか逆説的という感じがするんですけど、例えばシリーズものとか作品でシリーズものとかあるじゃないですか。あれって同じ作品の同じ登場人物の別のストーリーが知りたいっていう感じで、
知的好奇心とか新しいものを見たいけど全然違う新しいものじゃなくて、既に知っているちょっと新しいものが欲しいっていう。人間ってそういう感じありますよね。
多分それにも近いところはありそうですね。完全に新しいものは好きになれないっていうのはよくありますよね。誰も知らない全く新しいものっていうのはその良さを理解できる人がほとんどないから売れないみたいなやつもありますよね。
だから陰謀論を信じてる人はその陰謀論の枠組みの中で新しい事実が発見されるのは好きやけど、陰謀論そのものをひっくり返すような新しい事実は目を向けないってことですね。
そうですね。そういうふうにも言えるかな。それはここに書いてあった話じゃないけど、そう思います。
6つ目、心の状態。これは感情と割と似ていて、どう区別するのか。個人的にはしっかり区別できるほどのものではなかったのかなっていう印象なんですけど。
12:05
最後が他人。人間がどれだけ他人から影響を受けるかっていうのは2章を使って話が説明されてますね。
事実はなぜ人の意見を変えられないのかにもある一番最初の1章の部分が割と納得できるというか、大きな前提になるような部分で。
まず人間ってそもそも経験からしか学ばないというか、自分が経験したことしか信じられないみたいなことをよく言われたり考えたりすると思うのですが、
これも原始時代の話の原則で言うと、経験で判断していることというのが大体は正しいことだったから、全員そういう性質を持っているというか、経験していないことというのは信用できない、信じられないみたいな性質がある。
今までは例えば黄色い象が空を飛んでいるとか、紫の魚が地面を歩いているとか、そんなことは絶対に起こらないわけで、そのレベルの特殊なことにさえ注意を向けていれば脳内のリソースは十分足りていたというか、それ以上に考えることに無駄遣いをする余力がなかったというのかな。
だから自分が経験していることは正しいと信じていて、そうじゃないことは起こり得ないものだという前提で脳みそはずっと作られていたっていうのがまず前提としてあって、その話をする時点で、要するに経験をしていないことを人に伝えようと思ってもやっぱり人はそれを話しても聞いてくれないというか、経験していないことは何を言っても聞いてもらえないみたいなものはやっぱりすごくあって。
それは話す人A、聞く人Bって言った時にBの人が経験していないことを仮にAの人が経験していたとしてもBの人にそれを伝えてもわからないってことですか。
そうですね。サンプルとして出てきたお話が、それと割と似たところなんですけど、アメリカっぽい話だったんですが、アメリカ人の夫とフランス人の妻というのがアメリカで結婚して暮らしていて、子供の育て方について意見が全く合わない。
お互いに自分の国の子育ての方法というのがお互いに素晴らしいと信じているから、どういう説明、どういう本人たちが可能な限り合理的に俺のこれが正しいんだっていう話をするんだけれども、全く歩み寄れる余地がない。いつまで経っても話は平行線のままで全然うまいこといかない。
言葉としてブーメラン効果っていう言葉も出てきたんですけど、自分の意見を否定される情報を与えられると、より堅くなりなって聞かなくなってしまう。
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ありますね、それ。
そうです。めっちゃありますねっていう話で、これしかも面白いのがブーメラン効果ってまんまブーメランって結構日本でもちょっと昔ですけど、ネットスラング的によく使われていた話で。
そうですね。
まんま同じだと思うんですけど、自分の言ってることを、違うな、相手を否定してしまうと、だから相手は全く強く勧められすぎたら聞かなくなってしまうとも言えるのかな。
うーん、なるほど。
この商品めっちゃいいから買ってください、買ってくださいって言われると、だんだんうさんくさくなってきて、鬱陶しくなってきて、もう買いたくなくなってしまうみたいな効果。
だから初めからちょっと買いたくない気持ちの人に買ってくださいって言っても、それがどんなに豊富な情報をされてても、むしろ、いやいいわって気持ちが強まってしまうっていう状況で。
なんかね、もうあまりにも身に染みてわかるというか、もう俺もそうだなってやっぱめっちゃ思うし、やっぱこれは多くの人間について普通によくあるというか当たり前にあるものだっていうものみたいで。
で、やっぱ同じ意見、人というのが自分の意見、人と同じ意見が出てきた場合には、うん確かに俺の言っていることは正しかったって思うんだけど、逆にお前の言っていることは違うよって言われても、その話というのはもう全く聞こうともしない。
うん、まあ確証バイアスと言われるやつの典型例ですよね、それは。
いろんな実験があって、例えば不動産の値段当てゲームみたいなやつで、この不動産っていくらだと思いますかっていう実験をしてみて、他の人はいくらだと思いますよみたいなことを賭けをするんだったかな。
この不動産いくらだと思いますか、あなたはどのくらい自信がありますか、いくら賭けられますかっていうので、周りの人が同じ答えだと賭け金をあげて、周りの人が違う答えでは何もしない。
なのでその結果として人と意見が違えば無視するし、合っていれば同じであれば自信を持つだけで、単純にやっぱり人に何言われても聞かないっぽいぞっていう前提があって、まず大前提が要するに絶望というか悲しいというか。
そうなんですけども、この本で意見って何か定義されてました?意見とは何かみたいな。
たぶんちゃんとは書かれて、少なくとも俺の記憶には残ってないですね。
意見はこれ信念と一緒なのかなと思って、その人が信じていることということと一緒、同じ意味で使われているのかなとちょっと思ったんですが。
ああそうか、そういう意味で言うとそうですね。日本語で読むとなかなかより難しいかもしれないんですけど。
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そもそも意見っていうものは合理性で作られるわけじゃないということですね。だから簡単に言えば。
当人の生きてきた世界の経験からそれをモデルにして作り上げられるある世界観というか価値観っていうのが多分意見の元というか、信念の発生源になっているので、
そこに何か合理的な説明とかを持ち出されても、その当人の経験外にあることなので演算されないというか、そこに加味されない状況がベースとしてあると。
でも当たり前ですよね。逆に考えると。
そうですね。この本で言うと、この手の本は最近のブックカタリストで俺が紹介している方全般に言えることなんですけど、
当たり前だったっていうことをちゃんと理由をつけて言語化してくれているというか、そういうことが多いですね。
だから人間、合理的な事実を集めて自分の意見を持つぞって言って生きてる人多分ほとんどいないと思うんですよね。
やっぱり自分の経験から世界を作ってしまうというのが前提としてあると。そこがこのいろいろな意見のすれ違いの元になっているっていうことが確認されるでしょうですね。
そうですね。それで言うとビスマルクの名言みたいなやつで、ドイツの有名な政治家ですね。
賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ。
人間は経験からしか基本的には学ばないっていうことを前提にしているから、この名言というのが今でも名言として語り継がれていて、
みんなのためのことを考えたりするような人はやっぱり経験から学んでいてはダメなんだよなというか、経験だけで意見を決めてしまってはいかんよなっていうことでもあると思うんですけど。
だって未曾有の経験に対処するには経験から想像しないとダメですよね。
そもそもこのコロナ時代をみんな、誰一人経験したことないから。
もうどうしたらいいかわからない。だから混乱してるんですよね。
だからこそ不安定な情報でも何か自分の価値観に沿っているものなら信じやすい状況がそこにはあるんでしょうけども。
それで言うと面白かったのが、現代は情報がいっぱいあるじゃないですか。
だからますます人の意見は変わらなくなってるらしいんですよ。
調べれば自分の都合のいい情報というのはいくらでも出てくる時代になってしまった。
僕それホラーやっぱり現象って呼んでるんですけど。
あーそうですね、まんまそれですね言葉としては。
とりあえず自分の真理に合うことをググったら絶対にミスがあるのでホラーやっぱりってなって、拡張バイアスが強まってしまうという。
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これもGoogleの罪と言ったら間違いというか良くないんだけど、
インターネットで何でも見つけられるようになってしまったことが、かえって分断を生んでしまうというか。
陰謀論が流行りやすい土壌ではあるでしょうね間違いなく。
そう多分昔はね陰謀論もやっぱ本屋で頑張って探さないとなかったんですけど。
本屋の片隅にこう悪そうな場所に置いてあったというイメージなんですけど。
なんかもうもはやyoutubeで2,3回見たら全部陰謀論になっちゃうじゃないですか。
そんな感じするね。
そこはやっぱ恐ろしいところで、だからこそこの本に書いてあるようなことを全部実践することはできないと思うんだけど知っておかないとやばいと思うんですよね。
人の意見が簡単には変わらないということはうまくコントロールすれば変わるということでもあると思うし、
これらの方法を使ってくれば簡単に騙されるとも言えると思うんですよね。
なのでこういうことで人は影響を受けるということはそういう意味でもやっぱ知っておくことは大事で。
さっきの1個目の事前の信念に加えて感情。
人間って感情は言わなくても伝わるぐらい感情というものは人が喋っている、多分言語というものに感情が乗ってるんですよね。
音の響きとか強弱とか。
声というものですね。
声ですね。ここはあくまでも俺の想像のレベルでの話で本に書いてあったことではないんですけども。
そういう情報がすでに言語の中に非言語の情報が多量に含まれていて、その非言語の情報というものはほとんどの人が多分言語よりも直感的にわかるし理解ができる。
それも多分原始的な能力というか、原始はまず言葉がなかったわけですからね、そもそもが。
言葉がない状況で意思疎通ができてたっていうことは、いわゆるノンバーバルなランゲージンっていう、声とか音とか表情ですね、これら動作とか見ぶりとかでその人の感情が伝わってありやりとたまってしまうというのはあるでしょう。
そう、だから空気を読むという用語があるんですけど、人間はきっともともと空気を読むことが一番長けていた動物で、空気を読めた人たちが現代に生き残っているのではないかというので、感情が素早く伝わるような仕組みができているので、
さっきのトランプさんの話にしても、要するに何を言っているかというか、感情たっぷりに感情がシンクするような話をされてしまうと、それがもう伝わってしまう。それは多分テキストではまだ現実難しい問題だとは思うので、音声以上のメディアの力だとは思うんですけれども。
24:01
写真とか動画とか、一番やっぱり強いのはリアルで対面ですけどもが一番感情。感情だから共感性能力を高めると言うでしょうね、きっと人間が持っている。
そうですね、人間は共感性を必ず持っているし、これは別の本なんですけど、共感を持って、他の動物は共感力みたいなのは基本的にないみたいですからね。共感というのが人間の能力、人間がここまで進化してきた能力というのが共感なので、その感情というものは伝わるようにできているし伝わってしまう。
おだしょー これ多分能力なので、つまり脳の力なので、多分感情能力が極大化しているときはその他の脳の能力って多分落ちるんですよ。だからシステム2が働かなくなるっていう、そういう構図だと思いますね。
おだしょー さらに言うと多分これはオフにできないんですよね、自分の中で。
相当訓練しないと無理じゃないですか、アメリカの兵士みたいな感じで。
おだしょー そうそう、薬物で止めるみたいなことができるかもしれないんだけど。逆に言うとテクニックとしてはやっぱり感情を込めて話せば伝わるっていうことでもあるんですよね。
感情が伝わるってことね、内容よりも。
おだしょー 感情が伝わる、そうですね。だから楽しそうに話せば相手も楽しい感情になるし、怖そうに話せば相手も怖い感情が伝わる。
で、トランプさんの話でまた出てくるんですが、やっぱりめっちゃ怖そうにワクチンというものがいかに怖いかというものをたっぷり感情を込めて話してしまうことで、多分あの人は信じていると思うので。
そのより伝わってしまう。
今ここで伝わるっていうのは、例えばAさんが恐怖を感じていることを理解されるんじゃなくて、そのAさんの怖さがBさんにも伝染してしまうということですよね。
おだしょー そうですね。これもその進化心理学的な話でへーって思ったんですけど、誰かが怖がっていたら一緒に怖がる理由っていうのが、誰かが怖がっているってことは恐怖を感じる対象が近くにいる可能性が高いからですよね。
ということはやっぱり当たり前だけど、その敵がどっかにいるんだから自分も怖がってなかったら生き延びられない。
楽しそうな人というのも同じで、楽しそうってことは多分何かいいもん見つけて、言うならばおいしいものを見つけたので嬉しそうになっている。
ということは楽しい気分になって、自分もそこにいようとした方が戦略として正しかったので、やっぱりそうしようとする。
そのあたりで、逆に言えばとは言わないのか、感情はちゃんと伝わるとも言えるんですよね。理論的な話は伝わらないんだけれども、感情は伝わってしまう。
おだしょー 感情だけが伝わってしまう。
おだしょー そう、だから言語にどこまで意味があるんだろうと思ってしまったりもするし。
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おだしょー だからやっぱりそれはシステム2が発動しているときだけは意味があるでしょうね、きっと。
人間がシステム2を発動するのは、多分我々が思っているよりも相当難しいってことだと思うんですよね。
おだしょー それはそうでしょうね、きっと。
おだしょー 俺も自分でそういうつもりでいるんですけど、多分全然そうじゃなくて。
自分の話なんですけど、例えばよく奥さんに全然人の話を聞いてないとか、言ったことを覚えてないとか、
なんかこれいいよってお勧めしても全く覚えてなくて、
自分の感情が、自分が興味を持って、あれこれ面白いじゃんっていうことを言うと、
それ前に言ったみたいなことを言われたりして、本当に覚えていないんですよね。
本当に覚えてない、もしくは言われたときに、そういえば確かにそういうふうに言っていたかもしれないけど、今の今まで覚えていなかったっていう認識があって、
相当俺ダメな人間なのかなと思っていたんだけど、必ずしもそうではなくて、結構みんなそうっぽいというようなこともちょっとわかったかな。
おだしょー 普通に生きているとそうなるんですよね。だから自分の本に引き付けいくと、
ノートを書くっていう文字情報に触れるっていうのが、いわゆる自分の心理とかあるいは周りの影響とかから一歩置くために、いわゆる書くしかないんですよね、本来。
それをしない限り、おそらくずっとシステム1の影響があり続けることになるでしょうね。
たぶん書くっていうのが一番システム2を使わせられるので、書こうということを忘れない程度の理性が残っていれば、書くことであらゆることを解決し得るなと。
自分の話で言えば、個人の話で言えばそれはあり得るんじゃないかなと思います。
逆に言うと、それぐらいやらないと、もう僕たちは感情まみれというか、共感性をビンビンにして生きているというか、そういう感じでしょうね、きっと。
だから人の話は聞かないくせに人に影響を受けまくるという、すごい矛盾した存在なんですよね、人類というものが。
そこから今度はちょっと話が変わって、インセンティブという話があって、これは結構面白かったんですけど。
とある病院というか、世の中は割と全体的にそうらしいんですけど、病院の職員が全然手を洗わないらしいんですよ。
手術が終わっても手を洗わない、手術前に手を洗うとか、病院という衛生意識があって人の命に関わるような、手を洗っていないことで本当に患者さんが感染して大変なことになるかもしれないという合理的な説明をしても全然改善されない。
どういう手段をやっても全然解決しなかったんだけど、一番うまくいったのが、手を洗ったら電光掲示板みたいなのがついていて、手を洗う人が増えれば増えるほどカウントアップされていく。
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見える化をして、見えたものがインセンティブ見た目として数字に出てくるようになって、ようやく人の行動というものは変わったという有名な話があるらしく。
言葉として概念として面白かったのが、無知では人の行動は変わらない。無知って脅す方、飴と無知の無知。だから、手を洗わないと患者が死ぬぞ、お前もクビになるぞは無知なんですよね。
その無知を与えようとしても、何か行動をさせようとする時には、餌が必要で、やめさせる時には、ビビらせて無知を持ってくるっていうのはすごく効果があるらしいんですよ。
これも人間というか生き物の性質みたいなもので、積極的に行動をして何かを得られるということに関してはプログラムされているんだけど、行動をしたら何かを得られなくする、何かをやめるみたいなことはやっぱりプログラムとしてうまくいかないみたいで。
これもまんまさっきのトランプさんの話が見事にそのことをちゃんと踏まえておりまして、ワクチンを打つと怖いことになるから打たない方がいい。だからビビらせてやめさせるんですよね。ワクチンを打たせるためには無知を与えるのではなくて、飴を与えてあげないといけない。
ワクチンをやめさせるにはワクチンを打ったらこんな怖いことがあるんだぞって言ってしまえばやめてしまうし、人がフリーズする行動をしないようにするっていうのもまんま原始時代の話でこれもまた出てきたところなんですけど。
怖い生き物に遭遇した時に、基本的に例えば森の中でライオンに出会った場合にダッシュして逃げるとか戦うっていう手段もあったんだけど、最後の最後の本当にやばい時っていうのは死んだフリという技がある。
死んだフリって腐肉を食うと腐ってて、自分がお腹を壊すかもしれないとか何かの勘違いでそういうことで食べられなくなるかもしれない。そういうことで生き延びた人類はきっといて、やばい状況という時に最終的にすげえ困ったらフリーズするっていうのも人間にプログラムされていると考えられているみたいなんですよね。
そのあたりの話を言われてみると確かにそうかもしれないなっていう感じがして、なので本当にやばくなってしまうと頭が真っ白になって何もできなくなるって、まんまそのことを表したことだと思うんですけど。
悪いことに遭遇した場合には何か足掻いて逃げようとする人ってあんまりいなくて、意外と何もしなくなってしまう人が多い。思考停止になる、欠乏状態になったとかも似たようなもんだと思うんですけど。
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そのあたりのことも知っておくと結構面白いというか便利になることが多いのではないのかなと。あとそれと似たような話でストレスの話みたいなのも出てきていて、人間はストレスがかかっている状態では、それは心の状態みたいなのに話しているところなんですけど、
ストレスがかかっている状態というのは、ネガティブな情報を取り入れる傾向が強くなる。これもある意味でストレス状態って、要するにストレスの目的というのが生存リソースに全振りすることがもともとのストレスの目的だった。
これも俺言われるまでなんとなくだけの理解だったのが結構へえって思えたんですけど、例えばさっき言った森でライオンに出会ったとき、なんとかして生き延びないといけないので、生きるためのあらゆる機能をほとんど捨てて逃げることのみに全力を尽くすんですよね。
だからストレスホルモンというものが分泌されることによって心拍数が増加したり息切れがしたりするんですけど、例えば免疫機能とか消化機能とか生殖のための機能だとか、怪我を治すとか回復するような能力というものはすべてオフになってしまう。
そういう場合にやっぱり情報を何か何らかの情報があった場合も、逃げるための情報をいかにして生き延びるかということにばっかりの自分の脳内リソースがストレスの欠乏に占拠されると言えばいいのかな。
だからストレス下にあると脳というか体が危険状態モードに入って、危険状態モードって明るい話題を探すというよりは自分の身に迫ってくる危ない情報を見つけることに注力されてしまうんで、ネガティブな情報ばっかりが目に入ってしまうと。
逆でまた楽しいことになれば都合がいい情報ばっかりを接種するようになってしまうらしいんですが、ストレスの話で面白いなというか、現代で言ったら圧倒的なバグじゃないですか、それって。
バグかどうか知らないけど不都合は起きるでしょうね。
そうそう、よくストレスが何で良くないのかみたいなことを散々、散々というかストレスによって人は具合が悪くなるみたいな話は散々聞いていたりとか、よく事例というものはどんな本というか何見てても出てきますよね。
ただそれが何でなんだろうっていうのはこの話を聞いて初めてすごく納得ができたというか理解ができたというか。
体のリソース配分が変わってしまうから良くないことになるっていうような構図。
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それはね、直接的にこの本と関係ある話とはちょっと言い難いかもしれないんですけど、考えたことがなかったというか知らなかったというか、そうか確かにそうすれば余計な機能を全部オフにしているから、体の調子それはずっとストレスかかってたら悪くなるよなって。
なりますね、確かに。
めっちゃ当たり前のことなんだけど、そのストレスが何で良くないのかっていう風に考えたことでいろんなことがすごく繋がった気がして。
なるほど、なるほど。
この一つだけでもなんかね、すげえ参考になったというか、これは役に立つとは違うかもしれないんだけどすごくいろんなことが納得できて理解ができて。
だからストレス下にあるとそのネガティブな情報ばっかりを自分が好むと好まざるに関わらず取り入れてしまうわけですよね。
そりゃあ心の具合も悪くなるよなって思うし。
それはなるね、確かに。
だから、いまだにメンタルのヘルスという奴は心が弱いからそうなるんだみたいな言い方をされたりもするかもしれないんだけど、全然そうじゃないんだろうなって。
過酷なストレス下にずっと置かれていたら脳のいろんな部分がおかしくなるということがすごく納得できた感じがして。
この本で書いてあったことは、要するにストレスがあると悪いことばっかりの情報を摂取してしまい、逆に楽しいことがあると自分の思い通りに進むと勘違いするみたいなことを言っているんですけど。
なるほど。
すごく面白かった事例として出てきたものなんですけど、世の中で株価が下がっている時って証券会社のサイトアクセスがめっちゃ減るらしいんですよ。
株価が上がっている時ってアクセス数がめっちゃ増えるらしいんですよね。
人が自分が持っている株が高くなっているってなると嬉しくなって、もっともっと上がると思って、その情報をやたらと見るようになる。
なるほど。
逆に株価が下がっている時は非常に都合が悪いことなので、放っておいたらやばいなってことをシステム2は理解しているんだけど、見なくていいなら見なくて済むようにしようと思って、悪い状況の時は知らないままで言おうとしてしまう。
なるほど。
この辺の都合が悪いことは知りたがるくせに、都合が悪いことになると知りたくならなくなるっていう話がすごく興味深くて。
都合が悪いことを知った時に発生する精神的ダメージっていうのが多分コスト計算されて、そんなことはしたくないよって言って行動されなくなる。
株式で一番よくあるのが仕様付けというやつ。買った株が上がらなくて、しかも上がらないのにずっと持ち続けていると。持ち続けていると下がり続ける上に持っている資金を別のところに投資できるチャンスも失ってしまうというので、だから仕様付けは避けましょうという格言が株式にはあるんですけど、そういう格言があるということは逆に言うと私たちは通常ではそれとは逆のことをしてしまうということで、
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アクセスの結果が急激に変わるというのは、もうデータとしてそれが出てますよね。
実際にデータとしてそういうデータが出ているらしいので、やっぱりみんなそうなんだよねっていうのはすごく興味深く、あとはフラジャイルっていう漫画で遺伝子検査の話が出てきたんですけど、そこでも出てきたし現実の話、この本の中でも事例として出てきたんですけど、
もしあなたが遺伝子検査で、例えば親から遺伝した悪いというか病気が発動し得る遺伝子というものの検査ができますけれども、あなたはどうしますかっていうと、親に異常があれば子がそれを引き継いでいる可能性も高いんですよね。
アンケートだけを取れば知りたいとか言うんだけど、実際にそうなった人たちはほとんどの人がそれの検査をしようとしないみたいなんですよ。
知らないで悪い知らせというものは、やっぱり基本的に知ってしまうと希望がなくなるからっていうこの本の書き方ではしてあったんだけど、悪い知らせを知ってしまうと一縷の望みが断たれてしまうんですよね。
俺はその遺伝子、親からその病気になりやすい遺伝子を遺伝していなかったというものがわからないというか知らないままでも済んでしまうので、そういうことはやっぱり限界まで知らないままでいようとする。
だからその事実、この事実って難しいけど、自分がその事実を知らない限りその事実は非確定的というか、どちらでもあり得る状態っていうのがずっとキープされるんですけど、それを知ってしまうと直にそれが事実として固定されてしまうので、その固定感を避けたいというか、常にずっと流動的でありたいっていう気持ちがある。そういう希望に人はすがるというのはあるでしょうね。
でも最後の最後にもうどう頑張っても無理で俺は病気確定ってなってしまうと、今度はそこでやっぱり考えを変えるみたいで、そのあたりの知りたがるくせに知ろうとしなくて、でもやっぱり最後の最後にどうしても無理だって確定してしまったらやはり知りたがるというか、最後の最後になれば行動は変わるんですけど、
やっぱり人に話を聞いてもらうためにも、そこを乗り越えないといけないというか、相手は都合悪いことは聞いてくれないという前提があるんですよね。
42:06
自分でもそうですからね。都合悪いことを積極的に聞きに行こうというマインドセットは人間には多分ないでしょうから。
そうそうそう。でも言ったら大事なことじゃないですか、友達が。お前それやめとけ、本当にやめとけっていうのは、しかも他人の場合が正しいと思うんですよね。
でもやっぱり人の話を聞かなくて、そのためには相手に希望を見出せることを話してあげないといけないというか、否定しても全く聞いてくれないんですよね、基本的にすべて。
聞いてくれない。自分が仮に言われた立場としても、それちゃんと検査しないといけないぞ、お前ダメだぞとか言われたら、それはちょっと反感を覚えますよね。
その遺伝子の話だけでもなく、何かにつけてでも言えるんですけど、ワクチンを打たせるという話にしても、最初に出てきた夫婦間でフランスで子供を育てるべきなのか、アメリカで子供を育てるべきなのかみたいなのも全部に言えることなんですけど、
結局、普通のことなんだけど、否定されてもやめとけみたいなネガティブなことを言っても全然聞いてくれなくて、相手に希望を持たせて、相手との共通点を見出してその話を進めましょうっていうのが一番大事だっていうところで。
例えばワクチンの話で、この本に書いてあった事例で言うと、ワクチンは副作用があるないとか、みんな遺伝子が変わるのが怖いとか言うから、そんなことはないよって言っても話は聞いてくれないわけなんですよね。
打っても怖くないよではなくて、ワクチンを打つことであなたの命を救う可能性が高まり、それによってあなたの家族が感染して子供がすごく辛い思いをするかもしれない、それをあなたがワクチンを打つことで防げるんだからワクチンを打ちましょうという相手に希望を見出せて、共通点に基づいて話をしようとしないといけない。
あと、多分そこにインセンティブがいるでしょうねきっと。
そうですね、さらに言えばそれによって、まんまねこれも字につながる話というか、この辺に書いてあること、そこにインセンティブをちょっと与えてやれば、やりたくないと思っていたことも一気にやれるかもしれない。
あとは要素で言うと、さっきの主体性みたいなことで言うと、やっぱりそれを人に強要されてはそれをやろうとは思わないはずなので、あとは自ら選んだというようなことが思えること、その辺りのことが大事なのではないのかなという感じですかね。
