倉下忠憲
goryugo
スピーカー 3
goryugo
面白かった本について語るポッドキャスト、ブックカタリスト、第67回の本日は、逆境に負けない学校DX物語について語ります。
スピーカー 3
はい、よろしくお願いします。
倉下忠憲
よろしくお願いします。
goryugo
何度メーカーぶりかのゲストの方に登場していただいて、著者が自ら、著者の本の宣伝をするシリーズです。
今回は、よくゴリゴキャストとかには何度か登場していただいていたり、倉下さんの打ち合わせキャストなんかにも何回か登場していただいている
宇和住純先生が書かれた本をご紹介いただこうと思っています。
宇和住先生、簡単に自己紹介など良いでしょうか。
倉下忠憲
愛知県の田舎の県立高校で情報の教員をやっています。宇和住純と申します。
多分、iPad絡みで後藤春名さんとよく喋っているような、そんな思い出がいくつかあったりします。よろしくお願いします。
スピーカー 3
はい、よろしくお願いします。
goryugo
今回の本は、逆境に負けない学校DX物語。
DX慣れしていない倉下さんがよくデラックス、デラックスって間違えて読んでいた印象があるDXですが、我々ニュースとかを見ないから音でなかなか認識できないんですよね。
スピーカー 3
そうですね。しかもなんかDXってXよりかはCだと思うわけよね。
いや、俺も思います。思うけど違うって言われるから。
簡単に初始情報を、出版元が学次出版で、初版の日付がいつなんかな。6月21日か。一応出版自体はされてますけど、初版日が6月21日と。
大墨先生の名義では2冊目になるのかな。
倉下忠憲
ノートプラン3とかのKindle本とかを除けば、紙の本では2冊目ですね。
スピーカー 3
2冊目か。ということで、タイトルが全てを語ってるような気もするんですが、どんな本かを簡単にご紹介いただければと思うんですけども。
倉下忠憲
本の冒頭にも書かせていただいたんですけど、今、小学校、中学校、高校がいろんなことがガラッと変わりつつあるよっていうのがまず大前提にあって。
文部科学省だけじゃないんですけど、政府全体でディガスクール構想っていうのをやっていこうっていうのをずっと計画していたみたいで。
それが本当は、令和6年度ぐらいまでになんとなく始められたらいいよね、ぐらいなスパンでやってたんですけど。
令和元年度、2年度、2020年ぐらいに新型コロナウイルスの感染が拡大したっていうところに伴って、
もっと早くやるなっていうところで急いで導入したっていうところがあって。
ちょっと準備をしていきましょうかっていうところから、大体あの頃は小学校でプログラミング教育を始めましょうとか、
英語の学習が小学校の高学年から始まりますよぐらいな感じに徐々にやっていったものを一気にドーン、タブレットドーンっていう風にやっていったので、
現場がドヤッと大混乱した中で、そういうのはちゃんとこれからはうまく使っていこうよっていう学校と、
何これっていう、そこで思考を停止しちゃった学校とでものすごく別れちゃって。
僕が勤務していた勤務校は、今でもそこに勤務してるんですけど、同校舎の方で、
タブレット、いやいやダメでしょ。スマホ、いやいやダメでしょっていう、そういうような学校だったんですけど、
倉下忠憲
でも僕としてはそれがちょっと嫌で許せなくて。
で、いかにその学校でDXだとかタブレットの配備について進めていったかっていうのの思い出話を語ったような本になってます。
スピーカー 3
なるほど。で、一冊目の本は教師のiPad仕事図ということで、教師の仕事において、
特にその教師個人の作業において、iPadとかそれに関連するITツールをどう使っていけばいいのかっていうことが、
ノウハウ本として語られたと思うんですけど、結構二冊目ごろっと趣旨が変わったというか、
別の路線とまで言いませんけど、一冊目の本が売ると二冊目もそれの路線でっていうような感じになりやすいかなと思うんですけど、
この企画自体はどこから生まれたんですかね。どこ主体というか、著者主体なのか出版社オファーなのか。
倉下忠憲
それで言うと、だったかな、iPad本が出てから1年ぐらい経った後に、その学時出版の社長さんからも直々に、
僕は聞きづらいですけど、声があって、そろそろ二冊目いいよねみたいな感じの声があったにはあったんですけど、
その頃まだギガスクール構想の対応に精一杯だったのと、その時にだいたいObsidianとかノートプラン3とかスクラップボックスとか、
そういうノートがリンクでつながる系のものに僕も結構ハマりだした時期で、
その頃に今ハマっているものはギガスクール構想系の話か、それかそういうノート系のデジタルノートの話ですよっていうふうには言ってて、
でもそれでその時は、先ほどにもちらっと話に出た情報ステリ対戦の方をなんとか書かなきゃなと思っていたので、
ちょっと一旦保留にさせてくださいっていう風になってました。
それからまた2,3年経って、もうそろそろいいでしょっていう風に言われて、
じゃあ今書けるのはObsidianの本、いやでもそれももうちょっとまだ煮詰まっていなくてっていうところもあって、
じゃあDXでっていうことになって、で本当はこのDXで内容の話にもかかっていくんですけど、
主に学校の先生の仕事の形態をDXしていこうっていうそういう話になったんですけど、
