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2025-11-12 12:33

EP.228 『爆弾』読んでから観て、観てから読んで。「わからなくもない」のは?

大ヒット上映中の映画『爆弾』! 呉勝浩さんの原作と映画の印象の違い、 ホワイダニット (Why (had) done it) =なんでやったの?なミステリーの魅力をたっぷり語ります。原作未読の方も、聞いてから観るも、観てから聞くもありです。

<今夜の勝手に貸出カード>

・『爆弾』呉勝浩さん(講談社文庫) https://amzn.to/4hRRgso ・映画『爆弾』 https://wwws.warnerbros.co.jp/bakudan-movie/ 


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サマリー

映画『爆弾』とその原作小説について話が進んでおり、作品の魅力やキャラクターの背景が探求されています。特に鈴木多五作と類型のキャラクターに焦点を当て、彼らの行動の動機や心理描写に触れています。また、物語の緊張感やミステリー要素についても語られています。

映画と原作の紹介
真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、第228話を迎えました。
イントロが少し変わってびっくりされたでしょうか。
KODANSHAの社名が入って、私の声じゃないし、会社のサウンドロゴというものが実はできまして、
KODANSHAがやっているポッドキャスト番組も増えましたからね、だと思うんですけど、
せっかくなので、この真夜中にも入れてみようと思ったんですけど、
入れどころが難しくて、やっぱり最後はおやすみなさいで終わりたいなと思うと頭かなと思ったりして、
でも、KODANSHAじゃない本も結構紹介するので、
というか、ほとんどがKODANSHAじゃないことの方が多いのに、
サウンドロゴをつけると、まるでうちのコンテンツみたいで失礼かなと思ったり、
他のブランドの商品なのに、うちの放送室で狂っちゃうみたいな乱暴さがあるかしらと思って、
あまり良くないかもしれないと考えちゃったりして、考えすぎかな、ちょっと置きどころは考えたいなと思います。
でも、今日はKODANSHA作品なので、どうぞ音をつけてみたいと思いました。
本日はタイトルにあります通り、映画爆弾、そして原作の小勝博さんの小説爆弾の話をしたいと思います。
10月末の映画公開以来、おかげさまで非常に大ヒットスタートとなりまして、
SNSとかを見る限り非常に評判が高く、
まよどくリスナーの方の中にもご覧になっていただいた方がいらっしゃるかもしれないと思い、
ちょっとこのタイミングでご紹介したいなと思いました。
私は単行本で読んで映画を見て、改めて文庫で読み返してみました。
今日はその印象の違いですとか、どこにワクワクしたかっていうところを話したいと思います。
なるべくネタバレせずに、確信には触れずにと思っているんですけれども、
これから映画をご覧になる方で、あっさらでなるべく見たいなという方はちょっとストップしてみて、
ぜひご覧になってからまた聞いていただけたらと思います。
まずあらすじと登場人物を映画版の演者を交えてご紹介します。
キャラクターの魅力と対決
酒屋の前で酔って暴れたという身元不明の中年男性、鈴木多五作が警察にしょっぴかれて、
その取り調べ室で10時に爆発があると言い出すというところから始まりますね。
その通り都内で爆発が起こりまして、
彼は自分曰く霊感があって3度爆発が起こるという予言みたいなことを言い出すんですね。
このおっさんがただのボンクラの嘘つきなのか、ものすごい知能犯なのか、得体が知れないっていう鈴木多五作の役を佐藤二郎さんが開演しています。
それがまずこの映画の見どころの一つであり、
原作の方でも物語を引っ張る最大の魅力となっていると思います。
この人何なんだろうっていう馬鹿なことを言い上がってっていう馬鹿にしたい気持ちと、
謎解きのような事情を聴取を経て、爆弾がその通りに起こっていくので、
認めたくはないけど自分たちよりはわてかもしれないってなって、
おちょくられているような感じがする。
刑事さんたちももちろんですし、読み手であり視聴者である私たちも、
おちょくられているみたいな悔しさがストーリーを前々と引っ張っていっている感じがします。
このストーリーの半分以上が取り調べ室の中で起こる会話劇になっているんですね。
この鈴木太子作と対峙する刑事が4人います。
映画で言うと染谷翔太さんが演じるトドロキ、
簡一郎さんが演じる伊勢、そして渡部敦郎さんの清宮、
山田裕樹さんの瑠衣家という4人が順番にマッチアップするみたいな、
対決するみたいな感じになっていて、ここも結構ワクワクするポイントです。
映画の評判ですとかパンフレットを含めてプロモーションの印象ではですね、
かなりこの山田さんが演じられる瑠衣家にフォーカスが当たっていますけれども、
私が読んだ物語の印象としては最大の最初のクライマックスは、
映画では渡部敦郎さんが演じることになる清宮ですね。
清宮と鈴木の対決にあるかなと思いました。
クライマックスどういうことが起こるかというのはちょっと言わないでおきましょう。
そんなふうにほぼほぼずっと取り調べ室の中の会話と行動っていうんですかね、
