ドラマの魅力
真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、第227夜を迎えました。
今日は、最近どんなドラマを見てますか?という話からしたいと思います。
私はですね、配信系では、ネットフリックスで特命の恋人たちを見終わったところです。
あとは、雲潤と三葉はすごく好きなんですけど、
ラストが分かっているので、想像してちょっと途中から辛くなってしまって、今は途中で止まっています。
なんかそういう子、すごく好きなんだけど、見続けていられないっていうのは皆さんもありますか?
本でも小説でもたまにありますかね?
死ぬと分かっているみたいなタイプは、途中で止まっちゃうっていうのが時々ありますね。
あとは、ネットフリックスでは最近までポーカーフェイスっていうシリーズにはまっていました。
こちらは1話完結で事件を解決するスタイルなんですけども、いわゆるコロンボ形式、古畑仁三郎形式と言いますか、
最初に犯人が分かっていて、視聴者の私たちには犯人と殺し方が分かっていて、
主人公がどうやってそれに気づくのか、真相にたどり着くのかっていうのを楽しむタイプのドラマですね。
このタイプのミステリードラマがお好きな方は、ぜひ見てみてください。めちゃくちゃ面白いんですよ。
主人公が探偵でも刑事でもない、ただの人というか、ちょっとならず者の女の人みたいな感じなんですけど、
その人が何でこの事件に巻き込まれなきゃいけなくて、事件を解決する羽目になるのかっていう、必然性の作り方が毎回見事だなと思ってました。
もしこれネットフリックスなんで、あまりいらっしゃる…ネットフリックスじゃなくて、ユーネクストなので見てる方がいらっしゃるかわからないんですけど、
もし見てる方がいたらぜひコメントしてほしいです。
そして地上波はですね、10月クールは何を見ているかというと、結構楽しみなものが多くて、毎日何かしら見ているんですけど、
特にフェイクマミー、じゃああんたが作ってみろよ、ちょっとだけエスパー、緊急取り調べ室は楽しみにしてますかね。
じゃああんたが作ってみろよは見てますか?主人公カツオ役の竹内龍馬さんがね、最高ですね。
あゆみ役の加穂さんが何とも言えないですよね。
加穂さんってなんであんな絶妙な立ち位置にキャラクターを置くことができるのかなって思っていて、
女が嫌いな女になりそうなタイプでもあり、そのギリギリなラインと言いますか、
これは私のことだって重ねられるラインも踏んでて、
例えば2番手でヒロインを陰で支えるみたいな役もハマるし、
すっごい意地悪、実は超意地悪みたいな2番手もハマるし、
そういう危うい立ち位置に身を置ける体感があるなって体感を感じる女優さんですね。
この後年を重ねられてどういう役をやっていかれるのかすごい楽しみだなって、
勝手に思っている女優さんの一人です。
じゃああんたが作ってみろよの作品自体も、なんというか絶妙な立ち位置の作品ですよね。
問題定期的なニュアンスもありつつ、ラブコメのバランスがちょうどいいと言いますか、
雑音がちょっとなんでそういうこと言うかなって感じなんですけど、
嫌いにはなれないっていう絶妙なラインなのは竹内龍馬さんの力が大きい、ドラマでは大きいと思うんですけど、
気づきが早い展開っていうのも見ていて心地いいなぁと思って楽しんでます。
そんなじゃああんたが作ってみろよの原作は谷口夏子さんのコミック漫画原作になってまして、
谷口夏子さんの作品
谷口夏子さんといえば私は今夜すき焼きだよ、すごく好きな作品でした。
どちらも谷口さんの作品なんですよね。
というわけで今日はドラマの話で終わって勝手に貸し出しカードはないのかと思われたかもしれないですけど出します。
今夜の勝手に貸し出しカードはBNN編集部官公の多様で複雑な世界を今どう描くかという本にしました。
この本はサブタイトルに12人の漫画家イラストレーターの表現と試作の記録とあります通り、表現者の方の12人のインタビュー集となっています。
その12人の中に谷口夏子さんも答えられていたので興味を持って勝手に読んでみました。
今、多様性とかダイバーシティとかポリティカルコレクトレスとかを議論される機会も多くなって、
専門家とか当事者の方が声を上げる機会も多くなって、そういうキーワードになった途端にちょっと好き嫌いが分かれたりするところもあると思うんですけど、
ちょっとそれは置いといて、今までダメの世界で特にいたと思うんですけど、
良しとされてきたあるいはメインストリームだったものに疑問を投げかけたり、書かれてこなかったところにスポットライトを当てるような作品に注目が集まりやすくなっているっていう傾向もあると思うんですね。
ちょっと抽象的な言い方になっちゃったので、例えばどういうことかというと、
昔ながらの結婚感とか男らしさ女らしさ母親らしさみたいなところに一石を投じるとか、
LGBTQ障害者の方の主人公、登場人物が出てくる場合も、ちょっとセンセーショナルなここが山場みたいな扱いとか、
涙頂戴的な扱いではなくて、位置登場人物の個性として扱うようになった作品とかが増えてきているなという印象もあります。
そういった作品を紹介したりされるときに、社会問題提起をしているとか、マイノリティに寄り添うとか、今私も一石を投じるという表現の仕方をしちゃったんですけど、