本当はその後に授業をどうやってDXしていったらいいか編も本当はあったんですけど、
もうあまりにもこの苦労した話が長すぎてそれが全部カットになっちゃって、
じゃあもうiPad本が全部で160ページで今回が176ページで、
もうなんか思い出話とかいろいろ苦労話とかもうためになるかなと思って僕は全部ゴリゴリ書いていったんですけど、
そしたらページ数がふえにふえて、結果的に値段も上がっちゃったんですけど、
後、後ろの方って他の本の宣伝とかも入るんですけど全部それもカットして、
もうとにかくいろいろ書けることを書こうっていう風になって、でこんな本になっちゃいました。
あと僕あの見出しとか台詞とかそういうのを作るのがものすごく苦手で、
こういうテーマで書いてくださいっていう風に言われて、
ブワーッと書いたものをもう編集者さんに全部マークダウンのファイルを投げて、
で見出しを作ってもらったらこうなりましたっていう。
そんな感じでこの本が出来上がっていきましたね。
スピーカー 3
その企画を煮詰めているときそのオボシリアンオワコこのタイプってなってたときに、
大住先生の中でこの本をどうしても書きたいみたいな熱量というか欲望と欲求みたいなのはあったんですかね。
倉下忠憲
それで言うと本当はあのもっとキラキラした内容になるはずでした。
予定では。
DXでこういう最先端のことをやっていますっていう、
よく言われがちなのがいろんな物知りな大住先生だから最先端のことをたくさんやってますよねみたいな、
そういう感じだったんですけど、
それで僕も上げていったんですよ。
Teams使ってるなとかフォームでなんかいろいろやったなとかっていうのをやったら、
それ以外の文章ばっかりフリーライティングしてたらどんどんどんどん出来上がっちゃって、
これこれどんどん膨らませていくのかなって。
僕フリーライティングに従う派なので、
出てきたものをどんどん書いて肉付けしてそしたらまたそれに不全した発想が起こってってやると、
気が付いたらこうなっちゃいましたね。
でそれを編集者さんに投げたらこれみたいな感じになっちゃって、
でもそれをこううまーくうまーく整理したら、
なんかすごく投げる本になったからっていう風にしてだんだんこんな感じになっていったっていう内容で、
最初はもっとキラキラしました。
スピーカー 3
なんかそうやろうな、さすがになんかこのテーマでいきましょうという感じでは、
なんか企画は通らなそうだなとちょっとずっと読みながら思ってたんですけど、
やっぱそういううよくせつがあったわけですね。
倉下忠憲
ありました。で吐き出したものを整理してもらったら本当たまたまこうなったっていう、
もっとカットすることがもっともっとあったんですけど、
でももうなんかこうなっちゃったからには全部入れたいですっていう風に言って無理やり入れてもらったものですね。
スピーカー 3
やっぱこう編集者さんはちょっともっとキラキラするように直しましょうみたいなことはなかったんですかね。
倉下忠憲
あの例えばなんですけど、こうやったらうまくいくよっていうのがあの終わりの方にあるんですけど、
あまり悪く言うつもりはないんですけど、
倉下忠憲
うまくいくための十箇条っていうのを作りましょうみたいな方にやっぱり本としては持っていきたかったらしいんですよ。
スピーカー 3
でしょうね。
倉下忠憲
そうなんですけど、そんな十箇条なんかねえだろっていう風に僕は思ってて、
それぞれに苦労があり、それぞれに気をつけなくちゃいけないことが別々であったり、
まとめるものは無理だなと思ったので、
じゃあもう物語ごとにどんどんどんどん書いていこうと思って、
物語の部分を主に書いたのは去年の夏休みぐらいで、
それこそデイリーノートをずっと見ながら、
こんなことあったなと思ってそれを物語として起こしたっていう風にして書いていきました。
スピーカー 3
だから実践しているときに、本用に取材メモとかがあったわけじゃなくて、
ある種自分の作業記録を参考にしながら、
自分のやってきたことを振り返りながら書き起こしたみたいな書き方ですか。
倉下忠憲
そんなイメージですね。
あとTeamsを、この本にも出てくるメンバーの方との共通の情報を共有するチームがあって、
もう今配置されちゃったんですけど、Teamsの中にWikiの機能があったんですよ。
もう今OneNoteに吸収されちゃったのでもうないんですけど、
自分たちがどういうところでどういう苦労をしたかっていうWikiが、
最後のあと書きに出てくるような先生方と共有しているチームの中にあって、
そこにあることないことずっと書いていったんですよね。
いい材料があると思って、その先生方にも許可を取って、
じゃあこれ世に出したいですっていう風に言って、
それでもううまくエピソードごとにまとまってたので、
それを見ながら自分の、さっきのレイリノートの作業記録も見ながら、
エピソードごとにまとめていったって形です。
スピーカー 3
なるほど。これ読みながら本の感想なんですけど、
心が病むようなことはなかったんですかね。
倉下忠憲
それは毎日転職したいって言ってましたよ。
ですよね。その時はもう。
スピーカー 3
だからその最後まで続けられたってとこは僕はすごいなと思いますけども。
goryugo
ちょっと簡単に全体の話を紹介すると、
前作の仕事がサクサク進む教師のiPad仕事術というのは、
