真夜中の読書会〜おしゃべりな図書室〜へようこそ。
第251話を迎えました。 今夜のお便りをご紹介します。ペンネームあわたさんからいただきました。
バタやんさん、こんばんは。 こんばんは。 いつも楽しみに聞いています。
本のリクエストではないのですが、バタやんさんに聞いてみたくてお便りしました。
先日紹介された会社と社会の読書会が面白そうだったので、
図書館から借りて読み始めました。 買うと積読にしてしまいがちなので、図書館で借りています。
しかし、いざ読み始めてみると、内容が難しくてなかなか読み進められません。
普段興味のある小説や軽めの文体の新書ならすらすら読めるのですが、
内容が難しめだったり、勉強目的の読書となるとかなり時間がかかります。
バタやんさんは、お仕事でご自身の好みに限らず、期限内に読まなきゃいけないことがあったと思うのですが、
どう読み切っていましたか。 読書するしかないような状況でも、内容が難しいと眠たくなってしまいます。
期限内に読み終えるコツなどを話していただけたら嬉しいです。 といただきました。ありがとうございます。
そうですね。今は好きで読んでいることがほとんどですけれども、
編集者だったときは、限られた時間でたくさんの本を読まなきゃいけないとか、
あるいは、どなたかにインタビューをするお話を聞くというときになると、
その日までに何冊か読まなきゃいけないということはとてもよくありましたね。
あとは、淡田さんも書かれている通り、図書館で借りている本は返却期限がありますもんね。
私がそんなふうに、期限内に読まなきゃいけないというときに実践しているコツを、
今日はちょっとお話ししようかなと思います。
ちょっといつもと違うところで撮っていて、お聞き苦しかったらすみません。
期限内に本を読むために実践しているコツは3つあります。
まず1つは持ち歩くこと。
2つ目は独立を目標にしないこと。
3つ目は文脈をつなげるということです。
1つずつちょっと簡単にご説明しますね。
まず1つ目はとにかく本を持ち歩くってことなんです。
まとまった時間に思うって思うと思うんですけど、
私が悟ったのは、大人にまとまった時間っていうのは一生やってこないっていうことなんですよね。
まとまった時間っていうのは幻想で、大人にはなかなかまとまった時間っていうのはなくて、
すべては断片的な隙間の時間の積み重ねなんだなと思っているんです。
だから今日とにかく読めるか読めないかは置いといて、
持ち歩く、ちょっとした待ち時間とか移動時間とか隙間の時間に、
数ページだけでも文字を視界に入れるっていうのを繰り返して、
結構面白いなって、乗ってきたらゆっくり時間をとって読めるかなって感じですね。
今日もせっかくなので、
本を一冊貸し出しカードをしたいと思います。
今夜の勝手に貸し出しカードは、
山口周さんの新刊コンテキストリーダーシップ、
最高の上司と最悪の上司は文脈で決まるという本をご紹介します。
リーダーシップの本、私はリーダーでもないし、
経営者でもないし、
ちょっと難しそうだなと思われたかもしれないですけど、
ちょっと聞いていただけたらと思います。
この本、ビジネス書リーダーシップ論の本ではあるんですけども、
私たちがなぜ物語を小説とか教養とかに触れる必要があるのかっていう、
まさに読書の意味みたいなことが、
一番私が読んだ中ではしっくりくる形で書かれた本だなと思って、
今日ご紹介したいなと思いました。
まず簡単にこの本の元の趣旨、本当の趣旨をご説明しますと、
理想の上司、最高の上司としてよく褒めたたえられるのは、
部下に仕事を任せるっていう行為をありますよね。
マイクロマネジメントはあまり推奨されないっていう、
ちゃんと部下に任せて成長を流すのが理想の上司っていう風に言われがちですけれども、
その行為自体は状況とか意図とか、
普段の部下との信頼関係とか、文脈コンテキストがどうであるかによって、
同じ行為をしたとしても、部下から任せてもらえている最高の上司だって思われることもあれば、
丸投げして放置する最悪の上司だって受け取られる可能性もあるっていう。
だからその事実、行為があって解釈があるんじゃなくて、
先に解釈の枠組み、つまり文脈があって、
そこに事実が流し込まれて意味が生まれるっていう論理なんですね。
それすごく面白いなと思って納得だし、
仕事を任せる時の、これはあなたに任せるよ、その判断を任せるよとか、
やり方は任せるよっていう言い方をしたとするじゃないですか。
その行為とかその文章自体が最高の上司か最悪の上司かっていう意味付けを持つんじゃなくて、
それまでの関係性とか、それまでの仕事のやり取り、
この人は任せたけれども、後々ちょっと難しい局面になったら巻き取ってくれる人だなっていう過去の経験があるとか、
