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真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと川端です。
真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜に、ほっとできて明日が楽しみになる、
おテーマに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
174夜を迎えました、今夜のお便りをご紹介します。
ペンネームウッドソンさんからいただきました。
こんにちは、42歳、会社員男性のウッドソンと申します。
毎回楽しく配信を聞いています。
私は性格上、人を避けてしまうことが多く、
もともと一人でいることが好きではあるのですが、
自分から見て大丈夫な人とは、よく笑って話せますが、
自分よりもできる人や、女性の賢い感じの人、
自分に自信があり、何かと答えを持っていて、
人を見下したりする人、容量のいい人、
元気な年下などなど、苦手な人を挙げるときりがなく、
うまく話も合わないので、会社で一人でいがちです。
しかもこれで営業職なんです。
この性格を40年以上続けているので、
何を今さらとも思いますが、
会社の中でもポジションも中堅を通り越して、
全体をまとめるような立場になっているので困っています。
私は人の気持ちを汲むのが苦手なようです。
人のことを観察することはあまりしません。
嫌なところが見えると、そのことばかり気になって、
相手をフェアに見入れなくなってしまうから。
人を避けてしまう性格の自分との付き合い方、
異性との向き合い方、
こんな自分を好きになる方法が分かる本があれば教えてください。
そういえば、最近、妻との会話も極端に少なくなってきているんですよね。
今年、相応の悩みだと思いますが、
深刻な職場での人手不足など、
現代は精神的にすり減りますよね。
だたやんさんの声の落ち着いたトーンに癒されています。
これからも聞き続けるので配信続けてくださいね。
といただきました。
ありがとうございます。
こちらのリクエストだいぶ前にいただいていて、
何か本を紹介したいなってずっと思ってたんですけれども、
取り上げるのが遅くなってしまってすみません。
さてさて、今夜の勝手に貸し出しカードは、
クルーシャル・カンバセーション。
重要な対話のための説得術という本にしました。
あれ、課題当初じゃないの?って思った先週の放送を聞いてくださった方、
そうなんです。
それはまた、まだこの先に紹介しますので、少々お待ちください。
まだ入手されていない方も、ぜひゆっくり読んでお待ちくださいね。
さてさて、クルーシャル・カンバセーションとはどんな本なのか。
そもそもクルーシャル・カンバセーションって何?というところから簡単に説明しますね。
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クルーシャルとは、英語で非常に重要なとか肝心なっていいですかね。
クルーシャル・カンバセーション、直訳すると肝心な会話、非常に重要な会話ってことでしょうか。
この本でクルーシャル・カンバセーションとは、重要な結果、反対意見、強い感情を伴う、
2人以上で行われる話し合いというふうに定義されています。
具体的にどういう会話、話し合いが該当するのか、この本に書いた例を挙げますね。
黄兵な態度を取ったり、挑発的な物言いをしたりする同僚と話をする。
これがウッドソンさんのお便りにもあった、ちょっと苦手だな、感じ悪いなって思う同僚と話をするっていうようなシーンでしょうか。
あとはですね、友達に借金の催促をする。
あと、上司の言動について本人に意見を言う。
反抗的な10代の若者と話をする、あるいは子どもと話をするとかでしょうか、反抗的な。
義理の良心に、夫婦生活に干渉しないように説得する。
不潔な同僚、匂いが気になるとか、机の周りが汚いとかですかね、不潔な同僚に注意をするとかですね。
仕事関係でも、夫婦関係でも、親子でも、近所付き合いとか、あらゆる場面でこういったことって発生しますよね。
言わないと悪い状況が改善しない。
でも言い方を間違えると一触即発。
今よりさらに悪い、最悪の事態になりかねないという話し合い、会話の必要性があるシーンですね。
菊谷医が痛いでしょ。できれば避けたい。避けたいですよね。
よくあることでもありますよね。生きてると絶対発生してしまう人生において、何回か直面させられますね。
このクルーシャルカンバセーションしなきゃいけない、仕掛けなきゃいけない立場に自分がなるっていうことはね、
上司としてとか、親として、父親としてとかってこともあるでしょうし、
近くに住んでいる人として言わなきゃいけないとかもあるかもしれません。
そんな難しい場面をうまく乗り切るメソッドが、確立されたメソッドがもしあるなら教えてほしいって思いますね。