ものすごい大雑把なことを言うと、さっき小泉先生がしゃべってた、
キラキラした話だったんですよね、割と。
教師としてこういうツールを使うと、こんな素敵なことが待っていますっていう感じの話だったんですが、
今回の話はすごく大雑把にまとめると、
教師としてこんなに大変で全く周りが話を聞いてくれませんでしたっていう話が、
どうにか何とか2、3歩進みましたっていう感じの物語になっていて、
おそらく読んでいる限り大変な苦労があったんだろうなっていうのは、
推測できるやつなんですよね。
倉下忠憲
iPad本、ちょっと思い出話になるんですけど、
iPad本を書いていたのが2019年で、
iPad本が世に出たのが2020年の5月あたりでして、
倉下忠憲
本が出てから、まず管理職の先生方が読む週刊教育資料っていうのがあるんですけど、
それの本について語るっていうコーナーに寄稿させていただいたりとか、
あとそれから取材に来てもらったりだとか、
あと株式会社PFU絡みですね。
それで取材があったりとかで、
結構管理職の先生に許可を取らなくちゃいけないような事案っていうのが増えたんですよ。
その取材とかが増えるたんびに、
例えば僕の名前で検索をすると出てくるような記事がどんどん増えていきます。
本来だったら、僕の立場で言うとそこにも学校名が出るので、
学校の名前で検索してもいろんな事例が出ると僕は思ってるので、
これはいろんな人にも学校を見ていただく貴重な機会なので、
学校のためだというふうにも思ってたんですよ。
ただその時の、あんまり言いたくないですけど、管理職の先生は、
あなた個人で出るんだから、学校のためにはならないから、
あんまり勝手なことしないでっていう立場でして、
僕がネットで目立ってば目立つほど悔いとして出ちゃうので、
それは困りますよというスタンスにどんどんどんどんなっていきました。
スピーカー 3
なりそうですよね。
倉下忠憲
ものすごくなりました。
取材増えるのになんでこんな仕打ちよみたいなものはよくよくありましたね。
スピーカー 3
でもその段階からコミュニケーションエラーが起きてたような感じがありますよね。
goryugo
それってやっぱ出る悔いは打たれるという論理がまさに働いているっていうことなんですかね。
倉下忠憲
高校はそんなに強くないと僕は思ってたんですけど、
iPad本だけだったらまだ良かったんですよ。
一人で何かやってる。
goryugo
本が出ただけだったらまだ。
倉下忠憲
周りを巻き込んでいってどんどん変化するってなると、
発力が生まれるんですよね。
goryugo
俺までやらんといかんのかってなってしまうのか。
俺にいらん仕事が増えるんじゃないか。
倉下忠憲
なので勝手なことをやるんじゃないぞっていう圧がものすごく強かったですね。
goryugo
勝手なことをやるんじゃないぞね。
その教頭先生とか校長先生が何か分からんけど取材話聞かれても何て言ったらいいか分からんわみたいな感じになるのかなやっぱ。
倉下忠憲
会食の先生方に対してのインタビューはなかったんですけど。
goryugo
でもメディアが来れば多分学校として一応対応するだろうからね。
倉下忠憲
あとはこいつはあれなんですけど、メディアの種類にもよりましたね。
雑誌だとよく分からんといって。
例えばなんですけど、
1個取材の成功例で言うと、
おにぎりアクションっていうのがあって、
企業が協賛をして、
おにぎりアクションっていうハッシュタグでツイッターとかインスタグラムで、
おにぎりの形をしたものを投稿すると、
それを拾った企業の方がおにぎり1個分の募金を海外のところにやるみたいな、
そういうチャレンジ企画みたいなものがあって、
このあとがきにも出てくるとある家庭科の先生が、
これ面白そうだから調理実習でやってみたいっていう風に言ってらして、
で、それの写真僕撮りますよ、一眼カメラあるんでっていう風に言って、
結構生徒がいい感じの写真を撮ってくれたの、
いい感じのものを作ってくれたので、
僕がいい感じに盛り付けて撮ってっていうのをやったら、
NHKの取材が来たんですよ。
なので、いい感じの写真を投稿すれば、
NHKの取材が来るんだっていう1個のルートにあったんですけど、
その時はもう監理職も総出でお出迎えですごく良かったんですけど、
NHKが来たっていう。
良かったんですけど、
ここの本にも書かせてもらった通り、
雑誌の取材だと勤務時間中はダメだ、
調理実習とか見に来るって勤務時間だよな、
そういう矛盾がどこから払ってくるような、
そんな感じの空気感がひしひしと伝わってきて、
なので、人によって態度を変えるようなそんな方でしたね。
その時の監理職の先生。
goryugo
まあ、誰しも思っていることは事実なんですけどね。
そんな要素はないはずがないので。
倉下忠憲
まあそうですね。
それが階部ってことはないですけどね。
スピーカー 3
強調的、すごく強い度合いで出てきたっていう感じでしょうね。
本の執筆の話というと、
どこの部分が一番書くの苦労しましたかね。
倉下忠憲
書くの苦労したという意味では、
今回の本はそんなに苦労してなかったです。
知識のところが僕はやっぱり苦痛だなと思ってて、
なので、例えば第一章のコミュニケーションの分類とか、
そのあたりの知識の面っていうのを語るっていうのが
僕はちょっと苦手で、
