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2023-07-26 13:58

震災からコロナまでの10年。私たちはどう生きたのか。

今夜の勝手に貸出カードは、川上未映子さんのエッセイ集『深く、しっかり息をして』です。

2011年から2022年まで、川上さんの『Hanako』の連載を辿りながら、平板ではなかったこの10年の感受性の揺れを振り返ります。

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真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAのバタやんこと河童です。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、
水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる。
をテーマに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
第142話を迎えました。今夜のお便りご紹介します。
ペンネーム中島さんからいただきました。
バタやんさんこんにちは。こんにちは。
子どもの成長を信頼してそっと焦らず見守ることができるように、
大丈夫って思えるように、そんな本をリクエストしたいです。
コロナが語類になり、暑い夏を迎えても、
6年生の娘がマスクを外すことができません。
家族で出かけるときなど、プライベートでは何の抵抗もなく、
学校でだけ外せません。
それに対して私は時々外してみようってことを声掛けしているのですが、
つい焦って強い口調になることがあります。
子どもが素顔を晒すことに抵抗があるのに、無理を言っていることも分かっています。
マスクがないと不安という娘が私は不安です。
私の職場は病院なのですが、語類になった今でさえ、
コロナ患者さんが出ると空気が張り詰め、とても疲れます。
みんなコロナにかからないためだけに生きていないと常々思います。
ずっと怒っているのかもしれません。
子どもを子どもたちをこんな風にマスクが外せない心境にまで追い込んだ、
大人の感染対策になるものに、
以前バタヤンさんの番組がエッセンシャルっておっしゃっていた回がありましたよね。
医療界隈が偉そうに他のすべての色々を従わせようとすること、
それが未だに続いていること、患者さんが家族と10分しか面会できないこと、
それだってついこの間までは面会禁止でした。
生きるって何だろうって根本的なことまで考えたり、
医療はあくまで困ったときにみんなを支えるもの程度のことなのに、といただきました。
リクエストありがとうございます。
医療関係のお勤めをされているんですね。
コロナもやっと収束したかなと思いきや、
また少し私の周りでも感染される方が増えている気がします。
飲み会やイベントが復活したりしたこともあるかもしれないですね。
通常モードの生活を送れる嬉しさはあるけれど、
感染の危険がなくなったわけではないですからね。
厳しいところと厳しくないところと差が結構あって、
自己判断も増えて余計難しいですよね。
さて、今夜の勝手に貸し出しカードは、
リクエストいただいた子どもの成長を焦らず見守ることができる、
大丈夫って思えるような本をという風にいただきましたので、
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川上美恵子さんのエッセイ集、
深くしっかり息をしてにしました。
なぜこの本にしたのか、先にちょっとネタバラシをしてしまうと、
小泉京子さんのポッドキャスト番組、
本当の小泉さんという番組があるじゃないですか。
人気番組ですよね。
あちらのゲストに最近川上美恵子さんが出ていらして、
この本の告知で小泉さんに対談されたんですけど、
川上さんのお子さんが8歳、9歳くらいの頃に、
まさにマスクをして学校生活を3年間過ごしたから、
マスクを外す方にストレスがかかるらしいっていう話をされてたんですよ、
ラジオの中で。
つけてないと恥ずかしい、居心地が悪いっていうのもよくわかるっていう話をね、
2人がされていて、
ルッキズムに対する意識なんかもこの数年ですごく変わったのでっていう、
そんな話も絡めていい話だったんです。
その話とは関係ないんですけど、
小泉恭子さんがスーパーアイドルだった頃に運転免許を取った話もあって、
SPがついてたっていう話がすごく面白かったので、
よかったら皆さんも聞いてみられてください。
さて今日ご紹介する深くしっかり息をしてがどんな本か、
また私のお気に入りのエピソードなどをお話ししていきたいと思います。
深くしっかり息をしてはですね、
雑誌花子で連載されていた川上美恵子さんのリボンにお願いっていう連載をまとめたものなんですね。
花子ウエストから始まったこの連載なんと15年も続いていたそうで、
この本はその中から2011年から2022年に最終回を迎えるまでの12年の中からセレクトして納められています。
2011年といえば東日本大震災があった年で、
このエッセイの最後の3年はまさにコロナ禍だったわけですね。
最初の緊急事態宣言が出て息子さんの学校が休校になったり、
川上さんの本の取材がオンラインになったりと、刻一刻と生活が変化していく様子も綴られています。
ちょうどこの時期に、実は私耳漏れで川上美恵子さんにインタビューを2回させていただいていて、
コロナ禍とまさに真っ只中とだったかな、
1回中止になって延期になってそれでもなんとかって言って、
お会いできたすごく感動があった記憶がありますね。
本当にいろいろあった10年、11年だったんだなと思いながらこの本を読みました。
震災とコロナは非常に大きい出来事ですけど、
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あとはインスタグラムの登場とかもね、
2011年の時はなかったんだなと思ったりして、
でも何と言ってもこの10年の川上さんにとっての一番の変化は、
お子さんが生まれたことなんだろうなと思います。
リクエスト下さった中島さんのお嬢さんも6年生ということなので、
まさにちょうど同じぐらいか少し上ですかね。
