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2025-03-05 11:05

仕事のためには生きてないけど、優しみをもって愚痴りたい

「仕事には真面目に取り組みたい。だけどもう少し肩の力を抜いてギアをゆるめられる自分でもいたい」そんな気分におすすめの小説とのリクエストに……

<勝手に貸出カード>

安藤祐介さん『仕事のためには生きてない

→安藤祐介さんのお仕事小説・こちらもおすすめ!

・『本のエンドロール

・『被取締役新入社員』(とりしまられやくしんにゅうしゃいん)

・『就活ザムライの大誤算

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サマリー

このエピソードでは、安藤雄介の小説『仕事のためには生きてない』を通じて、仕事に対する考え方や心の緩め方が語られています。主人公の田辞美雄吉が職場のストレスや責任感に直面しながら、自身のペースを保とうとする姿が描かれています。

お便りの紹介
真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室へ、ようこそ。
第201話を迎えました。今夜のお便りをご紹介します。ペンネーム、mogumogupekopekoさんからいただきました。
バタやんさん、はじめまして。人生初めてお便りを送ります。
はじめまして。おー、それはそれは光栄です。
バタやんさんの声、選書の仕方、言葉の選び方がとても好きで、辛い時や疲れた時に、いつも寄り添ってもらっています。
本との素敵な出会いにも感謝しています。
初回から遡って聞いています。これからも楽しみです。ありがとうございます。
さて、質問です。
努力しない人の心温まる、緩まる小説物語はご存知ですか?
私は、学生時代から、向上心をもって活動するのが好きでした。
しかし、ギアを上げることばかり考えてきたので、緩めるのが下手だと感じています。
仕事に全てのエネルギーを使ってしまうのか、2024年は体調やメンタルが優れない日が増えました。
客観的に考えると、環境は恵まれていると思います。
会社員5年目、経験も知識も未熟ながら男性が多い会社で、チームリーダーをさせてもらい、人にも恵まれています。
残業はしますが過度な長時間労働ではありません。
一方で、責任感を持って丁寧に仕事をし続けるのは、時間も体力も心も限界があると感じています。
認知の歪みで、必要以上に肩に力が入っているのかもしれません。
仕事も真面目に取り組みたい、だけど自分の調子も保っていきたい、贅沢なのかもしれませんが、
もう少し肩の力を抜いて、良い塩梅で暮らせるようになりたいです。
ギアを緩める練習・擬似体験として、努力しない人の心温まる緩まる物語をリクエストします。
ありがとうございます。
安藤雄介の作品
ギアを上げることばかり考えてきたので、緩めるのが下手だと感じているってすごいことですね。
ご自身を漫画の主人公を見るみたいに、客観的に斜め上から見ているような感じがすごいなって思いました。
5年目でチームリーダーもされていて、それはもう向上心と責任感の賜物ですよね。
周りから見ても頼りにされているってことなんじゃないかなと思いました。
さてさて、今夜の勝手に貸し出しカードを選びました。
ゆるめたいもぐもぐぺこさんへの勝手に貸し出しカードは、安藤雄介さんの仕事のためには生きてないという小説にしました。
ストレートなタイトルです。
安藤雄介さんの仕事のためには生きてないが、どんな本かどんな小説か解説していきたいと思います。
その前に安藤雄介さんをですね、私が知ったのは、本のエンドロールという本作りに携わる職業の方たちのアンソロジーのお仕事小説がありまして、
これもものすごい素敵な本なので、本好きのリスナーの皆さん、よかったらぜひ読んでください。文庫になってます。
相談者文庫から出ています。
安藤さんの他にはですね、取り締まれ役、取り締まれ、取り締まられ役新入社員とかですね、
就活侍の醍醐さんとか、仕事小説得意とされているかなと思いますが、特に若い世代の方に、
若い世代の方にオススメってなんか今、ちょっとありきたりな紹介の仕方をしちゃいましたね。
なんていうか、着替えを持って会社に入ったんだけど、なんかちょっと会社の社会の不条理にあれって思ったりとか、
逆に着替えが強すぎて空回りしちゃったりとか、そんな葛藤が周りの人と接することで、
ちょっと緩んだり変わっていったりしていくみたいな、そういうお話を求めている時に、ぜひオススメです。
今日ご紹介するこの仕事のためには生きてないはですね、どんな小説かと言いますと、
食品会社に勤める田辞美雄吉、35歳が主人公で、彼の勤める食品会社三陰食品の社長が異物混入騒動の発言で炎上しまして、
その信頼回復のために、スマイルコンプライアンス準備室という室が立ち上がることになったんですね。
田辞美くん、田辞美雄吉さんはそのスマイルコンプライアンス準備室に移動になってしまうんですよ。
やばそうでしょ、スマイルコンプライアンス、そんなとこに移動になったら嫌だなぁと思いながら読んでたんですけど、