思い出でこうだったんですよっていうふうに話すよりかは、
調べなくちゃいけないところが多かったので、
その教科書の指導書っていうのがあるんですけど、
教科書に載っている知識の根拠にあたるものが指導書に書いてあるので、
じゃあ指導書を見てみようと。
goryugo
700台のタブレットを設定することになるだろうっていうのは
おそらく想像してなかったんじゃないかと思うんですけど。
確かに。
倉下忠憲
想像はしなかったですね。
でも、大学4年生の時に派遣のバイトをやったことがあって、
中学校のコンピューター室の入れ替えの派遣のバイトがあったので、
そういう時にもクリックするだけの簡単な仕事みたいな感じだったんですけど、
実際にはWindowsをダーッとインストールして、
ひな形展開をしてとか、IPアドレスをダーッとやって
っていうような作業を工程のとおり、
作業員としてやっただけだったんですけど、
いつかこれの設計する側だったら、
どんなふうにIPアドレス振るかなとか、
そういうことを考えながらやったので、
過去のそれこそ大学時代にやっていたことが、
今になって生きるんだなっていうのは今でも思ってますよ。
goryugo
そのストーリーとして見事だなって。
言ったら、そんなこと何も考えずにやれば、
何も考えなくても割と済ませてしまえることを
ちゃんとやってきたことが生きているというのが、
学校DX物語に物語として生きてきている感じ。
そこはかっこいいなと思って。
倉下忠憲
ありがとうございます。
スピーカー 3
そういうパソコンテクニックは、
情報の担当の先生の標準じゃないですよね。
倉下忠憲
レベルによりますね。
スピーカー 3
逆にもっと高い人もいる?
倉下忠憲
それで言うと、愛知県の私立の高校の先生なんですけど、
プログラミング言語に相当するものを
自分で作ったよっていう方も中にはいらっしゃいますね。
goryugo
ネットワークとはタイプが違うよね。
スピーカー 3
たしかに。
倉下忠憲
いろんなタイプの人がいますけど、
情報科の教員っていうと、
情報っていう科目を教えることに特化してる先生方なので、
本当はこのハードウェア系の知識って、
そんなに必要とされてないんですよ。
スピーカー 3
単純に言ったらそうだね。
倉下忠憲
教科書の内容を教えるのに、
サーバーの知識っていらないんですよね。
スピーカー 3
サーバー操作の知識はいらないね。
倉下忠憲
いらないですね。
僕は特殊なタイプだと思います。
スピーカー 3
他の学校でおいて、
端末困ったからって、
情報科の先生に頼ったら何とかするというわけではないわよね。
倉下忠憲
愛知県の高校でいうと、
ICTの担当っていうのが、
2人以上決めなくちゃいけなくて、
多くの場合は、
情報科の教員なんですけど、
中には情報科の教員で自信のない人は、
他の先生にその任を任せたりとかもありますね。
スピーカー 3
全員がその高校でIT苦手だったら、
誰かが貧乏駆除を引かなければならないということになりますね。
倉下忠憲
例えば勤務校から他の高校に転勤された先生から、
よくヘルプの悲鳴が聞こえてくるんですけど、
新しい学校チームズがなかったとか、
goryugo
入ってないってことで、導入されていない。
倉下忠憲
アカウントが配られていないというレベルですね。
goryugo
できていない、現実は。
倉下忠憲
っていう学校もあったり。
goryugo
ちなみに愛知県の公立高校で起こった出来事っていう。
倉下忠憲
もちろんですよ。
goryugo
それは息子がそのうち高校生になる親としては、
そういう情報が非常に重要ですよね。
スピーカー 3
何年後よ。
goryugo
10年、10年、10年ない。
スピーカー 3
10年経ったら大丈夫やろ、さすがに。
goryugo
そうじゃない格差がいっぱいできてくるってことでしょ、たぶん。
スピーカー 3
でも10年経ったらもうだって、
管理職がもうIT慣れしてる人が多いやろうから、
さすがにやとは思うけど。
goryugo
俺たちと同い年でも、やっていない人、できていない人、
やる気がない人は無数にいるし。
この本に出てきた、
僕が全部電話取りますっていう人は、
宇保住先生より年下らしいですよ。
いくつぐらいの方なんですかね、その人は。
倉下忠憲
いくつだったかな、20代半ば。
ほぼ新人。
新規採用を受けて、2、3年。
そうですね、新人、初任って言われてる。
新規採用でその学校に勤務してきて、
あの話は彼が2年目、3年目とかですね。
でもその先生を僕は責めるつもりがなくて、
仕方なかったことだと思うんですよ。
学年主任が言ってるんだ、それは絶対なんだっていう、
ザ体育会計っていう。
わかりやすいですね。
学校の先生の教員採用試験になるためには、
面接をパスしなくちゃいけなくて、
いろんなその教員採用試験の、
募集要項とかによく書かれてるのが、
どこどこ県が求める教師像っていうのがあるんですよ。
愛知県は協調性がトップなんですよね。
つまり新しいことをチャレンジってももちろんそうなんですけど、
協調性が大事なんですよ。
足並みを揃えることが大事なんですよ。
スピーカー 3
ってことは逆に言うと、
すいません、話を変わっちゃって。
協調性じゃなくて、
創造性がある方、クリエイティビティがある方がいいって言ってる県もあるということですか?
