ファッションの影響
真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
第205夜を迎えました。今夜のお便りをご紹介します。ペンネームタージールさんから頂きました。バタやんさん、こんにちは。こんにちは。
200回6周年おめでとうございます。ミモレの頃から聞いています。ミモレのバタやんさんのファッション記事をいつも楽しみに参考にしていたので、本のおすすめはここで聞けるけれど、寂しく思っています。
ちなみに私も小柄だけど華奢ではない族です。
ああ、そうでしたか、そうでしたか、ご存知ない方に一応お伝えすると、私身長が151センチぐらいしかないので、小柄な人向けのファッション記事をよくミモレの時に担当していたんですね。
私も年のせいか、コロナがあったせいか、最近はすっかりおしゃれの情熱を失ってしまい、欲しいものも特にない感じになっています。
そこでバタやんさんに質問です。バタやんさんがファッションの影響を受けた本や雑誌、ファッションアイコンと呼べるものなどがあれば教えてください。
またおしゃれを楽しむ気持ちを取り戻せたらと思っています。といただきました。ありがとうございます。
なるほど、そうですね、お洋服とかファッションの話をこの前読でしたことがなかったかもですね、そういえば雑誌の話自体、雑誌を貸し出しカードで取り上げたこともなかったかもしれないですね。
そう、私が今のファッションに一番影響を与えた雑誌はですね、宝島のスマートだと思っています。
意外、意外でしょうか。オリーブとかノンノかなって思いましたか。オリーブもノンノももちろん楽しみに読んでいましたし、雑誌の入り口としてはノンノだったかな、セブンティーンかな。
はい、っていう感じなんですけど、おしゃれ人生、自分にとってのおしゃれ人生の軽期と言いますか、影響が大きかったのは実は浦原宿ブームだったんですね。
いわゆるストリートファッションですね。1990年の半ばぐらいから浦原大ブームの時代があったわけなんですけど、私はちょうど高校生か大学生ぐらいがその地域に重なってまして、はい、そこが一番影響が大きかったかもしれないですね。
ということで今日の勝手に貸し出しカードは雑誌じゃないんですけど本を一冊紹介します。
フラグメントユニバーシティ藤原宏の特別講義非言語マーケティングっていう本になります。
この本をご紹介しつつ1990年代半ばから後半にかけてのファッションについてちょっと今日はしゃべりたいなと思っています。
この本はですねフラグメントユニバーシティという藤原宏さんの講義録なんですね。
この本の中にメンズノンノで藤原宏さんが連載をしていた時の話が出てくるんですけれども そこでね1997年に雑誌の発行部数、総発行部数が最高潮に達していたとありました。
そこから徐々に減っていって今はね雑誌の発行部数全体でもすごく減っているんですけれども つまり1990年の半ばっていうのは雑誌が非常に元気があった。
真相感もたくさんあったしテイストで細かく細かく 読者が属性が細分化されていた時代なんですね。
浦原塾にネイバーフッド、ベイシングエイプ、アンダーカバー、ノーウェア、スツーシーなどが締めき合っていたのが1990年の半ばぐらいですかね。
お好きな方はああって感じだと思うんですけど、どうでしょうね。お便りをくださったタージールさんはもしかした私よりちょっと上だったとしたらあまりピンとこないかもしれないんですけれども
あとはヘッドポーターとかXラージ、Xガール、グランドキャニオン、サイラス、シュプレイムなんて感じでもう名前をあげればキリがないんですけど
そのあたりのブランドに夢中になっていました。大学生ぐらいの頃。 基本はメンズ中心なのでサイズも大きいし、そして今考えれば若高くてですね
そんなにバイト代でしょっちゅう買えるようなものではなかったんですけど スマートを読んでなんとかとなんとかのコラボが出たとか出るとか
売り切れ必至みたいなのをチェックしてましたね そのちょっと後にスマートミニという雑貫が出て
そのミニが独立して女性シーンになったんですけど、そこからミニをすごい楽しみに読んでいました フラグメントユニバーシティの本を読みましたら
藤原博史さんはメンズノンノの連載をされていたその連載がスタートした背景が書かれていて
