1. ブックカタリスト
  2. BC066 『Remember 記憶の科学..

面白かった本について語るPoadcast、ブックカタリスト。今回は『Remember 記憶の科学:しっかり覚えて上手に忘れるための18章』について語ります。

今回の本は、いわゆる「記憶」系のことを学ぶ一冊目として非常に素晴らしい、と感じた本でした。そして、本編でも語っていることですが、記憶について考えるときに重要なのは「忘れる」ということ。それについてもきちんと忘れずにカバーされている、というのも本書の好印象の理由になっています。

私たちがものごとを「理解」できるのは、見たこと聞いたことすべてを覚えておくことができないから。一部を「忘れる」から、それを自分の中で整理して、自分自身に取り込んでいける。

結局のところ、人類の大半の脳が「忘れる仕様」になっている(本書では「なにもかも覚えている人」が登場します)ということは、結局そういう「忘れる脳」を持った生物の方が生き残りやすかった、ということでしょう。

そのことをきちんと理解した上で、忘れる自分を受け入れて、覚えたいことを覚える工夫をする。

なによりも大事なのは「注意を払う」ことです。

結局そうなると、なにかを覚えようと思ったら「素早く」「効率的に」行うことは果たして正解なのか。そのあたりのことも、一度考えてみても良いのかもしれません。

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サマリー

「記憶の科学:しっかり覚えて上手に忘れるための18章」は、脳科学者によって書かれた本であり、記憶の種類、覚える方法、忘れる方法に関する学術的でわかりやすい内容を一般人にも提供している。本には、マッスルメモリー、意味記憶、エピソード記憶の3種類の記憶について詳細に説明され、特にマッスルメモリーは体が覚えているため、忘れることがなく非常に重要である。また、本にはエピソード記憶と意味記憶の違いについても説明があり、言語能力がエピソード記憶に重要であることが示されている。本では、記憶と言語の関係性や覚える方法、忘れる方法についても詳しく解説されており、視覚化や物語化が記憶力を上げる効果的な方法であることが示されている。また、アルツハイマー対策には新しいことを学ぶことや運動が効果的であることが紹介されている。忘れることも重要であり、車の駐車場所やホテルの部屋番号を忘れることで勘違いを避けることもできることが示されている。記憶を変えることは難しいが、認知行動療法を通じて可能であることが言及されている。

00:00
スピーカー 2
面白かった本について語るポッドキャスト、ブックカタリスト、第66回の本日は、
リメンバー、記憶の科学、しっかり覚えて上手に忘れるための18章について語ります。
スピーカー 1
はい、よろしくお願いします。
スピーカー 2
はい、よろしくお願いします。
今回、ちょっと簡単な連絡なんですけれども、
個人的な話なんですが、goryugoが読書メモを取るツールというのを、iPadのAppleのメモ帳アプリからgoodnotes5というアプリを使うことに変えまして、
それに伴ってサポーターの人向けに、読書メモPDFを、俺のなかなか味のある文字の手書きのノートなんですけれども、
そんなんもお送りできるようになるなと思って、今回からそのあたり、goodnotes5で読書メモを作ったものであれば、一緒にそれもお送りするようにしようと思います。
スピーカー 1
つまり今回の場合は、このリメンバーという本の読書メモのPDFが一緒に配布されるということですね。
スピーカー 2
そうですね。高度な楽しみ方としては、読書メモを見ながら、goryugoはこういうことを話しているんだなという、そういう高度な楽しみ方もできると思います。
スピーカー 1
なるほど。そこは面白い試みかな。僕の場合は、すべてスクラップボックスに書いてるんで、見たい人は全部見れるんですが、あれは生の読書メモではないんで、ちょっと加工されたものなので、リアルなものを楽しむのは、その方が良さそうですね。PDFの方が良さそうですね。
スピーカー 2
そうです。今までは作った台本はお送りしてたんですけど、読書メモを技術的な大変さという意味で送れなかったので、それが送れるようになった。
超小ネタなんですけど、ipadworkersのpodcastっていうやつで教えてもらった話で、goodnotes5がすごい雑な日本語を使うとテキストと手書きと両方書けるようになったんですよ。
イメージとしては、テキストエディターが背後に隠れていて、そこで文字をタイピングしながら隙間に文字を書くことができる。空間を開ける方法とか、要するに開業を連打する方法なんですけど、
それで直感的に自分がやりたい、一番良い具合の直感差があるテキストエディター兼手書きメモアプリになったなと思って、他の書きを乗り換えた理由だったりもします。
確かに今お試しは無料で使えるので、ipad持っている人がいたら是非試してみていただくと、それはそれでなかなか面白いんじゃないかなと思います。
というのが連絡で、本編です。
リメンバー記憶の科学、リサ・ジェノバさんという方が書かれた本で、博洋社から今年の4月、2023年の4月に出た本です。
結構面白いのが、この方、本業はいわゆる神経科学者というか脳科学者というかっていう人なんですけど、
慈悲出版で小説を書いているんですよ。その小説っていうのがハリウッドで映画化もされていて、
ハリウッドじゃないのかな?ちょっとわからないんですけど映画化されていて、さらにその映画が主演女優賞か何かそんなものを取ったぐらいの、
非常に売れた映画を書いた、映画の台本を書いた人でありつつ神経科学者でもある。
というので、著書はね、「アリスのままで」っていうタイトルで、確か映画もこのままでのタイトルだったみたいなんですけども、
若くしてアルツハイマーになってしまった人を主題にした話っていうのかな。
スピーカー 1
まあそれも結局、記憶とかの話ですよね、きっと。
スピーカー 2
うん。直接書いてあったわけじゃないんですけど、この本って結構そのアルツハイマーと、
老化による物覚えが悪くなることとアルツハイマーがどう違うかみたいな話も結構書いていて、
多分その専門がアルツハイマーの研究なんじゃないかなと思います。
テッドトークでもそのアルツハイマーを病を予防するためにできることみたいな話もしていたりして、
まあそういうので、すごくね、すごくわかりやすい、優しい、親切というような印象で、
正直内容で知らんことだらけだったかどうかと言われると、
この手の本を結構読んでる人だったら正直ほとんど知ってることだという言い方もできると思うんですけども、
本当に綺麗にまとまっててわかりやすくって、なおかつ読みやすい、入門として、まとめとしてっていう意味で非常に、
このジャンルに興味がある人には非常にお勧めできるなと思って、今回は紹介しようと思っています。
スピーカー 1
だから学術的な内容は扱ってるけど、専門家向けというよりは一般人向けという感じ。
スピーカー 2
その中でも特に入門度合いが強いのではないかという、いい意味でも悪い意味でも、わりとスムーズに読めた。
特に詰まることなく、まああの著者の力量もかなりあると予想されます。
そのおそらくそういう小説のストーリーテリングの能力が高いというのかな。
スピーカー 1
間違いないと思いますね、それは。
スピーカー 2
っていうので、読みやすく非常にお勧めできる本です。
まあ確か、博洋社の本とかなんで、3000円ぐらいして、まああの高いんですけども。
はい、という感じで大雑把な全体の構成なんですけど、大きく3部に分かれています。
覚えることと忘れることとまとめみたいな感じ。
記憶について考える場合に、わりと興味深いなと思うのが、覚えるとかどうやったら覚えられるかっていうのはよく書いてあることなんですけど、
やっぱね忘れることが非常に重要というか、忘れられることっていうのは、人間が人間らしくあるために必要というのかな。
理解とかそういうことのためにも忘れられるっていうことが重要っていうところまでちゃんと触れられていて、そういう点でもなかなか興味深いんじゃないかなと思います。
スピーカー 1
そうですね、この手の話はいかに記憶するかって、ノート術とかでもそうなんですけど、ある種コンピューターのメタファー的に情報を蓄えれば蓄えるほど的な話になりがちですけど、
一方で脳って自動的に脳、情報を忘れていってくれる、それにガベージコレクションしてくれる存在なわけで、その量極性を見ないと脳ってわからないですよね。
スピーカー 2
うん、ですね。それこそが、忘れる、タイトルに書いてあるほどものすげえ掘り下げているっていうことではないんですけども、十分にそういう意味でもバランスが取れていて良いと思います。
スピーカー 1
なるほど。
マッスルメモリーと忘れること
スピーカー 2
で、この本で紹介されているのが、記憶というのが、短期記憶というものを除くと大きく3種類の記憶がある。
一つはその短期記憶って一時的に覚えておくやつですよね。マジカルナンバーセブンとかって言って7項目ぐらいしか覚えられないってやつ。
そうじゃない記憶というのが大きく3つあって、それがマッスルメモリーっていうやつと意味記憶というやつとエピソード記憶。
スピーカー 1
この後者2つ、意味記憶とエピソード記憶はよく出てきますが、マッスルメモリーっていうと筋肉に蓄えられた記憶ってことですか?
