チーターの繊細な恋愛事情
こんばんは、ひとりごとの時間です。 今夜は、どうぶつの恋愛について話そうと思います。
チーターといえば、ライオンやトラと並ぶサバンナの猛獣というイメージを持つ人が多いかもしれません。
ところが、猛獣というより極めて大きな猫に近い存在らしいです。
性格も見た目の印象とは随分異なり、実はとても繊細で臆病なんだそうです。
せっかく仕留めた獲物も、ハイエナのような他の動物が近づいてくると、あっさり譲って逃げてしまうこともあるんだそうです。
野生のチーターが人を襲うこともまずないんだとか。 海外の保護施設なんかでは、親に育ててもらえなかった
子チーターを子犬と一緒に育てることもあるんだそうです。 そんな人に対して比較的穏やかな性格もあってか、人間とチーターの付き合いは
古代まで遡ることとなります。 古代エジプトの王族やインドの宮廷では、チーターを狩猟犬のような相棒として飼育していました。
人間と一緒に馬の背中に乗ったり、馬車に揺られたりしながら狩場へと向かう。 そして獲物を仕留めても自分で食べ尽くすことはせず、
駆けつけたハンターに獲物を譲り、 そのご褒美として肉を分け与えてもらっていたそうなんです。
今の感覚で考えると随分人間と息のあった相棒に見えます。 この文化が最も盛んになったのが16世紀のインド
ムガル帝国でした。 皇帝アクバルは大のチーター好きで、数千頭ものチーターに名前をつけて飼育し、
時には豪華な服まで着せて可愛がっていたと言われています。 ところがこのチーター好きが思わぬことに繋がっていくんです。
チーターはとても繊細な性格をしているため、 人間の飼育家では緊張やストレスから繁殖行動を行いませんでした。
新しい子供が生まれない。 そこで宮廷で飼うためのチーターを野生から
ひっきりなしに捕まえてくることが何百年も続いたのです。 その結果、かつてインドに生息していたチーターは完全に絶滅してしまいました。
可愛がっていたはずの動物が、その可愛がり方のためにいなくなってしまったのです。
なんとも皮肉な話に聞こえます。 ただここで一つ気になることが浮かびます。
今の動物園では時々チーターの赤ちゃんが誕生しましたというニュースを耳にしたりします。
飼育家では繁殖しないはずだったチーターが、なぜ現代では繁殖できているんだろうと調べてみると、どうやらそこにはチーターなりの恋愛事情がありました。
昔の宮廷では仲良くなってもらおうと、 オスとメスのチーターを同じ場所で過ごさせていました。
人間からすれば当然のようにも思えます。 一緒にいればそのうち仲良くなって子供もできるだろう。
ところがチーターはいつも一緒にいる相手を 家族や友達のように認識してしまうんだそうです。
つまり仲良くなりすぎると恋愛対象ではなくなってしまうのだとか、
人間だったらなかなかに複雑な話です。 そこで現代の動物園では、オスとメスを普段は別々に飼育することにしました。
お互いの姿が見えず、鳴き声すら聞こえないぐらいの距離を保たせる。
さらに野生のチーターにとっては、オスのおしっこの匂いが発情の強いきっかけになるんだそうです。
そのため、まずオスのいない場所にメスを連れて行って、 おしっこの匂いだけを嗅がせます。
そうしてメスが発情のサインを示したところで、 初めてオスと引き合わせるんだそうです。
なんだか人間がチーターの恋愛をずいぶん細かくお膳立てしているようにも見えます。
昔は仲良くしてもらおうと一緒にしていました。
それがうまくいかないわけを長い時間をかけて人間は知ることができたんです。
チーターにはチーターの都合があり、人間には人間の考え方があります。
その間を少しずつ探りながら、今度はチーターがチーターらしくいられる距離を作ったんだと思います。
そうして生まれた小さな命のニュースを僕たちは動物園から耳にしています。
昔の人たちが知ることのできなかったチーターの恋愛事情、
ずいぶん繊細な相手との付き合い方を僕たちは長い時間をかけて覚えてきたようです。
それではここで一曲、2人。
ペンギンの意外な恋愛模様
さて、最近テレビや動画配信サービスを開くと、恋愛リアリティショーと呼ばれる番組が人気欄に出てきます。
見知らぬ人たちの恋愛模様や人間関係を画面越しに覗き見て楽しむ番組です。
そんな人間の世界でカップルの見本のように語られる生き物がいます。
ペンギンです。
ペンギンのように末永く仲睦まじく、
そんな言葉があるように、ペンギンは一途な夫婦の代名詞のようにも語られます。
ペンギンは毎年同じ相手と再会し、オスとメスが一緒になって卵を温め、共にヒナを育てます。
その姿を見れば、なるほど仲のいい夫婦なんだろうなと思います。
結婚式のボードや夫婦で使うお揃いの品に描かれているのも頷ける気がします。
ところが少し調べてみると、どうやらペンギンにもいろいろとあるようです。
ペンギンの世界にも恋愛ドラマ顔まけのペンギン模様があるのだとか、
一途な印象とは裏腹に、ペンギンの世界では不倫や離婚もどうやら珍しくないそうなんです。
繁殖期になっても、オスとメスがいつも同じ相手と出会えるとは限りません。
待ち合わせのタイミングがずれて、先に着いた方が別の相手と一緒になってしまうこともあるんだそうです。
そこへ、後から本来の相手がやってくる、そうなると三角関係のようなことも起こるんだとか。
さらに子育てがうまくいかなかった場合には、次の年に別の相手のところへ行ってしまうこともあると言います。
どうやらペンギンにもいろいろと事情があるようです。
さらにペンギンの世界には、石をめぐる少しばかり下世話な話もあります。
ペンギンにとって、巣を作るための小石はものすごく大切なものです。
あるメスは、隣にいる独り身のオスのところへ行き、甘えるような仕草を見せます。
オスがその気になった隙に、巣から立派な小石を加えて、自分の巣へと持ち帰ってしまうことがあるらしいんです。
恋のお誘いかと思ったら、目的は小石でした。
こうしたペンギンたちの関係は、何も野生の世界だけの話ではありません。
水族館の中には、飼育されているペンギンたちの関係をこと細かにまとめた大きな相関図が展示されていたりします。
そこにはペンギンたちの複雑な関係が、まるで恋愛ドラマのように並んでいるんです。
一途で純粋な推し鳥夫婦というペンギンのイメージは、どうやら人間が勝手に作ったものでした。
実は推し鳥夫婦という言葉で使われているこの推し鳥こそ、決して一途な鳥ではないんだそうです。
繁殖期が終われば別れ、次の年にはまた別の相手と違いになる。
そんなことを繰り返す鳥なんだそうです。
どうやらペンギンも推し鳥も推し鳥夫婦という言葉にはふさわしくないようです。
今夜は動物の恋愛について話しました。
それではまた次回。