パフュームのコールドスリープ
真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは。第223夜を迎えました。今週ですね、パフュームがコールドスリープ宣言をしたので、
真夜中もお休みしようって思ってたんですよ。突然のお話から始まって、何のことやらと思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、
決戦25周年を迎えたパフュームの東京ドームのライブがありまして、チケットを取ってたんですけど、その前日に私たち3人はしばらくコールドスリープに入りますっていうね、つまり休業宣言があったんです。
私何回かこの番組の中で言ったかもしれないですが、パフュームの長年のファンでして、PTA会員でして、東京ドーム2daysチケットを取っていて、とても楽しみにしていました。
けどなんとなく予感はあったというか、ここ最近のインタビューとかテレビの露出ぶりを見てて、そうなのかなと思ったり、あーちゃんに似思わせ的なものを感じてはいたんですけど、
あーやっぱりかっていう気持ちと、よくここまで頑張ったねっていう気持ちがないまぜになっていて、まだちょっとふわふわしています。
だから今週は言葉がまとまらなそうだから配信お休みしようかなって思ってたんですけど、そんな時こそどんな本読んだらいいんだろうって、ちょうどそういうメッセージリクエストもいただいていたので、
そう嵐とかね、乃木坂の久保しおりちゃんの卒業発表とか、なんか皆さんにもそれぞれあるんじゃないかと思うんですけれども、そういう時どうしているんですか?
DVDとか見返したりするのかな?ちょっとまだ思い出に浸るには早いかなっていう感じもしますけれども、さてそんな今私が読んでいる本を今日はご紹介したいと思います。
ちょっとまだ読み始めたばかりでしてパラパラと、今日は前振りと言いますか簡単にご紹介だけして、読み終えたらまた紙フレーズを抽出しようと思います。
というのもちょっとサクサク読める感じの本じゃなくて、結構ディープな本なのでゆっくりゆっくり読んでいます。
さてそんな今夜の勝手に貸し出しカードは、私が間違っているかもしれないという本にしました。
著者は、ビョルン・ナティコ・リンデ・ブラットさん、キャロライン・バンクラーさん、ナビット・モディリさんの3名で、小島修さん役となっております。
こちらはですね、ビョルンさんというスウェーデンでエコノミストとして活躍していたエリートの20代の青年が仕事を辞めまして、タイに移って山奥で修行を積み僧侶になるという体験から、そこから得たものを綴った一冊です。
得たものって言うと語弊がある、いや間違いかもしれないですね。そこから得たものというより、そこから手放したものについて語った一冊という方が正しいでしょうか。
さてこの本のプロローグに、著者が新聞記者からインタビューを受けているシーンが出てきまして、僧侶生活をだいぶ経てきてどうだったっていう話なんですけれども、
17年間の僧侶生活を通して学んだ最も重要なことは何ですかって聞かれるんですね。いい質問だなってなって、著者のビョルンさんは熟考した後に、
17年間の精神修行を通して私が最も大きな価値を見出すようになったのは、自分の考えが正しいと信じなくなったことですというふうに答えます。それがこのタイトルに通じているわけなんですね。
この本の表紙にはあらゆる摩擦は自分が正しいという前提に立っていることに由来するとあります。自分が正しいと信じなくなった、自分が正しいと思わなくなった、でも自分は正しいと主張しなくなったっていうんでもなく、正しいと信じなくなったっていう言い方がまた彼らしいなというふうに思いましたけれども、
この本は一冊かけて、その彼の人生をかけて、最後どうなるかっていうのはちょっと読まれる方のために言わないでおきますけれども、自分の考えが正しいと信じなくなるに至る過程をいろんな角度から描いている本のようです。
私もまだちょっと読み切っていないので解説はここまでで、この本にはですねタイのお坊さん先生たちの言葉がいろいろ登場してきまして、もうまさに神フレーズの宝庫って感じの本なんですね。
なのでちょっといろいろ引用したい言葉がたくさんありすぎて、まだ整理がついていないので、どこかでもう一度ご紹介したいなと思います。
さて今日はパフュームの話から、なんでこの本を選んだのかというと、握りしめていた手を離さないと次に行けないというか、握りしめすぎてはいけないっていう話なんだと解釈したんですね。
自己発見と手放すこと
この本に書かれているのは、彼は若く優秀なエコノミストとして成功している地位があったし、自分はこう言ってなくちゃいけないとか、他人にもこうあるべき仕事仲間相手にもこうあるべきだっていうのがいっぱいあったと思うんです。
皆さんもいっぱいあると思うんですよ。成功すればするほどそういうのが確固たるものができちゃうっていうのもあるかもしれないですしね。
パフュームの彼女たちのことはわからないし、臆測でいろんな理由がつぶやかれているけれども、私も本当のところはわかんないし、あまり追求しようとも思っていないんですが、
もしかしたらそのパフュームらしさみたいな、握りしめていたものを一回手を離してみようっていうことなのかなと、この本を読んで納得したりしました。
彼女はすごくコンセプチャルで、ルックス、ビジュアルも含めて、プロダクトとして完成度が高いじゃないですか、だからそれを一回壊すには、イメージの違う曲を出すとか、ソロを出すとかいうレベルじゃなくて、
バーンと手を離してみようってなったのかなと思ったりしました。だから帰ってくるかもしれないし、帰ってこないかもしれないけど、それはそれでいいかなと思ったりしました。
さて、しかしコールドスリープっていうのは言い得て妙ですね。いい言葉だなぁと思って、さすがですね、ワーディングが。
宇多田ヒカルさんは人間活動に専念すると言ったり、着物係はしばし放牧すると言ったり、ファンの気持ちにも寄り添いながら、
人間らしさっていうところをちゃんと開示してくれるっていうところに感動しますね。私もコールドスリープしたいなぁっていう人もたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。私もしたいなぁ、コールドスリープ。
今、タイ語を勉強してるって言ってましたけども、タイに行って僧侶になる勇気はないなぁ、タイで女性は僧侶になれないとかね、聞いたこともありますけれども、
学ぶことのできる施設はあるみたいですね。どうなんでしょう。ちょっと大人の集団行動みたいなのがこの本の中にも出てきて、なかなかそれはそれで興味深いですけれども、
さて私が間違っているかもしれない。よかったら手に取ってみてください。さてそろそろお時間になってしまいました。
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また水曜日の夜にお会いしましょう。おやすみなさい。おやすみ。