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こんばんは、ゆうこです。このチャンネルでは、私の読書ログや日々の学びを音声配信しています。
今日は、山崎ナオコーラさんの『ニセ姉妹』という本について話してみようと思います。
まさこ35歳、シングルマザー。浮気した夫と離婚後、姉エリコと妹ソノコと共同生活するのも息苦しさを感じていた。
そこに友人、桃代かっこ愛人顔とあぐりかっこ肩破りが転がり込み、まさこの心に風が吹く。
気が合う人と姉妹となって暮らしたい。偽物が本物に変わる家族のメンバーチェンジ物語。
ということで、久しぶりに山崎ナオコーラさんの本を読みました。
これはですね、スタイフで読書仲間の方にお勧めいただいた本ですね。
私がリアル妹のケイちゃんと配信をしているのも聞いていてくださって、お勧めいただいた本になります。
まずですね、この偽姉妹の本はですね、私はぶんこぼーんで買ったんですけれども、
えーと、女の人かな?がね、えーと3人組み合っているイラストが書かれてるんですね、本の想定は。
で、それをね、ぼーっと見てたら、まず3人のね、こう重なり合っている足の形を見ると、なんか人みたいだなぁと思ったんですよね。
で、すごく抽象的に描かれている絵なので、なんかそんな風に見えてきて、でも足が2本以上見えるから人ってわけじゃないんだなぁと思う。
で、始め、ちょっと引きで見ると、えーと、一番上からね、中でこう相撲みたいにがっぷり四つで組み合っている2人を上からさらに蓋をするような感じで、
上から抱え込むような形で1人乗っかってるこの人に着目すると、なんか蓋みたいだなぁと思った時に、これ家だなと思ったんですね。
3人で組み合っているこのイラストは、家という地を表現しているんではないかなと思いました。
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審議のほどが確認する術がなくてですね、もしあのご存知の方がいたら教えてもらえると嬉しいです。
全然違いますよって言われたらあの都合ってなりますけど、私には委員のように見えると。
なぜこんな話をするかというとですね、これはあの、偽姉妹という関係性を標榜しつつ、家というものがテーマでもあるのかなというふうに読んでいて思ったからです。
主人公のマサコはシングルマザーで子供が、小さい子供がいるんですけれども、そのマサコを助ける形で姉のエリコと妹のソノコがマサコの家に共同生活してまとまり込んで3人で生活していると。
そんな設定なんですけれども、なぜかマサコはですね、立派な意見を持っているんですね。
デザイナーに一から依頼して作った家で特徴があってですね、その家は壁がないんですね。
で、あの、それはですね、別れた旦那にマサコ壁があるよって言われたところから来てるんです。
あなたは人との付き合いに壁を作っているみたいな。
で、それを言った元旦那はですね、もうフルオープンの人だったので、そんな彼に少し憧れもあって、そうだ、家はもう壁を作らずに家族みんながお互いの存在を感じられるような、そんな家にしようと思って壁をなくしました。
なので玄関入るともう家のすべてが見れます。
3階建てなんですけれども、螺旋階段で上がっていくと。
なので3階に行くには、2階の部屋を通って行くと。
で、もう一個の特徴はですね、大きい屋根ってことですね。
外側から見て、家の外壁が見えないぐらい大きな屋根で覆われている家なんですね。
なので結構角度がついています、屋根の。
なので2階の上に3階の天井があるというわけではなく、大きな窓があってそこから空が見えるという素敵な家なんですね。
まさこはとても気に入っているんですが、共同生活をしている、特に姉のえりこはですね、あまり家のことは気に入っていなくて、家に対してブツブツ言ったりします。
で、それ以外にもですね、えりことその子との共同生活で息苦しさを感じる。
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それはですね、私から見るにこの3人はとてもコンプレックスを抱えて生きている人たちなんですよね。
ただまさこはそこまででもない、自分をわりと受け入れていて気に入っているし自分の生き方を気に入っているシングルマザーで、
好きな人ができたから別れてくれと言った夫と、まだ両方の関係性を保っている。離婚はとてもショックだったけれども、それを言った夫の気持ちは理解できる。
子供の、ゆきおという子供の父親としてずっと関係は続けていきたいと思っている。そんな自分の生き方だったり、自分にかわいそうなんてことは思ってないわけですね。
でも、えりこやその子はそうではない。まさこのことを夫に捨てられたかわいそうな子だと思っているし、不倫なんてもう許されるべきではないと思っているし、
まさこが働かずにアクセサリーを作って売っていることにも、どこか鬼が苦しさを持っているし、人は働いて老後のためにお金を残しておくべきだ、みたいなことを正論なんですけれどね、まさこに押し付けてきたりします。
そして何よりまさこが一番嫌なのは、姉妹だから、血がつながっているから、次女の苦難に姉と妹が助けに来るのは当たり前だと、どこか恩気せがましいように思ってしまう自分、みたいなのがすごく嫌だと思うんですよね。
姉妹だからと言って、ありがとうとか、やってあげてる感、みたいなことがとっても煩わしくなってきていて、それで息苦しくなっている。
そこにある時、友人の桃代とあぐりが転がり込んでくるんですけれども、きっかけは夕食に誘ったことだったんですよね。
この二人が夕食を食べに来てですね、その次の日からただいまと言って帰ってくるようになってしまった。
それを自然に受け入れるまさこ。
桃代は実際の姉のえりこと同い年、あぐりは実際の妹その子と同い年。
まるで自分の姉妹がもう一つあるような、バックアップのような二人なわけですね。
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そのバックアップがどんどん居心地よくなってきていて、桃代とあぐりの人柄、さらさらした人柄。
気を使いすぎず、そこそこにお互いを思いやれる関係性みたいなことに、まさこはすごく居心地がよくなってしまう。