この本に私がどうして出会ったのかっていうところから今日は話ししていきたいと思います。
クルーシャルカンバセーションという言葉、イディオムを初めて知ったのは英会話のレッスンなんですね。
私は今毎週マンツーマンの英会話のレッスンを受けていて、そこでクルーシャルカンバセーションのロールプレイをやらされたんですよ。
やらされたっていう言い方は良くないですね。やらせてもらったんですね。
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今日から数回にわたってクルーシャルカンバセーションをやってみましょうと、あなたにとってとても大事なトレーニングだと思うっていう風に先生に言われまして、
人事部長という立場として一番よくあるシチュエーションだと想像できるクルーシャルカンバセーションは、
ネガティブな評価、評判をフィードバックする、本人に言わなきゃいけないっていう時だと、それがクルーシャルカンバセーションだよと教えてもらいました。
それで4つのシーンを想定してやったのかな。
一つ目はあなたはチームのボスで、チームメイトからあの人がいるとプロジェクトがやりづらいと進まないから、
ジョン、例えばジョンという男性だとすると、ジョンをプロジェクトメンバーから外してほしいと他のチームメンバーが言われているとします。
そのことをジョンに伝えなくちゃいけない。
しかも他のチームメンバーからそう言われているということを言わずに伝えなくちゃいけないというシチュエーションが一つ。
2つ目は口臭が気になる、口の匂いが気になると。
一緒のミーティングに出たくないってこれもまたチームのメンバーが言ってきていて、
スメルハラスメントだと言われてしまっているボブという部下に、その口の匂いについてボブと話をしなきゃいけないというシチュエーションが2つ目。
3つ目はパフォーマンスが下がっていて評価が下がったチームのメンバーに評価が下がったからボーナスが下がるよということを言わなきゃいけないと。
4つ目はレイオフだったかな。
レイオフっていう会社の業績が悪化したので、従業員のうちの何パーセントかを解雇しないといけなくて、
その対象になった人に会社側の事情で経営的な判断であなたは解雇対象ですということを言わなきゃいけないという4つのシーンだったと思うんですけど。
辛いでしょ、どれも。そうなんですよ。
1つ目から4つ目に向かってどんどんヘビーになっていくわけですね。
先生からは下手を打ったら月耕するからねって言われていて、もちろん演技ですけれども、こちらの話の持って行き方が悪かったら感情的になる演技をするよと。
そういう月耕するようなパーソナリティの部下を演じるからねって言われていて、
こんなの日本語でもうまくしゃべれる自信がないのに英語で、しかも私の英語のレベルは中学英語以下ぐらいの感じの語彙力なんですけど、絶対乗り切れっこないと泣きそうだったんですけど。
驚くべきことにやってみたら意外とクリアできたんですよ。
いや、つたないですよ。めちゃくちゃひどいレベルのつたなさだったとは思いますけれども、
先生を月耕させることは避けられた。
なんでかなって、すごく自分で後で考えたんですけど、
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日本語より英語の方がこの難しい局面での会話が自分としてうまくできたなって思えたのは、おそらく要因は二つあって、
一つ目は圧倒的に語彙力が足りてないので、感情表現でカバーをせざるを得ないと。
例えば、すごくあなたのことを心配しているとか、残念に思っているとかを、
しゃべり方、感情を込めた言い方とか、身振り手振り、表情も含めて、よりエモーショナルになるという感じでしょうか。
このポッドキャストを聞いてくださっている方はお気づきだと思うんですけど、
私はあまり感情の起伏が出ないしゃべり方というか、欲要がないタイプだと人格があるんですね。
日本語だとより語彙に頼っちゃうっていうか、言葉を重ねて重ねて説得しよう、
この場の主導権をこっちに持って行こうとしちゃうんですけれども、
英語だとしゃべれることが少ない分、エモーショナルでカバーみたいな感じになるんだなと思って、
これは新たな発見でした。
例えばそのスメルハラスメントの話で言えば、息の匂いが気になるってことは、
体調が悪いんじゃないかと、あなたの体調を心配していますっていうところから神妙に話を始めたりなんかして、
そういうところが日本語よりも感情表現豊かにしゃべれるかなと思った次第です。
もう一つの要因は、英語独特の言い回しだと照れくさいことも言えるっていう、
割と率直にストレートに言えるっていうことですかね。
例えば、私にできることがあるなら言ってほしいとか、これはボスである私の仕事であるとかって、
海外ドラマで出てくる素敵上司みたいな言い回しじゃないですか、
This is my job みたいな、日本語だと言わないかなそういう、
日本語でも言える人もいるでしょうけれども、私は無理かもと思いますが照れくさいですね、
