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2020-12-16 09:42

【第38夜】言葉の反射神経はニブいくらいでちょうどいい?

「本好きの友人と討論できる読み応えのある本を教えて」というリクエストにお答えして、内田樹さんと平川克美さんの『沈黙する知性』をご紹介します。ちょっと話がまとまってなくても「こいつ何が言いたいんだ?」って顔しないで、頷いて聞いてくれる相手って大切ですよね。内田先生の唱える「まず異議を唱える」より「まず肯定する」ほうが話が面白くなる、というお話について掘り下げます。


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ミモレ 真夜中の読書会 おしゃべりな図書室へようこそ
こんばんは、KODANSHAウェブマガジン ミモレ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになる、をテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第38夜となりました。皆さんいかがお過ごしですか?
今夜のお便りご紹介します。私のインスタアカウントバタ読むの方にメッセージをいただきました。
横北さんから。いつも楽しく聞いています。ありがとうございます。
会うたびに課題図書を決め、その本の話をする友人がいます。友人とは討論できるようないろんな切り口の本を選びます。
近い会う時までに意見を交わせる読み応えのある本を教えてください。といただきました。ありがとうございます。
いいですね。本について討論できるお友達。羨ましいなぁ。
次回会う時がいつかわからないけれど急ぐかなと思って、こちらのメッセージを選ばせていただきました。
今日の勝手に貸し出しカードは、内田達瑠さんと平川勝美さんの対談集、沈黙する知性にしました。
沈黙する知性はラジオデイズの内田さんと平川勝美さんの、多分月間話半分というラジオの番組の対談を収録したものになっています。
内田さんはご存知かもですが、フランス文学者で武道家で、大学教授でという方で、私も何冊も本を読ませていただいているんですけど、平川勝美さんも文筆家でいらっしゃるんですが、
お二人は小学校からの幼馴染で同級生だそうで、70歳かな今年、お仕事もご一緒されていたことがあるようですが、
なんと60年ほどお友達であるということなのですごいですよね。
お二人の会話は高度すぎて途中ちょいちょいついていけなかったりするんですけど、
なんとなく感じたのは仲良しのおじいさん、おじいさんって言ったら失礼だけど、
まあそうですよね。そんなお二人のやりとりが可愛いなって思ってしまって、
最近出た内田達郎さんのしょぼい生活革命という派手な本がありまして、これは偉い店長、偉い店長か、八内晴樹さんとの対談集なんですけど、
八内さんは1990年生まれだから29、30歳ぐらいか、
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慶応卒の経営コンサルタントで実業家で、政治家もちょっとやったりして、ユーチューバーでっていうね、内田さんと比べたら40歳ぐらい年下なわけですが、
こっちの対談集の方が内田達郎さんにちょっと緊張感があるっていうか気を張ってる感じがあって、
それに比べて平川さんとの対談はリラックスしている感があって、言葉が柔らかいんですよね。
横北さんと本好きなお友達の方が70歳までブックトークを続けていらっしゃったとしたら、こんな感じになるのかなぁと思ったりして、
何を言っても、ちょっとこう難しい話をしても、こいつ何言ってるかわかんないっていう顔しないで聞いてくれる相手ってすごい大事ですよね。
ありがたいなと思うし、ちょっと話がまとまってなくても、さっき言ってたことと矛盾があっても、
そうだね、なるほどね、そういうこともあるよねって聞いてくれる知的レベルが一生、あるいは自分よりちょっと高い人って、
人生をとても豊かにしてくれるなぁと思うんですよね。
悩みを相談して解決法を提示してもらうとか、愚痴を聞いてもらうみたいな会話も必要ですけど、そういうのじゃなくて、
答えのないことを抽象的に話す対話の意義について、この本にいいお話があったので、ちょっと早いですけど、今日の紙フレーズをこの本からご紹介します。
私はそのようにして平川君との対話を通じて、自分の中から湧き出してきたのだが、自分でも初めて聞く言葉と繰り返し出会ってきた。
そうやって私のアイデアのレパートリーを豊かなものにしてくれたことについて、平川君に心から感謝したい。
始めにのところに書かれているんですね。話をする時にまず意義を唱えるよりも、まず同意するところから話を始めた方が、大抵の場合話が面白くなるというふうに内田先生は書かれていて、
そうかなーって思うことは相手の意見に対してあっても、まずは肯定してみて、同意したことで根拠を探すってことになって、そこから思考が深まっていくというお話なんですけど、なるほどと思いました。
壁打ちっていう言葉は私はあまり好きではないんですけど、コンサルの人とかねよく使いますよね。そうですね、そうですよねって、それでどうしたかったんですかとか聞いてもらっているうちに、俺はこんなことを考えていたのかっていうことに気づくっていうのはよくわかりますね。
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沈黙する知性はどういう本かというと、先に話せばよかった、すいません順番がひっくり返っちゃいましたけど、帯に書いてあることが一番大切なポイントと思ったので、ちょっとここも読みますね。
複雑な問題について一言で何かを言おうとするのは良くないと思う。ある層で切ればこういう話に見えても、もう一側を向くとちょっと違う話が出てきて、さらにもう一側を向くと正反対の話になったりする。だから僕もみんなが感情的になっているときは発言したくないというのが正直な気持ちだね。
と帯にあります。
骨髄反射的にって言ったりしますけど、割って批判したりどっちか側についたりしないで一旦は正観しようという話ですけれども、
私は若い時に当時の編集長から、あなたは言葉の反射神経が悪い、鈍いって言われたことがあって、どっちがいいとかこれどう思うとか、例えば表紙どっちのパターンがいいみたいに、編集長が聞かれるんですよ。
そういう時にヘッド、ああそうですねとか言っちゃうのね私。パッと意見を言いなさいよって何回か怒られたんですけど、コメント力とかリアクション力は訓練で向上するので、だんだん慣れてそれはコメントできるようになっていったんですけど、
マシになったとはいえ比較的遅めであることは確かで、でもネットの仕事になってみてこの言葉の反射神経が鈍くてよかった助かったなって思うことも正直ありまして、
何か事件とか誰かのコメントとか、あと事象みたいなことにパッと反応してこれはひどいとか間違ってるとかありえないとかいうタイプだったら危なかったこともあるよなと思うんですよ。
ひどいとかありえないと思っても一回うーん、ああえっとそういうこともあるのかという性格で助かったなっていうか。
内田さんの言うまずは1回肯定するというのも、え、違くないとかありえないって思ってもそうかなるほどそういう考え方もあるのかっていうところからスタートするっていう意味では遅延型反射法みたいな意味かなって思いました。
今日はこんなところで横北さん素敵なリクエストありがとうございました。素敵な読書会でありますように、そして70代までぜひ続けてください。皆さんも最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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さて、そろそろお時間になってしまいました。真夜中の読書会おしゃべりなと出出はこんな感じで皆さんからのお便りをもとにしながらいろいろなテーマでお話ししたり本を紹介したりしています。
みもれのサイトからお便り募集しているのでぜひご投稿ください。また来週水曜日の夜にお会いしましょう。おやすみなさい。おやすみ。
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