あと、他人っていうのも2章分ぐらい割かれて、すごく長い話が書いてあったんですけど、これも面白かったのが、とあるアメリカ、違うな1907年のイギリスで、牛の重さをみんなで当ててみようクイズみたいなことをしたらしいんですよ。
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800人ぐらいで牛の大きさを測ろうとして、みんなから意見を集めて、800人分の意見を合わせたら、誤差が1%の誤差で正確な牛の大きさというものを、牛の重さを測ることができた。
人って結構みんなからの意見を集めれば意外と正確なことが言えるんだけど、これにはすごく重要な条件があって、各人の思考というのが完全に独立していないといけない。
隣にちょっと小さい牛を1匹置いておくと、一気にその答えって全然ダメになっちゃうらしいんですよね。とか、相談をしてしまって、お前何キロぐらいだと思うって言ってしまうと、もうその数字というものが一気にずれてしまう。
書いてあったのが、それを一人で何かやる方法ないだろうかということがあったりして、一人でも何回か判断を繰り返すことで時間を置いて、感覚を置いて、平均をとってみれば、複数人ほどの効果はないんだけど、ただ自分一人でうんうんうなって考え続けたよりは、より正確な判断、適正な判断というものもできるようになるらしく。
そういうことも覚えておいた方がいいよというのと、もともと他人で書かれていたことっていうのは、もともとだいたい人から影響を受けまくってしまう。一人一人で独立して考えれば結構正確なことなのに、他人と話し合いをしてしまうと簡単にその脳が影響を受けて正確な判断ができなくなってしまうというか。
これでもさっきの牛の体重当てクイズは、よく集合値の文脈で紹介される話なんですね。集合値の重要なのは独立性に加えて、参加者の多様性の高さがポイントで、いろんな人がいろんな方向で少しずつずれた推理をするから、それを合算したときにアベレージがまっすぐになるっていう感じなんですけど、
他人に影響されると偏りが均一の方向を向いてしまうので、結局ずれたままになっちゃうんですよね。だから、みんながそれぞれちょっとずつ間違ってる。違った方向で間違ってるからいいんですよね。
だから揃ってしまうとダメっていうのがあって、人間が揃えてしまう、共感して揃えてしまうっていうのがあるから、独立的に考えることが望ましい。これは結局、自分でノートを取って何回も分けて考えるっていうのも同じ文脈ですし、完全に独立で考えるって結構難しいと思うんですよ。
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特にニュース社会とかで、人の意見って必ず目にしてしまうんで。だから、何かしら自分の最初に思いつく直感的な答えに全振りするんじゃなくて、やっぱり時間を置いて考える手段っていうのを自分の生活の中に入れていかないと、酒がたく他人の決定に影響されるようになるでしょうね、きっと。
これもね、ある意味で、ネット社会の怖さというか弊害というものを見事に言っている話だなと思って。だから書いてあるものを見るだけで、そんなわけないと思ってもちょっとそうだとは思っちゃうんですよね。これがある意味、一番最初の人の話を聞かないとは矛盾しているとも言えてしまうんだけど。
たぶんやけど、自分の中に確固たる信念があるときとないときで多分対応が違うかな、きっと。確固たる信念があるときはその信念を適切に形成するように得り分けるし、確固たる信念がないときは強く自分の考えを引きつける。だから体重当てクイズって正解がないわけじゃないですか。
全然、しかもそれ合ってるって思う人はある意味異常ですよね。
水量でしかないから誰かが言った数字に引きずられてしまう。アンカリング効果とか言われるやつ。それが起こりやすいんでしょうね、きっと。だから体重が何キロかっていうのは信念じゃないじゃないですか。その人が世界をどう捉えてるとかは関係がないので引きずられやすいんでしょうね、きっと。
そうか、そういうのはあるかもしれないですね。これを見て思ったのがAmazonレビューで最初にホチリチがついてしまうと本が売れなくなる。実際の事例というかサンプルとしてそういうようなネットレビューが偏りやすくなってしまうというか、最初にそれを見てしまうとみんなそうだと思ってそこに振りやすくなってしまうということでもあるし、
実際に自分もどんな無視しようと思ってもネガティブなことを書いてあったら気にしちゃうんですよね、確かに。
あれだからね、星がついてない本と星1個がついてる、星がゼロの全く何もない評価が誰もしてない本と同じような本で星1個だけがついてる本だったら明らかにそっちの方がバイアス的に悪そうに思えるんですよね。
そういう一人の物書きとしてレビューの評価を受けてる人間としてそういうことは思わないでおこうと思ってても、やっぱりファーストインプレッションでは先に星がついてない本をチェックするんですよね。面白いことに。
あれはね、全員がバイアスなしで全員の感想がちゃんと書いてあればきっといいんだろうけど、特にこの本には書かれてなかったと思うんですけど、やっぱり怒りの方が言いたくなってしまうんですよね。
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ウェブは気に食わないことがあるとついそこに意見を発信してしまう。レビューという仕組みがそれを許容するというか、そうある前提になってしまっているというのは結構大きな悩みというか、現代の問題点というか。
特にですけど、洗濯機ならまだいいんですよ。機能が悪いとかはかなり客観的に言えますけど、本が面白いかどうかって評価って人によるじゃないですか。ある人にとって星1の本がある人にとって星5っていうことは全然あるじゃないですか。でもある人にとっての星1の洗濯機は他の人にとっても2とか3くらいだと思うんですよね。