そういう取り上げられ方をすることに、作者の方は違和感を持ってたりするんじゃないかなとか、
いやそういうことじゃなくてとか、単純な枠に当てはめてほしくないって思ったりしないのかなって気になっていたんですよ。
この多様で複雑な世界を今どう描くかっていう本は、いわゆるジェンダー平等とかフェミニズムとかルッキズムとかLGBTQとか、
そういった内容を扱っていると評価されることの多い作品を描いてらっしゃったり、イラストを担当されたりしているクリエイターの方たちにインタビューをしていて、
本人が自身が問題意識とか当事者意識みたいなのがあったのかなかったのか、あるいはこう過去の自分の表現が誰かを傷つけたかもっていう経験があるとかないとか、
そういった話を割と踏み込んでされているすごく貴重なインタビュー集だなと思って読みました。
やっぱり作家さんもイラストレーターさんも、もともとの本音の信念と言いますか、こういうものを表現したいっていうエネルギーの源みたいな部分は変わらないんでしょうけれども、
発注あってのお仕事の部分もあるので、編集部からだったり、編集者からの要請だったり、発注主の意向とかクライアントさんの意向だったりで、こういうものを書いてほしい、もうちょっとこういう書き方をしてほしいって言われて納品されて世に出ていくものが多いわけで、
それを数年経った今となっては自分はこう思っているとか、今だったらこうは書かなかったんじゃないかとか、今書くとしたらこういうことが気になるとかっていうのもあるんですよね。
その辺を正直に語っていらっしゃるのは非常に興味深いなと思いました。
つい若い女の子を書いてしまうとか、それを書くのが綺麗な、書くのが楽しいっていうのも自然なことだと思いますし、一方でルッキズムに加担したんじゃないかとか、悪い人を悪い用紙で書いてしまったことに後悔をしているとか、
今ならこうは書かないっていう話には何というか心を打たれるものがありましたね。
スケラッコさんも出てらっしゃるんですけど、スケラッコさんのドドンとドントネコっていう児童章があって、
その中の相撲大会のシーンで、小さい子の裸を書くのは抵抗がある、恐怖があるっていう話をされていて、Tシャツを着てた方がいいんじゃないかっていう話とか、印象的でしたね。
BNNはデザインとかビジュアルアートに携わる人を支援する専門書を下されている出版社さんなので、この本もクリエイター向けの本ではあると思うんですけれども、
そういう絵本の世界、お子さんに読ませるものについてちょっとモヤモヤしている、悩んでいるとか、あるいはお仕事上何か表現をしたり広告を考えたり、ビジュアルを考えたりしなくちゃいけなくて、キャッチーな表現とかわかりやすい表現と、
ポリティカルコレクトレスというか、正しさみたいなのの間でモヤモヤする、悩んでいるみたいな方にもお勧めな本かなと思いました。
感情の探求
今日はこちらの、「じゃああんたが作ってみろよ!」の谷口夏子さんのインタビューの中から紙フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
前作品を通して言いたいことは、プライドとかじゃなく、どうして悲しいのか怒っているのかをちゃんと言葉にできるようになってほしいってこと。
私も日頃から自分になぜそう思うかを問い合わせして問題の真を探すようなことをやっています。とありました。
自分にお問い合わせをして問題の真を探すってすごい言葉だなぁ、いいなぁと思いまして。
ムカついたり、腹立たしいと思ったり、そこまで行かなくてもちょっと嫌だなぁって思っても、問い合わせせずにもう腐札することの方が圧倒的に多いですけれども、
繰り返し嫌だなぁとかイラッとするなぁと思ったりするのを重ねると、やっぱこういうの嫌だなぁになってしまうから、
お問い合わせを早めにした方がいいのかもですよね、と思いましたね。本当に嫌いになってしまう前に。
例えば作った料理に、私が作った料理に家族がドバドバとソースをかけられると、なんだよっていうかちょっと嫌だなぁ、悲しいなって思うけど、
そういうことはちょっとスルーしてしまう。スルー見なかったふりをしているうちに、なんかだんだん味が濃い目で決まっている、味が決まっている料理しか作らなくなって、
そしてだんだん新しい料理を作って一緒に食べるみたいなこともやらなくなって、そのうち一緒にいることさえ、向かい合ってご飯を食べることさえ苦痛になって、みたいな感じですかね。
じゃああんたが作ってみろよのあゆみさんは、プロポーズをされた時には無理ってなるんだけど、それがもっともっと後にやってくる人の方が多いと思うんですよね。
自分にお問い合わせをして問題の真を探すっていうのをちょっと心に刻んでおきたいなというふうに思いました。
皆さんも今好きで楽しみに見ているドラマがあればぜひ教えてください。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室では、リスナーの方からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介しています。
リクエストはインスタグラムのアカウント、バタヨムからお寄せください。
お届けしたのは講談社のバタヤンこと川端理恵でした。
また水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみ。