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2025-11-08 09:20

第2章 身体を愛する③|老いの捉え方:新たな自分へ Ep.87

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多くの方が「老い」と聞くと、不安や寂しさ、あるいは避けたい言葉 という感情を抱くかもしれません。私もかつて「老い」は終わりに近づく言葉だと感じていました。最近80代、90代の友人たちとの交流を通して見出した「新たな自分への変化」 について考えていきます。老いは減る(喪失)ことではなく、深まること として捉えられるか。本エピソードでは、フランスの哲学者、アンリ・ベルクソン の言葉を手がかりに、私たちが生きる「時間」の捉え方を根本から見直します。




真の時間と持続の哲学: 私たちの多くが時計の針 やカレンダー 上の出来事として扱う時間に対し、ベルクソンは「真の時間とは私たちが生きる持続である」と述べました。時間の流れは数字ではなく、感じられる流れそのもの、速さではなく深さで生きる時間への移行なのです。


身体のサインを理解する: 年を重ねて体の反応がゆっくりになったり、体力が落ちたり、思考の速度が若かった頃のようにいかなくなったりする変化 は、喪失ではありません。これは体が新しい時間のリズムに同調し始めている重要なサイン です。


老いは成熟と統合: ベルクソンは、老いを時間 の流れをより純粋に感じるための成熟 であると捉えます。変化を拒むと苦しくなるのは、流れるはずの川を堰き止めようとしているから。老いとは、過去、現在、未来が溶け合い流れる時間の一つの運動、そして統合 です。




再生成の始まり: 老いは終わりの始まりではなく、再生成の始まり です。私たちは何かを成し遂げた時だけでなく、ただBE(存在) であることに本質的な美しさがあります。



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こんばんは、そしてお目覚めの方はおはようございます。自分に優しくするラジオ、ソフィーです。
この時間は、ホッとするひと時をお届けします。
DoでもHaveでもCanでもない、Beの私たちを祝福しよう。
あなたは老いと聞くと、どんな感情が湧きますか?
不安、寂しさ、あるいは避けたい言葉として感じる人もいるかもしれませんね。
私もかつて、老いとは終わりに近づく言葉だと思っていました。
でも今は少し違う感覚で受け取っています。
今年になって、いや昨年からですね、80代のお友達が3人、90代のお友達が1人増えました。
そんな方たちを見ていて思うのが、老いとは新たな自分への変化なんじゃないかということ。
体も感情も考え方も、時間とともに少しずつ形を変えていく。
それを減ることではなく、深まることとして捉えられるかどうか。
彼女たちはよく、私も昔はそうだったという話をします。
まあ決してネガティブなことではなくって、
昔はこうだったけど、今はもっとこうなった、ここが深まったというような、
習熟を意味する言葉として動言なさっています。
今日は第2章、体を愛する、第3回。
老いの捉え方、新たな自分へ、というテーマで、
哲学者アンリ・ベルクソンの言葉を補助線に、
この変化をどう生きるか、静かに考えていきたいと思います。
私たちの多くは、時間を時計の針で考えています。
朝起きて、昼が来て、夜が来る。
年を取ることも、小読みのようにカレンダー上の出来事として受け取っています。
しかし、フランスの哲学者アンリ・ベルクソンはこう言いました。
真の時間とは、私たちが生きる持続である。
つまり時間とは、ただ流れていく数字ではなく、感じられる流れそのものなんです。
例えば子供の頃の夏休みは、長くて果てしなく感じられました。
けれど大人になった今、1ヶ月はあっという間に一瞬で過ぎていきます。
この違いは、私たちの体や心の感じ方の密度で変わっていくから。
時間は、同じ長さではなく、異なる深さで流れている。
お糸は、その流れが変わっていくこと。
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速さではなく、深さで生きる時間への移行なのです。
歳を重ねると、体の反応はゆっくりになります。
体力が落ちた、肌の張りが変わった、思考の速度も若い頃のようにはいかない。
でも、それは失うことではありません。
それは、体が新しい時間のリズムに同調し始めているというサインです。
私たちの体は、時計よりも正確な時間の感覚機関です。
心拍、呼吸、睡眠、食欲、感情の波、これらはすべて、体が時間を感じている証拠です。
そして、この感覚が変化することこそが、老いの本質です。
前の自分のように動けないと感じるとき、それは、前の時間軸では生きられなくなったということ。
今、私は自分に言い聞かせています。
でも、だからこそ、今という瞬間の密度を感じ取る力が育っていくのです。
そう信じています。
ベルクソンの言葉を借りるなら、老いは、時間の流れをより純粋に感じるための成熟です。
私たちはよく、変化を失敗や喪失と結びつけてしまいます。
前よりできなくなった、遅くなった、もう若くない。
ぴえん。
でもそれは、過去の私という基準で自分を計る癖。
言い換えれば、時間を空間のように扱ってしまっているんですよね。
ベルクソンはそれを批判しました。
時間は、過去、現在、未来が分断される線ではない。
それらは溶け合って流れる一つの運動だと。
つまり、前の私は消えていない。
これからの私も、すでに今の中に含まれている。
だから、持続なんですね。
持ち続けているんです。
老いとは、時間の流れを統合して生きること。
変化を拒むと苦しくなるのは、流れるはずの川をせき止めようとしているからなんです。
私が愛用している、自分に優しくするカード、通称ジェントリーカード。
これ自分で作ったんですよ。
ぜひ皆さんにも使っていただきたい。
このカードは、まさにこの時間の流れを感じるための小さな装置なんです。
一枚のカードを引くたびに、私は自分に問いかけます。
今の私は、どんな時間の層にいるんだろう。
カードのメッセージは、未来を占うものではありません。
それは、今この瞬間の私を映す鏡です。
過去でも未来でもなく、たった今ここで流れている時間に戻ることを手伝ってくれます。
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それは、老いを静かな祝福として受け取る練習でもあります。
老いは、終わりの始まりではありません。
老いは、再構成の始まりです。
例えば植物は、古い葉を落とすたびに根が少し深く伸びます。
見えないところで再生が起きている。
私たちの体も同じ自然。
過去の役割や速度を手放すと、代わりに感受性が研ぎ澄まされていく。
経験値が増していく。
痛みや疲れを通して自分の限界を知る。
その知ること自体が次の生の質を変えていく。
私たちは、何かを成し遂げた時だけ生きているのではありません。
DoでもHaveでもCanでもない、ただBeであること。
そこに老いの本質的な美しさがあります。
時間の速さに抗わず、流れそのものとしてある自分。
流れそのものとしてある自分を受け入れる時、
人生は新しいリズムを奏で始めます。
若い頃の私、傷ついた私、今の私、
全てが同じ持続の中で、地続きで結ばれています。
だからこそ老いは終わりではなく、統合です。
人生の中で私たちは、ただ一度も途切れていない。
ジェントリーカードの一枚をここに置いておきます。
今日ここにある私は、一つの道の途中にいて、
終わることのない輪の中を歩いています。
またね。
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