そこでまさこが考えたのが家族のメンバーチェンジ。
リアルの姉妹を捨てて、偽姉妹で生きていきたいというふうに思うようになる。
そんなお話ですね。
すごく面白いなと思ったのは、偽姉妹の方に、要するにバックアップの方に価値を感じる。
それって一体何なんだろうと思いますね。
本当の姉妹だからこそ、自分の正しさを押し付けてしまう。
自分たちが育った家の正しさを押し付けてしまう。
その正しさで、物差しで測ってしまうみたいなことがあると思うんですけれども、
育っていくうちにそれぞれの経験をしているので、価値観はやっぱり変わっていくんですよね。
そういったことを思いやれないと、いくら血が繋がっているとはいえ、
気持ちは離れていくっていうことだと思うんですよね。
だからといって、血が繋がらない二人と姉妹になるというその決断は、
突拍子がないし、かなり思い切ったことだなと思いますが、
果たしてそれがうまくいくのか。
そんなところが、この本の読みごたえのある部分というか、面白さに繋がっていくかなと思います。
読んでいてですね、前半は、そういったまさこが感じている息苦しさを、私も同じように感じる読書体験でした。
とにかく、姉のえりことその子の言うことにイライラする。
他人でもこんなことを言う人がいたらイライラするのに、
こういうことを言う人と共同生活して血の繋がった姉妹なんだと思うと、
それはね、確かにね、出て行ってほしいと思うよなと、私もそう思いましたね。
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そして、私も姉妹というか妹がいる身なので、そういうことからちょっと思いを馳せてみると、
私は自分が正しいと思って生きてきた、本当に何十年があるので、
妹のけいこちゃんからすると、お姉ちゃんのルールですべて測る、適用する、
ちょっと乱暴なんじゃないのって思っていることがね、何度もあったと思うんですよね。
私とお姉ちゃんは違う、みたいな。
あなたはそれがそれでいいかもしれないけどとか、
あなたはそれが許せないかもしれないけど、私は違うんだというようなことを言われたこともあったかもしれないと思うし、
私が言ってしまった瞬間そんな顔をしているなと気づいたこともありました。
だからね、やっぱり姉妹だと、友人だったら踏み込まないようなところまで行ってしまうっていう、
なぜかその行きやすさはあるんだろうなと思うんですよね。
まさにそれは他人の家ではないっていう感覚ですよね。
妹のパーソナルスペースに入り込めてしまうという錯覚みたいな、
そんなものがあるのかなというふうに思いますね。
他人の家ではなく、本当は全然別の人間のパーソナルスペースなんだけれども、
まるで自分の実月の家の中の一つの部屋ぐらいに思ってしまう。
ノックだとか玄関があることを忘れてしまうっていう、
ちょっと図々しさは、もしかしたらやっぱり姉妹にはあるのかもしれないなと思いますね。
私もそういうことを気をつけないといけないなと思って、
けいちゃんがそれに気づいてくれているかは分かりませんが、
そんな自分を反省している今があるので、
姉のえりこ、妹、その子はかつての自分を見るようだったなという居心地の悪さもありました。
この物語はですね、後半がいいんですよね。
偽姉妹になる、その決断をまさこがしてからの偽姉妹の展開がどうなるかっていうところがすごく良くてですね、
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そこからはとっても楽しんで読むことができます。
編末には浅谷姉妹と山崎直子さんの対談もあってですね、これもすごく楽しかったですね。
最近はシェアハウス系のお話とか結構多くて、特に女性同士。
なんかそこには女性の連帯だったり、シスタフットみたいなテーマもあるのかなと思ったりしますが、
私も漫画でマダムたちのルームシェアというのを読んだりしますが、
血の繋がりはない女性同士が関わり合って生きていくっていうことは、
どこか女性の中では一つ興味があるテーマなんだろうなと思います。
ちなみに私はこの本を読みましたという話を今日ネイルをしてもらいながらネイリストさんに話すと、
家族のメンバーチェンジ、何それ面白いじゃんということですごく食いついてましたが、
そのネイリストさんは私だったら赤の他人と生きていかないといけないのであれば、
一人でいることを選ぶかなと言ってましたね。
他人と同じ世で暮らすという居心地の悪さみたいなものはやっぱり絶対あると思うし、
仲のいい友人だったとするとなおさらそれで関係性を壊し続けることにつながるのが怖いなみたいな風に話していて、
それも確かにめちゃ共感するなと思いながら聞いていました。
とにかくですね、何か血のつながりに関する違和感、
またそうではないところで家というものが築けるんじゃないかという可能性、
そんなことを思いながら楽しく読めた本でした。
最後に余談ですが、この本の中には食事のシーンが何度かあってですね、
コーヒーを飲んだり、夕食を一緒に食べたり、朝食を一緒に食べたりするんですけれども、
その中にビールを飲むシーンがありまして、
ヨナヨネエールと水曜日の猫という銘柄のクラフトビールが出てきます。
私がとても好きなビールの銘柄だったので、嬉しいと思いながら読みました。
このビールはですね、ヤホーブルーイングという長野県の星野屋旅館の系列のビール会社なんですけれども、
友人が製造工場にいて、いつもその友人からおすすめのビールだとかね、
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あと都内にもそのヤホーブルーイングのビールが美味しく飲めるお店とかが、レストランがあったりするので、
たまに行ったりして楽しんでいます。
めっちゃ余談なんですけれども、気になる方はヨナヨネエールと水曜日の猫、ぜひ飲んでみてください。
女性が好きなビールかなと思います。
ということで、今日は山崎直子さんのニセシマイについて話してみました。
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今日も最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ではでは。