スピーカー 2
そう、なのでマッスルメモリーっていうとそういう印象を受けるんですけど、日本語で言う体が覚えている。
スピーカー 1
指が勝手に反応する的なやつ。
スピーカー 2
そう、まさに水泳のやり方を練習して、クロールの泳ぎ方を体で覚えている。包丁の使い方、野菜の切り方を体で覚えている。楽器の演奏の仕方を体で覚えている。
このマッスルメモリーっていうやつだけ、他の2つと比べて違うんですよね、結構。
なるほど。
面白いのが、さっきまで忘れる忘れるって言ってたじゃないですか。マッスルメモリーに限ってはまず忘れない。
スピーカー 1
そうやね、確かに。忘れないね、確かに。忘れるっていう言葉の感触が違うね、そこだけ。
スピーカー 2
そう、なので我々がイメージする、一般的にイメージする記憶とは違うものではあるんですよね。
スピーカー 1
そもそも変な言い方やけど、思い出すこともないもんね、要するに。意識に登らないというか。
スピーカー 2
そう、言語化できなくて意識できない領域なんですよね。
で、体で覚えていると言われるものであるんだけども、当然脳が覚えていて。
もう1個特徴的なのが、これも知ってる人は有名だと思うんですけど、記憶のためには会話が大事だって言われるじゃないですか。
寝てる間に短期記憶に蓄えた情報というものを会話君が整理して記憶として残しておくことで、物事を覚えておくことができる。
それがいわゆる記憶の仕組みだというふうによく言われているんですけど、
マッスルメモリーは会話を使わないらしいんですよ。
大脳変異質だったかな、そういうもので覚えておく記憶というやつで、大脳規定核。
実際に会話を損傷していわゆる物を覚えられなくなったような障害を持っている人、
そういう人たちも体で覚える練習をすると、どうやってできるようになったかわからないし、なんでできるかわからないんだけれども、
練習をしてできるようになると、学習して記憶することができてしまう。
スピーカー 1
なるほどね。年をとって人の名前が出てこなくなっても缶切りの使い方はわかるみたいなことは絶対起こりますもんね。
スピーカー 2
そう。で、例えばその若い頃に野球の練習をしてゴーソッキューが投げられるようになった人。
おっさんになって投げられるかって言ったら投げられないんですけど、
それは忘れているんじゃなくて筋肉がついていかないだけなんですよね。
確かに確かに。
その1回覚えたものであればマッスルメモリーというものは忘れなくなってしまうという、そういうタイプのまず記憶がある。
スピーカー 1
これは僕らが一般的に言う身体値を医学的というか神経学的に言うとマッスルメモリーということになるのかな。
スピーカー 2
ということだと思います。
記憶の種類
スピーカー 2
これをちゃんとやっぱり記憶として分類して理解しておくということは結構面白いというか重要というかそうなんじゃないのかなと思っていて。
いわゆる覚えるって言ったら英単語を暗記するが最も多くの人がイメージする覚えるだと思うんですけど、
このマッスルメモリーって練習を繰り返してから意識どうやるかを考えて動くものではないこと。
っていうのが結構記憶には大事だし、これってその前回の話とまさにつながるんですけど、
英語の学習もやっぱりマッスルメモリーで動作するようにならないとダメなんですよね。
使えるようになるためには。
っていう意味で学校のテストみたいなものを想像するとマッスルメモリーって円がなさそうなんですけど、
ほとんどあらゆることを学ぶということにおいては結構このマッスルメモリーというものの存在をもっと重要視しないといけないんじゃないのかな。
スピーカー 1
そうだね。マッスルメモリーの育て方っていうところが、知識とか技能を使うためには絶対必要で、
試験クリアっていう目的とは別の目的で学習っていうのを捉えたら、いかにマッスルメモリー化するかっていう練習というか、
そういうことが可能なんだということを小さいうちから学んでおくことが大切ですよね、きっと。
スピーカー 2
なので今までの浄土の話とかにも出てきたんですけど、言語化が重要なんだと思います。
このマッスルメモリーという言葉で覚えるとたぶん、体で覚えるでもちろんいいんですけど、
というものが記憶の一分野でそれも覚えることなんだっていうふうに認識できると、新しいことをやる場合にも。
例えばで言うとね、自分の父母とか、いわゆるスマホが苦手な世代とかってね、やっぱりスマホがマッスルメモリーで使えないんじゃないかと思うんですよね。
でも俺たち、たぶん結構マッスルメモリーレベルでスマートフォンを操作しているんじゃないかっていう気がするし、
なんとなく戻るときは左上の方にあって、
スピーカー 1
特にApple製品使ってると特にそうだよね。
スピーカー 2
そうそう、左から右にシュッてやると戻れて、
はい、いいえの場合は右がはいじゃないと気持ち悪いですよね。
とかっていうのも後付けの文化的なものなのかもしれないんですけれども、
結構そういう物事が思ったよりマッスルメモリーが必要なんじゃないかっていうのはこの本を読んで改めて考えたことですね。
ていうのがまず大きく一つ目のマッスルメモリーというやつ。
意味記憶とエピソード記憶
スピーカー 2
2番目が意味記憶。
よくあるいわゆる知識と言われるやつは意味記憶っていうような言い方をすればいいんじゃないかなって思うんですけど、
もう一つのエピソード記憶とは違うんですよね。
種類としては。
エピソード記憶というのは覚えているっていうタイプの記憶。
意味記憶というのは知っているっていうタイプの記憶。
スピーカー 1
ちょっと微妙な差異が出てきたね。
スピーカー 2
これも記憶の解像度を上げるためにぜひこうやって認識しておくと物事を覚える際にすごく役に立つんじゃないかと思って。
スピーカー 1
知っていると覚えているの違い。
例えば1900年にアメリカ合衆国が独立を宣言したというのは、僕らは経験しないわけだから、それは当然覚えていないわね。
知っているだけではない。
でも、という知識を社会の授業で習ったということになればこれはエピソード記憶になるわけよね。
これは経験したことやし覚えているに属する。
スピーカー 2
覚えていると言われること。
この2つを分けてちゃんと認識しておくという上で、面白かったなと思うのが、
エピソード記憶って一般的に言語の能力がないと記憶できないものらしくて、
俺たちって例えば3歳の頃って、1歳2歳の頃って何が起こったか何も覚えてないじゃないですか。
大抵まともに記憶があるのは6歳とか7歳とかもうちょっと大きくなってからぐらいで、
エピソード記憶と言語
スピーカー 2
それ以外の記憶ってほぼ確実に親から教えられた知っている意味記憶だけなんですよね。
このエピソード記憶というものは非常に言語と密接に関わっているタイプの記憶であって、
何が起きたかを逸話として語り、経験の詳細を組み立てて、後日共有できるようなまとまりのある物語を作る必要があって、
言語を操れる解剖学的な構造と神経回路がないと、エピソード記憶ということを残すことはできないらしい。
スピーカー 1
それは反証が難しそうだよね。
スピーカー 2
少なくとも経験的には正しいんですよね。
スピーカー 1
個人の体験で言うとそうだけど、例えば言語能力の有無と脳の発達を切り離せないじゃないですか。
例えば鳥がエピソード記憶を持っているかもしれないけど、僕らには確認できないですよね。
スピーカー 2
そう、そこは考えさせられた。動物って本当に記憶ないのかな。
意味記憶なら知っているなら知り得るんですよね。
マッスルメモリーは覚え得るんですよね。
スピーカー 1
難しいな、そこは。
スピーカー 2
本当かどうかは同じく分からなかったし、
猿って物語を覚えていないのかなっていうことは思うんですけど。