この王道ドメジャーな面論に対して浦原塾って当初は相反するものっていうか アンチテーゼみたいな感じもあったのかなぁと思うんですけど
だったんで意外な人選の連載の登場者だったわけなんですね 面論といえばもっと綺麗目だったから
浦原塾とかストリートカジュアルって感じじゃなかったんで 例えばポールスミスとかアニエスベイなんかが
よく載っていてそれらを着た表紙は田辺誠一さんとか 武田信二さんとかもっくんとかね長瀬さん
あとスマップのメンバーもよく表紙を飾ってたイメージですね 木村拓哉さんとか
浦原塾男子たちはなんかちょっと面論的なものを逆にダサい 王道メジャーなものってダサいって思っていたような気もするし
あんまりミックスされることのない 人種クラスにいたとしてもっていうイメージがありましたが
スマートは1995年に創刊していますんです けれども浦原ブームの流れに乗って
王者面論の後々部数的に追い越すことになるとは思ってなかったでしょうね 周囲者さんも
藤原寛さんがなぜ面論で連載をやったのか それがいかにちょっと驚かせるようなものであったかっていう裏話がこの本に乗ってて面白いなって思いました
ナイキブームの影響
このストリートファッションについてこの本の中にもいろいろ出てくるんですけれども 表からメインストリームになる一番大きい要因は私は
スニーカーブーム、ナイキブームだったんだなぁって解釈しました フラグメントユニバーシティにもナイキの話が一章ぶん丸ごと出てくるんですけど
1995年にナイキのエアマックスが大大大ブームになって エアマックス狩りとかいう言葉がありました
あの靴をね取られちゃう レアなものを履いていると
狩りにあってしまうなんてことを言われたりしてました 私自身はエアマックスあまり似合うと思えなくって買ってはないんですが
夢中になったのは同時期にエアジョーダンですね ナイキは本当出すもの出すものかっこよかったなぁと思いますね
ダンクも今もエアジョーダンもいろんなシリーズがありますしダンクもありますけれども やっぱスニーカーとしてとても完成されたフォルムだなぁと思っています
こんな風に話しているとちょっとお気づきかと思うんですけど 私お洋服ファッションの基本はメンズなんですね
メンズのものが好きでしてマスキュリンというよりはボーイズ的なものが好みですね 今も装いとしては
メンズライクなものが好きですがストリートファッションではもうさすがに年齢的にいられなくなってきましたけど
ストリートファッションとトラと混ぜたような格好が好きです なんでだろうって言うとちょっとこの話はもしかしたら見漏れでも書いたことがなくて
ここで初めて喋るかもしれません 私さっき身長が151しかないって言った通り
小さいんですけどそして 小柄だけど華奢ではない族ですって言ってくださった通り
ストロベリーサイズとか xs みたいな小さくて骨格も小さいタイプの服だと胸がパツパツしちゃうっていうか
そんなにあの体が華奢なタイプじゃないんですよね それがすごく嫌だなぁと思っていた時期があって
ちょっと話がそれるんですけどアンゴラ村長の151センチ48キロっていう写真集が めちゃめちゃ売れてんですね売れたんですよ
うちから出て高段車から出てるんですけど ご存知ですかお笑いのコンビニャンコスターの女性のアンゴラ村長っていう人の写真集なん
ですけどタイトルがうまいですよね そして同時に最悪なタイトルだなぁって思ったのなぜって私がまさに151センチ
48キロくらいだから こういうふうに見えるんだなぁっていうのを
客観的に見せつけられるような感じで まさに私自身の一番嫌悪するところなんですよね
つまり小柄で導眼でだけど胸はあるみたいな 性格キャラクターと
裏原宿のストリートファッション
こうありたいっていう性格とかキャラクターみたいなものと体型がミスマッチ しているっていう感覚が私は思春期で体が変わってくる時期にすごくあってその違和感
みたいな感じが その時期とちょうどストリートファッションのブームがぴったり重なったんですよね
それでああこれがまあ自分らしくいられる格好だっていう 感じになった
だろうなと思いました そう自分の体のこう思っている以上に無駄に女っぽい部分を封印してくれるものとして
ストリートファッションはすごいしっくり着たんですよ だぼっとした t シャツと