倉下忠憲
僕はあんまり見たことがないですね。
スピーカー 3
ですよね。すいません、どうぞ。
倉下忠憲
なので、その教員採用試験をパスした人たちの集団が、
愛知県の先生なので、
まあまあそういう集団だよなっていう感じです。
スピーカー 3
それは日本企業とか日本の組織全般そうじゃないのかなとちょっと聞きながら、
愛知県がどれくらい特殊なのかって言うと、
なんか僕は結構平均的かなっていう気はしたんですが、
もちろんわからないですけど。
倉下忠憲
愛知県で言うと、
トヨタがやっぱり大きいので、
やっぱり工業で成り立ってる県っていうようなイメージはありますね。
なので大本がバックに全てがそれってわけじゃないと思うんですけど、
やっぱり足並みを揃えるっていうのはそういうところから来てるのかなと思ったりします。
スピーカー 3
そうか、じゃあ例えば京都とかとは違うかなやっぱり。
倉下忠憲
全然わからないけど。
教員採用試験の募集要項を見てみないと何とも言えないですね。
スピーカー 3
見てみたらそれちょっとチェックする。
県語との違いをチェックするのはちょっと面白そうやけど。
まあでもまあだいぶ日本平均的で言うとそうで、
結構そういう割合が高いそうで、
で、そういうところでなんか新しいことをやろうとしたら、
まあその京都の強さはあれ、見たような経験をすることにはなるでしょうね、これ。
倉下忠憲
小学校中学校はまだ違うんですけど、
小学校中学校はさっきも言ったように、いやでも足並みを揃えるんですよ。
今回のギガスクール構想で言うと、小学校中学校はICTを使いましょうに足並みを揃えたんです。
goryugo
うまくいった。
倉下忠憲
そうなので導入したからにはやれっていう風になったんですよ。
なのでそこは本当すごいなって思ってるんですけど、
ただ高校はってなると、高校は特に愛知県の場合は各学校の実情に合わせて対応しましょうだったんですよ。
スピーカー 3
強制力が弱かった。
倉下忠憲
弱かったですね。
スピーカー 3
そのギガスクール構想そのもの僕は知らないんですけど、
小学校でプログラミング習わせるみたいな話は聞いてたんですが、
そのギガスクールの構想としては、まず小学校を固めて、
で次に中学校行って、で最後高校みたいなこういう階段をイメージしてたんですかね。
倉下忠憲
学習指導要領っていうのがまずあるんですけど、
学校の先生はこれに基づいて教えてくださいねっていう。
その学習指導要領に基づいた教科書が出てくるんですけど、
改定っていうのが10年ぐらいかに1回行われるんですけど、
それが適応されるのが小学校から順番にっていう風ですね。
スピーカー 3
なるほどね。
倉下忠憲
なのでプログラミング教育が話題にっていうところから、
小学校は新しい学習指導要領に沿った授業が展開されるようになって、
大体それってその時の小学校の何年生からっていうのが順番にこう始まっていくんですよ。
わかりやすい例で言うと教科書を使っている教科書がガラッと変わるタイミングですね。
例えば僕で言うと、僕の1校舎からゆとぎ教育が始まったんですけど、
そこが学習指導要領の改定のポイントっていう。
その改定のポイントよりも下の子たちがどんどんどんどん上がっていくごとに、
上にもどんどんどんどん改定の波が来るっていう、そういうイメージですね。
スピーカー 3
なるほどね。だからプログラミングが小学校に導入されたのが何年前かは知りませんけど、
倉下忠憲
タブレットのせいで情報モラルの問題みたいなのとかがいろいろ出てきて、なのでそういうのを悪く書くようなところが結構多かったですね。
goryugo
で、うちにかつていた管理職の先生は全部それをエビデンスにしていましたね。
やばいゲームのみたいな話になってきとるよ。
スピーカー 3
まあでもそれは自分で身近に使ってなくて大手メディアがそう言ってたら確かめる前にそうかなって思い込んでしまうのはわからない。
だから結局悪意があってそう言ってるよりは結構本気で心配したわけよね、要するに。
倉下忠憲
それがでかいと思う。心配、いい言葉ですね。心配なんですよ。始めたくなくなるぐらい心配してたんですよ。ずっと心配したかったんです。
goryugo
啓蒙不足じゃないかって思ってしまうんだけどな。
スピーカー 3
うーん、まあ啓蒙不足か否かで言うと責任は文科省にあるかもしれないけど、でもそれを言いすぎるとその高校の自由裁量っていうのが損なわれてしまうわけで、
それはでもある程度は仕方が、公立であったとしてもまあ仕方がないかなと思う。
だから新しい世代はそういうのに適した人が管理職になっていくようになれば好ましいわけだが、
それはどうなのかわからない。逆に高校に入ってタブレットを仮に授業で使えるよってなった時に、生徒は戸惑う割合と喜ぶ割合とどちらが多かったんでしょうかね。
倉下忠憲
自分の勤務校の例で言うと、僕今情報一の授業、前は情報の科学でしたけど情報の授業を1年生全クラス担当していて、
そこはコンピューター室で授業することができたので、例えばギガスクール構想系のサービスでロイロノートっていうサービスが、ノートアプリなんですけどブラウザーで使う。
宿題を配信したりだとか、PDFとかを一気にダーッと配布したりとか、そういうことができるものなんですけど、