スピーカー 1
エピソード記憶とストーリーテリングが強い結びつきがあることは多分そうだと思うけど、
果たしてそれが言語能力とどれくらい致命的に関わっているのかは、
その話だけでは受け入れがたいところがあるね。
スピーカー 2
この本の問題なところは、おそらく日本語版において、
参考文献みたいなやつが取っ払われてしまっているんですよね。
なので、これがどこにどういうふうに書かれているかっていうのは、
少なくとも俺の努力のレベルでは見つけられないもので。
スピーカー 1
エピソード記憶を作るのに言語が必要あるかないかは置いといて、
言語があった方がより残りやすいという話なら、僕は多分同意できるんで。
とりあえず次行きましょうか。
スピーカー 2
言語によって覚えやすくなるというのは明確にあるなと思って。
そこはやっぱり言語が重要なんだろうなというか、そういうこともすごく思うし、
すごくいろいろと考えさせられていたところで。
記憶の整理と覚える能力
スピーカー 2
その上で我々が非常に大事なことというか、今の記憶の整理の仕方をすると、
知っているという物事と覚えているという物事と、
身体で覚えるっていう覚える能力が3つあるんですけど、
要するにやっぱりね、俺たちはランダムな物事を覚えられないんですよね。
スピーカー 1
まあ、そりゃそうよね。
スピーカー 2
これが結構すごく大事なことで、結局意味があると感じられたものでしか覚えられないとか、
Learn Betterでしょっちゅう出てきた。
意味があるものしか覚えられないし、興味があると思うものじゃないと覚えられないし、
逆に言えば覚えるためにはやはり無理やりにでも意味付けしたり、興味を作ったり、
何かと関連付けて覚える場合によって、記憶という物事を覚えるということはやりやすくなる。
確か以前にもこれも出てきたと思うんですけど、
やっぱり一番効果が高い、一番とは言わないのかな、非常に効果が高いものとして有名なのが、
空間のどこにあるかイメージしておくっていうやつ。
スピーカー 1
記憶の宮殿的なやつね。
スピーカー 2
そのこと自体は知ってたんですけど、言われてああって思ったのが、
これも進化的な理由だみたいなことが書いてあって、
初期の人類というものにとって、
食べ物をどこに置いておいたとか、
どっかに出かけた時にどうやって帰るかっていうことを覚えておくのって、
おそらく俺たちとは桁違いに重要なことだったんですよね。
なので我々人類は、これはここにあったみたいなことっていうのは、
遺伝的な観点で覚えておきやすい、記憶に残りやすい。
それを知っておくと、何か覚えるときに場所と紐づけること。
そしてさらに言うなら、その場所というのは、
記憶の宮殿的な仮想的なものじゃなくて、
自分と密接に関連しているものの方がいいみたいです。
自分家の玄関を想像して、玄関にこういうものがあってとかっていう、
そういう物事の覚え方をする。
スピーカー 1
ちなみに全然書けないけど、今ゴリゴさん頭の中で自分の家の玄関を思い浮かべてたじゃないですか。
これ何記憶なんでしょうね。
スピーカー 2
これは知っているなんじゃないかな。エピソードではないですからね。
名前の覚え方と繋がり
スピーカー 2
マッスルメモリーにかなり近い。
スピーカー 1
近い気がするよね。玄関の前を通ったっていう経験があるわけじゃないですか。
その通ったっていうエピソードを思い出している可能性もあるよね。
スピーカー 2
玄関の絵を言語で説明上手にできなくてもはや。
空間認識はマッスルメモリーにすごく近いですね。
その話でちょうど話す予定じゃなかったエピソードなんですけど、面白いことがあって。
著者のお父さんが会社に行って、
お前の家の住所を書けって言われたら、住所を書けなかったらしいんですよ。
自分家の電話番号ならわかるけど、住所なんて何も使わないから、
自分家の住所なんて全く覚えてないって言ってて、
住所なんて聞くんなら家に電話して奥さんに聞いてみてくれみたいなことを言われて、
その事務の人とかはマジお前ありえないでしょみたいな感じで、
じゃあお前自分家の家とかどんな色なのか覚えてるのかって言われたら、
自分家の家がどんな色だったかということすらもお父さんは覚えていなかった。
これがこの後の話にも繋がるんですけど、
私たちは注意を払っていないものを覚えておくことはできない。
スピーカー 1
そうでしょうね。
スピーカー 2
よくある他人の名前が覚えられないって多くの人が悩んでるじゃないですか。
あれって結局は他人の名前を覚えられないんじゃなくて、
他人の名前を覚える気がなくて覚えていないだけであって、
相手の顔を見て名前を聞いて、そこで注意を払うことができなければ、
やはりもう記憶に残ってないんですよね。
忘れてしまったわけではなくて、
スピーカー 1
俺たちは覚えてもいない。
スピーカー 2
そのためにやっぱり大事らしいです。
まず話を聞いたら、相手の名前を聞いた瞬間に反復するとか、
あなたは暮田忠則さんと言うんですね。よろしくお願いします。
ってまず最初に口に出すことが非常に有効で、
どうも後藤ですって言っているだけではやっぱり記憶に残りにくくって、
相手のことをそうやってちゃんと覚えておくっていうことと、
同時にやっぱりそこに注意を払うということをまず意識するということ。
短期記憶というのは基本的に15秒から30秒ぐらいしか脳内には留まっておいてくれなくて、
30秒以内に要するに2人3人と挨拶したら、
スピーカー 1
名前なんて覚えられるわけがないとも言えるんですよね。
要するに耳からすどおりするというような状態になってしまう。
それは認知資源を十分にそこに振り分けてないから。
振り分けてないということは脳からしたらその対象は重要ではないっていうサインなので、
覚えてくれないですわな、これはもう。
スピーカー 2
結局進化的な話でいうと、それだとやっぱり何回も顔を合わせて、
何回も話をして、何回も名前を聞いて、何回も名前を発音してっていうことをするしかないっていうことではあるんですけども。
スピーカー 1
覚えたかったらね。
僕も全然人の名前覚えられない派で、
でもTwitterのアイコンは分かる派なので、
だから結局ハンドルの部分を見てないんだよね。
メニューは入ってるけど、アルファベットが並んでるのを見てなくて、
でもアイコンは見てる。
だからどこに注意を払ってるかで何を覚えられるのかは決まんねんけど、
最大の問題は人が払える注意の量には限界があるわけですよね、これ。
で、人に名前を覚えたいと思ってる人は多分別のことに注意を払ってるんだよね、結局。
スピーカー 2
たいていは。
スピーカー 1
だからトレードオフを選択するっていう考え方をせいへんと、
多分名前を覚えられたけど今度別のことを覚えられてなくなってるっていうことが起こるのが人間ですわな。
スピーカー 2
どこまでそこに力を払うかっていうことで、
正直、例えば立職パーティーで30人の人に会って、
そんな人の名前を覚えることって、実際俺も今は価値がないことだと思うので、
どうでもいいっちゃどうでもいいんですよね。
スピーカー 1
自分が社交的になりたいとか、いろんな人と仲良くなりたかったら注意を払った方がいいし、
そういう注意を払うことなく人の名前を覚えたいという願いは、さすがにちょっとタイダすぎるよなっていう話ですね。
スピーカー 2
人の名前を覚えようと思ったら本気を出せってことなんですよね。
覚えらんないって悩んでいるというのは、悩んでいるのではなくて、結局覚える気がないんだということに気がつくこと。
面白いのが、なんで俺たちはそんなに人の名前って覚えらんないのか。
簡単に結論を言うと、手がかりが少なすぎる。繋がりが少なすぎるから。
スピーカー 1
実体と名前の間に?
