感情を受け入れる勇気
自分に優しくするラジオ
こんばんは、そしてお目覚めの方はおはようございます。
自分に優しくするラジオ、ソフィーです。
今回は、第3章 心の声を聴く③ワ感情を受け入れる勇気:安全と表現というタイトルでお送りしていきます。
感情を感じることそのものが怖い。そんなふうに思ったことはありませんか?
私はかつてそうでした。今回このエピソードでは、感情に蓋をする理由とその背後にある安全の感覚について考えていきます。
感じてもいいと思える状態がなければ、自己表現も自己理解も難しくなります。
感情を無視したくなる心理、自己防衛としての無感覚、安心できる表現とは何か。
無理にポジティブにならなくても、今感じていることが正解ではないかもしれないけど、間違いでもありません。
自分に優しくするラジオは、哲学・対話・身体・関係性・精神性の5つの軸から、自己一致とメンタルの安定を静かに探求するボッドキャストです。
さて、第3章。心の声を聞く。第3回。感情を受け入れる勇気、安全と表現。テーマは、感じることを恐れない。
安全に感情を扱う構造を中心に据え、感情を押さえつけず、思考や判断と切り離して観察する方法を、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
感情は悪者ではありません。けれど、多くの人は、私も含めて、怒りたくない、泣きたくない、怖くなりたくないと無意識に感じない努力をしています。
その背景には、感じたら壊れるかもしれないという恐れがあります。
今日は、感情を受け入れる勇気をテーマに、安全に感じるとはどういうことか、そして表現がなぜ癒しにつながるのかを整理していきたいと思います。
どうぞ最後までお付き合いください。
そして、前回の振り返りです。
前回は、「非合理な信念を見抜く問いの技法」と題しまして、思考の癖を観察することで、自分の中にある前提を見抜く方法を扱いました。
前回は、思考と信念を分けて捉えることを学びました。今回は、その下層、下の層にある感情を扱います。
なぜなら、信念は大抵感情を守るために生まれるからです。
思考の構造を理解したら、次は感情そのものに目を向けていく。それが、内なる声を聞く第二のステップです。
実は私自身、感情に対して長い間、管理の姿勢をとっていました。
管理というか、ジャッジメントですね。
怒りや不安が湧いてくると、すぐに忌みづけをして、冷静にいなければと自分を抑えていました。
けれど、あるとき気づきました。
冷静さとは、抑えることではなく、安全に感じられる構造のことだと。つまり、心が平和であることだと。
ボランティアをしております恩師、今は亡きスタンフォード大学の医学博士、ジェリー氏からこう言われました。
眉間にシワを寄せるのではなく、微笑みの道を歩こうと。
この言葉の本質は、感情を拒むのではなく、優しさを持って受け止めようという姿勢です。
なんて暖かいんでしょう。
怒りも悲しみも、その瞬間の心の防衛反応。
感情のエネルギーは、理解されると静まり、拒絶されると暴れます。
だから、感情を受け入れる勇気とは、感じても大丈夫な安全自体を自分の中に作ることなのです。
どんな感情だって、あなたの大切な感情です。あなたにしか感じられないのです。
安全な感情の扱い方
私は、感情はつながりの入り口だと考えています。
ここで、苦しくなる時の誤った理解、代表的な3つを挙げてみますね。
1、感情はコントロールすべきもの。
しかし、感情が制御する対象ではありません。エネルギーであり、波のようなものであり。
抑えるのではなく、観察するのはいかがでしょうか。
2、ネガティブ感情は悪いもの。
怒りも不安も、あなたを守るサインです。
危険、不安定、喪失などに対して、発火する自然な信号ではないでしょうか。
悪いのではなく、必要なものと私は捉えています。
3、感情は人に見せてはいけない。
これは、社会的学習の影響ですね。
安全に表現できる環境では、感情は他者理解を深める。
つまり、感情は入り口ですね。
つながりの入り口なんです。
この3つの誤解をほどくと、感情はメッセンジャーに変わります。
続いては、安全な感情表現の3ステップです。
感情を安全に扱うには、3つのポイントがあります。
まず、認識する。
実は、体に注目するんです。
胸の締め付け、喉が詰まる感じ、胃の重さ。
言葉になる前に、感情は体に現れている時があります。
そして2番目、名付ける。
怒り、寂しさ、混乱。
感情に名前を付けるだけで、輪郭が浮かび上がり、距離が生まれます。
私が怒っている、ではなく、怒りがここにあると。
そして最後、表現する。
安全な形で外に出すんです。
言葉や日記、音、涙、動き。
表現とは、感情のエネルギーを流す行為。
この3ステップを丁寧に繰り返すことで、
感情は怖いものから、理解をもたらすものに変化します。
ある男性のケースをお話ししましょう。
彼は家族との関係がうまくいかず、怒りを抑え続けていました。
怒るのは未熟な人間だと信じていたからです。
しかしセッションの中で、彼は初めてその怒りを観察しました。
体のどこにあるのか、どんな形をしているのか、言葉ではなく体感として。
数分の沈黙の後、彼の表情が変わりました。
怒りの下には寂しさがあったと。
怒りの奥に本当の悲しみが隠れていた。
それに気づいた時、彼はようやく自分を守ろうとしていた怒りを受け入れることができたのです。
感情の確信にたどり着くと、私たちは反応ではなく、選択ができるようになります。
感情を抑えるのではなく、再定義してみましょう。
リフレーミングですね。
怒りは自分の境界を教えてくれるサイン。
悲しみは愛を知っている証拠。
恐れは安全を求めるコンパス。
喜びは存在が満たされた瞬間の共鳴。
どの感情も生きている証。
心の声を聞くとは、このエネルギーの動きを観察すること。
感情を理解することは、人間であることを引き受ける行為です。
さて、今日のまとめです。
感情は抑える対象ではなく、観察する対象。
苦しみは感情そのものではなく、感じない努力から生じる。
安全に感じる構造を持つことが、心の静けさを取り戻す第一歩。
いかがでしたでしょうか。
今日は、感情を受け入れる勇気、安全と表現というテーマでお話ししました。
感情を抑えることが成熟ではありません。
それを安全に扱う方法を知ることが成熟ではないでしょうか。
次回は、第3章の4回。
知恵に巻き込まれない距離の取り方。
心の観察をさらに深めていきます。
それでは、また次の配信でお会いしましょう。
ここまでのお相手はソフィーでした。
またね。