全部それを使うようにまず僕がやってみて、そうすると生徒もそれに慣れていくようになって、なのでタブレットが1人1台使えるようになった時には、
生徒はみんなそういう系のツールはもうお手のものっていう感じにはなってました。
なのでやる気のあるっていうか、デジタルに対してやっぱり合理性が高いなと思っている生徒は、やっとこの授業でもそういうノートが使えるんだな、とかTeamsが使えるんだなっていう風になって、
やっとか、やっとこれを全部書かなくてもいい時代になったかとか、そういう風に思っている生徒は多かったですね。
スピーカー 3
ちなみにタブレットはWindowsっておっしゃられたんで、Surfaceか何かな。
倉下忠憲
Surface 5ですね。
スピーカー 3
5か、iPadじゃん。で、ペンとキーボードはどうなんですかね。
倉下忠憲
キーボードはSurfaceのキーボードが、それがくっついてますね。ペンもSurfaceペンがあるんですけど、ペンはペン先の寿命とかもあるので、配ったのは今年度ですね。
スピーカー 3
うーん、そうか、なるほど。だからもうその時代、その年齢からキーボード入力に、じゃあもう慣れ始めているわけですね、ということは。
倉下忠憲
僕はキーボードにものすごく関心が高いというか、それは言わずもがななんですけど、なのでタイピングの指導には力を入れてますよ。
スピーカー 3
うーん、まあその経験は結構貴重かな。家でどんだけスマートフォンとか触ってても、やっぱりタイピングに慣れることが多分ないでしょうから、そういう授業でやるのはなんかいいかなってちょっと聞きながら思いました。
まあそうですね、あとまあ、現在勤めておられる高校のDX浸透度は10段階で、好ましい度合いで言うと今、何段階くらいまで来てますかね、1から10まで行くと。
倉下忠憲
どうだろうな、まだ3とか4ぐらいなのかなって個人的には思ってます。
スピーカー 3
九大展の6にもいかない、結構まだ足りない部分があるって感じですね、ということは。
倉下忠憲
あのまだ紙ベースでやってる仕事がものすごく多いので。
スピーカー 3
ああ、その教師の仕事側として。
倉下忠憲
そうですそうです。
goryugo
例えばどんなことが。
倉下忠憲
例えばですけど、そうだな、例えば朝クラスに顔を出しに行きます。
で、他人の先生たちが、この子は出席をしている、この生徒は欠席をしているっていうのを確かめるんですけど。
そこでようやく誰が出席をしていて、誰が欠席をしていたかっていうのは、公務支援ツールっていうのが愛知県全体に導入されたので、そこに入れるようにはなりました。
なんですけど、それがなかった時代。
なかった時代には、それを職員室の黒板に専業の枠があって、1年1組から3年6組までみたいな枠があって、そこにこのクラスは欠席が何人ですよ、遅刻が何人ですよ、総体が何人でしたよっていうのをチョークで書いていくんですよ。
普通に考えたら、それはもうシステムとかに入力をすれば、それでわかると思うんですけど、でも未だに黒板に書いてます。
goryugo
純粋な疑問なんだけれども、それを書くことにはどういう効果が見込まれるんですかね。
倉下忠憲
それを書いた後は、入力の係りの人がいて、その人がその黒板を見ながら、手書きでまず専用の用紙にそれを書き写していき、それを今度は専用のExcelシートに入力をすると、年間を通して欠席率っていうのが出るようになるんだろうね。
goryugo
学校の評価の数字になるわけね、言ったら、その欠席数とか率とか。
倉下忠憲
そうですね。それを研究員が取りまとめたりだとか、それから学校ごとに情報交換するときに数字として出したりとか。
goryugo
あなたのところ多いですね、少ないですね、どうやってるんですかみたいなことがネタになる。
倉下忠憲
そうですね。やっぱりレベルの偏差値の高い学校と偏差値の低い学校とでは、遅刻の割合っていうのはずいぶん違ってくるので、それが指標になったりするので、
それを計算するためのExcelシートが残っている限り、その仕事は残るんですよ。
ただ本当は公務支援ツールで毎日のその欠席とか遅刻とかは入れてるはずなので、
それを頼りに、そこからExcelに吐き出すこともできるので、仕事のやり方を変えれば本当はなくせるなっていうことがあるんですけど、
学校にはまだまだそういう名もなき公務っていうふうにどっかで話題になってるんですけど、そういうのがいっぱいあるんですよね。
でもそれは僕の係ではないので、僕は人の仕事には口が出せないので本当は。
出したがためにこんなことになっちゃったので、なのでまだ黙ってます。
goryugo
いい話じゃないですか。情報化とDXが違うって言っていた事例がまさに今の話にあるなっていう感じがして。
デジタル化はされてるけど、DXが行われていない。
倉下忠憲
そうですねそうですね。まさに違いってそこですね。
goryugo
デジタル化はひょっとしたら6か7ぐらいまで進んでいるかもしれない。学校は。
倉下忠憲
デジタル化だけでいったらまあまあまあそうですね。職員会議が全部PDFになったのが大きいですね。
goryugo
PDFっていうのもやっぱデジタル化っていう印象があるかも。
倉下忠憲