スピーカー 2
そう。例えば、本の中で出てきたのは英語なんですけども、
私、パン屋の暮らしたタダノリって言うんですっていう表現をすると、
暮らしたタダノリさんということは覚えていられないんだけれども、
パン屋さんのあの人っていうことって覚えていられるんですよね。
スピーカー 1
それはわかるわ。
スピーカー 2
私、小説家の後藤ですって言えば、小説のなんとかさんですよねっていうふうに覚えていられる。
この本だと、どっちもベイカーさんっていう名前なのか、パン屋さんとしてのベイカーさんなのかっていうことを、
その例えとして出していたんですけど、
名前は覚えられないけど、パン屋だっていうことは結構覚えていられる。
これって何でなのかっていうと、
今までの話の大体出てきていることなんですけど、
繋がっている要素が多いから。
パン屋という概念には、暮らしたという聞き慣れない単語よりも、
遥かに脳内で他の要素と繋がっている部分が多いので、
そういう繋がりが多いことが多ければ多いほど、
そのフレーズというのも思い出しやすくなる。
スピーカー 1
たとえば、昔、苗字がなかった時代があって、
適当に苗字を名乗ろうってなって、
山の田の近くに住んでるから山田って名乗るのは、
まだ距離が近かったわけじゃないですか。
あの人は山の近くに住んでるから山田さんやっていうのは、
一応実体との距離があったけど、
もう全然関係ないですからね。
その人の名前と苗字と。
名前はちょっと、いやないか。
名前で成果が決まったのもせえもんな。
だから、その人のアイデンティティとほとんど関係がないんだよね。
苗字とか名前っていうのが。
それは覚えられるかな。
スピーカー 2
あと多分どこの国でもね、
ファミリーネームって結構社会的に出てきたものなので、
その日本でも苗字持ってた人なんて江戸以降ですよね。
全員が苗字持つようになったのは明治か。
明治になってからっていうレベルなので、
多分ね、みんな一部の人だけそういう関係があったっていうレベルなんでしょうね。
スピーカー 1
例えば、ゴリゴさんが顔の周りに5つのフジを付けてた。
そういうビジュアルやったら覚えられると思うけど。
VRの世界やったら覚えられるかもしれんけど。
まあ関係ないわね。
スピーカー 2
まあでも結局見た目ですからね。
ちなみに小ネタなんですけど、
後藤とか加藤とか佐藤とか伊藤とか、
なんとか藤っていう人めっちゃいっぱいいるじゃないですか。
あの人たちはね、みんなね、藤原からの由来らしくて。
スピーカー 1
そうなんや。
スピーカー 2
ただ、例えばなんですけど、
スピーカー 1
佐賀にいた藤原さんのことが佐藤さんと言っておる。
スピーカー 2
香賀にいた後藤さんが加藤さんであり。
スピーカー 1
今、瞬時にそのなんとか藤さんの名前が覚えやすくなったわ。
スピーカー 2
それはいいかもしれないですね。
諸説あります系の話ではあると思うんですけども、
藤原氏が平安時代にものすごい勢力を持っていて、
そこら中に藤原の一族がいた。
で、俺は富山の藤原だ。
俺は愛知の藤原だ。
大阪の藤原だ。
っていうのでそのなんとか藤、なんとか藤って名乗るようになった。
面白いね。
自分の苗字がレアなので興味を持って調べているんですけど。
ちなみにその後藤は音だけで聞くと、
みなさん後ろを想像すると思うんですけど、
私の苗字の後藤は関数字の五なんですよね。
で、これは何から来ているのかなっていうのは分からなかったです。
スピーカー 1
他ないもんな。四藤とか六藤とかないもんな。
スピーカー 2
無藤はあるけど字は違いますね。
スピーカー 1
多分だから日本でよくあるけど、
最初に後ろの五っていうのがあって、
で、その差別化したくて漢字変えたっていうパターンだと俺は思うけど。
スピーカー 2
俺ね、地名系なんじゃないかと思うんですよ。
よっかいちみたいなそういう系の。
スピーカー 1
なるほどなるほど。
記憶の偏りと変化
スピーカー 2
後ろは例えば文語とかそういうのがあったりするので、
もともと地名であったと思うんですよね。
スピーカー 1
こうやって誰かの苗字について注意を払うと、
まず忘れへんのねこれ。
スピーカー 2
で、後藤の場合で言うと、
普通に音で後藤って言ったら覚えられないかもしれないんですけれども、
余計な話として今の話を全部話せば、
さすがに多分聞いてくれている人全部覚えてくれるんですよね。
スピーカー 1
注意を向けるからね、そこに。
スピーカー 2
うん。なので逆に言えば人に覚えてもらいたかったら、
注意を向けさせることを意識しないといけない。
今みたいな小ネタでもいいし。
スピーカー 1
特に一般的な苗字の人ほど工夫が必要だよね、きっと。
スピーカー 2
で、逆に倉下さんとかは珍しいから覚えづらいがありますよね。
スピーカー 1
あと、あんまり語感が、倉と下ってあんまり結びつかないじゃないですか。
スピーカー 2
言われるとそうなのかな。
スピーカー 1
下がどういう意味かは知らんけど、
俺のイメージは倉の真下っていうイメージやから、
あんまりいい感じじゃないよ。
あんまり日常的にも結びつかないからね、倉の下って。
倉の中とかは分かるけど、外と中とかに分かるかな。
だから、2つともすごい小学校で習う感じやけど、
結構組み合わせ自体がレアなんで、
間違えられやすいね、倉元さんとかに。
スピーカー 2
うーん、そうですね。
うちの奥さんもね、旧姓北広二だったんですけど。
スピーカー 1
そうやったね、確か。
スピーカー 2
100%に近い確率で北王子さんって言われている。
それは京都に北王子という通りの名前があって、駅名があって、
そことの結びつきが強すぎて、勝手にそっちと結びついてしまう、脳内が。
スピーカー 1
だから、自己紹介するときに、こういう通りがありますけど、
実はこうなんですって説明すると忘れられにくくなるし、
むしろ覚えてもらいやすくなる。
スピーカー 2
そうですね、いつも北王子と間違えられる北広二です。
スピーカー 1
言ったら、覚えてもらいやすくなる。
そこまでの努力の価値があるのかどうかは知らないけど。
スピーカー 2
印象に残りやすくなる。
注意を払いやすくなることを。
スピーカー 1
どこに注意を払ってくださいって、こっちから向こうに伝えることが、
覚えてもらいやすくなるための工夫だということは言えそうですね。
スピーカー 2
そうですね、そういうふうな言い方もできるかな。
かつて俺がずっとタオルを巻いていたのとかも、
注意を払ってもらうための手段だったりもしたし。
スピーカー 1
だから、いわゆる差別化ということだけど、
差別化のポイントは、他の人が同じことをやりだすと注意を払ってもらえなくなるから、
期間限定なんだよね、その方法論というのが。
スピーカー 2
そうそう、一時的に。
ラシタさん、ビールが好きですみたいなのとかアピールしてましたよね。
スピーカー 1
そうだね、最近もうやらなくなった。
スピーカー 2
そうそう、もう10年くらい見てないなっていう印象があるから。
やっぱ差別化しづらいんですよね、それだけでは。
スピーカー 1
そうやね、確かに。
スピーカー 2
っていうので、それはマーケティング的な観点というか、
セルフブランディング的な観点でもやはり、
注意を払ってもらうためにはどういうことをしたらいいかっていうふうに考えることもできるし、
本の内容がそんなに難しくないので、やっぱりそういうことを考えながら読める余地がある。
スピーカー 1