よっぽど怒らない限りは。現代ではその可能性が高い。だからその定量的に言えるものと言えないものがAmazonでは同じ評価軸に乗ってるんですよ。ここが一番問題ですね。
Amazonの問題点は最初は本を売るお店だったんですからね。ここは。
でもなぜかあまり本に良くない方式になっているという。
そうっていうのとか、あとこれに書いてあった現代社会とのつながりで言うと、感情が伝わるっていう話。怒っていたら怒っていると感じるしっていうのが、これもSNSで見てるだけで伝わるらしいんですよ。
SNSで要するにそのタイムラインを政治への怒りで埋め尽くしてしまったら、もう絶対自分は影響を受けてしまうし、逆のことを言えばだし、陰謀論の人ばっかりをフォローしてしまえば、どんどんどんどんるつぼにはまっていってしまう。
これは陰謀論だけじゃなくて、結局共感性っていつでも働くんで。僕思うんですけど、やっぱりさっき言ったように共感って脳の力が発揮されてるんで、脳のエネルギーが使われてるんで、ネガティブなことでもそうですし、プラスのことでもいいんですけど、それが働くたびに疲れるんですよ。
おだしょー 疲れるか。
おだしょー 認知資源が浪費されてるという言い方をしてもいいんですけど、だからタイムライン追いかけてるとどんどん脳が疲れてきて、そうなるとシステム2が発揮されなくなってきて、どんどん考えが一方方向に行ってしまうという、そういうタイムラインが出来上がるんですよ。だからあれフォローする人はね、実はかなり厳選しないとまずいですね。
おだしょー 厳選がそれって正しいんですかね、その場合で言うと。
おだしょー 2割ぐらいにして、怒ってる人は0.5割ぐらいにしてみたいな感じのそのタイムラインポートフォリオっていうのを考えないと。ただただ自分の感情と認知資源、感情というか共感資源と認知資源が浪費されていっても、なんかただひどく疲れるだけのタイムラインが出来上がりかねないです、あれは。
54:19
おだしょー とかね、何度意識してもね、自分が偏った情報、偏った場所しか見えていないということを忘れてしまうというか。ちょうどね、先日、一昨日、妹が子供に見守りタグ的なものを持たせたいと思っているみたいな話をしていて、エアタグでいいじゃんっていう話をしたんですよね。
アップルが出している4000円ぐらいの、本来は持ち物に使うやつなんですけど、知らなかったんですよね、妹は。別に、ただその自分と自分が見ている世界の人たちでエアタグを知らない人というのは存在していなくて。
そんなことは当たり前なことは、もちろん頭ではわかっているんだけれども、そのね、やっぱ言われて気づいたというか、あ、そうか、これを常識だと思ってしまっている無意識の自分はやっぱりいるなって思って。
それだけ偏った世界に住んでしまっているというか、どう頑張っても世界は偏った場所にしかいられないとも言えるかもしれないし。
だから、世界そのものは仮に滑らかで開かれていても、人間の認知が、認識できる量とか分量とかが偏りがあるわけで。
だから、自分の生き方をいろんな人種が交わった企業の中に置いて、さまざまな業種の人たちと付き合いましょうっていう人生設計はできないわけですから。
偏っているのだという自覚から始めないとダメでしょうね。
そう、で、わかっていても一瞬で忘れるなっていうこともやっぱり思い知るし。
で、久しぶりにそういう体験をして、あ、そうか、iPhoneの発売日にそのiPhoneが今日出るって知っている人は当然ごく一部なわけで。
そうですね。
でも、そんなことはやっぱり世の中、なんて言うんだろう、世の中では何も常識じゃないんですよね。
そうですね。
で、自分が同じような話で、例えばアンドロイドのことは全然追っかけていなくて、ピクセルの新しいのが出たっていうのは知っているんだけど、それ以上のことは何も知らないんですよね。
で、そういういわゆるデジタルガジェットが好きな人たちの間ですら、それだけ情報と興味に誤差があって。
でもそのことに簡単に忘れてしまうというか。
たぶん脳の標準的な機能が、さっき言ったように自分の経験から世界観を構築するというのが、たぶんデフォルトのモードなので、普通に忘れるでしょうね。
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そうそう、そのための対策として、やっぱり学ぶことと書くことなのかなっていうのが、やっぱり結論は同じようなものになってしまうんですけど。
そうでしょうね。だから書くことを学ぶというか、知識を開いていくというか、たぶん対話することだけはさっき言ったゴルゴさんも話すことでわかったわけじゃないですか。自分の常識の偏り具合に誰かと。
だから価値観の違う人たちとの対話の場を常に持っていく。で、本を読むっていうことも基本的にその一環なんですね。だから、自分好みの本ばっかり読んでるのって結局閉じてるのと変わらないんで、実際は。
そうそう、そこがね、例えば本にしても難しいなと思うのが、言ってみたらブックカタリストでおすすめする本は全部おすすめですってお互い思っているわけじゃないですか。
もちろん。
とはいえ、これしか読まなかったらダメだと言えるわけですよね。
もちろんそうですよ。
じゃあ、他の本をどうやって見つけようか問題みたいなのも出てくるし。
これはでも一つテーマですよね。打ち合わせキャストのテーマになるぐらいのテーマですよ。
どうやって本を見つけてくるか問題っていうのは確かに大きな問題ですね、これは。
一応ちょうどいい解決案を今リアルタイムで思いついたんですけど、だからブックカタリストで読書会をやろうって言ってるんですね。
そうですね、そういうのもありますし、本屋とか図書館。
普段自分が行く購買スポットとは別の場所に行くとか、そういう日常にアレンジを加えていくとか、そういうことをしないとだいたい自分好みの本ばっかり読むことになりますね。