メンズだからっていうのもありますしスケーター的な t シャツとピタッとしたデニムも流行っていてカラーデニムとかタイトな
スリムなタイプのデニムにナイキのエアジョーダンとかダンクとか あとはグラビスとかのごついスニーカーにポーター
吉田カバンのリュックとかバッグを持つっていう格好がバランス的にも合うというのもありますし 自分のその女っぽさを封じ込めてくれるっていう意味があったのかなと思います
今はですねあんまりそういうことは そう女っぽさを消したいという気持ちは全然なくてもっとニュートラルに
ただアイテムとしてメンズ由来のアイテムが好きっていうだけなんですけれども ファッションをアイテムとしての魅力
その収集するっていうか 売り切れ必至みたいなものとかレアなものコラボレーションってすごく
マレなものを手に入れるっていうことに熱狂させるという意味では 藤原ひろしさんは
なんか新しい感覚をファッションに持ち込んだ人なのかなってこの本を読みながら 思ったりしました
あとは分かる人にだけ分かる このアイテムを持っているっていうことはこういう人なんだなぁとか
あの人意外とこういうの好きなんだっていう コミュニケーションとしてのブランドロゴっていうのも
浦原塾の特徴であり すごく人々を熱狂させたものだったんだなぁって思いましたね
ファッションと雑誌の役割
はい今日はちょっと自分の話を結構しちゃったんですけれども この本から紙フレーズをご紹介したいと思います
この本は生徒の方がいて特別講義なんでね その人の質問に答えたりしてるんですけれども藤原ひろしさんが
私はゼロから1を生み出すのが苦手ですっていう生徒の方からのご相談に対して このように答えています
何でもゼロはないと考えたらいいんじゃないですか 服を作るにしてもそもそも袖は2つだしパンツは長いのと短いのしかないし
すでにあるものをアップデートしていくわけじゃないですか とあります
本当そうですよね 何でもそうだと思いますよだからゼロから1のゼロを考えるよりも1の中でいい位置を探す方がいいんじゃないでしょうか
とありまして 1の中でいい位置を探すっていうのはすごいなぁ確かにって思ったんですよね
そしてそのいい位置を探す天才だったんでしょうね藤原さんという方はね セレクトショップってそういうことなんだろうなぁと思いましたけれども
そして雑誌っていうのもその100ある 1万ある中からいい位置を探すっていう役割を果たしていたんでしょうね
SNSとかネット上で自分で探すってなると本当に膨大で大変な1000とか10とか100とかいう選択肢の中から
これがいいよここに行くといいよこれを買うといいよっていういい位置を 探す役割が雑誌にはあったんだと思うんですけど
またねこの先はちょっと雑誌という形態がどうなっていくかわからないですが 誰かがセレクトしたものが載っているいい位置がいい位置がいっぱい集まったものっていうのは何か形を変えて残っていくんじゃないかなぁなんてことをこの本を読みながら考えました
皆さんのファッションに影響を与えた雑誌は何ですかね そんな話をみんなでする回とかをいつかできればいいなぁと思ったりしました
さてエンディングなんですけれどもちょっと1個お知らせがあります NHKの言い照れでやっている私の日々が言葉になるまでという番組があるんですけど
ご存知でしょうか 本を紹介していろんなテーマに合わせて
出演者の方たちと本を選んで本の中の一節を紹介するような番組になっています そちらのちょっとブックセレクトを一部担当させていただいてまして協力しております
別にこれがバトヤンが選んだ本だって出てくるわけじゃないんですけれども とっても素敵な番組なのでご協力させていただいてましてテーマに合わせた本のセレクトをしたりしてるんで
皆さんも真夜読お好きな方はその番組も楽しんでいただけるんじゃないかなと思ってよかったら見てみてください
言い照れの毎週土曜日午後8時45分から放送しておりますというお知らせでした さてそろそろお時間になってしまいました
真夜中の読書会おしゃべりな図書室ではリスナーの方からのお便りをもとにおすすめの本や マンガ紙フレーズをご紹介しています
リクエストはインスタグラムのアカウントバタヨムからお寄せください お届けしたのは講談社のバタヤンこと川端理恵でした
また水曜日の夜にお会いしましょう おやすみなさい
おやすみ