言語以外の網振り、手振りみたいなところで挑発、そこから謎解きでお話が進んでいくっていう一方で、
捜査が進んでいく、捜査パートがありまして、
こちらが神田沙羅巡査、伊藤祭里さんですね。
神田沙羅巡査と矢吹巡査バンドの両田さんが演じられる、
2人のバディで同時進行で進んでいくシーンが描かれて、間に挟まって描かれていきます。
ここが正と同で言うと同のパートであり、
コミカルなお二人の掛け合いもあったりして、
全体が重苦しい感じの取り調べ室の密室のやり合いの中にもリズムをつけるっていう上で、
大事なシーンかなと思うんですけど、
物語の深層と心理描写
印象としては、映画の方が、道の方のところが、
分量多めに描かれていたのかなと思いましたが、どうでしょうか。
この作品のミステリー要素は、爆弾を仕掛けたのは誰なのか、
鈴木というおっさんが本当にやったのかっていう、
フーダニット、いわゆる誰がっていうフーダニットも一つもちろん大きな要素ではあるんですけれども、
どちらかというとファイダニット、どうして爆弾を仕掛けたの、というところに重きがあるように思いました。
それが原作と映画の私の中の印象の違いのポイントでもあったかなと思っています。
最初に本を読んだ時は、鈴木太郎作がもっと肉たらしい怪物っていう感じの印象だったんですけど、
映画を見ますと、もう少し彼の背景に色が付くこともあって、
さらに佐藤二郎さんが演じられたせいもあって、チャーミングさと言いますか、
ちょっと可愛げと言うと言い過ぎなんだけど、
この人にはこの人の理由があったと思いたい、なんでっていうのを見つけたいっていうところに、
観客の我々の気持ちの重心が移りやすくなっているのかなと思いましたね。
もう一人の主人公、類型は原作のイメージはもっと乱暴な、乱雑なと言いますか、言葉遣いも乱暴で、
ダサい野暮ったい見た目の、もう一人のダークヒーローって感じなんですけど、
サイズが合っていない背広にダサいスニーカーみたいなイメージだったから、
山田さんはね、もじゃもじゃ頭と眼鏡は再現されていましたけれども、
かっこいいなっていう印象がやっぱり拭えず、眼鏡もスニーカーも似合っちゃっていて、
寝よう徹して一晩中に14時間緊迫した取り調べとかしてても、
家に帰ったら西野奈々瀬さんが奥さんなんだよなとか、余計なことを考えちゃって、
それはただの私の雑念なんですけど、いやでも非常に良かったですね、素晴らしかったですよ。
類型がこんなに魅力的な人になると思わなかったという意味で素晴らしかったです。
原作はとにかくすごく緻密に作られた完成度の高い作品なので、
映画がそのまま再現されていたことに感動しましたし、
セリフも一字一句再現されていて、
改めて読み返した時は脳内の声が演者の方のそれぞれの声で再生されるようになって、
特に伊藤祭里さんが演じられた巡査は、原作の時はそういうイメージじゃなかったけど、
より人のキャラクターの立体感が増して、2回目非常に面白く読みました。
ただ結構グロテスクなシーンもですね、映画ははっきり描かれてますし、
爆発が起こるシーンなんかも、一人一人が結構しっかり描かれているので、
音もビクってなって、ちょっと大きい音が苦手な方はあまりお勧めしないんですけれども、
ぜひ大きな劇団でご覧になってみていただけたらと思いました。
さて今日はそんな爆弾から紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
ただ少し納得がいかない思いがあって一言コメントを発してしまった。
よりによって週刊誌の記者に気持ちはわからなくもないと。
まさかそれがここまで大引くとは。
全人格を否定され、書内で孤立する羽目になるとは、当時は想像もしていなかった。
とあります。
これは染谷翔太さんが演じるトドロ刑事のことなんですね。
先ほどフーダニットよりファイダニット、なぜどうしてそうしたのっていうところに重きがある物語なんじゃないかという話をしましたが、
どうしてっていうところに気持ちはわからなくもないっていうのがあって、
それは誰に対してもこの中で描かれるどの段どうしたに対してもなんですけれども、
頭に来たらこういう状況に追い込まれたらこうしちゃうかもしれないっていうことと、
本当にそうしてしまうっていうには大きな溝、大きな差があって、
そして誰しも心には爆弾があって、ボタンを押してやるっていう気持ちはあって、
そこは否定はしないけれども、気持ちはわからなくはないけれども、
押しちゃうかどうかが全然違うっていうことなのかなと思って読みました。
さて皆さんは誰にわからんではないと思ったでしょうか。
この物語続きがあるようですので、それもまたどこかでご紹介したいと思います。
さてそろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、
リスナーの方からのお便りをもとにおすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介しています。
リクエストはインスタグラムのアカウントバタヨムからお寄せください。
お届けしたのは講談社のバタヤンこと川端理恵でした。
また水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。
12:33

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