改まって言ったりするのは。
特に日本人は、日本人はなんて主語を大きくする言い方はよろしくないですけれども、
あえて言いますと、言ってこじれるよりは言わずに今の状態のまま我慢するっていう方を選ぶ人が多いんじゃないかなと思うんですよね。
欧米の方がもうちょっと率直に言って改善しようっていう気があるんじゃないかと思ったりして、
でもこうした英会話でもクルーシャルカンバセーションっていうレッスンがわざわざあったりとか、
本が出ているくらい何人にとっても何語で話す人にとっても、
身近な人と大事なこと、特にネガティブなことを話し合うっていうのは非常にストレスフルなプレッシャーのかかることなんだなと思いましたね。
クルーシャルカンバセーションは日本語でも翻訳版が出てるはずだよって先生に教えてもらって、
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買ったのがこの本です。
クルーシャルカンバセーション重要な対話のための説得術という赤い表紙の本ですね。
この本には意見の衝突とか強い感情を伴うような会話の場面で、
いかに自分をコントロールして、自分が先に月光したりしちゃダメですかね。
自分をコントロールしながら相手を怒らせずに、でもちゃんと核心からは逃げずにコミュニケーションを取るっていう、
そのためのメソッドがステップを持って紹介されています。
様々なメソッドとかスキル、ツールという言い方をしてますけれども、
詳しくはぜひ読んでいただきたいので、この中で全部は紹介しないですけれども、
私が特に2つのキーワードに注目しました。
厚く頭に残っています。
1つ目のキーワードは、共有のプールという言葉です。
まずは共有認識のプールを満たすと説明されているんですけどね。
議論すべき問題に対して、皆さん自分の意見とか経験とか、それに至る経緯とか状況とかっていうのは、
みんな違うプールを持っているわけですよね。
それをちゃんと出し合って共有のプールに注ぎ込む、注ぎやすい環境を作るっていうのが、
これがまず第一歩だとクルーセル・カンバッセーションの。
沈黙ってあるじゃないですか、沈黙っていうのは共有のプールに何も入れないぞっていう、
私だけが知っていることはあるけど言わないとか、思っていることはあるけど言わないっていう、
沈黙という名の攻撃ですよね。
月光するタイプの攻撃と沈黙するタイプの攻撃と2種類あって、
どっちが出やすいかっていう人によるみたいなんですけど、
私は割と沈黙するタイプが出やすいというのが、この中のテストで分かりました。
日本人はどうだろう、どっちが多いですかね。
ヒニックを言うとかも共有のプールに何も入れない沈黙タイプの攻撃、反撃だそうです。
どうせあなたは何々でしょうとかね、私のことこうだと思っているんでしょうとか言って、
共有のプールには入れないけれども、会話に対しては沈黙に近い拒絶をするっていうタイプの攻撃でしょうか。
こうした共有のプールが少ないとどうなるかっていうのが書いてある箇所があるので、そこをちょっと読んでみたいなと思います。
共有のプールが危険なほど小さいとどうなるかは誰もが知っているだろう。
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自分の考えや気持ちを相手にわざと伝えないでいると、個人的には優秀な人々が集団になると愚かな行動をとってしまう場合があるというふうにあります。
思い当たるところが私もいろいろありますが、皆さんもあるんじゃないでしょうか。
わざと言わないとか、知ってるだろうと思って言わないとかっていうことをしていると、最終的に愚かな行動、最悪の結末に至ったり、愚かな判断をしてしまうということでしょうか。
互いの共有のプールを満たし合おうよっていうのは、たとえとしても新しい発想だなぁと思いました。
さてもう一つ注目したキーワードはコントラスト化という言葉です。
コントラスト化とは意図していることと意図してないことをはっきりさせることとありました。
この話し合いに臨んでいる時点で、なんか批判されたり怒られたりするんじゃないかって思うことありますよね。相手がそう思っているケースもあるでしょうし。
この場合に意図してないっていうことをはっきりさせることがすごく意味があるのかなと思いました。
意図していることを伝えるのも大事ですけど、この場で意図してないよっていうことを伝えるっていうのは、あなたを責めるつもりじゃないとか、
この計画をやめようとしているわけじゃないとか、ひっくり返そうとしているわけじゃないとか、こういう意図じゃないですよっていうのを先に伝えることで安心感を与えるってことですね。
この場が安心なものであるっていうのをちゃんと伝えるっていうのは何度も何度も出てくるんですけど、
安心を作る一つのメソッドがコントラスト化だというわけなんです。
この本の中に出てくる例えで、娘が、お嬢さんが、最近なんかあまり良くない男の子と付き合いだしてから、服装も挑発的になって、夜も遅いし、部屋にもこもって出てこない、会話がないとかっていう例が出てくるんですね。