コンプライアンスのコンプライって従うってことですからね、笑顔で従うって、なんかもうそのネーミングからしてブラックな匂いがしますよね。
なんて感じで、きっと社内でも揶揄されたり冷ややかに見られたりしそうだなぁっていう部署ですね。
雄吉さんは、モグモグペコペコさんとは逆のタイプですね。そんな仕事熱心なタイプじゃなかったんですよ。
趣味のバンドが最優先みたいな感じで、でもその謎プロジェクトに入れられちゃったせいで、社長直下の社長直命令な部署なもんだから、
社長尊託した役員からの指示に振り回されたり、社内の会議のための資料作り、これをデコ資料って書かれていて面白いですね。
デコ資料ね、ありますよね。わかる?すごいわかります。社内の会議を通すための、ぎゅうぎゅうに詰まったパワーポイント、デコ資料作りにめちゃくちゃ時間を取られるわけですよ。
いわゆるブルシッドジョブっていうやつですかね。それで、俺何なんだ?何やってんだろう?ってなるんですね。
心の緩め方
そんな時に、バンドの仲間が余命宣告をされるような重たい病気にかかったことが発覚、わかりまして、というお話です。
仕事に対してあまりやる気はなかったというほどでもないが、向上心がね、そんな強いタイプではなかったタイプの人が謎プロジェクトとかに巻き込まれることによって、ちょっとずつ変わっていく。
それをこの本では半径5メートルから変わっていくというふうに表現されていて、それはすごくいい言葉だなぁと思いました。
もぐもぐぺこぺこさんのリクエストとは、もしかしたら逆向きの話かなと思ったんですけど、着地する境地はもしかすると一緒なのかなと思ってこの本を選びました。
今日はこの仕事のために生きてないから紙フレーズをご紹介したいと思います。
5.明るく愚痴をこぼし、明るく弱音を吐こう、そしてお互いに思いやろう。
とあります。これはですね5という最初に言った通り、スマイルコンプライアンスの12箇条っていうのを作るんですね。
12箇条の中の一つなんです。他の11箇条がどんなものかは、ぜひ読んでいただきたいなと思いますのでご紹介しませんけれども。
どれもきれいごとと言ってしまえばきれいごとですけれども、仕事をしていく上できれいごとって大事だよねとも思いました。
アンドーさんのアンドーゆうすけさんの書きになるお仕事小説は、お仕事小説の中でも全体的に優しみがあって好きです。ほっとしますね。
もぐもぐぺこぺこさんのお便りにあった、もう少し肩の力を抜いて良い塩梅で暮らせるようになりたいっていうのは、
おそらく仕事に手を抜くっていう方向の緩めるじゃなくて、丁寧にやりたいとか責任感を持って携わりたいっていうストイックさはぺこぺこさんの美徳ですから、それはものすごいアドバンテージですからね。
無理に緩める必要はないんじゃないかなと勝手に思ったりして、でも明るく愚痴をこぼしたり明るく妖艶を吐いたりするのは自分に許してあげてもいいんじゃないでしょうか。
今のぺこぺこさんを知らないけれども、今よりもっと気軽にそうしていいんじゃないかなと思ってご紹介しました。
そしてこの仕事のためには生きてないってすごくいいタイトルですよね。強くて。
自分も仕事でパツパツしてきた時は心の中でつぶやこうと思います。
私は仕事のためには生きてないって思うだけでも軽くなる気がしました。
というわけで、謎プロジェクトに巻き込まれて苦労している方とか、不毛なデコ資料の修正に次ぐ修正にものすごい時間を取られて何なんだこれはと思っている方はぜひ読んでみてください。
200回記念5周年6年目に突入というふうにお知らせをしたばかりですが、
3月4月がですねちょっと人事部的にはまさに過去という感じでして、定期採用と新入社員研修がもうなくスタートします。
人事異動と春の春冬とかも重なってまして、
人事部は繁忙期なんですかね。春ってどこの会社も。だから仕事のためには生きてないとか言っちゃいけないシーズンでして、
それは誰かのいろんな人の人生にかかってくるかもしれないから真剣に向き合わないといけない踏ん張りどころなんですね。
それでちょっとこの予読もしばしあまり更新できないかもしれないという先にお知らせです。
少しだけお休みしましてリニューアルした真夜中の読書会シーズン3として皆さんとお会いしたいと思います。
アンケートに書いていただいたリクエストのコメントも一つ一つ大切に読ませていただいてまして、
こんなことやるといいなとかあれも紹介しようというアイディアはたくさん溜まっていますのでしばしお待ちください。楽しみにしていてください。
さてそろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室ではおすすめの本や漫画紙フレーズをご紹介しております。
リクエストや番組のご感想はインスタグラムバタヨムからお寄せください。
お届けしたのは講談社のバタヤンこと川端理恵でした。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。
11:05

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