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2020-12-23 13:27

【第39夜】年末年始に読みたい本、一挙紹介します!

「どこへも行かない年末年始、久しぶりにゆっくり本でも読みたい!おすすめの本ありますか?」とのリクエストにお答えして、年末年始に読もうと大事にとってある新刊本6冊をご紹介します。みなさんの年末年始とっとき本はなんですか?

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みもれ真夜中の読書会、おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、KODANSHAウェブマガジンみもれ編集部のバタやんこと河童です。
おしゃべりな図書室では、水曜日の夜にホッとできて明日が楽しみになるおテーマに、皆様からのお便りをもとに、おすすめの本や漫画、紙フレーズをご紹介します。
さて、第39夜となりました。今年も残すところ、あと1週間ちょっとですね。
さて、今夜のお便りをご紹介します。
今回もインスタバタ読むの方にリクエストをいただきました。さっぴーさん。
今年の年末は帰省しないことにしました。
結婚以来十数年ぶりに自宅でのんびり過ごす年末年始です。
久しぶりにゆっくり本でも読みたいと思っているんですが、バタやんさんおすすめの本はありますか?といただきました。ありがとうございます。
そうですよね。今年は実家に帰らないっていう方とか、年末年始いつも海外行くよみたいな方も、お自宅でゆっくりされる方が多いですかね。
年末年始におすすめということで、私が年末年始に読もうと思っている、今大事にとってある本を6冊、今日は一気に紹介したいと思います。
私もだからまだ読んでない本なんですけど、読んでない本を紹介するという猛虚に出てみました。
でもちょっと読んで、これは大事にとっておくやつだと思っている、とっとき本6冊ご紹介します。
まず1冊目は角田光雄さんの新刊銀の夜です。
こちらは主人公は35歳の同級生、女性3人ですね。
一人は結婚していてイラストレーターをしている井出千鶴。
夫は若い女と浮気してるんだけど、それに不思議と全然嫉妬を感じてないっていう千鶴さんと、
もう一人は早くに結婚した岡野真由美さん。
娘を芸能人にしようと頑張っているっていう人ですね。
もう一人は帰国子女で独身の草部いとこさん。
翻訳家として活躍するお母さんに複雑な感情を抱いているという3人でしょうか。
彼女たちは15歳の時にバンドデビューしたことがあるっていう過去があって、
あの頃がピークだった、人生のピークだったとは思いたくないけれども、
今の私は何なんだろうというか、何のために、何にのめり込んで生きていけばいいんだろうって、
三者三様にモヤモヤしているっていうかね、面白そうでしょ。
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もうすでに角田さんお得意のキャーっていう感じじゃないですか。
著者5年ぶりの長編小説と帯にあって、そうなのかと思ったんですけど、
もともとは2005年から2007年にかけて、ベリーで連載されてたものなんですね。
結構古いんだなって思いましたよね。私も思いました。
なんで今出したんだろうって、その秘密は著者の後書きに書かれているので、ぜひ読んでください。
私は先に後書きを読んじゃうタイプで、中を読む前に読んじゃったんですけど、
すぐに出せなかった、出せなかった理由も、そして今あえて手直しすることなく出した理由もそこに書かれていて、
そして角田さんって改めてすごいなって思ったんですけど、
つまりあの時には、あの時しか書けないことがあって、
そして書いた3人はもうすでに著者の手から離れて3人として生きてるっていうか、
手を入れられないぐらい人格を持っちゃってるっていう意味なんだろうなというふうに私は解釈したんですけど、
14年経つと世の中の価値観も少し変わっているし、こんな風に肩書きを貼り合うとか、
なんかそういうところもちょっと今とは違うのかなと思ったりもしますし、
あとは33歳、34歳、35歳ぐらいまでって、
同級生の誰が一番忙しいか、誰が暇じゃないかみたいなことをね、
密かにメールの返事を送らせたり競ったりするっていう貼り合うようなところがあったなぁと思って、
私も今全然そういう気持ちがないですけど、
手が空いてる人が店選べばいいじゃないって思いますけど、
なんかそういう忙しさを貼り合うみたいな感じとかちょっと懐かしいなと思ったりしました。
というわけで一気に読んじゃいそうなので大事に撮っています。
はい、今日は6冊紹介するって言ったのに、このペースだとすごい長くなっちゃう。どんどん行きますね。
次は足澤優さんの汚れた手をそこで拭かないです。
これはタイトル見てすごい面白そうだなと思って買ってたんですけど、
直木賞候補にちょうど上がってましたね。短編集です。
足澤さんって罪の余白とか許されようとは思いませんとか、
タイトルはすごいうまいですよね。もうタイトルですでに価値ありっていうか面白そうですもんね。
汚れた手をそこで拭かないの、そこってどこだろうみたいな。
じわじわきますね。
これは短編集なのでとっつきやすいし、途中で中断しやすいですから、
新幹線に乗る時とか旅のお供にもいいかもしれないですね。
続いては島本里夫さんの2020年の恋人たちです。
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島本さんはレッドに続き、ファーストラブが来年2月に北川圭子さん主演で映画化されるということで、