そういう時にお父さんなりお母さんなりがちょっとちょっと話があると言ったら、話しかけた時点で何か注意されるとか、彼氏と別れさせようとしているとか、携帯を取り上げられるんじゃないかとか、そういう風に思いますよね、多分娘さんの方は。
だから会話を拒否するでしょ、もう最初から。だから、その彼氏と別れさせようとか、何時までに帰ってこいって話をしようとしてるんじゃないんだということ、意図していないことをコントラスト化してから話に入れと。
この本に出てくるメソッドをフル活用して、本当に行きたいのとか、あなたの本音はどうなのかっていうことを細かく丁寧に掘り下げた結果、嫌々ながらも娘は話をしてくれて、私は周りに認められていない、自分はブスで可愛くなくてっていう思いがずっとあって、それで悪い友達、ボーイフレンドに依存しちゃったんですかね。
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より露出かとな服装になったりとか、そういう背景が分かっていくと。解決はしてるところまで書かれてないんですけど、そういう話ができたっていうところまで行くという話が出てくるんですね。
まあそんなにうまくはいかないだろうなと思いはしますけれども、そしてパートナーとか家族と話し合う率直さは、なかなか難しい日本人の家族でこんなに言い合ったりしないかなと思うところもあるものの、とはいえうまくできるかどうかは別として、こうしたメソッドを知っておくと、
コントラスト化をするべきだとか、今ちょっと防御に入っている、こちらも防御に入ったり、なんとか言いまかそうという体制になっちゃってるとか、っていう風に相手を観察したり自分を観察したりして、ちょっと客観的で冷静になれるところがあるのかなと思いました。
そうすると感情的になって相手を言いまかそうとか、いわゆる論破に会話が流れてしまって、そういうことを言いたかったわけじゃなかったのにっていう最悪な結果になるのを防ぐことができるという本でした。
今日はそんなクルーシャルカンバセーションから神フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
一般的な読者はそれなりにコミュニケーションのスキルを持っている。それまで狼に育てられたわけではない。話し合いが本筋から反れたときには、もっとよく理解しようと耳を傾けられる。
資料深く気持ちよく相手に接することもできる。厳しい言葉やぶっきらぼうな非難を口にしないことも間違いなくできる。これらはいずれも既に持っているスキルだ。
この本は4人のコンサルタントの強調なんですね。本文は1人が書いたようにまとまっているんですけれども、後書きだけそれぞれの著者のスタンスで書かれていて、今読んだのはその中の1人の著者の後書きのところなんですね。
この人は本を読んだっていう人、講演会とかたくさん出てらっしゃるんだと思うんですけど、読者の方に会うと大変役に立ったというふうに言ってもらえるんだけど、この人たちに具体的にどの部分が一番ためになりましたかって聞くと、
ためらいがちに本を全て読んだわけではないとか、ほとんど読んでいない、ざっと目を通しただけっていう人が結構いると流し読みをされているということなんですけど、でも効果があった、ためになったと言ってくれているという話で、
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それはつまり、もともとすでにそういうスキルとか考え方っていうのはあって、かなり多くの人が、だけどその本をざっと目を通すことで一層心構えができるという言い方がされていましたが、
これを聞いてくださっている、このポッドキャストを聞いてくださっている方も多分こうしたスキルが高めの人が多くて、お便りをくださったウッドソンさんも、ご自身が苦手な人が言語化できていて、自覚もあってて、すごい高いコミュニケーションスキルですよね。
しかももう少し向上しようという、向上心まであるっていう。この本はパラパラ見ることで、知らなかった目から鱗みたいなことがわかるというよりかは、自分ができていることに気づく本なのかもしれないと思いました。
確かに確かにそれはよくやるなとか、自分の会話でもそれは気にしてるなとか、そんな言い方で怒らせたりはしないだろうなとかっていうふうに、自分のいいところに気づいたりできるんじゃないかなと思ったんです。
だから私自身も皆さんもウッドソンさんも自分のコミュニケーションに自信を持って、それから相手を信じて踏み込んで話をしてみようって思えるといいなと思って、この本を今日はご紹介しました。
リクエストありがとうございました。皆さんも今日はちょっと長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
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おやすみなさい。おやすみ。