真夜中の読書会おしゃべりな図書室へようこそ。
こんばんは、第225夜を迎えました。
今日はお便りのご紹介は、ちょっとお休みをして、
今読みかけの本、これから読もうとしている本をまとめてご紹介します。
今週、週末にですね、三陸球なんで、ちょっと遠出をしようかなと思ってまして、
私が時々やっている、読書のための遠出です。
特急電車とかね、飛行機の中ってすごく集中して読めるので、
特にあんまり予定を詰め込まずに、遠出をする、旅をするっていうのを、
読書のための旅っていうのは時々やってます。
日帰りでも割といいですね。日帰り温泉とかに寄って、ただ帰ってくるっていうだけだったりもしますけども、
三陸球なんで、ちょっと遠くに行こうかなと思っています。
電車に乗っていると、やっぱり他にできることがないから集中できるんですかね。
家だと洗濯物をたたまなくちゃとか、途中でいろいろ用事を思い出しちゃうじゃないですか。
でも、そういう移動時間は、なので翻訳もののミステリーとか、
ちょっと難解な長編小説、あとは純文学みたいな、
気持ちの集中が必要な方法を持っていて、読むことが多いですね。
さて、今回の旅に読もうと予定している3冊、今日はお話ししたいと思います。
何で選んだのか、関連作品のエピソードとか、今日短めにご紹介できたらと思っております。
まず1冊目は、浅井涼さんのインザメガチャーチです。
これはもう今書店さんに行くと、ドーンと積み上がってますから、
読まなくちゃって感じで買ったんですけど、まだちょっと読み始めてなかったんです。
10月に入って、そろそろ私も今年のベストブックを選び始める時期なんですけど、
候補を選んで読み直したりするので、そろそろ選ばなきゃと思ってるんですけど、
これはもう読む前からベストブック日の気配がムンムンしてますね。
浅井涼さんの作家生活、15周年と帯に歌ってありますから、
そして444ページもある厚さから言って渾身のって感じがしていて、
日本経済新聞出版社さんから出てるんですけど、力入ってるなという感じがしますね。
SNSなんかでもすでにいろんな感想を読んじゃったんですけど、
どういうお話かと言いますと、私もまだ読んでないので、
帯とか書評とか、SNSで流れてくる感想とかを総合するという意味の解説になりますけれども、
主な登場人物は3人で、レコード会社に勤めて、
あるアイドルグループの上に関わることになった男性と、
あるアイドルにのめり込むことになる大学生、
それから舞台俳優をかけてたんだけど、その人のある報道をきっかけに、
心境が変わる35歳の女性という3人が主な登場人物のようなんですね。
ファンダム経済をテーマにしているというふうにあちこちで紹介されています。
押し勝つをテーマにしかける側と押す人たちを描くのかなと想像しますけれども、
押し勝つをテーマにした小説って最近とても増えているように感じていて、
でもちょっとそれとは一線を隠すのかなと想像しています。
アサイさんがあちこちのこの本にまつわるインタビューで、
執筆のきっかけとして、インスパイアーとして、アイドルのオーディション番組の話をされていて、
サバイバルオーディションと呼ばれるやつですね。
新しいアイドルグループ結成のための募集をかけて、
候補者がだんだん脱落して絞られていくっていうのを、
ドキュメンタリー形式をかけていくようなタイプの番組ですよね。
私もいくつか夢中になってみたものがありますけれども、
そこにアサイさんは今回水を指しに来たのかって思いました。
アサイリョウさんに、以前ミモレにいたときに、
私がインタビューをさせていただいたことがあって、
その時にアサイさんが、自分は世の中がワッと向かっているものに対して、
水を指すために小説を書いているみたいなことをおっしゃったんですよ。
言い方はうろ覚えなんですけれども、
水を指すっていう言葉にすごいインパクトがあって、
なるほどってすっごい思った記憶がありまして、
僕はその読者の方に共感を得たり、
エンパワーメントをしたい、勇気づけたいというものを書きたいわけじゃなくて、
今世の中で起こっていることを別の角度から物事を見るような大事さを、
自分の役割として生きかせているみたいなことをおっしゃってたのかな。
今はいい気持ちにならない物語への抵抗感が強くなっている気がするけれども、
それに対して自分はレジスタンスでいたいというような話をされていたのがとても印象的でした。
ちょっとその身漏れの記事を探して、
この概要欄にリンクを貼っておきますね。