こちらも楽しみにしてるんですけど、
そのファーストラブで直樹賞を取った後の最初の長編がこちらの2020年の恋人たちということですね。
想定がこの本すごい素敵なんですよ。
夜景バックのスカイツリーがね、東京タワーかなって一瞬思ったけど、
多分スカイツリーから月を刺してるみたいな写真になってるんですけど、
白押しっていうのかな、キラキラした片押しがついてるんですよ。
お金かかった想定だなぁって、すぐそんな目で見ちゃいますけど、
やっぱり島本里夫最新長編単行本となると白押し、文字通り白押されるんだなって思いました。
これは母親がやっていたワインバーを引き継ぐことになった32歳の女性が主人公の物語です。
レッドとかファーストラブに比べると落ち着いてしっとり読めるような感じっぽいので、
年末にぴったりかなと思いました。
あと3冊、後半に続けてご紹介したいと思います。
続いては名城優さんの滅びの前のシャングリラです。
名城優さんはルローの月で今年本屋大賞をお取りになって、
これ今年のベストブック、私の中のベストブックの一つと思っているんですけど、
受賞後にインタビューを見漏れでさせていただいたんですが、
その時にこの本、この滅びの前のシャングリラの話をしてらっしゃったんですよ。
もともと名城優さんはBL小説がお得意でいらっしゃるんですけど、
ルローの月はBLではなくて、
さらに滅びの前のシャングリラは、
なんと次はSFの話なんですよっていうことをおっしゃっていて、
世界が滅びるって分かってたら、それまでの時間をどう過ごすかっていうお話なんですけど、
前にパリウス綾子さんもおっしゃってたんですけど、
大きな嘘、大きなフィクションを軸に入れることによって、
細かなところのリアリティが逆に増すっていうね、
そういう手法があるんだなって思いましたけど、
これも一つそういう手法かもしれないです。
SFつながりでもう一冊、野崎真戸さんのタイタンをご紹介したいと思います。
これはですね、AIのタイタンが働いてくれる、
労働になってくれる、だから人間は働かなくて良くなったという未来の世界を描いた小説なんですね。
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車の自動運転がもっともっと進んで浸透したら、
あえて自分で運転したいっていう人が出てくるよねっていう話をどっかで読んだんですけど、
同じように全部仕事も家事もAIがやってくれるのが普通ってなったら、
あえて自分の手で仕事したい、家事をしたいっていう人が出てくるかもしれないなって思いました。
こういう考えながら読まないといけない。
読まないといけないってこともないけど、
未来ものって時間がたっぷりあるときに集中して読みたいから、年末年始向きだなって思いました。
さてさて最後の一冊ですね。最後の一冊はチェ・ウニョンさんの小小の微笑です。
こちらは韓国の小説ですね。
今年は韓国小説、経文学にすごくハマった1年でした。
小小の微笑、これは短編集なんですけど、セオル号沈没事故のことなど出てきたりしてて、
あれは2014年のことだったのかと思って、ずいぶん前のようでもあり、最近のことのようでもあり、
コロナがワッとニュースになったのも船の話からだったなぁと思って、
ダイヤモンドプリンセス号が横浜に着いたのが1月20日とかでしたっけ、
あれが今年最初の大きな出来事で、この1年ですっかり世界は変わりましたね。
今日は最初にご紹介した角田道夫さんの新刊、銀の夜のあとがきから神フレーズをご紹介して終わりたいと思います。
さて30代の半ばになってようやく自分の人生と向き合い始めた彼女たちは、
50歳になった今どんなふうに暮らしているんだろう、
LINEやSNSを若者のように使いこなしているだろうか、
光年期や体の変化とどのように向き合っているだろうか、
どんな人生の局面に向き合わされているのだろうか、
私より少し年下の彼女たちの今をいつかまた書いてみたいとちょっとだけ思う、
と角田さんのあとがきにありました。
なるほどすごいなぁと思って、
15年経ったら主人公たちも15歳歳をとっていて、
私も15年歳をとっている、
角田さんも15歳歳をとっている、
同じ小説でも読む時は自分の年齢によって発せられる光が違うというか、
光り方が違って見えるのかなっていうようなことを思ったりしました。
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面白いですね、書いた人でも、
その主人公にもう手を入れられなくなっているってすごいことだなぁと思いましたね。
さあ今日はこんなところで、
サッピーさんリクエストありがとうございました。
読んでみたいなっていう本が一冊でもあったら嬉しいです。
そろそろお時間になってしまいました。
真夜中の読書会おしゃべりな図書室は、
皆様からのお便りをもとにいろいろなテーマでお話ししたり、
本を紹介したりしております。
みもれのサイトからお便り募集していますので、
ぜひリクエストご投稿ください。
次週12月30日は年末で1週間ちょっとお休みをいただきます。
次回は年明け1月6日の配信予定です。
皆さんどうぞ良いお年を、
その前にクリスマスか、
良いクリスマスを、そして良い年末をお過ごしください。
そして来年も水曜日の夜にお会いしましょう。
おやすみなさい。
おやすみー。
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