だからそうか、知らない本屋巡り、知らない土地に行くことを知らない土地で本屋。ネットだけではやっぱり都合のいいものしか見えなくなってしまいますからね。
だからメタファーで言えば旅に出るってことですね。自分の知的な旅に出るっていう、自分のテレトリーから出ることを意識的にしない限り、人間、重力のように人間の価値観というのは固まる方向に、これがデフォルトに向いてるんで。
ジャンプ、空中に維持していくためには常に浮遊力を持っていかないといけないってことですね。
それを保つことがやっぱりいかに難しいかというのが、でも分かることは学べば学ぶほどそういうことは分かるようにはなってきたと思うんですよね。
こう読むことで調子に乗らなくなるというだけでも、確かにいろんなことを学ぶことに価値はあるのかなっていうのは思って。
面白かった内容というか、役に立つなっていうのをもう一回まとめると、間違いを証明するんじゃなくて、相手とは共通点に基づいて話をしましょう。
これね、さっきの話、割り込みますけど、そこがめちゃくちゃ話の重要で、例えばさっきの妹さんのAirTag話って、え、AirTag知らんのお前とかって言い出したらこれダメなわけですよね。
いやー、そんなん絶対聞かなくなりますよね。
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そういうのをやろうと思ってるには、じゃあこれとか知ってるみたいな感じで、共感で乗っていかないとこれはね、どんな話も、どんないい話も通じなくなってしまうんで、大切なことですね。
そう、そのブーメラン効果ですよね。馬鹿にされたと感じてしまったら、どれだけ良くても効かない。
っていうのと、あと面白かったなっていうのが、行動を起こさせるには飴を与えて、行動を止めさせるには無知を与える。
これは何か人に何か話をする時にも結構ヒントになるなというのを持って、そうか、だから止め、悪いことと、寒いから、風邪をひくからコートを着ましょうって言うんじゃなくて、コートを着るとあったかくって元気になれるから着ましょうとか、
勉強しないとお前、ろくな大学行けないよはダメなんですよね。
まあダメでしょうね。
頑張って勉強をすると幸せな生活が待っているよっていう言い方をしないといけない。
結構やっぱり不要意に言葉を間違えるというか、つい言ってしまうことを、そのちょっとした言い回しだけでも相手に伝わる印象というのはすごく変わるはずで、これは学んでおいて損はないかなと。
これも誰もが多分言っているわりと常識的なことだと思うので、やっぱ書いてこうした方が良かったなとか、自分が失敗したことを書くとか、うまくいったことを書くとか、そういうことも含めてやれればだいぶ、何て言うんだろう、いい感じに相手の意見を変えられるような人になれるのではないかと。
そうですね。ちなみに超名調、超名調、古典的な、人を動かすっていう自己啓発書があるんですけど、ほぼ同じことが書いてます。
言ったら、何て言うんだろう、本から学んだのはだいたい同じことなんじゃないですかね、俺。書き方というか事例が違うとか。
違うだけで。人を動かそうと思ったら、その根本的な部分って昔から何にも変わってないってことですね。
そうですね。それを一応、この本で言うなら脳神経科学の観点で説明しただけで、書いてあることは一生。
それは人間原理っていうのが変わってない以上、人間に有効に機能する原理も変わるわけがないんで、だからそれは非常に全うですね。
この辺りがもうだいぶ、一時に比べて変わらないであろうという見込みはだいぶ立ってきているイメージですからね。
まだまだ変わり得ることはいっぱいあるんだろうけれども、ある程度確立してきたので、ちょっと古くなっているぐらいのことを知っておくのがきっと変化にも対応できるだろうし。
確かに。
ちょうどいいのかもしれないですね。逆に言えば、古典に書いてあったってことは信用できるってことでもありますからね。
いまだに売れ続けますし、僕が読んでも納得ですね。
相手の尊厳を傷つけるようなことを言ったら、相手の協力は得られないって当たり前のことが書いてあるんですけど。
でもね、結局やってしまうんですよね。
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自分が正しいことを知っていると思っているときに、相手に対して間違っているって言いたくなっちゃうのが常としてあるんで。
だから心がけとして知っておくのは重要なことですね。
山本イソロクさんの名言でやってみせ、言って聞かせてとかっていう正確なのを思い出せないんですけど。
ああいう名言というか指針とかいうのが逆にあるということは日常的にはできないということなんで、意識的に自分の行動をそっち側に寄せていく必要がありますね。
あとはこの本を読んでいた感想として、同時期に知っているつもりを読んでいたりもしたんですけど、
すごくつながって考えると面白いみたいな話が、全部この本つながるやんぐらいに似たようなこととかがあった気がして、
近いうちにクラシタさんが知っているつもりを紹介してくれるのも楽しみにしております。
はい、了解でございます。
はい、というところですかね。
はい、では感想や質問などがあれば、ハッシュタグ、カタカナでブックカタリストをつけてツイッターでつぶやいていただけるとゴリゴとラシタが確認して紹介します。
この収録の後には本編では語れなかったアフタートークを収録しています。
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それでは今回もお聞きいただきありがとうございました。
ありがとうございます。
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