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みもれ真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと川端です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるをテーマに、
皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、神グレーズをご紹介します。
さて、第78夜を迎えました。今夜のお便りをご紹介します。
コメンテンネーム、うみのおとさんからいただきました。
バタやんさん、はじめまして。いつも楽しみに聞いています。ありがとうございます。
コロナ禍で子供の頃から好きだった読書がなぜかできずにいて、
外に自由に出かけることもできず、ただただぼんやり過ごす毎日でした。
でもこのポッドキャストに出会って、また本を読む楽しい気持ちが復活しました。
今まで読んだことのなかったジャンルや作家さんを知ることができて、
改めて本の良さ楽しさに気づかされました。
最近は本を題材にしたものが好きで、本のエンドロールやお探しものは図書室までを読みました。
ありがとうございます。嬉しいです。
バタやんさん、おすすめの本にまつわる本がありましたら教えてください。
といただきました。ありがとうございます。
そうですね、本屋さんだったり、図書室を舞台にした小説にしようかな、どうしようかなって悩んだんですけど、
今日はぜひ皆さんに読んでいただきたい、海のお父さんにもぜひ読んでいただきたいエッセイをご紹介したいと思います。
女優の小林さとみさんのエッセイで、読まされ図書室という本です。
この本は、女優様々なジャンルの方が、女優の小林さとみさんにこれをぜひ読んでほしいという本を推薦して、
それを読んだ感想を小林さんがまとめたというエッセイ本なんですね。
面白そうでしょ。小林さんならではの交流がわかるというか、いろんなジャンルの人がお勧めしていまして、
例えばフードスタイリストの飯島奈美さんだったり、歌手の井上陽水さんから、作家の吉本バナナさん、群れ陽子さん、
あとはエッセイストの坂井潤子さんが、小林さんにこの本をぜひ読んでみてという理由とともに推薦していて、
その読んだ感想をエッセイにまとめているという贅沢な本なんですよ。
ちょっとお気づきになった方もいらっしゃるかもしれないんですが、
この真夜中の読書会、おしゃべりな図書室というポッドキャストも、
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お勧めの本を勝手に貸し出しカードという言い方にしているのは、この本から着想を得ていたわけなんです。
このポッドキャストと違うのは、小林さんは別にリクエストをしていなくて、
こういう本が読みたいって言ったわけじゃなくて、勝手に推薦されているので、
多分ですけど小林さん自身全然興味ないジャンルだったり、
想像もしてなかったようなジャンルの本が推薦されているというところに面白さがあります。
それをどういうふうに読みこなすのかという、まずエッセイも読み応えがあるので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
この中からいくつか、誰がどんな本を推薦しているのかというのをご紹介していきたいと思います。
井上陽水さんが小林さとみさんに何を勧めているかからご紹介しましょうか。
井上陽水さんは松本成長を勧めるんですね。
小林さとみさんの世界には松本成長はあまりなじまないような気がするというような推薦文になっていて、
井上陽水さんの声で脳内再生してほしいんですけど、苦手そうなジャンルをお勧めするというのもまたこの本の面白いところであります。
実際小林さんは松本成長は私が一番苦手とする領域であるというふうに書いていらっしゃって、
なぜわざわざ不安や緊張を味わいたいのか、まずその真理が理解できないと、
冒頭に書きながらも真剣にこの本を読まれたということなんですよ。
解説も熟読したと書いてあるので、かわいらしいなと思ったりしたんですけど、
この本で私初めて知ったことがあって、松本成長さんって本名は清春さんっていう訓読みだったんですね。
井上陽水さんも秋美さんっていうのが本名だったっていう、2人とも本名が訓読みであることに共通点を発見したとあります。
知ってました?松本清春だったんだ。という話でした。
群れ陽子さんはどんな本を紹介しているかというと、
神子像図鑑、神子になった動物たちっていう本を紹介、推薦しています。
神子って神の使いと書いて、神子ですね。神の使いになった動物たちをまとめた本なんですよ。
こんな本あるんだっていう感じで、群れさんは民族学がお好きで、
動物と民族学が合体した本で、神社とか神物の使いとして奉納された動物たちの図鑑になっていますという推薦文です。