確かに、それは言えるね。
スピーカー 2
難しい本を読むと、そのことを考えることに全力を尽くしてしまって、
こういう余計な話をする余力がない。
そういう意味では、ゆっくり読んで、
そういえばこれってそうなんだな、みたいな話とか、
まさに脱線によって覚えること。
余計なことを、より喋ることによって覚えることというのもできるんじゃないかなっていう。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
この本に書いてあったのは、やっぱり人の名前はとにかく難しいんで、
可能な限り視覚化しておくことと物語というかエピソードにしておくっていうのが大事で、
本に書いてあった例えば、自分には直感的じゃなかったんですけれども、
例えば、ニュージーランド旅行に行ったニューヨーク出身のお医者さんのサラ・グリーンさんを覚えたいならば、
I LOVE NEW YORKのTシャツを着た女優のサラ・ジェシカ・パーカーが、
ニュージーランドの青々としたグリーンの草原で羊の心臓に聴診器を当てている、
そういう光景を想像しておくと、サラ・グリーンというものが、
サラ・ジェシカ・パーカーと無理やり結びつけることによってサラを覚え、
グリーンの草原によってグリーンを覚え、ニュージーランドと紐付けたり、
I LOVE NEW YORKのTシャツとニューヨーク出身ということを紐付けてっていう物語を増やしまくること。
スピーカー 1
なるほど、なるほど。
スピーカー 2
っていうことをしてもらうと、非常に覚えやすくなるらしいです。
スピーカー 1
でもそれっていわゆる完璧効果みたいなやつで、
そうやって考える時点ですごい注意を向けてるわけじゃないですか、その物語を。
それで結構覚えてそうな気がするね、なんか。
スピーカー 2
まあそれはね、よくある勉強のいい意味の罠っていうか、
テストはテスト問題を作ると一番覚えられるっていうのと一緒で。
スピーカー 1
だから近い感じがするね。
スピーカー 2
記憶も、記憶する工夫をすることがやはり一番覚える基本になる。
スピーカー 1
どんな物語でこじつきでもいいから、とにかく自分でその操作をやってみることが一番大切だということですね、これは。
スピーカー 2
まあでしょうね、あとは視覚化みたいですね、やっぱりそれで言うと。
マッスルメモリーなんじゃないかなってその読みながら思ったんですけど、
視覚から得た情報って割とマッスルメモリー的っていうのかな。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
なのでそういう風にイメージで覚えることと言語を紐付けることで、
より繋がりが深くなって手がかりが多くなるから覚えやすくなる。
スピーカー 1
ああ、そうか。だからストーリーっていうのはビジュアルイメージプラステキストの語りっていうことか、なるほど。
スピーカー 2
うん、なんじゃないかなって。
ビジュアルで浮かびやすい人、浮かびにくい人、いろんなタイプがいるとは思うので、
一概にそればっかりが正しいとは言えないんですけど、
目が見える人であればおそらく視覚の影響はでかいはずで、見えない人すらもでかいのかもしれない。
スピーカー 1
そうか。見えない人は逆に音とかが記憶の取り替えになるのかな。勝手な伝送やけど。
スピーカー 2
それ系で言うと脳みそ、目が見えなくなると、見るところに使ってた部分を他のことに資源を使うようになるっぽいので、
音の細かな違いとか聞き分けられたりとか、そういうことはあるんじゃないかなって思うんですけどね。
あと音の話で言うと、この本じゃなかったんですけど、人間がいかにとんでもなく音を聞き分けられるのか。
金属のフォークがコンクリートの地面に落っこちた時と、土の上に落っこちた時って当たり前だけど、
当たり前に俺たち聞き分けられてるけど、そういうことって結構すごいですよね。
確かに。
とか遠くで落っこちた音なのか、近くで落っこちた音なのかも音だけでかなり予測ができる。
そうだね。
そういうのも人間のすごいところというか、たぶん目が見えない人というのは、それがもっと研ぎ澄まされるんだろうなって気はしますね。
スピーカー 1
なんかダウンの本やったかな。前回紹介した数学の本に出てきたやつやけど、目が途中で見えなくなった人が、
自分で舌打ちをして、その反響音で周りが見えるっていうか、把握できる。
エコロケーションができる人間。
コウモリとかコウモリがやってるやつを教えちゃうのは自分でひらめかかったのかな。
それでできるようになって、今はそれを教える仕事をしてあるっていう話を聞いて、
人間乗るってそこまで仮想性があるんだなっていうのはちょっと驚いたね。
スピーカー 2
そうですね。どんなことでもそうだからな。自転車乗れることだってめっちゃすごいですからね。
スピーカー 1
よく考えたらすごいくらいかもね、あれは。
スピーカー 2
なんであんなものがバランスとって倒れずに乗れるんだっていうことが誰もができることで当たり前に感じてしまうけれども。
泳ぐとかでもそうですからね。以前、水泳の記録とか、水泳のことを勉強してたんですけど、
クロールなんて100年レベルの歴史しかない。
スピーカー 1
おー、そうか。
スピーカー 2
バタフライなんて本当につい先日できたもので。
スピーカー 1
そりゃそう思うわ。
スピーカー 2
クロールができたの、バタフライって当時は平泳ぎが花形だったんだけれども、
大雑把に言うと平泳ぎのルールって左右対称の動きをしないといけないみたいなルールが、ルールブックに定めていたルールがそれだったから、
誰かがバタフライっていう泳ぎを開発して、あれ左右対称なんですよね。
それによって勝ちまくってしまって、
で、水泳の子さんの人たちがあんな美しくないものを水泳の頂点にするのは認めないとかって言って、ルールを変えてバタフライは別項目になり、
背泳ぎとかいろんなものが平泳ぎしか実質なかった。
ちょっとその辺りも記憶が曖昧なんですけど、クロールという泳ぎ方もかなり後になって発明されたもの。
だってよくよく考えたら、動物とかって犬とか平泳ぎみたいなことするけど、クロールする動物どこにもいないもんね。
スピーカー 1
そもそも人間は泳ぐための動物じゃないもんね。
スピーカー 2
そう、水中に潜ることは多分結構みんなやってるんですけど、水面を早く泳ぐことは意外と必要とされていないというか、後天的に文化的に開発されたもの?
スピーカー 1
そういう能力を自らのマッスルメモリーに取り込んでいけるという人間の拡張性ですよね。
スピーカー 2
そうですね、別に運動神経普通並みな俺がちょっと練習すれば別に100メートル200メートル簡単に泳げるわけで、結構面白いというか、マッスルメモリーの凄さ、人間の能力の凄さ。
スピーカー 1
それはそう思うわ。
スピーカー 2
あとさっきの忘れる、覚えることについての話は大体そんな感じで出てきたので、忘れること。
俺たちはまず記憶というものはとんでもなくすごく偏りがあるし、さらに言うと記憶が変わりまくってしまうっていうのはすごく有名な話で、
例えば、気球に乗ったこと覚えてる?って質問されて、そこからいろんなお話を作られまくると、自分の記憶にないのに気球に乗ってるっていうことを、そういえばなんか昔お父さんと乗った気がするみたいな記憶って作られてしまうらしくて。
あと、2009.11のアメリカの同時テロの時って、ペンシルバニアに墜落したハイジャックっていうのがあったんですけど、それって覚えてます?