川上さんの息子さんがちょうど1歳になる年のお気に入りの箇所があるので読みたいと思います。
息子が1歳を迎える年で赤ん坊のイデアそのものに触れているようなそんな1年間だった。
初めてのことが多く、いろんな感情や葛藤があって、
その体験記もしっかり書いて一冊の本にまでしたはずなのに、
今思い出すのは何かといえばこれ以上はないというくらい健やかな日々だったという感触なのだからすごいよね。
どの瞬間もそうなんだけど掛け替えのないものが掛け替えのないものに印をつけていくような時間だったと思うとあります。
すごいなぁと思って掛け替えのないものが掛け替えのないものに印をつけていくような時間って、
川上さんの言葉って決めが細かいですよね。
マッスルさんが帯を書いていらっしゃるんですけど、
私もこんなふうに確かな足取りで出会った感情の上を丁寧に歩けたらいいのにって書いていらして、
またこの帯の言葉もすごいいいなぁと思ったんですけど。
もう1個お気に入りのくだりをご紹介したいと思います。
川上さんの新刊記念イベントとかサイン会にいらっしゃるのは女性のファンが多いということなんですが、
若い女の子がお手紙とか小さい花束を持って手渡してくれて、
頑張ってくださいって言ったら後はもう止めどなく涙が出てきて、
それを見て私川上さんも思わず泣いてしまうっていうのがあって、
分かりますよね。並んでいる時からめっちゃ緊張するでしょうし、
それがやっとやっと自分の番が来て頑張ってくださいって言ったら、
気持ちがわーって溢れちゃうっていうね、分かりますよね。
川上さんはでもその涙どうして泣いているのかって、
その本当のところは分からないんだけど、
その涙の本当のところはきっと愛読している本の著者に会えたからではないと思うって書いているんですよ。
じゃあ何だろうって思うじゃないですか。
ちょっとそこを読みますが、
つまり読書というのはどこまでも言葉と自分の心との何かしらの生き気であれ運動で、
彼女が思わず書き手を前にして泣いてしまうのは、
そのご自身の日々の感受性の運動の何というか純粋な余波みたいなものなんじゃないかと思うのだ。
とあります。
そうか、読書って新しい解釈というか独特な表現だなって思ったんですけど、
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そこに書かれている言葉と自分の心の中との生き気の運動であると、
感受性の運動であると言われて、
なるほど確かにと思って、
このエッセイを読みながら川上さんの言葉を目で追いながら、
私自身も自分のことを思い出しているんですよね。
震災があった年からコロナ禍のこの2,3年、
私もその時その時でこんなことを考えて、
こんな風に一生懸命、その時はその時なりに一生懸命考えて生きてきたなって思ったりしました。
中島さんもきっとお子さんの成長と社会の大きな変化と、
そして医療関係のおじしのお仕事もいろんな変化がある中で、
その時その時ずっとにこやかではいられないこともあると思うんですけど、
一生懸命ベストを尽くされてきたんじゃないかなって勝手に思いましたね。
この本を読まれるとその時の、
あとはお嬢さんが赤ちゃんだった頃とかを思い出されるんじゃないかなと思ってこの本を選びました。
さて今日もこの本から紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
7歳の息子は今、そんな私の瞬間をまさに生きている最中にある。
遠い将来、思い出す何かを思い出せば生きていける力になるような何かを、
この夏に感じることはあるだろうか、出会うことはあるだろうか。
それは特別な出来事の中にではなく、場所にではなく。
葉っぱがただ煌めき、音もなく汗が流れ、水を吸った土が匂いを放ち、雲がさらに白く青く見える時、
そんなところにある何かなのだと思う。どうか皆様素敵な夏になりますように。
とありました。
はい、まだ余談は許さないですけれどもね、
久しぶりの夏らしい夏を中島さんもお嬢さんもぜひ過ごされてください。
私もだし、これを聞いてくださっている皆さんも、
マスクを外すと街はいろんな匂いであふれているんだなって思ったりして、
この本のタイトルも深くしっかり息をして、なので、
深く息をするといろんな空気の匂いを一緒に嗅ぎ取ることができますよね。
いやー、しかしこの雑誌の連載で偉大だなぁって、この本を読んで思いましたね。
15年続くってすごいことですし、
このエッセイは毎月花子の読者のために書いているっていうところがね、
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より川上さんの言葉に優しさが満ちているというか、
自分より少し若いお嬢さんに向けて書いているって感じがすごく心地いいんですよ。
花子っていい雑誌だなぁって改めて思ったりしましたけども、
このポッドキャストもそんな比べて言えるものじゃないですけど、
4年に入りましたね。4年目に入りました。驚くべきことに。
160万再生ぐらいも間もなくなろうかという感じで、
スポーティファイのフォロワーがあとちょっとで1万人を達成できそうです。
1万人ってすごいことですよね。
こんな地味な番組を。
アップルポッドキャストで聞いてくださっている方の方がスポーティファイよりちょっと多いので、
同じぐらいの人数いらっしゃるとすると、
1万5000とか2万人ぐらいの方がもしかしたら聞いてくださっているのかな。
そのくらいの規模感、キャパシティーってライブで言うと横浜アリーナとか、
大阪城ホールとか、アリンメッセ福岡とかですかね。
すごいことです。いずれにしてもありがたい。
いつかリアルイベントもやれるくらいの番組になるといいですが。
はい、さてさて。
今日も最後まで聞いていただきありがとうございます。
さて、今夜もお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は、
リスナーの方からのお便りをもとに、
おすすめの本や漫画をご紹介しています。
インスタグラムバタヨムからメッセージをお寄せください。
それではまた来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。
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