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この本のもう一つ面白いなと思うところは、小林さんとこの推薦者の関係性、こういう交流があるんですよね。
その関係性が垣間見えたりするところが、またちょっとただの本を推薦してもらったっていうだけじゃなくて、
なぜこの人が小林さんにこの本を勧めたのか、
小林さんがこの本からこの人のどういう人柄を汲み取ったのかっていうところに面白みがあります。
群れさんも猫を飼っていらっしゃるそうで、小林さんもね。
我が家の猫は私の秘密をたくさん知っている。本当に黙ってくれてありがたい。
ある日突然口を聞いて話しかけられたらどうしようなどという想像をするとき、心底せすじが凍る。
というふうに小林さんが書いていらっしゃいます。
ちなみに群れようこさんは飼っている猫のしーちゃんと会話ができるそうである。
逆に言えばしーちゃんは群れさんにだけお話をするということだ。
群れさんは不思議ちゃんでもなんでもない。
群れさんとはそういうお人なのであるというふうに書かれています。
そういうお人っていうのがどういうお人なのか、私にはわからない部分もあるけど、
二人の関係性がそういう感じなんだろうなっていうところにぽっこりします。
じゃあもう一人、吉本バナナさんはどんな本を紹介したのかご紹介したいと思います。
吉本バナナさんは小林さとみさんに何をお勧めしたかというと、
佐野陽子さんの死ぬ気満々という本を推薦されています。
吉本さんの推薦コメントがあるんですが、ちょっとお読みしますね。
演技でもない内容の本ですが、
中年以降すべての女性が読んだ方がいいと思う素晴らしい文章です。
いろんなことをちゃんと考えさせられるのに本気で笑ってしまうところもあり、
てんてんてんびっくりマークおすすめします。
すごい強い推薦文ですね。
この本が出版されたのが2014年って書いてあって、
私もこの出たばっかりの時に買った覚えがあるので、
まだ自分が30代であまりこの2人のやりとりにそこまで共感できなかったというか、
吉本さんが勧めている本にそこまで興味を持っててなかったんですけど、
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今読み返すとこれは絶対読まなきゃ、今すぐポチらなくちゃと思いました。
吉本さんと小林さとみさんの対談もこの本には収録されていて、
それもまた豪華な写真付きの対談なんですけれども、
この中で吉本さんは最近どんなジャンルを読まれてますかって小林さんが聞いてるんですね。
吉本バナナさんが自分で興味あって読む本ってどんな本なんだろうって興味があるじゃないですか。
そしてなんて答えてらっしゃるかというと、
最近面白いなと思ったのは何もしなくてもどんどんお金が入ってくるみたいな感じの本。
あまりに極端なことが書いてあるから愉快で愉快で、読んでいるだけで気が大きくなってきますもんっておっしゃってるんですね。
そうか、なんかすごく役に立つとかそういうことでもなく、
あまり興味がないジャンルのものを読んでそこの中に愉快さを見つけるっていうのはまた面白い読書の仕方だなって思いました。
なんかトンデモ本みたいなのとかね、海外のパウツー本みたいなのを読むと、
全然違う考え方にびっくりしたり、愉快な気持ちになったりするものかもしれないなと思ったりしました。
今日はこの本からまさに吉本バナナさんが推薦された本を読んだ小林さんのエッセイから紙フレーズをご紹介したいと思います。
死ぬ気満々な佐野さんは元気に呑気に死ぬ時を待っている。
そして呑気に死ぬには強さと賢さがなくてはならないということを佐野さんは教えてくれる。
と書かれています。
そうか、すごい試練や苦難を乗り越えるには呑気さが必要なのかって、私はこれを読んですごいへえって思ったのと、
呑気さとは強さと賢さでできているっていうのもまた深いなって思いました。
なかなかね、やっぱりすぐに役立つものだったりとか、時間を役に立つことだけに使いたいっていう気持ちについついなってしまうんですけれども、
吉本バナナさんが寝てるだけでお金持ちになれる本みたいなのを読んで面白いなって思ったりするように、
無駄なことだったり、自分がいつもいつも興味関心があることじゃないことを吸収する余裕みたいなのも、
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その賢く強い呑気さを作ってくれるのかもしれないなぁと思ったりしました。
今日はリクエストありがとうございました。
皆さんも最後までお付き合いいただきありがとうございます。
さて、そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室はこんな感じで、皆さんからのお便りをもとにしながらいろいろなテーマでお話ししたり、本を紹介したりしています。
MIMOREのサイトからお便り募集しているので、ぜひご投稿ください。
また来週水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。おやすみ。