スピーカー 1
全然。
スピーカー 2
そんなものは存在してないんですよね。
スピーカー 1
そうなんや。
スピーカー 2
でもね、そういうふうに言われると、そこからもうちょっと掘り下げて、あの時あったじゃん、あったじゃんって言われてしまうと、簡単にあったことになってしまうらしいんですよね。
言われるとあった気がするみたいな感じで。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
よく考えたら2001年にそんな動画なんてたぶんたくさんないはずなんですよね。
ちなみにで言うと。
そりゃそうだ。
そういう合理的なことも意外と思い出せなくなってしまって。
俺たちってまず何か物事が起こった時に覚えてることって、まず偏ってるんですよね。
注意を払ったことしか覚えていない。
で、もう一回思い出すっていう行為って、脳みそが同じ光景を再生しているというもので、脳内の処理としては見る時と同じことをやっているらしいんですよね。
で、ディティールというものは脳がなんとなく補完してしまう。
なんとなく補完したのって見た時とは同じとは限らない。
っていうことを何度か繰り返すと、簡単にその時の記憶というものは違ったもので固まってしまうということが起こって。
実験なんかでもいっぱいそういう結果が出ているみたいで、
5年前のこと、こういうことを覚えておいてくださいねって言って覚えておいてもらって、
覚えやすくする工夫
スピーカー 2
後から実験すると自分の音声の記録すら残っているのに、
俺はそんなこと言った記憶はないみたいなことをみんな言い出したりだとか。
まず何よりも俺たちはその記憶が間違っているということがすごく普通だったりとか、
あと誘導されてしまうと簡単に記憶が変わってしまう。
車がぶつかった映像を見せた後に、車ってどのぐらいのスピードで撃突しましたかって聞く時と、
どのぐらいのスピードで衝突しましたかって聞かれた時で、
そのアンケートを取ると平均値で14キロぐらいスピードの違いが出てきたりだとか。
っていう感じで結構簡単に記憶は変わってしまうし、
強いストレスを受けてたりすると余計見えてるものっていうのが狭くなるので、
結構大事なことだと思うんですけど、
目撃者の証言とかって結構そうみたいなんですよね。
あの時犯人の顔って覚えてますかって言われて、
記憶の変化とディティールの喪失
スピーカー 2
本人からしたらとてつもなく注意を払った、とてつもなく特別な出来事なので覚えているつもりなんだけれども、
簡単に記憶は変わってしまう。
さらに言語隠蔽効果と言われるやつ。
これ知ってる人は知ってると思うんですけど、
見たものというものを言葉にすることによって、
要するに記憶が、視覚で見た映像を言語化することでディティールがかえって落ちてしまう。
で、犯人の顔ってどんなんでしたって言語で聞いてしまったせいで、
写真を見た時に違う人の写真を見て、この人だっていう風に簡単に勘違いができてしまう。
こういう実験も結構いっぱいやっているみたいで、
いかに記憶が曖昧で忘れるもので貧弱でやばいものなのか。
さらに言うと、時間が経ってしまったらどんどん物事を忘れていくってすごく当たり前なんだけれども、
よくある出来事だし、
やることリストみたいなものがない。
明日何やろうと思っていたことというのも全然覚えておけない。
そういうこともいっぱい忘れてしまうんだけれども、
結構忘れることって重要だよっていう話が出てきていて、
例えば、倉下さんが昨日車に乗った時に車をどこに停めたか。
そういうのって、例えばショッピングモールに車を停めて帰ろうと思った時に、
どこに停めたかわからなくなるって結構困ることなんだけど、
その情報ってその日しかいらないですよね。
これが忘れられない人からすると困ったことみたいで、
1週間前に停めた車の場所を覚えているから、
スピーカー 1
今日停めた車の場所ということを逆に覚え出すのが難しい。
スピーカー 2
ホテルに泊まった時に部屋番号が何番だったかということというのも、
結局忘れるおかげでそういうことを思い出すことが逆に簡単になっていて、
何もかも覚えられる話、
最近出た間違えるの?っていう本とかにもその手の話はいっぱい出ていて、
おそらく倉下さん読んでいるので知っていると思うんですけど、
全部を完璧に覚えてしまうということは、
要点をつかみ取るということが逆にできないということも意味していて、
要するに、俺たちは忘れることができないと理解することができないという言い方ができてしまう。
そういう点で忘れるということが絶対訳みたいなイメージがどうしてもついてしまうんですけれども、
全然そんなことはないぞと。
そういうことの大切さみたいなことも結構いっぱい書かれています。
スピーカー 1
記憶が変わりやすいとかっていう話が基本的に否定的な文脈で語られるじゃないですか。
でも、例えばコンピューターメモリーと比較したらそうなだけであって、
僕たちの生存にそういうランダムな情報を記憶しておかなければならないという生物的な要請もないわけですし、
もっと言うと、そういう工業的な社会を作り上げて、
忘れることの重要性
スピーカー 1
それは人間の脳の本来的な性質にはあってないけど、それに合わせろと要求されているだけであって、
記憶は非常に健全、その弱さこそが健全なんであって、
それを弱いと評価してしまう私たちの価値観がむしろ間違っているのではないかなというのを最近いろいろと思いますね。
スピーカー 2
忘れてしまうと、残念だったな、もったいなかったなってやっぱり印象付いてしまいますからね。
現代社会ゆえなのか、古代に生きていないのでわかんないけれども。
スピーカー 1
間違える脳も呼んでいて、人を賢くする道具も呼んでいるんですけど、
人間の脳の本質的な働きを評価軸にするんじゃなくて、
コンピューター的な働きからどう劣ってるかっていう見方をすると、
どんどん間違った方向に進むんじゃないかなというのを、
最近いろいろな本を読んでて感じてますね。
スピーカー 2
この本が素晴らしいなと思ったのが、
メモすればいいし、わからんことは調べればいいってはっきり言っていて、
それによって脳の能力が衰えることはないって言い切ってるんですよね。
例えば、あの名前なんだったっけ、あの人、あの人って言うときは、
Google検索すればいいって言ってて、
それは良くも悪くも、思い出す訓練をしたからって、
脳力が維持できるわけではなく、
年取るともう絶対劣れると。
それは宿命で、目が悪くなったらメガネをかけるのと同じように、
忘れたらGoogle検索をすればいいし、
覚えておこうと思ったらやることリストを作れ、メモを書け。
現代社会にちゃんと非常にマッチしていて、
その手のツールを頼ることが、
もう多分絶対っていう書き方ぐらいだったと思うんですけど、絶対悪じゃない。
スピーカー 1
そうやね、だから逆に言うと、
記憶を全て蓄えることが人間の脳の役割でない以上、
その必要ないことは全部機械に頼ったらいいし、
だから暗記する訓練、ランダムな情報を暗記する訓練って、
人間がやる、人間の脳に任せるような仕事じゃないわけですから、
どんどんそこは機械的な方にやっていって、
人間はどんどん忘れていけばいいって言うと、
記憶力を上げる方法
スピーカー 1
いかにも反技術的というか、
どう言ったらいいかわからないけど、
堕落方向に行くような感じがしますけど、
結局人間のマッスルメモリーは、
興味があることは必然的に覚えちゃうわけですよね、結局。
スピーカー 2
そう、マッスルメモリーはさらに言うと、繰り返すことですからね。
スピーカー 1
だから覚えるものは覚えるんですよね、結局。
どうしようと。
記憶力を上げるって言われるときに、
ランダムな情報を覚える能力を上げるっていうような言い方であれば、
そんな能力は全然いらんわけで、
むしろ興味を持つことにどんどん触れようと、
そうすると、むしろ人間の能力って上がっていくよねっていうのが、
健全な捉え方な気がしますね。
スピーカー 2
それね、まんま今の話を出てきてすごかったなってやつなんですけど、
アルツハイマー対策で大事なのが、
どうやらそういうところにあるっぽい。
アルツハイマー病って、
まだやっぱ分かっていないことがめちゃめちゃたくさんあって、
修道場の人だったかな、
研究に協力してもらったの方の死後の脳を調べたっていう話が書かれてたんですけど、
要するにアルツハイマー病でも何でもなかったんですけど、
亡くなってから解剖してみると、
この人どう考えてもアルツハイマー病やんっていうぐらい脳が萎縮していたのに、
死生活を何の問題もなく過ごせてしまっている。
まさにここで出てきた過疎性とかそういうところなんですけど、
新しいものにどんどん興味を持って、
脳の新しい部分をどんどん使えば使うほど、
アルツハイマーによってダメな部分ができたとしても、
それを脳は補ってなんとかできてしまう。
ここに関してはまだ分からないことがいっぱいあって、
これが正しいみたいなことが断言できるわけではないんですけれども、
新しいことを学んでいくとどんどんシナプスが増えて、
シナプスの活動というものはどんどん強化されるらしいんですよね。
その機能するシナプスさえ多ければ、
アルツハイマーでかつてのシナプスが失われてしまったとしても、