DXの観点で言うとPDFってものすごくちょっとめんどくさくて。
goryugo
書きづらいし。
倉下忠憲
あとは訂正事項がありましたよ修正が必要ですってなった時にまた何かここにあげ直しました見てくださいって言うと見てない人と見た人とで差が生まれたりとかあるので。
スピーカー 3
本の中に書いてましたけどPDFを共有してるんじゃなくてPDFを共有フォルダーに一個一個コピーしていってるんでしょ。
これ結局デジタル化と言いながら手間が増えてるというこの無意味なデジタル化。
紙よりはいいけどもそのデジタルにするとはどういうことなのかという理解が欠けたままになんかそのパソコンで情報を使いましょうみたいなことだけになっているという典型でですねそれ。
倉下忠憲
ペーパーレスって紙をなくすことだよねっていうところの段階ですよね。
スピーカー 3
一段階目としてそこはくぐり抜けていかなければならないところなんでしょうきっと。
倉下忠憲
なのでこの段階でいつか気づいてねっていう気分でいます。
スピーカー 3
そうですね。でもそういうのがいつかは気づく人がある程度運ですけど運営とかチームのリーダーになってちょっとずつ変わっていくという。
だから結局その極端なこと言うと大住先生が教頭になったら済む話ですか。
goryugo
教育委員会がまだ上にいるからね。
スピーカー 3
いやでもやっぱり現場が取り過ぎて。
まあだいぶ変わるかな。
だって大住先生と同じこと思ってても協調性が大事だから黙ってる人たくさんいるわけできっと。
そういうとこから草の根から変わっていくのはそういうところだと思いますけど個人的には。
goryugo
そこでその25歳の熱血先生が大住校長先生が生徒のことを考えていないんですとかって言われてしまうかもしれない。
スピーカー 3
そういうのは結構コロッと風向き変わりますよああいう人とか。
goryugo
変わるもんなんかな。ちょっとまあわかんないんだけど。
スピーカー 3
そういうのはあっさり一気にポリシーがあるわけじゃないから。
その場の空気を合わせるのが上手いという感じだからそういうのは結構コロッと変わる感じですね。
デジタルが絶対あかんっていうポリシーで言ってはんにゃったら多分違いますけど多分そうじゃないんだよきっと。
倉下忠憲
それは本当にそうですよ。
goryugo
ちょっと言えなかった話なんですけど協調性とは何なのかっていうことをすごい今の話を聞いても思って。
協調性というのは他の人が言ったことに乗っかることが協調性だと日本では考えられているという認識でいいんですかね。
日本の場合は協調性を一番、日本でいう協調性を言うのは空気ですね。空気に従うこと。空気を乱さないこと。
倉下さんとか宇住先生が考える協調性とはだとすると逆に言うと何なんでしょうかね。
俺ちょっとわからんなと思って。
スピーカー 3
わかりやすく言うと多数決で多数派が正義というその漢字を崩さないことよね。要するに。そこに意を唱えないこと。
goryugo
多数派がこうだと思うことに従うことができること。
スピーカー 3
その上で間違ってるなと思っててもそれに合わせられること。これがいわゆる日本社会で求められている協調性。
goryugo
その定義だとするとやっぱ協調性に良い面が一つもないような気がしてしまうんですけれども。
スピーカー 3
一致団結しやすいよね。
goryugo
全体がスムーズに物事が進むから。
スピーカー 3
上に行くそうそうそうそう。だから物事とか最初にセットされたものが良い場合はすごく上手いこと言うけど、良くない場合に方向転換できへんっていうデメリットがあって。
いわゆる変革の時とかは大体邪魔。
goryugo
変革の時も全員が同じ方向を向いていければプラスの方向に働くってことですよね。
スピーカー 3
そう。だからそこをそういうふうに共同とか校長みたいな人がいればいい。
でも普通共同とか校長もそれより上にだいたい協調的になってるから、
どっかでトリックメーカーとかジョーカーみたいな人がいる。
そういう人がいたらそこが起点で変わって、
日本って隣の人がやってるとそれを真似するようになってくるから、
それがオセロのように変化となって広がっていくっていう、そういう構図はよく見かける。
goryugo
そうか。そしてそれが協調性が愛知県が教員を求めるときに重要視される項目だっていうことなんですね。
スピーカー 3
まあ、その通り。
倉下忠憲
なので新しいことを始めるっていうときには、みんながいいよって言わなくちゃいけない。
goryugo
みんながいいよ。あれですね、何人称なのかわからないあのみんな。
みんなです。
めっちゃね、小学校の頃からみんなという日本語が嫌いで。
そうだとするとやっぱり自分は恐らく協調性という言葉はパラメーターは非常に足りないんだろうなということを、
なんかちょっと他の人からの目線で振り返るというか客観視できた気がします。
スピーカー 3
そういう組織で働くとストレスは多いでしょうね。
goryugo
あのね、今その神社委員をやっていてだいぶつらいですからね。
最初はちょっと社会的な興味があってやれていたけれども、
だいぶなんかこういうことかっていうことを思い知らされる感じ。
スピーカー 3
なるほど。
倉下忠憲
やっぱり縦社会ですか?