よかったら読んでみてください。
なので、私はこの本を読む前から、
これはきっとおしかつの講座みたいな単純に描いた小説じゃないでしょうし、
いい気持ちにならない物語なんだろうなぁと予想していました。
確かにアイドルのオーディション番組とかって、
いい気持ちになるっていうか、前向きな熱い気持ちになるための物語化をすごくしている。
最たるものみたいなとこありますよね。
本当にリアルなドキュメンタリーだと思ってみなさん見てないと思うんですけど、
やっぱりすごい切り取り方によって感動しやすいように、
すごく物語化されていると思うんですよね。
ちょっと話が飛びますけど、
陰謀論とか極端なヘイト、外国人の方の排除、ヘイトみたいなことの思想に走ってしまう人も、
物語化に取り込まれているっていう話なのかなと想像したり、
物凄く誰かのファンになるってことと、
誰かに強い嫌悪感を持つっていうのは、
ベクトルが全く違うけど、原理としては同じかもしれないですね。
ということで、ちょっと心して読みたいなと思って撮っておいてあります。
さて2冊目です。
2冊目は佐野ひろみさんの「氾濫の家」という長編小説にしました。
これは講談社から出てるんですけど、佐野ひろみさんのこれも講談社から出ている
「誰かがこの街で」っていう小説がありまして、この前読でもご紹介したかもしれません。
誰かがこの街では、同調圧力の話と言いますか、
高級住宅街の地域の同調圧力、忖度とか暗黙の了解みたいなものが描かれているサスペンスですごく面白かったので、
今回3作品目から買ってみました。
今回の作品は少し郊外の住宅地で、主人公は50代の専業主婦の女性なんですね。
隣の家で殺人事件があったらしいっていうところから物語が始まります。
殺人事件の背景というのを追いつつも、テーマは夫のモラハラでしょうかね。
ガスライティングの話を以前ご紹介したかなと思うんですけど、まさにそういう感じかな。
直接的に暴力振るわれるってことじゃないんだけど、お前は無能だっていうことを態度とか節々に折り混ぜられていて、
相手はちょっとずつ削られていくって感じですかね。
主体的な決断力とか判断力が失われて奪われていくような感じです。
結構読み始めて、読み進めているんですけど、これについては本当に夫の方の嫌な感じがですね、イライラするっていうか、
嫌だなーっていうので、すごいぐんぐん進まなくてですね、ちょっと撮ってありました。
でも反乱ってタイトルにあるからには逆襲するのかな。
それはまだわかんないんで、読みかけですが、すでにすごく面白いので大事に撮ってるって感じです。
さて最後は綾木明美さんのアザミという中編小説です。
これも講談社からですね。
これは超新刊です。群蔵新人文学賞受賞作が単行本になったばかりという感じです。
これはなんで買ったかっていうと、想定がすごい可愛いんですよ。
それで会社の売店で買いました。
会社には売店があって、ちょっと安く自社の本が買えるんですね。
しかも社員だと給料転引で買えるので、これは結構私会社の特権としては一番嬉しいメリットかもしれません。
なんでバタ屋さんはそんな気前よく新刊買えるんですかってよく聞かれるんですけど、
自社本の場合は給料転引で買えるっていうのは大きいかもしれないですね。
給料転引ヤバいですよね。なんかお金を払った気がしないっていうところが。
まだ本は2000円ちょっとぐらいですから、ついつい買いすぎちゃってもあれですけど。
お洋服とかね、テクノロジー関係の商品とかだと、どんなに買ってしまうんだろうと自分のことを思っちゃいますね。
このアザミという小説は、新聞社の講演を仕事にしている主人公のその名もアザミさんが、あるアイドルがすごいバッシングされているっていうのを見たりして、
ちょっとSNS中毒的な話のようですね。
著者の綾木さんご自身が報道系の講演のお仕事を実際にされているということに興味を持ちまして買いました。
これはだから、今のお仕事の実体験と近いものを書かれているんだろうなと想像するんですけど、
またこの次にどんなものを書かれるのか、楽しみな作家さんが増えるといいなと思って読み始めています。
しかしですね、私は文芸の編集者じゃないですし、講演者でもないですし、かつて見惚れとかフラウとかで雑誌に行った時に、
インタビューをするために、この日までにこの人の本を読んでおかなくちゃということも結構あったんですけど、
そういう環境では今はないので、読まなきゃ、何日までに読まなきゃっていうのは特にないんですよ。