ちゃんと機能してくれる。
そういう点で新しいことにどんどん興味を持つことが、
ボケ防止になるという古典的な話が、
ちゃんとそういう観点からも補強されている。
スピーカー 1
だから、何かを知っていることが重要というよりは、
何かを知ろうとする気持ちが重要ということかね、この場合は。
スピーカー 2
おそらく全然関係ないことであればあるほどいいんじゃないかなって想像もします。
言語ばっかり学ぶのではなく、
言語を学ぶこととテニスをすることと裁縫をすることと料理をすることと。
スピーカー 1
だから生活することと、いわゆるリベラルアート的な一般的な教養に関するものとか、
この世界そのものについて興味を持っていけば、
興味の種がなくなることはないわね。
スピーカー 2
あと運動自体もアルツハイマーのリスクを下げる効果はあるみたいですね。
心臓にいいことというのが全般的に脳にも効果的なことが多いらしくて。
そういうふうに覚えておくといいのかもしれないですね。
結局俺たちはどう考えても老化によって覚える能力というか思い出す能力というか、
そういうものはどう頑張っても退化はしていくみたいなんですよね。
全般的にそのこと自体が悪いことだというふうには言っていなくて、
幸せに生きるためにそんなことは必要ないというので、
著者の友達でアルツハイマーの人というのが本の中でも何回も出てきていて、
その人は本当にアルツハイマーなんだけれども幸せに生きているぞみたいな物語なんかもあったりして、
たぶん映画なんかでもそういうことが語られているんじゃないかと想像するんですけれども、
それを大体そんな感じのことを踏まえて大雑把に、
俺たちはどうやったら覚えやすいのか、
記憶力をどうしたら伸ばすことができるのか。
一番有名なところというかよく言われているのが、
結局文脈で覚えておくこと、物語にすることという言い方なのかな。
これも有名な実験なんですけど、
物事を思い出しやすいのって、同じ環境であることの方が思い出しやすい。
水中で英単語を覚えてもらって、
その上でどのぐらい単語を覚えているかという実験をするときに、
陸上でテストをするよりも水中でテストをした方が成績が良かった。
というような実験もこの手の本を読んでいるとよく出てくるんですけど、
それですごく納得ができるのが、
故郷に戻るといろんなことが語れるようになる。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
言われてみるとめっちゃそうだよなって。
あなたの故郷について教えてくださいって言われて、
パッと語るのって難しいかもしれないんですけど、
実際にその場所に行って話を聞くと、
おそらくすごくリアルに想像できるんですけど、
そういえばここではこの頃こんなことがあってこんなことがあってっていうのが、
場所に紐づいてどんどんどんどん記憶出てくる印象があるんですよね。
その場所の前を通れば思い出しやすい。
覚える場合というのは逆に言えば、それをいかに覚えることの結びつけていくのか。
自分が覚えた環境というものを思い出す環境と、
例えば同じようにしておくだとかそういうことも重要だろうし、
さらに言うと感情とか体調とかそういったものも、
スピーカー 1
その用語で言う文脈の一部になり得るらしいんですよね。
スピーカー 2
だから怒っているときないしは喜んでいるときっていう感情の幅があるときほど覚えやすい。
怒っているときは怒っていたときのことを思い出しやすい。
そういうことか。
悲しいときは悲しいときのことが思い出しやすい。
思い出してしまえばしまうほど記憶というものは強化されてしまう。
忘れるのところで言うのを忘れていたんですけれども、
嫌なことがあった場合は思い出さないことがコツなんですよね。
スピーカー 1
論理的にはわかる。
スピーカー 2
よく言われるのが嫌なことを思い出しちゃうから一生懸命仕事に打ち込むとか、
何か他に熱中できることを思い出して打ち込んでいく。
これもこれまでの科学でわかっていることで非常に理にかなっていることで、
思い出すことってもう一回その体験をすることなので、
思い出すことを繰り返せば繰り返すほどその記憶というものがより強くなって、
忘れることができなくなってしまう。
人間がそもそも割と全般的に人間の傾向として、
良いことを覚えておいて悪いことを忘れやすいという傾向はあるらしいんですけれども、
ビッグファイブで言う誤差みたいなものとか、
人間同士のパラメーターの違いというのは存在しているので、
悪いことは忘れようと意識して忘れることが非常に重要である。
これも覚えておくと非常に重要なことじゃないかなと思っていて。
さらに言うと、運が良い人とか運が悪い人っていうのも結構そういう要素があって、
スピーカー 1
何を覚えているかによって違う。
スピーカー 2
悲観的な人ほど自分に起こった不幸な出来事を何回も何回も思い出して、
私は不幸な人生を歩んできたということが印象を受けて、
さっき言った何回も繰り返すと記憶は変わるんですよね。
その時に良いことが起こっていたのかもしれないけれども、
悪いことばかりを思い出してしまうと、
その時そこから結局悪いばかりの人生になってしまう。
これはもちろん性質はあるんですけど、
やっぱり知っていて学べば変えられることだと思っていて。
スピーカー 1
一度定着した記憶を変えるのは相当難しいけど、
いわゆる認知行動療法というのはそれを目指しているものです。
スピーカー 2
結構でき得るみたいですよね。
最近の研究でいうとかなりのレベルで。
記憶の書き換えと嘘
スピーカー 2
記憶を書き換えてしまうことを、
さっき言ったハイジャックの動画とかでも、
嘘を暮らした際にあと200回ぐらい言えば、
たぶん擦り込まれると思うんですよね。
スピーカー 1
擦り込まれると思うわ。
スピーカー 2
絶対事実だって言われて言い続ければ。
スピーカー 1
だってその絶対事実だって、
人間の嘘を区別する能力がないって言われるけど、
絶対事実だって言われ続けたら、
僕がその専門家でない限り反射するものを持たないから、
いつしかそれは事実だったっていう風に、
スピーカー 2
何て言うのかな、
スピーカー 1
気が滑らかになっていく、意思を解くかのように、
無駄な部分が省かれて、
事実だったっていうだけが残っていくような変化が起こるのが、
容易に想像できますね。
スピーカー 2
なので、自分の過去に関してもそれに近いことは、
簡単ではないかもしれないけれども、
できるんじゃないかと自分は読みながら思っていて、
これは幸福に生きるためのコツだなと思うんですよね。
いいことを意識的に思い出す。
嫌だったことは難しいけれども、
意識して思い出さないようにする。
スピーカー 1
思い出してしまったら、別の解釈、
他の考え方をしてみるというのがよく言われますね。
スピーカー 2
書いてしまうと意外と良くなかったりもするみたいですからね。
スピーカー 1
書き方がポイントらしいわ、どうも。
スピーカー 2
事実だけを書けば良いとかですよね、方向でいうと。
スピーカー 1
極力客観的に他者の視点で書くようにした方が良いという話は聞く。
スピーカー 2
あれですかね、前にらしたさんが教えてくれた、
私はって書くんじゃなくて、
暮らしたただのりはって書くと良いかもしれないとか。
スピーカー 1
そういうのと近いと思うわ。
いかに視点を変えるかというのがポイントだと思う。
スピーカー 2
そのあたりはどうすることが最善かとか、
難しいことはいっぱいあるんですけど、
その文脈で覚えておくということの話からちょっとそれたんですが、
そういう感じの話だったりとか、
ストレスと記憶
スピーカー 2
ストレスと記憶の関係性みたいな話も出ていて、
結局ストレスと記憶にどのぐらい関連性があるのかっていうのは、
時と場合によるとしか言えなくて。
ストレスが高い時は新しい記憶自体は作られやすくなるみたいなんですよね。
スピーカー 1
ただ同時にその際には記憶の早期が行われにくい。
スピーカー 2
さらにストレス時の記憶は確かに新しい記憶が作られやすいんですけど、
視野が狭くなっている。
対象がフォーカスされて全体のディティールが下がっているので、
結局覚えることに関してはストレスがゼロではダメだけど、
大きすぎてもダメだという割と普通な結論。
スピーカー 1
この辺はよく出てくる。緊張の度合いというのは。
例えばクマに遭遇したらとりあえず逃げろやからね。
あのクマの特徴はどうこうとかって見てる暇はないわけやから。
強いストレスほど大雑把になるのはナチュラルなことやからね。
スピーカー 2
慢性的なストレスはもう明確に記憶にとって有害だっていうのも言われている話ですね。
睡眠と記憶
スピーカー 2
もう一個極めて最もおそらく大事だろうというのが、
スピーカー 1
物事をよく覚えておくためには睡眠を取ろうという話。
スピーカー 2
記憶力を高めてアルツハイマーのリスクを大幅に下げる、その素晴らしいもの。
言われてはーって思ったのが、
睡眠というのは注意を払うために必要なものだと。
言われたら本当や確かにそうだっていうことを思って。
眠いといろんなことが雑になるじゃないですか。
つまり物事に注意を向けることができないんですよね。
スピーカー 1
一旦リセットするって意味?