goryugo
縦ではないですね。一応寄り合い的な組織なので、縦的な問題はないんですけれども、
まずほとんど全ての人がやりたくてやっているわけでないという前提がある上で、
全員が保守ではなく伝統主義。
倉下忠憲
うんうん、なるほど。
goryugo
で、伝統主義であり、まあそうなのかな。
やっぱりその伝統主義というものがすごく嫌なのかな、自分の場合は。
スピーカー 3
うーん、そうね。伝統主義、伝統思常主義かな、おそらく。
で、その思常が嫌なのよ、きっと。
倉下忠憲
っていう。
スピーカー 3
考えてない感が多分嫌なのよ。
多分。
倉下忠憲
多くの人たちはあれですよね、もうその年さえやりきっちゃえばいいからじゃないですかね。
goryugo
そうそうそうそう。
スピーカー 3
そうやね、確かに。わかりやすい。
goryugo
で、実際そうなんですよね。多くの人はそれでいいので、何も変えなければ良いけれども、
それで2000年ぐらい続いているものらしいので、続くのかなっていう気はするんですけど。
スピーカー 3
それはそういうものはそういうものでいいし、
例えばその行事で別に面倒くさいことしてる人たちが自分たちが面倒くさいことしてて閉じてるんやったらいいけど、
学校教育の場合って生徒に影響が及ぶじゃないですか。
そこが多分問題ですよね、この場合は。
goryugo
影響の範囲が桁違いか。
スピーカー 3
だから職員がすごい苦労して仕事してますやったら、まあ頑張ってくださいね、済むけど。
そういう人たちに教育をされる子供たちがいるわけで、そこは外部性があるからちょっと考えても欲しいなという度合いは高まりますな。
goryugo
そう、そういうところですね。
スピーカー 3
日本は結構そういう横並びというか、輪を乱さないというのがあって、
そういう中でどうやって革新を、核兵を持ち込んでいったらいいのかっていうところを無策で突っ込むと、
この本みたいになるから気をつけましょうという教訓が得られる本ですね。
goryugo
そうですね、そのまとめ的な感じで、俺もこの本を読んだ感想で言うと、
前回は、なんて言ったらいいのかな、用語としては仕事術の本だった。
今回は政治術の本だったっていう感じがする。
スピーカー 3
おー、そうか。僕はチーム術の本として読んだけどね。
goryugo
そうか、それをチームって考えるんですね、その場合で言うと。
スピーカー 3
前作の方は結局自分の仕事の領土の中の話だったから、別に文句言われることはないけど、
この場合は職場っていうものの中で、そのやり方をどう伸ばしていくかだから、
それはもちろんチームの中には政治もあるけど、これはもっと根源的なコミュニケーションの話だなと思ったね。
goryugo
そうか、そういう見方があるか。やっぱりそういうふうに言うと面白いですね。
俺はものすごくね、これは政治の物語というか、政治を行わないとやっぱり上手くいかないんだなっていうふうにすげえ思ったんですけど。
スピーカー 3
寝回しとか下ごしらえを政治と言うのはそうやけど、
いや、これは結局権力の勾配によって起きているというよりは、
相手の気持ちがお互いに分かっていないことによって起きている問題だと僕は思うから、割にコミュニケーション問題かな。
goryugo
そうか、基本的に上手くいっていない人がほとんどの場合、立場が上な人に対して上手くいっていなくて、
それと上手くいくためにどのような寝回しをすればいいのか。
あと同じ立場の人とどのように手を組んでいけばいいのかっていうのが、
言われてみるとチームかもしれないんですけど、やっぱり一丸となって敵に立ち向かっていったっていう印象があって。
倉下忠憲
その話で言うと、本のタイトルにも関わる話なんですけど、
学校DXまでは決まってました。
教師のiPad仕事術っていうタイトルと比べると、
教師のが学校に当たって、iPadがDXで、
じゃあ次は漢字が来るよねっていうのがずっとタイトルでずっとあって、
ここが空欄だったんですけど、
まず出てきたのが奮闘機だったんですよ。
奮闘機とかなんちゃら戦記っていうのが第一候補に出てきて、
でも、さっきの政治の話っていうのはそうなんですけど、
僕は別に戦いに勝ちたいわけじゃなくて、
学校の変革を成し得るっていう時には、
後書きにも書いたんですけど、論破しても仕方ないんですよね。
正論を正論として振りかざしたところで、みんながタブレットを使ってくれるわけでもないので、
なので物語に落ち着いたんですけど、
やっぱその学校だけかどうかわかんないんですけど、
やっぱ会議で発言する前に全員から了解をもらうっていうのが、
暗黙の了解でまだまだ根強いので、
会議って議論をし合う場じゃなくて、
報告を、しゃばんって言ったらあれですけど、
報告を前提を聞いた通りに聞くところなんですよね。
なので、寝回しと言えば寝回しだし、
それに失敗した話も書きましたけど、
そういうところが大事なんだなっていうふうに思い知らされた話でしたね。