本当に任せっぱなしで取引先に激怒されてもお前のせいみたいな感じに扱う人であるとかっていう過去の経験とか、
そういう文脈があるわけですよね、お二人の関係性の中には。
それによって意味が生まれるっていう話なんですよ。
それはその通りだなと思って。
だから多くのリーダーシップ論とかリーダー、理想の上司みたいな本は行為をレクチャーしていることが多いけど、
行為が大事なんじゃなくて、そこに至る文脈をちゃんと作るっていうことが大事だって話かと理解しました。
さらにコンテキストには3つのレベル階層があってという話でちょっと難しくなるんですけど、
短めに説明しますね。
1つ目はミクロコンテキスト、2つ目はメソコンテキスト、3つ目がマクロコンテキストっていう3層ありまして、
ミクロコンテキストっていうのは個人、日々の人間関係、信頼関係とか組織の空気感みたいなもので、
メソコンテキストはもうちょっと組織とかキャリアとか中間的な文脈です。
マクロコンテキストは時代とか経済とか歴史、テクノロジーの進化というような大きい流れ、大きい文脈ですね。
これらのコンテキストに則って優秀なリーダーという人はビジョンを考えた時に、
ビジョンを発表するっていうことに意味があるんじゃなくて、物語の中の意味付けをちゃんと編集するっていうことなんだと。
山口さんはこのナラティブ、物語、意味付けを作れる人が優秀なリーダーであると。
常に優れたリーダーっていうのは、上からビジョンをバーンって発表するだけじゃなくて、組織のコンテキストとか個人の文脈を読み解いた上で、
自ら参加したくなるような物語を提供する、編む人であるっていうふうなことが書かれている本でした。
リーダー論として読んでも面白かったですし、人を教えたり束ねたりする立場になったりとか、部下との関係性とか、子供、お子さんとの関係性に悩んでいるという方にもぜひ読んでいただきたいなと思ったんですけど。
山口さんの本、私好きですごくいろいろ出る度に気になってチェックしてるんですが、
山口さんはたびたび経営者はアートとか教養が必要だってことをおっしゃっていて、ビジネスショーとかだけじゃなくて小説とか物語も読んだ方がいいと言ってるんですけど、
でも実際すごい忙しいのに、なんで小説読んだり映画見たりドラマ見たり漫画読んだりする必要があるのかってちょっと思うじゃないですか。
それに対する答えが今回明確に示されていて、なるほどと思ったんで、今日はそこを紙フレーズとして読みたいなと思います。
人が生成する物語は、その人がそれまでに触れてきた物語に大きく影響されることになります。
私たちは文学をはじめ漫画やドラマや映画といったフォーマットで様々な物語を楽しみますが、それらの物語の中で擬似的に体験したコンテキストを自分の中にため込むことで、
自分の人生という物語のコンテキストを理解しようとします。
これはつまり何を言っているかというと、数多くの物語に触れるということは、それだけ人が共感する物語のコンテキストのパターンを自分の中にため込んでいくことにほかならないということです。
先ほどミクロとかマクロとかメソコンテキストっていうのはあってっていう話をしたんですけれども、
ミクロコンテキストっていうのは家族とか夫婦とか同僚とかの関係性だったりして、
メソはもうちょっと大きく括った親族とか地域とかコミュニティを含んだ文脈だと想像します。
マクロコンテキストは時代とか経済とか世論がこうなっているとか、
昔は許されていたことが今は許されないとか、
この国とこの国が戦争したり、一触即発になっている背景とか、
大統領が変わると今までこうだったことがダメになるとかっていうことには全て文脈があるわけですよね。
それらを全部全部理解することは難しいけど、
小説とか漫画とか映画とかドラマとかで、
擬似的に体験した文脈がたくさんあれば、
私たちは現実のその文脈を解釈したり、理解したり、共感したりする助けになる。
ちょっと想像がつくぐらいにはなれるってことですかね。
それは時に間違うこともあると思うんですけど、
違う文脈で生きてきた人たちのことを理解しようっていう補助戦にはなりますよね。
例えば考えが相入れないとか、
意見の合わない上司とか取引先とか、義理の家族、親族とかがいたとしても、
それぞれにはそれぞれの方の文脈があって、そういう考えに今至っている。
それが正義だっていうふうに思っているっていうコンテキストがあるから、
完全に共感はできなくても、それぞれにたどってきたコンテキストが違うんだなって思うだけで、
ちょっと許せるというか、ある程度納得できることはあるのかなと思いました。
ちょっと話が抽象的になっちゃったんですけれども、
そういう意味でたくさん議事的に物語に触れるっていうのは、
自分の人生の解釈の幅を広げてくれるということで、
とても有意義な価値のあることなんだなと改めて思ったのでした。