スピーカー 2
そうかな、MPが回復するという用語でもいいのかな。
常に何かに気づくことができないと、俺たちは物事を覚えておくことができない。
眠い状態では何かに気づくということ自体ができなくなってしまうので傾向として、
そのためにまず睡眠というのが非常に重要で。
スピーカー 1
逆に言うと睡眠に人が眠たくなるのは、
そろそろ周りに注意を払うMPがなくなってきたよというサインなのかな。
スピーカー 2
そうですね、イメージみたいなので書かれていたのは、
会話に溜まったメモリを書き込む作業が睡眠だとも言えるらしいです。
スピーカー 1
そろそろちょっとメモリいっぱいだから休止してくれっていうサインが、
僕らの睡眠欲求として現れていると。
スピーカー 2
特に睡眠不足の時には昼寝というのは非常に有効で、
昼寝でもその間に会話のメモリが開くみたいなんですよ、イメージとしては。
スピーカー 1
わかります。
スピーカー 2
そうすることで物事を覚えやすくもなったりして、
寝ることが最も大事なことだというぐらいな書き方をされていたかな。
スピーカー 1
記憶についてはそうでしょうね、きっと。だって完全に脳内の作業だもんね。
マッスルメモリにも同じことが言えます、これは。
スピーカー 2
だから結局、例えばバスケットのシュートを練習する場合に、
1日じゃ覚わんないんですよね、結局のところ。
練習して、何回も練習して、会話じゃないみたいなので、
どこに保存されているかわかんないんですけど、
どっかに保存しているやつを寝ている間に、
これが一番良かったぞっていうことを思い出してできるようになっていく。
そういうのは非常に重要なことだなと思うし、
自分が最近ギターを練習していて、
次の日に練習したらなんかめっちゃできたってやっぱりあるんですよね。
脳がきれいにしてくれたわけだ。
特に現段階でめっちゃ下手だからっていうのはもちろんあるんですけど、
昨日全然できなかったやつが、なぜかなんですよね、本当に。
なぜかできるようになっている。
それはやっぱり寝ることが重要だし、寝るおかげでできるようになっているので、
本を読むよりも何かを学ぶよりも最も優先すべきは睡眠だということ。
スピーカー 1
本を読んだ後は寝ようぐらいじゃない?
スピーカー 2
でも、本を読む時間によって睡眠時間が減ってしまっては多分ダメだと思います。
スピーカー 1
それは間違いないと思う。
スピーカー 2
あと1時間睡眠時間を削ってでも本を読むは超短期的な結果しか出ない。
スピーカー 1
だから、もっと本を読もうというよりはもう少し寝よう。
もう少しじゃないな、ちゃんと寝ようか。
限界がある。結局どれだけ空き時間に本を読んでも、
その処理に見合う睡眠時間確保的品と脳に定着しにくいわけだから、
インプットの総量も決めてしまうよね、その睡眠で。
スピーカー 2
あと実感として、やっぱり寝る回数を重ねないと覚えないんですよね。
読んだ本の内容にしても何にしても。
あんま嬉しい話じゃないかもしれないけど、
自分が1日に学べる量にはかなり限りがあるなと思っていて。
そのキャパを超える量というのは学べない。
スピーカー 1
例えば1冊の本を1日で読み切るのと、
4日分けて同じ分量同じ時間かけて読んでも、
覚えられるものの解像度が違う。
だから粗くしてしまうよね、結局短時間で読むと。
スピーカー 2
思います、思います。
スピーカー 1
だからどこまで深めたいかによって、
どれくらい時間をかけるかが変わってくるって感じ。
スピーカー 2
そういう意味でも、結局時間をかけるというか、
これは大人になってから得意なことだと思うので、大人の方が。
そういう点でも焦らずにじっくりやっていこうというのかな。
すぐに効果が出るというのは嘘とまでは言わないんだけれども、
大体の場合は事実ではないので。
スピーカー 1
確かにね。
スピーカー 2
すぐに効果が出るということはすぐに忘れるということであり、
すぐに役に立たなくなるということでもあり、
結局できることをやっていくしかないでしょう。
最後に16個の記憶のためのできることまとめみたいなことが書かれていたんですけど、
16個というのはすでに短期記憶のキャパを超えているので。
スピーカー 1
確かに。
スピーカー 2
その点がちょっと突っ込みどころかなとは思うんですけど。
スピーカー 1
でも一気に覚えなさいって言ってるわけじゃない。
まさに本屋人から4つずつ覚えていったらいいんじゃない?
スピーカー 2
そうですね。16個全部音声で言ってもどうせ無理だと思うので、
1個だけ注意を払うことです。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
注意を払うことと、もう1個あったら良さそうな2個。練習すること。
他にもあと十何個あるので、
それは本を見てくださいというのが一番いいのかなと思います。
そんなにたくさんどうせ覚えられません。
でももうその注意を払うだけでほぼ決定できない気がするね。
最後の最後なんですけど、
マルチタスクで生きてはダメだっていう感じのことを言っています。
スマホを見ていてはダメで、マルチタスクを見ていてはダメじゃないな。
スピーカー 1
覚えられない。
スピーカー 2
結局2個のことに注意を払うことは人間が物理的に不可能なので、
画面ばっかり見てるんじゃなくて、1つのことに集中してマルチタスクするんじゃなくて、
1つのことをじっくり楽しめるようにした方がいいよみたいな感じの
非常に健全な締め方もされており、
そういう点でも悪く言うところがない本だった。
スピーカー 1
確かに。
スピーカー 2
最後の記憶のためのまとめが項目多すぎるはあると思うんですけど、
これひょっとしたら日本用に作られたやつなのかもしれないなっていう印象もあって。
スピーカー 1
まあありえるか。
でもまあ別に、16個ぐらいのほうがいいんじゃない?僕は思うんだけど。
無理にマジカルナンバーに収めて覚えやすくするよりは、
何回も読み返さないと覚えられないもののほうが実はいいんじゃないか説。
スピーカー 2
まあそうですね、そういう意味で、実際何回も読み返すというか、
そうですね、このリストだけならそれこそ何回も読み返せばいいですからね、リスト自体を。
印刷して自分のノートアプリとかに貼っとくとか、そんなんでも全然いいです。
スピーカー 1
結局覚えられる項目であったとしても、覚えてるだけで意味がないじゃないですか、結局。
うん、意識できない。
何回も注意を向けたほうが僕はいいと思うね。
スピーカー 2
そうですね、それで言うとあれかな、ノウハウで言うとそういうデイリーノートとかに、
毎日注意を払う16項目をそのテンプレートに入れておくみたいな、そういうことがいいのかもしれない。
スピーカー 1
毎日すると注意を払わなくなるから、15日とか30日とか節目の日に出てくるようにすると良いかもしれないね。
スピーカー 2
ああ、そうですね、そうやって何らかのランダムな仕組みにしておくとか、そういうのもいつもと違うことにする。
ちなみにいつもと違うことをしようもその16項目の一つですね。
スピーカー 1
なるほど。
スピーカー 2
っていう感じで、こうやって何回も見とくと、そうやっていろんなことでつながるのかもしれない。
確かに。
っていう意味で非常に良い本だったと思います。
はい。
ということで、今回はこれぐらいかな。
ブックカタリストでは番組を支援していただけるサポーターを募集しております。
サポーターの方には今日読んだ本の読書メモみたいなものもお送りできるようにしようと思うので、気になる方は概要欄から飛べるリンクをクリックして詳細ご覧ご確認いただければと思います。
それでは今回もお聞きいただきありがとうございました。
スピーカー 1
ありがとうございます。
01:08:13

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